見る人も、作る人も楽しめる。そんな番組を20年続けたい〜『八千代コースター』の姉妹番組として始まった『八千代ライブ』にかける思いとは〜 新潟総合テレビ(NST) 制作部副部長 北村芳貴さん

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見る人も、作る人も楽しめる。そんな番組を20年続けたい〜『八千代コースター』の姉妹番組として始まった『八千代ライブ』にかける思いとは〜 新潟総合テレビ(NST) 制作部副部長 北村芳貴さん

新潟総合テレビ(NST) 制作部副部長 北村芳貴氏


NST(新潟総合テレビ)の自社制作番組『八千代ライブ』は、2017年4月の放送開始以来、新潟で異色の番組として徐々に浸透しつつあります。その生みの親が、番組のプロデューサーを務める北村 芳貴さん。
理想とする番組を、限りあるリソースの中で出演者やスタッフと各々アイデアと工夫を凝らし、実現させています。MCであるスーパー・ササダンゴ・マシンさんの力も得ながら「とにかく番組を長く続けたい」と話す北村さんが、『八千代ライブ』にかける思いを語っていただきました。後半にはササダンゴさんにもお話を伺っています。

憧れが、番組制作へのこだわりに

─ NSTにおける北村さんのご経歴を教えてください。

僕は2007年に入社したときから制作部です。他の部署に呼んでもらえないまま11年が経ちました(笑)。入社する前から番組制作を志望していたので、運が良かったなと思います。

─ どういった番組を作りたいと思って入社されたのでしょうか?

フジテレビのバラエティを観て育ったため、あの世界観に強い憧れがありました。新潟で就職したかったので、フジテレビ系列のNSTがいいなと。実際には、ローカル局ではなかなかバラエティ番組を作ることはできないのですが、情報番組の中にも自分なりにバラエティ要素を足していきたいと、入社当時から思っていましたね。

─ 入社される以前、NSTにバラエティ色が出ている番組はありましたか?

2001年から土曜夕方に放送している『スマイルスタジアム NST』というローカル情報番組があり、当時はこの番組がNST唯一の情報番組でした。

その番組で3年ディレクターをやって、4年目にプロデューサーになりました。視聴者の方から主に求められるものがグルメや旅の情報なので、あまりバラエティ要素を盛り込むと視聴率的にも反応が良くないな、と感じていました。それでも、1本のVTRの中に1ヶ所は笑えるポイントを作りたいと思って制作していましたね。

─ もっとバラエティに寄せた番組を作りたいという思いも当然あったのでしょうか。

そうですね。そこで2013年に僕がプロデューサーとして『八千代コースター』という情報番組を立ち上げました。放送時間は土曜の朝ですが、番組説明に「土曜日の朝に相応しくない情報番組」というワードを入れました(笑)。

土曜朝はUX(新潟テレビ21)さんが『まるどりっ!』という伝統ある情報番組を放送していて、後発で同じ時間帯に『八千代コースター』が入ることになったため、差別化をする必要がありました。(※現在、八千代コースターの放送時間は変更されています)

─ 差別化は、どんな点を意識されましたか?

『まるどりっ!』は、1時間の生放送で、ニュース、中継、旅コーナー、グルメが盛り込まれた、王道の情報番組。同じことを後発でやっても勝ち目がありません。かつ、スタッフも限られていましたから、『まるどりっ!』と逆のことをやろう、というくらいの意識でした。

会社からは生放送の指示があったのですが、僕は「絶対に収録で」と考えていました。地方局で収録の情報番組はとても珍しいと思うのですが、同じことをやって視聴者を引き抜くよりも、違う視聴者を引きつけたほうが生産的だと感じたのです。バラエティ要素に加え、ファンタジー要素やコメントフォローを入れる等、生放送にはないテンポの良さも演出できるので、差別化できたのではないかと思います。

─ 「収録にしたい」という思いを、会社にどうやって通したんでしょうか?

先発番組との差別化、それと番組スタッフの少なさ、それらの打開策として提案しました。土曜夕方の『スマイルスタジアムNST』が生放送なので、同じ土曜の朝に『八千代コースター』を生放送でやるのは無理が生じるという事情もありましたね。

『八千代コースター』は放送開始当初から、火曜日の夜に収録しています。地方局の番組はどうしても土日に重なりがちなのですが、火曜日あたりは割と空いていて、タレントも「土日だと営業に出ているけれど、火曜の夜なら出演できる」という方も多いので、うまくハマったなと思います。

─ 番組名である「八千代」へのこだわりは?

八千代はNSTの社屋があるエリアの地名なのですが、実は新潟の方でも八千代の認知度は高くありません。ですので、もっと八千代を知ってもらいたい、そして八千代(永遠)に続いて欲しいという願いを込めました。

周囲のスタッフはあまりピンと来ていなかったようなのですが、慣れればどんな名前でも定着するものですね。

『八千代ライブ』の誕生秘話

─ 『八千代ライブ』は『八千代コースター』の姉妹番組として2017年4月から始まっていますね。『八千代ライブ』はどういう経緯で始まったのでしょうか?

まず、局として夕方のニュースの数字を上げたいという狙いがありました。各局とも同じだと思うのですが、夕方のニュースの数字が上がると、その後のゴールデンタイムも強くなります。本当は月曜~金曜の帯でやれたら良かったのですが、まだその体力がなかったので、週末が良いだろうということから金曜のこの時間帯を与えられました。

とはいえ、新番組を作るとなると、経費面や運用面で考えることが山積みです。かつ、ハード面でも課題があり、番組セットの収容キャパが局内では限界でした(笑)。

そこで、『八千代コースター』の姉妹番組にしよう!と決めました。「八千代」という冠を入れることで、セットが共有できるため、新たに作ったり収容する場を考える必要がないですし、出演者が似通っていてもオッケー、といろいろ融通がきいて効率的です。

あとは純粋に、立ち上げから関わった『八千代コースター』に愛着がありましたし、「八千代」の名前をもっと出していきたいという気持ちもありました。

─ ニュースのボトムアップが目的だったんですね。金曜25時から再放送もありますが、この狙いは?

番組の露出を増やして知名度を上げるため、それと金曜夕方には物理的に観ることができない人たちにも観てもらいたいという背景で始めました。

(左から)出演者のNao☆さん(Negicco)、スーパー・ササダンゴ・マシンさん、水谷悠莉アナウンサー

─ 『八千代ライブ』の制作で意識されたことは何でしょうか?

『八千代コースター』と同様、裏局の先発番組との差別化を意識しました。平日の夕方はローカル情報番組の王者のような番組が放送されている時間帯ですので、スタッフの数の違いや他局が培ってきた伝統を考えると、同じことをやってもおそらく太刀打ちできません。

また個人的な思いとして、子どものころ、学校から帰ってきてもニュース番組しか放送していなくて退屈だった記憶がありました。この時間帯はやはりニュースが多いのですが、『八千代ライブ』では逆にその"ニュース"というテイで、笑いを取り入れるというコンセプトで番組を立ち上げました。

─ 番組の内容や作りの部分で『八千代コースター』との違いはありますか?

『八千代コースター』には長尺のVTRが入っているのに対して、『八千代ライブ』は今でこそVTRを入れていますが、最初はVTRを入れない方針でした。

理由は、純粋にスタッフがいなかったからです。『八千代ライブ』を見た他局の方からは、「タレントをたくさん使っていて豪華だね」と言っていただくのですが、実情は真逆。NSTの場合は今あるもの以上にVTRを作ろうとしたら外注するしかない状況です。VTRって意外と制作するのに費用がかかるんですよね。その費用を出演者に充てようと考えました。新潟の番組でこれだけタレントさんを呼んでいる番組はなかなかないのですが、こうした裏事情もあって結果的に豪華に見えます(笑)。

SNS、イベントで伝わる視聴者の熱量

─ 視聴者は『八千代ライブ』をどう楽しんでいると感じていますか?

僕はエゴサーチが大好きで、ツイッター等を見ていると良い反響が多くて嬉しくなりますね。最近は、街で撮影をしていても「観てますよ」と声をかけていただくことが増えたなというのを、視聴率以上に感じています。

─ 視聴者の反響を特に感じる機会はありますか?

NSTが主催している秋の「NSTまつり2018」で「八千代ライブステージ」という番組のイベントを開催したときは、たくさんの人が集まって本当にみなさん盛り上がってくれて「ああ、愛されているなぁ」と嬉しかったですね。「八千代ライブステージ」は番組でも放送したのですが、イベントでもオンエアでも、どちらを観ても納得していただける内容にしたいという強い思いがありました。

─ 視聴率についてはどのようにお考えですか?

何となく数字が予測できる番組もあるのですが、金曜夕方の『八千代ライブ』は少し勝手が違っていて、自信のある回や有名なタレントさんが出演した回の数字が思いのほか伸びないことや、その逆も大いにあります。金曜夕方という時間帯は視聴者の出入りが激しく、天気等に左右されることもあるでしょうし、ニュース番組の多い時間帯なので、裏で大きなニュースが報道されているとやはりそちらに流れてしまいます。

─ 読めない要素が大きいですね。

ですから視聴率を上げることは一つの目標ですが、一喜一憂しすぎないように心がけています。「結果が出なかった=この内容はダメだ」とは思わないように、判断を焦らずに続けていくしかないのかなと思っています。たとえば僕が中高生だったら、『八千代ライブ』を選ぶだろうという気持ちもありますし。とはいえ、その時間にテレビを見る若い人自体が少ないのも事実。それでも、元々テレビを観ている層に向けたコンテンツを狙っていくよりも、テレビを観ていなかった人が観てくれるようになったら嬉しいですね。

─ SNSやデジタルコンテンツの活用状況について教えてください。

ありがたいことに、ツイッター等で新潟県外の方から「全国放送してください」というお声をいただくことがあります。地上波では難しいので、ネットで同時配信ができるような仕組みが選択肢になってくると思うのですが、まだマネタイズの部分で動き出せないというのが実情です。

また、「新潟県民だから視聴できる」という特別感も大切にしたいです。ツイッターの反応で嬉しいのは、「新潟に住んでいて良かった」とか、県外から来た方が「やっと八千代ライブ観れたよ!」といったツイートをいただいたとき。出演者のひとりであるNegiccoさんのファンで、『八千代ライブ』を観るためにわざわざ他県から車で来てくださって、車の中で観たという方もいらっしゃいました。そういった"特産品"のような感覚を大切にしていきたいです。

─ 飲食店の不人気メニューを紹介する「埋蔵グル次郎くん」や、スーパー・ササダンゴ・マシンさんが街の方に"座右の銘"と"座左の銘"をインタビューする「THE左右の銘」など、変わった企画が多いですが、突っ込み所の多いシュールな作りはSNS向けの戦略だったりもするのでしょうか?

SNSを盛り上げようという意識はなく、付加価値だと思っています。スポンサーに「これだけ人気のある番組です」と示すための手段にもなりますし、スタッフさんも自分たちの番組が好きなので、各々エゴサーチをしてLINEで共有したりしています(笑)。

突っ込み所や余白を残しているのは、僕ら番組側で完璧なものを作ることは難しいので、だったら出演者さんに突っ込んでいただける状態で出したい、出演者さんたちが活きる作りにしたいという狙いがあります。出演者のみなさんが優秀なので、ちゃんと成立させてくださっていることに感謝しかありません。

『八千代ライブ』の攻め方

─ NSTの局内で『八千代ライブ』はどう受け止められていますか?

あまり数字が良いわけではないのですが、続けさせていただいていることに感謝しています。生放送なのでリスクも伴うのですが、自由にやらせてもらっているので、NSTは大らかだなと感じますね。

また、うちの営業部の皆さんが優秀で、提供チェンジ(競合同士が同じ番組にスポンサーにつくのを避けるため、一つの番組でも前半後半などに分けること)が入るくらい『八千代ライブ』を売ってきてくれるので、ありがたいなと思っています。

─ 『八千代ライブ』は、企業の方が出演されることも多いですよね。毎回ユニークな演出で思わず笑ってしまいます(笑)。

企業とのタイアップ企画をやる際も、単なる紹介ではなく何かしら企画、演出を工夫するようにしています。

タレントさんが急に商品紹介を始めるような作りは少し不自然ですよね。なので、企業や商品を紹介する場面でも、何かしら「理由」が欲しいのです。

たとえば、単に「今日は○○さんが××の紹介に来てくださいました」ではなく、「○○さんがお悩み相談に来てくださいました」とか、「カリスマモデルを目指す△△さんが、よりキレイになるために××の取材に行ってきました」といった前フリをして商品紹介につなげる。できるだけ番組になじませたいので、何かしら違う切り口での設定を重視しています。

また、出演していただく企業の方にも楽しんでいただけるような作りにしたいですね。僕は企業タイアップものが割りと好きで、企業側の「伝えたい情報」をいただいたら、どういうやり方でその情報を出そうかと考えるようにしています。

─ そのあたりは『八千代コースター』と比べても『八千代ライブ』は特に攻めていますよね。

『八千代コースター』は今年の4月で担当を外れたのですが、それまでは両方に携わっていたので、意識してそうしていました。まずは番組を知ってもらうことが大切なので、最初は変わったことをして、成熟していくごとにマイルドになっていくというのは、番組の成長の過程で必要なこと。『八千代コースター』は認知されているので一般化していく時期、『八千代ライブ』はまだ攻める時期だと考えています。

「預ける」がポリシーの番組づくり

─ 生放送の現場を見せていただきましたが、みなさん機転が利いた対応で素晴らしかったです。中継も、事前に打ち合わせで細かいところまで決めているんですか?

中継は、完全に中継班にお任せしています。中継するアナウンサーにしても、こちらであまり指示をせずに、本人の個性を出すことを大切にしていますね。

僕は番組を作る上で「あまりこだわりを持たないこと」をこだわりにしていて、スタッフに預けちゃったほうがいいなと思うことが多いです。

─ 「預ける」とは、具体的には?

たとえば今日の放送なら、音響さんが曲でボケを入れましたが、こちらからは何も指示していません。カメラマンさん、スイッチャーさん、ディレクターさんにもあまり指示は出さず、基本的にはお任せです。僕が考えていない発想が出てきたりもしますし、みなさんプロなので任せてしまったほうが、より良い番組が作れるのではないかと思います。

時々ですが、こちらの意図とずれていたときに、あとから「ちょっと違っていたかもしれないですね」と話すことが年に数回あるかないかくらいです。後輩にはきちんと言うようにしますが、僕より年上で優秀なディレクターさんがたくさんいるので、基本的には細かい指示はしていません。

─ 最初からそのスタンスでしたか?

『八千代コースター』が始まったころはスタッフがいなくて、番組のほとんどを僕と今もメインでやってくれているディレクターさんの2人だけで作っていました。ただ、企業紹介やミニ企画のVTRは、僕が全部台本を書いて「これを作ってください」とディレクターさんにお願いするという、「預ける」とは真逆のことをしていました。企業紹介のコーナーにこだわることが他の番組との差別化だと、強く意識をしていました。

実は今でも『八千代コースター』と『八千代ライブ』は、制作会議をやっていません。『八千代ライブ』は、僕と放送作家との電話だけで内容の大枠を決めていきます。企業が絡む部分はバランスが大切なので、僕が台本を書くようにしていますが、フリーな部分に関しては作家さんと少し話し合いをしたら、あとは作家さんに預けて自由にやっていただき、出来てきたものを確認するという感じです。

─ 番組を作る中で、自然と感覚が共有されていったんですね。

生放送で急に流れが変わったりすると、普通だったらよく思わないスタッフさんもいると思うのですが、うちはそういう部分も含めてスタッフさんみんなが楽しんでやってくれるので、とても恵まれた環境だと思っています。

─ 放送前の打ち合わせ風景も、和気あいあいと楽しそうなのが印象的でした。

入社4年目で経験が浅いうちに『スマイルスタジアムNST』プロデューサーになりましたので、僕が指示を出すというよりも、自然とみなさんが助けてくれるような形になっていきました。それがそのまま『八千代ライブ』につながったという感じがしています。台本を出したら各々が自発的に動いてくれるので、みなさんが「自分の番組」と認識してくださっているのではないかと思っています。

スーパー・ササダンゴ・マシンさんという大きな存在

─ ササダンゴさんをMCに抜擢された経緯を教えて下さい。

プロレスラーのササダンゴさんが新潟に帰ってきているという情報を得て「何かお仕事をお願いできないものか」と、面識もないままに電話でオファーをしました。そのときはまだ芸能の仕事ができる状況ではなかったのですが、後々にご縁がつながり現在に至ります。

最初は『八千代コースター』で月1回程のゲスト出演でしたが、演者として素晴らしいことはもちろん、非常にクリエイター気質のある方なので、番組に対するアイデアや企画についての相談もさせていただくようになりました。

─ 番組出演だけでなく、企画や制作まで携われる方ってなかなかいないですよね。

パワーポイントによるプレゼンが得意な異色プロレスラーとしても有名ですから、大きな企画の際にパワポの制作をお願いし、そこから少しずつ中に入ってくださるようになって、『八千代ライブ』を立ち上げるときはガッツリ関わっていただきました。

本当にササダンゴさんは恩人です。MCやクリエイターとしての存在の大きさはもちろん、ササダンゴさんの紹介で東京の作家さんに入ってもらうなど人脈も拡げて頂きました。感謝しかありません。また、ササダンゴさんはもちろん、Negiccoさんなど全国で活躍されている出演者の方々がいらっしゃるので、その関係で来ていただけるゲストの方も多く、今では東京でも『八千代ライブ』を知ってくださっている方がいらっしゃいます。新潟にいながら日本の最前線で活躍されている方たちとつながることができて、とても刺激的ですね。

<番組MCのスーパー・ササダンゴ・マシンさんにもお話を伺いました>

「YL層を開拓する!」ササダンゴさんが思い描く『八千代ライブ』

─ ササダンゴさんにとって、『八千代ライブ』はどんな場所ですか?

テレビというメディアで、ここまで自由にやりたいことを試すことができる場所はなかなかないので、こんなに楽しいことはないと思ってやっています。僕らは最初から「テレビに革命を起こそう」なんて気持ちはなくて、純粋に毎週集まって、肩の力を抜いて楽しめるものを作っているという感覚です。こういう番組をやらせてもらえることは、NSTや社会の寛容さの一つなのだろうなと思っています。

─ 放送開始から1年半が経って、手応えはありますか?

深夜帯の再放送が始まったあたりから、同世代の男性から声をかけられることが増えてきました。先日は「娘は夕方の放送を観て、父親は深夜の放送を観ている」という話も耳にして、いい形だなあと思いましたね。ターゲットを絞って番組を作るのではなく、「八千代ライブが好きな層」を狙っていけばいいんです。年齢、性別、職業問わず、この番組を楽しんでくれる人はみんな仲間だと思っています。"YL層"とでも言いましょうか(笑)。広告代理店やメーカーの方、飲食店の方々にも、「八千代ライブファンをターゲットにした商品です」と、マーケティングに使っていただけるような価値のある番組にしたいです。

─ 今後『八千代ライブ』でやってみたいことはありますか?

まず一つは、長く続けることです。長く続けて、みなさんの中で『八千代ライブ』という存在や、『八千代ライブ』を観ることが生活の中で習慣になってもらえたらいいなと思っています。

それと、ローカル局ならではの小回りの良さみたいなものを利用して、テレビの枠を超えてこのメンバーで作っているものをアピールしていきたいですね。NSTが主催している「NSTまつり」の公開収録やイベントには、毎回たくさんの人が集まって盛り上げてくれます。そういったライブやイベントをもっと増やしていけるといいなと思います。たくさんの人を巻き込んで遊んでいけると楽しいですよね!

「続けていく」ことで見えてくる、番組の未来

─ 『八千代ライブ』をもっと盛り上げていくための展望はありますか?

お客さんと実際に触れ合えるステージやライブ、イベント等を定期的に開催するとか、もっと企業の方と手を組んで盛り上げていきたいという構想は頭の中にあります。

また、ツイッターは付加価値と言いつつも、イベントを開催するとツイッターをやっているファンの方々がたくさん来てくださいます。顔を見ればツイッターのアカウントとなんとなく一致する方も結構いて、そこは『八千代ライブ』の強みだと思っています。

まだ夢物語なのですが、番組絡みの飲食店等も作れたらいいですね。そこに行けば番組に関係している人が誰かしらいて、番組で紹介したものが食べられるとか。

番組の、そしてNSTのファンの方々と強く結びついて、視聴者もコーナーも増やしていきたいです。

─ 『八千代ライブ』が目指すところや最終的な目標を教えてください。

ササダンゴさんと「NSTの"いいとも"を作ろう」「20年続けよう」といってスタートしましたので、まずは長く続けることが目標です。

毎回10%以上の視聴率を取るようなお化け番組になることは簡単ではないので、どちらかというと「付加価値」について考えています。スポンサーさんも数字が高いほうが喜ぶと思うのですが、紹介されたスポットに足を運んでくださる視聴者の数に目を向けると、少し見方が変わってきます。「10人見てくれたけれど2人しか行かなかった」番組よりも、「3人しか見ていないけど3人とも行ってくれた」という側面もあるのかなと。。コアなファンの方々を味方につけて、価値の高い番組にしていきたいですね。

視聴率以外の付加価値を上げていくためにも、定期的なイベント開催やサロンのようなものができないかとも模索しています。もちろん視聴率が一番欲しいですけれど(笑)。

─ ササダンゴさんのお話ともズレがなく、本当に番組に対する思いが一緒なんだなと伝わりました。貴重なお話し、ありがとうございました!

(了)

<北村さんのある日の金曜日>

午前中

朝までに台本を完成させ、出演者・スタッフの分の台本を用意。

13:30~

技術打合せ。

スタッフだけでなく、MCのスーパー・ササダンゴ・マシンさん、水谷悠莉アナウンサーも同席。北村さんの進行で、台本に沿って全体の流れを確認。気心の知れたメンバーでなごやかな雰囲気。

14:00~

出演されるゲスト、企業の方々をお出迎え。

14:30~

リハーサル。

スタッフ、出演者が一堂に会し、オープニングやクイズ企画など放送の一部を場当たりして、発言のタイミング、カメラワーク、立ち位置を確認。

15:55~

生放送。

北村さんは全体の進行を管理。スタッフ・出演者の機転を利かせた対応が随所に光る。

番組も折り返した頃、台本通りだと1分足りないことが発覚!北村さんがその場で巻きの指示を入れて見事時間内におさめて無事終了。

16:55~

出演者で写真撮影して解散!

そのままレギュラーの出演者やスタッフと飲みに行くこともしばしば。


新潟総合テレビ 制作部副部長 北村 芳貴(きたむら よしたか)
2007年NSTに入社。入社以来ずっと制作畑で、NSTの看板番組である『スマイルスタジアムNST』のディレクター、プロデューサーを経て、2013年10月『八千代コースター』を立ち上げる。現在は『八千代ライブ』をメインに、番組制作の第一線で活躍し続けている。

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