ローカル探訪 「山・海・漬」深夜の再放送が人気!「岩手めんこいテレビ」

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ローカル探訪 「山・海・漬」深夜の再放送が人気!「岩手めんこいテレビ」

県内第3の民放局として1991年に開局した岩手めんこいテレビ。3月21日に放送800回を迎えた看板番組『山・海・漬』では、県下のグルメやドライブ情報、史跡や伝承文化まで幅広く紹介。(毎週土曜日18:30〜19:00、再放送は毎週金曜日24:55〜25:25)

※本記事は2015年3月に発売したSynapseに掲載されたものです。


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岩手めんこいテレビが誇る看板番組の撮影に、シナプス編集部が潜入取材してきました!

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澄み切った青空が心地良いある晴れた日の午後。温かな日差しとは裏腹に、気温はマイナス1度! シナプス編集部が訪れたのは、『山・海・漬』の撮影が行われた1月半ばのこと。岩手県内のさまざまな情報を紹介する『山・海・漬』は、オールロケ番組。30分番組ながら、収録に丸2日間を費やすというから、いかにじっくりと取材しているかが分かる。

番組が今回訪れたのは、宮古市区界にある南部鮭加工研究会の燻製小屋。この地域はマイナス10度になることも珍しくないという極寒地帯で、夕方前にもなると足裏からしびれるような寒さが這い上がってくる。でも、丁寧なつくりこそが番組の命。スタッフ全員がそれを意識しているから、どんな環境でも妥協はしない。

鮭の冷燻ならではのアメ色の艶、しっとりとした身の質感が伝わる角度やライティングを吟味し続ける。番組リポーターの松井実那子さんは「いい画を撮りたい、つくりたいというスタッフの気持ちがすごく強く伝わってくるので、時間が押してもしょうがない、私も一緒に頑張らなくちゃと思います(笑)」と笑顔で話す。

昨年11月の放送では、なんと視聴率21・8%と過去最高を記録! 裏側には番組のクオリテ ィを保つための工夫があった。

「視聴者に分かりやすく見てもらえるように、昨年の春に制作マニュアルをつくったんです。ディレクターが複数人いるので、担当している放送回によって字幕の入れ方、文字色、書体などバラつきがあったんですがそれを統一しました」と、プロデューサーの高橋聡さん。統一したことで、ディレクターも迷いがなくなり番組の練りこみ、テーマ決めや演出の切り口などに時間を割けるようになった。

放送開始当初から岩手県出身のナレーター小野寺瑞穂さんを起用し続けていることも大きい。「小野寺さんの声を聴くだけで『山・海・漬』と認識してもらえるのが強み」と高橋さん。

自然体にこだわり、過剰演出はせず、取材対象をじっくりと粘り強く撮る。視聴者と取材先を第一に考えているからだ。

「地方局は取材先や視聴者との距離感が近いから、求められてるものに応えやすいんです。その強みを『山・海・漬』に生かしています」(高橋P)

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放送開始当初から『山・海・漬』に関わってきた高橋プロデューサー。
番組への思いを直撃!

季節感と自然体以外はなんにも固執せず、新しいことに挑戦。

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プロデューサー 高橋聡さん

大卒後、勤務した番組制作会社で『山・海・漬』の制作に携わる。
2000年、めんこいエンタープライズに入社。
長年、番組ディレクターを務めて現職へ。
『又吉直樹 遠野一景』を制作するなどディレクターとしても活躍中。


放送開始当初から『山・海・漬』の制作を手がけてきた高橋プロデューサー。岩手の海の幸と日本酒が旨すぎる「しまか」で、撮影終了後に酒をくみかわしたよ! ずばり『山・海・漬』で大切にしてることとは?

「まずは季節感。今回の区界での撮影も岩手の冬ならではのもの。次に自然体。取材対象者には無理強いは絶対しないこと。逆にその2つ以外には固執しない。『こうあるべき』からは、新しいものが生まれないからね」

取材先はどう決めるの?

「事前リサーチ! ネタを探してロケハンをする。番組の企画段階ではガチガチにつくりこまないで、リサーチを徹底して、番組をつくっていくんだよ」

大変そうですね......。

「ディレクターがひとりで運転していくんだけど、岩手県の面積は全国2位の広さだから、走 っても走っても目的地が遠くて(笑)。でも岩手県をくまなく取材したいから頑張れるんだ。それに、いいこともあるんだよ。いろんな人と知り合えたり、運転中にいい演出プランが浮かんでくることもあるからね」

工夫していることは?

「担当ディレクターと一緒にオンエア前視聴をするようになったんだ。その担当回を修正するためっていうより、次回以降の番組づくりに生かすためにね。これを取り入れてから制作クオリティが上がったんだよ」


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風通しのいい社風とバラエティ豊かな人材の化学反応こそ、
"めんこい"ならではの強み。

"やってみなはれ精神"で自由な企画を!

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編成業務局 編成部 専任部長 青田 優さん

1995年入社。編成部で番組編成業務に携わった後、東京支社営業部を経て、現職へ。
編成業務のほか、自社PRのスポットCM制作などの企画を立案・実行するなどして、
組織の枠を越えた新たな取り組みを行う。


「設立にあたりフジテレビから15〜20人くらいの方が出向してくれました。その人たちが自由で面白いことは何でもやっていこうという良い社風、"やってみなはれ精神"をつくってくれたんです」と語るのは、編成部の青田優専任部長。

最近ではお笑いタレントを使った『8オシ』キャンペーンを企画して実現させるなど、自身もチャレンジ精神旺盛である。敬愛する新渡戸稲造の特番をつくりたいと情熱あふれる提案をした社員は、特番『スーツを着たサムライ~新渡戸稲造「武士道」伝説~』を実現させて、東北映像フェア2013で優秀賞を受賞したという。

「企画の出口を番組にすることだけはいつも心がけてもらっていますが、あとは年次や部署に関係なく提案してくる社員が多いですし、上司もそれを歓迎しています」

看板番組の強化にも取り組んでいる。

「8年前から『山・海・漬』の再放送を行っているんです。金曜の深夜に放送することで、翌日土曜夕方の本放送とは異なる視聴者層にもアピールすることができました。それと直接関係があるかは分かりませんが、視聴率も上がってきました。これからも色々とチャレンジしていきたいですね」

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