「テレビショッピング好き」は、テレビ"以外"のメディアでも攻められる?〜攻略法をクロスメディア視点から模索してみた〜
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テレビショッピングでモノを買うのが楽しい人へのアプローチ方法
先日、職場の先輩と休憩中に雑談していたときのことです。
美容について話しているときに、先輩(30代)が愛用している美顔ローラーの話になりました。
先輩は、その美顔ローラーをテレビショッピング(テレビ通販)で衝動買いしたとのこと。
あるとき、たまたま朝早く目覚めたのでテレビをつけるとテレビショッピングをやっており、番組を見るその瞬間まで美顔ローラーが欲しいとはまったく思っていなかったのにもかかわらず、紹介されていたその商品を気に入り、その場で検索して購入したのだそうです。
もともと使う予定がなかった美顔ローラーでしたが、いざ使ってみると「なんだか効果がありそう」と思い始め、今は毎日お風呂につかりながらコロコロさせているとのこと。
「番組を見るまでは全然欲しいなんて思っていなかったのに、ああいう風に紹介されるとつい色々買っちゃうのよね」
その先輩は他にも様々なジャンルの商品をテレビショッピングで買っており、テレビショッピングでの購買が趣味となっているようです。
このように、老若男女問わず「テレビショッピングでモノを買うのが楽しい人」は世の中に一定の割合でいるようです。ネットで「通販好き 芸能人」と検索すると、著名なタレントの名前がずらり!テレビショッピングでモノを買う人たちをテーマにした番組やまとめサイトも多数出てきます。
ここで、普段から広告とマーケティングについて考えている筆者はこんなことを思いました。
「テレビショッピングで扱う商品の"宣伝"をテレビ以外で行うには、どんなウマイやり方があるのだろうか??」
"テレビ"ショッピングと、文字通り番組ジャンル名にも"テレビ"というメディア名が入っていますが、新しい商品・サービスを出せば、テレビ、雑誌、SNSやバナー、交通、新聞・・・とクロスメディアで宣伝するのが一般的となった今の時代においては、"テレビ"ではもちろんのこと、他のメディアからもアプローチできる方法があるのかもしれません。
そこで今回は、前述の「テレビショッピングでモノを買うのが楽しい」先輩のような人たちを、テレビショッピング関心者/購入経験者とし、"テレビ"以外も含めたさまざまなメディアからアプローチしていく方法を考えてみます。
<検証1>街中での広告(交通・屋外・店頭)では?
図1
【図1】では、一般の方と比べ、テレビショッピング関心者がより「よく見る」街なかの広告(宣伝)をランキング化したものです。
※ここで言う「テレビショッピング関心者」とは、「関心を持って見る広告の種類」に「テレビショッピング」をあげた人をさします。
まず目につくのは、1位と3位の「デモンストレーション」です。
食材がくっつきにくいフライパンや、こびりついた汚れを落とす洗剤など、実際にデモをしながら販売している商品はテレビショッピングでも紹介されている商品も多いことから、親和性が高いことは容易に想像しやすいことかと思います。
前述の「先輩」は、たまたまテレビで見たことをきっかけに美顔ローラーを購入していますが、彼女は「その番組が見たい」と思ってテレビを点けたわけではありませんでした。
デモンストレーションは、リアルな空間での"長尺動画広告"ともいえます。このような"動画"コンテンツには、動きや音声・めまぐるしく変わるシチュエーションや効果音などのメリハリ・そして綺麗に練られたシナリオ(ストーリー)がしっかりしているので、動画を受動的に見ている人に対しても、イメージ醸成や態度変容を起こさせるパワーがあるようです。
さらに、特徴的な傾向として2位の「電車内のドア上広告」と5位に「電車内のドア横ステッカー広告」があがっています。これらの広告も、1つの広告内に占める情報量としては少なめではありますが、手持ち無沙汰になりがちな電車内で自然に目に入り、かつ、時間をかけて眺めることができることから、こちらも広告がたまたま目に付くことで、気になった商品をついつい凝視してしまう様子がうかがえます。
<検証2>インターネット広告では?
続いて、インターネット広告ではどのような攻め方があるか見てみましょう。
バナーや動画広告に代表されるディスプレイ広告で効率的に配信を行うには「配信ターゲット」の設定が肝要となるのは皆さんもご存じのとおりです。
通常、配信ターゲットを絞り込む際は、その売りたい商材やカテゴリの関与状況(購買意欲がある、似たような商品を検索している・・・など)を切り口にすることが多いですが、テレビショッピングは様々な"モノ"を扱っているので、切り口にどのようなものを設定したらいいのか?というところでつまずいてしまいます。
そこで、別の切り口として、「テレビへの関与」についてみてみると、テレビショッピング関心者は
・テレビの視聴絶対量が多い
・有料放送チャンネル(スカパー、WOWOWなど)の視聴可能率が高い
ことが分かりました。(【図2】)
図2
さらに深堀りしてみましょう。たとえば「有料放送チャンネル」視聴可能者で見てみると(【図3】)、実際にテレビショッピングで商品を購入した経験も多かったり、購買力も高そうとかなりテレビショッピングとの相性がよさそうです。
図3
【図3】の結果を見ると、「有料放送チャンネル」が視聴可能なる人へインターネット広告を配信したら、とてもよい反応が返ってくることが期待できそうですね。
以上のような「テレビへの関与」という切り口を使ったターゲティングは、当社と共同で取り組みを行っているソネット・メディア・ネットワークス社(SMN社)提供の広告配信ターゲティング
「テレビ視聴者ターゲティング」内の以下のセグメント【図4】を利用することにより、実現可能です。
図4
このようなターゲティング方法であれば、「フライパン」や「洗剤」など、特定の商材にこだわらずともテレビショッピング関心者に効率的なインターネット広告配信ができそうです。
<検証3>立ち返って、テレビでは?最適枠分析で見てみると...
ここまでテレビ"以外"のメディア・宣伝方法での囲い込み方法を考えてみましたが、テレビショッピングの主戦場は「テレビ」です。
ですので、最後に、テレビで"より効果的にアピールできる方法を考えてみました。
図5
テレビでより効果的にテレビショッピング関心者がにアプローチしていくには、彼らがよく見る曜日・時間帯・テレビ局にテレビショッピングを流すことが大切です。
今回は、テレビショッピング関心者の中でも、さらに関与の高い「過去1年以内のテレビショッピング紹介商品購入経験者(以下、テレビショッピング購入経験者)」に絞り込んで分析してみました。
【図5】では、当社保有のテレビとネットの関係を把握するシングルソースパネルである「VR CUBIC」を利用し、あるテレビ局Aにおけるテレビショッピング購入経験者がよく見ている曜日・時間帯を示しています。赤系の色味が濃くなるほど、その曜日・時間帯におけるテレビショッピング購入経験者の含有割合が高い=この枠に番組・テレビCMを流すと効率よくターゲットリーチできる「効率的な枠」であることをあらわしています。
結果は非常に特徴的で、深夜〜早朝は全般的に「効率的」、朝〜昼が「非効率的」とはっきり色分けされていることが分かります。
27時台は、月〜木曜日と土曜日が非常に「効率的」なのに対し、夜遊びに出かける人が多い金曜日と、次の日から会社が始まるので早めに就寝することが多い日曜日は非常に「非効率的」なのも面白い傾向ですね。
また、他曜日では「非効率的」ですが土曜日だけ「効率的」になる朝8時〜10時台も特徴的です。たとえばテレビショッピング事業者の方が新たにタイム提供でのテレビCM出稿や番組枠を検討される際には、このようなデータをご活用いただくことで、同じ1回の出稿でもより効率的にターゲットリーチを獲得することができるようになります。
おわりに
今回は「テレビショッピング」をテーマに色々な方法でのアプローチ方法を考えてみましたが、当社では皆さまの企業で提供している各種商品・サービスのマーケティング支援を他にも様々な形で行わせていただいております。
当社でのマーケティング支援についてご興味をお持ちの方は、以下よりお問合せいただくか、下記リンクをご覧ください。
※本記事で紹介した仕組みを使用し、当社の各種調査にご協力いただいている方々へ直接広告配信を行うことはございません。
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