「APIとは?」今さら聞けない!基本の『キ』
日々急速な進化を遂げるデジタルマーケティング業界。
皆さんも、毎日のように各社から発信されるニュースで最新情報をキャッチアップしたり、実務上デジタルマーケティングに関わることも多いかと思います。
このコーナーでは、皆さんがニュースや業務で触れるデジタルマーケティングに関する多くのサービスで頻繁に目にする・・・けれども、"基本"であるがゆえ、詳しく説明されることが少ない「単語」や「仕組み」について、初心者にもわかりやすく説明していきます。
API=プログラムを別の何かと"つなげる"ために存在するもの
APIは、
Application(アプリケーション)
Programming (プログラミング)
Interface(インターフェース)
を略したものです。
Interface(インターフェース)とは、直訳すると「接点」「接触面」という意味で、インターネット業界では、異なる2つの何かを"つなげる"ために存在する場所やルール、規約のことをさします。 たとえば、パソコンとマウスを"つなぐ"際には、マウスに付属するUSBをパソコンに差し込みますよね。 この「USB」の差し込み口および、差し込む部分が、パソコンとマウスなどのパソコン周辺機器という2つの異なるものを"つなげる"ためのインターフェースです。
つまりAPIは、「あるアプリケーション上のプログラムを、別の何かと"つなげる"ために存在する仕組み」を意味します。
ここでいう「別の何か」にはいろいろあるのですが、デジタルマーケティング業界で登場するのはほとんどが「別の何か=インターネット上のサービス」を指し示しています。
この、インターネット上のサービスと"つなげる"ためのAPIを「Web API」と呼びます。
私たちの身近なところでWeb APIはたくさん使われている
Web APIは「あるアプリケーション上のプログラムを、インターネット上のサービスと"つなげる"ために存在するもの」・・・なんだか堅苦しくてわかりづらいので、具体的にどの様なところでWeb APIが活用されているのか、いくつか身近な例をあげてみましょう。
たとえば、みなさんは、こんなものを見かけたことはありませんか?
■個人経営のカフェのHPで、「店舗地図」情報が「Googleマップ」で掲載されている
これは、「Googleマップ」というプログラムを、カフェのHPと"つなげる"ためのWeb APIである「Google Maps API」が使われることで実現しています。
また、
■一般人がつづるブログの記事上で、「YouTubeの特定の動画」がそのまま再生できる
これは、「YouTube動画を見せる」というプログラムを、ブログ記事と"つなげる"ためのWeb APIである「YouTube API」が使われることで実現しています。
【参考】
「Google Maps API」詳細ページ
「YouTube API」詳細ページ
注意しなければならないのは、たとえばYouTubeが「YouTube API」を公開しているからといって、どんなプログラムやソフトにもボタン一つで簡単にYouTubeの動画を取り込めるわけではない、ということです。
APIから提供されるのは、基本的には「動画そのもの」ではなく、「動画を見せるためのプログラミング言語情報」です。
ちょっと難しいかもしれませんが、これをアンケート調査に置き換えると、APIが提供してくれるのは「パッと見でわかる、きれいなグラフ」ではなく「ローデータ」です。ローデータから"集計"を行って、"グラフ化する"にはExcel等の利用スキルが必要なように、APIから提供される情報を加工して自社のシステムやツールに取り込むには、JavascriptやHTML5等の利用スキルが必要となります。
※APIによっては、プログラミング言語がわからない一般の人でもわかるようにボタン一つで簡単に欲しいデータを取り込めるようにしてくれていることもあります。
APIとASPの違い
当社では数多くのASPサービスをお客様に提供しています。そのためか、お客様や社内の人間とAPIの話をすると、「APIは、ASPとはどこがどう違うの?」という声をよく聞きます。
そこで、2つの違いを、当社が提供するサービス「テレビ広告統計(テレビCMの出稿日時やGRP量等がわかる統計データ)」を用いて以下の図で表現してみました。
Web APIを使った場合は、BIツール(※)や皆さんの勤め先で使用している独自システム等に当社の「テレビ広告統計」データを"組み込んで"使うことができるので、「テレビ広告統計」のデータを普段皆さんが扱っている他のデータや情報と一緒に見比べたり、集計したりすることができます。
ASPを使った場合は、当社が提供する専用の「テレビ広告統計データを見ることができる特設Webサイト(ソフト)」に"ログイン"することで使うことができるので、独自のシステム等を持っていなくても、インターネット環境さえあれば「テレビ広告統計」のデータを集計したり、まとめたりすることができます。
(※)BIツール・・・Business Intelligenceツールの略
くわしくはこちら
APIの重要性は高まるばかり・・・なぜか?
前項で「APIとASPの違い」について説明しましたが、APIの良いところは「自分たちが使いたいWebサービスに、別のサービスを取り込めるところ」です。
これによるメリットは、大きく2つあります。
①:イチから新しいプログラムやソフトを作る必要がない 【開発者側から見たメリット】
たとえば、カフェのHPを作りたいと思ったとき、イチから店舗地図を作ろうと思うと、相当な労力やスキルが必要になってしまいますが、Googleマップを使わせてもらえるならAPIと連携させるだけで手配できます。
②:1つのサービス上で複数のサービスの情報が見られる 【利用者側から見たメリット】
カフェのHPを見に来た人は、同じHP上でGooleマップを見ることができます。わざわざ別途でGoogleマップのアプリを立ち上げる必要がないので、使い勝手がよいと感じるでしょう。
めまぐるしく成長していくデジタルマーケティング業界においては、とかくスピードが求められます。上記①は開発スピードのUPにつながり、②は日々確認しなければいけない業務に関する情報を見る時間の短縮につながる(複数のサイトを開いたり、ASPで集計しなくても1つのサービスに日々確認すべき情報をまとめられる)ことから、デジタル関連のサービスでAPIの重要性が高まっているといえます。
そして「Google Maps API」のようなAPIの"提供側"から見ても、APIを利用してもらうことでGoogleマップそのものの利用が増えるというメリットがあります。様々なサービスが日々新しく誕生していく業界の中で、いかに多くの人に自社のサービスを使ってもらうかと考えたときに、APIでの提供もサービスを使ってもらうための「選択肢の1つ」として用意する企業が増えてきたともいえるでしょう。
いかがでしたか。
API(Web API)は、プログラムやソフト、サービス同士を"つなげる"ための仕組みですが、データそのものを"つなげる"ための仕組みにも知っておくべきものがたくさんあります。 ご興味をお持ちの方は、以下もぜひご覧ください。
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