【鈴木おさむのWHAT’S ON TV ? 】 〜「おっさんずラブ」が切り開く、視聴率の先〜

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【鈴木おさむのWHAT’S ON TV ? 】 〜「おっさんずラブ」が切り開く、視聴率の先〜

【鈴木おさむのWHAT’S ON TV ? 】 第2回

ネット系の方と話していると、テレビ界の人との考え方の違いの一つに「視聴率」があります。テレビの世界だと、世の中でどれだけ話題になろうが、結局、視聴率が良くないと評価されなかったりしますが、僕が話したネットの方たちは、ネットや世の中で話題になっていることが大事。つまり、そういう方たちがもしテレビ番組のスポンサーをするなら、視聴率という評価よりも世の中でどれだけ話題になっているかが大事だということになる。

ドラマ「おっさんずラブ」。僕はこのドラマがテレビの歴史をちょっと変えたのではないかと思っています。主演の田中圭とは、これまで舞台を中心に一緒に仕事をしてきたので、このドラマの変な設定に注目してました。そして放送された数日後、僕の周りの女性スタッフが「とんでもなくおもしろい」と叫ぶように言ってました。そしてネットでの評判とツイート数がとんでもなかったのですね。で、見てみたら超おもしろい。だけど、視聴率はあまりよくない。

2話、3話と回が進んでいくにあたり、おもしろさはもちろんのこと、ネットでの盛り上がりが異常なほど熱くなっていく。僕も昨年ドラマを作った時に、ネットでの話題になり方を意識して作りましたが、正直、悔しいかな、とんでもなくバズってるし、熱狂的な空気になっている。が、実際にテレビ朝日の人たちとその話をすると、視聴率は上がってないので、社内評価はあまりよくない的リアクション。え?なんで?こんなに話題になっているのに?

放送回が終盤に差し掛かり、さらに世の中のムードは熱くなっていく。すると、さすがに、テレビ朝日の中でも盛り上がる。最終回前まで視聴率は上がり切ってないけど、評価が急上昇。多分、これは何か理由があるのだと思う。海外での販売がとてもよいとか。映画会社からのオファーが殺到しているとか。何か理由があるのだと思う。

あのドラマはもっともっとマネタイズの方法があると思うし、多分やっていくのではないかと思う。とあるアニメから出たアイドルグループのライブでの物販の売上金額が、二日間で10億円あったと聞いた。それを考えると、「おっさんずラブ」にもそのくらいのパワーがあると思うし、ドラマが終わったから最終回と考えず、映画化とかパート2とか作るだけじゃなく、大きなマネタイズビジネスの成功例を沢山作ってほしいと本気で思う。

そうすることが、視聴率だけではない評価を本格的に作っていくと思う。つまりは大げさではなく、テレビの数年後の未来は、この「おっさんずラブ」のこれからにかかっていると思う。期待!!

(了)

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