スマホが変える?シニアの「お買い物」動向に注目〜Senior+/exサマリーレポートより
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シニアのインターネット利用、PCとスマホが同率に
ここ最近、シニア層への普及が加速しているスマートフォン(以下スマホ)。
当社シンジケートデータSenior+/ex(ACR/exの年齢拡張版)では、スマホ所有率の上昇に伴い、スマホでのインターネットの利用率も年々大きく伸び続けています。2018年調査ではシニア全体(55〜74才)で前年より10ポイント以上増の64%。PCでのインターネット利用率が64.2%でしたので、ほぼ並んだことになります【図1】。
年代別にみると、スマホよりPCでのインターネット利用率のほうが高いのは70代のみでした。50代後半ではすでにスマホがPCを上回り、60代ではほぼ拮抗しています。
図1.デバイス別インターネット利用率推移
シニアのスマホでのショッピングじわじわ拡大中。女性が牽引?
シニアのスマホでのインターネット利用目的は、検索や地図、メールだけに留まらず、ショッピングにも拡大しています。主なショッピング系サイトの利用率を時系列で確認してみたところ、スマホからの利用はシニアのどの年代でも伸び続けていることがわかりました【図2】。
図2.デバイス別ショッピング系サイト利用率推移
※ショッピング系サイト利用率=アプリ、ブラウザ経由問わず、主なECサイトを直近3ヶ月間に1回でも利用した人の割合
特に50代後半の伸びは著しく、2017年25%→2018年32%と、4人に1人から3人に1人の利用に到達しています。60代前半も19%と、ほぼ5人に1人が利用しています。65才以上も、スコアとしてはまだ小さいですが、年々上昇がみられます。
シニアのインターネットショッピングはPCからの利用がまだまだ多いのが現状ですが、その伸び方は頭打ちの傾向にあります。
この理由としては、起動に時間がかからない、利用シーンや場所の制約が少ないといったスマホならではの利便性や、アプリの進化・改善による操作性の向上が挙げられます。しかし、それだけではなく、PCとスマホにおける利用率の男女差も影響していると考えられます。
PCの利用率は男女差が大きく、女性が男性よりも50代後半で10ポイント以上、60才以上では30ポイント以上低いのですが、スマホの利用率には男女差がほぼみられません。むしろ女性のほうが男性を上回る年代もあります【図3】。
図3.デバイス別インターネット利用率(男女別) ※データは2018年4-6月調査
少し前までは「ネットでの買い物は夫にPCで買ってもらっている」と話すシニア女性は少なくありませんでした。そういったPCには苦手意識があるシニア女性でも、操作がしやすく手軽なスマホによって手元で簡単に買い物ができるようになってきたことが、スマホでのショッピング利用率を押し上げている大きな理由と考えられるのです。
スマホでインターネットショッピングをするシニアは、スマホの普及とともに、今後も増え続けることが予想されます。シニアが利用しやすいインターフェイス、購買に導くスムーズな動線の開発やシニアのインサイトや行動を考慮したデジタルマーケティングの実施などがますます大事になってくるでしょう。そのためにも、ひと研究所では、デジタル化が進展していく中でのシニアの変化について、研究を続けていきます。
※ビデオリサーチのシニア研究チーム「VRエイジング・ラボ」では、シニアを55〜74才と定義して分析しています。
※この記事でご紹介したデータは、「Senior+/exサマリーレポート」(基本編・テーマレポート編)から一部抜粋しています。
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