W杯、「どこで」「何で」見た?VR CUBIC調査から見る、「日本代表戦の見られ方」と「インターネット経由での観戦の今後」
前評判を覆す日本代表の活躍、スター選手擁する強豪国敗退の波乱など、世界中が熱狂した2018FIFAワールドカップロシアから2週間。皆さんはどのように楽しまれていましたか?
毎晩テレビに釘付けで寝不足だった方、飲食店やパブリックビューイングで日本代表を応援した方、周りの盛り上がりは知っているけれど自分は・・・な方も含めて、関わり方は様々だったことと思います。
筆者自身は大会前、日本代表監督のつもりで先発11人&交代3人を熟考し、大会が始まってからは飲食店で友人と盛り上がったり、自宅ではテレビとスマホで2試合を同時に観戦したりしてW杯を満喫しておりました。
今回は、VR CUBIC※パネルへのアンケート調査の結果から、日本代表の試合を見た方がどのような観戦スタイルだったのかを探っていきます。
(その前に、日本全国で日本代表戦はテレビでどのくらい見られたのか?の確認はこちらから↓
『2018 FIFAワールドカップ ロシア』 日本代表戦テレビ生中継4試合
日本全国で推計約8,014万人がリアルタイム自宅内テレビ視聴
4試合合計: 延べリアルタイム自宅内テレビ視聴者数は推計約1億7,458万人
〜『テレビ視聴率調査』から全国の「総視聴者数」を推計〜)
1.日本代表戦は「どこで」「何で」見られていた?
日本戦観戦者全体の15%が「自宅内・テレビ」以外で観戦経験あり
日本代表戦を1試合以上観戦した人を観戦者全体と定義し、この人たちが試合を「どこで」「何で」観戦したかを調査しました。(複数回答可)
「自宅で」かつ「テレビで」観戦した人は観戦者全体の97.4%、それ以外の方法(「自宅以外」または「テレビ以外」*1)で観戦した人は15.2%でした。両方での観戦経験がある人は12.6%でした。(図1)
(図1)「自宅内・テレビ」とそれ以外の場所・モニターでの観戦状況
(N;日本代表戦いずれか観戦者)
「自宅内・テレビ」以外での観戦経験者のうち、83.0%が「自宅内・テレビ」でも観戦しており、多くの場合、複数の見方を組み合わせて日本代表戦を観戦していたことが分かります。
*1...自宅以外:「飲食店」「パブリックビューイング」「友人・知人宅」「移動中」「その他」
テレビ以外:「パソコン」「タブレット」「スマートフォン」「テレビ以外の大画面モニター」
「その他」
自宅外観戦は21時キックオフのコロンビア戦で最も多い
飲食店・パブリックビューイングなど「自宅外」観戦の割合は21時キックオフのコロンビア戦が最も高く、試合の時間も観戦スタイルに影響を与えていることが分かります。(図2)
(図2)自宅以外での観戦者の割合 ( )内は試合開始日時
インターネット端末での観戦は3時キックオフのベルギー戦で最も多い
放送局が試合の生中継をインターネットで配信したこともあり、パソコン・タブレット・スマートフォンなどのインターネット端末で観戦された方もいらっしゃったかもしれません。
「テレビ以外」での観戦を細分化し、「パソコン」「タブレット」「スマホ」での観戦状況を確認してみると、日本代表戦のいずれかの試合をインターネット端末で観戦した人の割合は7.3%でした。試合別で見ると、ベルギー戦が5.4%と最も高くなりました。(図3)午前3時のキックオフだったため、寝室などでインターネット端末を利用する人もいたかもしれません。
(図3)パソコン・タブレット・スマートフォン(いずれか)での観戦者の割合 ( )内は試合開始日時
2.インターネット経由での観戦、今後は?
放送局の試合中継配信サービスの認知度は5割
今大会では、NHK・民放各局がそれぞれ無料で試合の生中継をインターネット配信したことをご存知の方もいらっしゃるかと思います。今後のスポーツ観戦において要チェックな放送局による配信サービス、認知度と利用状況はどうだったのでしょうか。ここからは日本代表戦の観戦に限らず、大会全体におけるサービス全体の認知・利用状況を見ていきます。
今大会の間で、(日本代表戦に限らず)放送局の試合中継配信サービスを「利用した」人は10.5%、「知っているが利用していない」人は37.8%で、約半数がサービスを知っていることになります。(図4)
図5は、放送局の試合中継配信サービスの利用者に日本代表戦の観戦状況を聞いた結果です。サービスを利用した人の6割が日本代表戦4試合をすべて観戦していることから、現時点ではコアなサッカーファンがこのサービスのメインユーザーといえそうです。
(図4)放送局の試合中継配信サービスの認知・利用状況(NHK・民放の配信サービスいずれか)
(図5)放送局の試合中継配信サービス利用者の日本代表戦観戦試合数
観戦者の2割が「ネット経由で試合が見られるのは便利」と感じている
W杯におけるテレビとネットに対する意識を見てみると、試合結果の確認は「ネットよりテレビ」という結果で、ここでもテレビのパワーがうかがえます。毎日複数の試合が行われていた中で、スコア以外にも、ハイライトなどで各試合のいいところをまとめて見られるテレビに、よりニーズがあったと言えそうです。(図6)
一方、インターネット経由での観戦については、観戦者の18.2%・全体の15.0%が「ネット経由で試合が見られるのは便利」と思っていることが分かりました。先に示したとおり、放送局の配信サービスを利用しているのは全体で10.5%でしたから、現在の利用者以上に潜在層がいるといえます。(図6)
また、(筆者のように、)「テレビで中継を見ながらスマホ等でライブ配信を見る」といった人も少数ながらいて、今後は、例えば同じ時間に複数の競技・種目が行われるオリンピックなどで、テレビとインターネット端末の併用が進んでいくかもしれません。(図6)
(図6)W杯に関する意識
今回の結果から、テレビとネットの併用は、より豊かなスポーツ観戦体験を生み出すものだということが分かりました。
ビデオリサーチでは、今後も、デバイス・放送・配信などの視聴形態を問わず生活者の視聴行動を捕捉し、より正確なコンテンツパワーの測定を目指してまいります。
<アンケート調査の概要>
・調査利用パネル :VR CUBIC
・調査手法 :インターネット調査
・調査地区 :関東1都6県(東京・神奈川・千葉・埼玉
・茨城・栃木・群馬)
・調査期間 :2018年7月3日(火)〜9日(月)
・調査サンプル数 :3,079s
・調査対象者 :男女15−69才
※「VR CUBIC」はサービスを終了しました。
お問い合わせ |