AbemaTV 「会社は学校じゃねぇんだよ」が若者に大人気!【鈴木おさむのWHAT’S ON TV ? 】〜 狭く刺して大きな揺れを起こす! 〜

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AbemaTV 「会社は学校じゃねぇんだよ」が若者に大人気!【鈴木おさむのWHAT’S ON TV ? 】〜 狭く刺して大きな揺れを起こす! 〜

【鈴木おさむのWHAT’S ON TV ? 】 第1回

AbemaTVでドラマ「会社は学校じゃねえんだよ」というものを作りました。僕が脚本を書かせていただきました。元々は藤田社長から、Abemaも本格的にドラマを作っていく中で、こんな企画をやりたいと言われたのが、このドラマ。子会社の社長が、実際にこの言葉をブログに書き、結構バズったのだとか。この言葉に引っかかった藤田社長が、これをタイトルに、企業のスタートアップドラマを作りたいと。

若者で就職せずに、自分の会社を立ち上げる起業家はとても増えています。そんな若者起業家たちが話題にするようなドラマを作りたいと。藤田さん曰く、企業のスタートアップドラマってテレビではあまりリアリティーがあるものがないと。だからそのリアリティーを持ちつつ、若者の青春劇にしたいと。ドラマの大筋は藤田さんの体験を織り交ぜながら作っていきました。全8話なんですが、僕は作るうえでテレビドラマだったらギリギリ出来ないことを意識して作りました。例えば1話で上司にカラオケボックスで頭を殴られて、倒れて血を流すシーン。血を流すからこその痛みとリアリティー。

2話で、ある人物に出資を頼んだ時に、床にパスタを落とされて、「それ食ったら出資してやる」と言われ、床に落ちたパスタを食べるシーン。これ、プロデューサーによっては結構嫌がる人もいるはず。他にも結構あるのですが、中でも特に思い切った表現にしたのは、6話で女性の一番手が死んでしまうところです。物語上、絶対こうなったらおもしろい!と思い提案しました。ですが、やはりプロデューサーたちは、「死なずにギリギリ生きていた方が・・・」とか言います。事務所とかいろいろ気にしてのことだというのは分かります。だけど、ここで死んだ方が物語上絶対におもしろいし、逆にそれを演じる人もおいしくなるはず。

そしてその死に方ですが、車にひかれて死にます。ゴールデンのドラマは車のスポンサーが入ってるドラマが多いため、車に引かれて死ぬというシーンがあまり見かけません。病気で死ぬことが多い。だからこそ、突如、車でひかれて亡くなってしまうということをやりたかった。トリッキーなことをやりたいわけじゃなく、絶対その方が話がおもしろくなるから。結果、相当いい物語になったと思います。

そして現在途中まで放送&配信されていますが、藤田社長の狙い通り、若者の間ではネットで結構ハネています。そして若手起業家の間でもかなり話題になっています。テレビはマスを狙います。そしてAmazonやネットフリックスなどのドラマはやはり若者よりも30代以上の人が見ている感じ。無料で見られるこのネットドラマが若者に刺さり始めた時に、少しずつ地殻変動が起きるんじゃないかと思っている。

狭く刺して大きな揺れを起こす! これが必要かなと。

(了)


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