【 鈴木おさむ の WHAT’S ON TV ? 】〜 TBSラジオ の新たな挑戦〜
【 鈴木おさむ のWHAT’S ON TV ? 】 第8回
ラジオ界に大きな改革が起きた。
それを行うのはTBSラジオ。二ヶ月に一回行われているスペシャルウィークをやめるというのだ。
ラジオは通常、二ヶ月に一度、スペシャルウィークと言って、その一週間、ゲストを強化したり、スペシャル番組を行っている。スペシャルウィークというのはリスナーに向けた言葉で、聴取率週間。
ラジオはテレビと違って毎日視聴率が出るわけじゃなく、二ヶ月に一度しか聴取率を取らない。だから、そこに合わせて各局、スペシャルウィークを大々的に行う。
僕は19歳の時に放送作家デビューして、しばらくはラジオをメインに仕事をさせていただいたのですが、ずっと疑問に思っていた。
果たしてこの二ヶ月に一回スペシャルにすることで何の意味があるのか?
通常放送がおもしろくないと、スペシャルウィークだって聴かないだろうと。
で、ついに、TBSラジオはスペシャルウィークをやめると。つまりは聴取率のデータが出ても、それを参考にしないということである。代わりに、ラジコのデータを参考にすると。
一応説明するが、ラジコとは、ネットでラジオが聴けるサービス。パソコンでもスマホでも聴ける。今はタイムフリーと言ってしばらくの間は、聴き逃したものも聴ける。
ラジコが始まってから、僕のラジオ聴取時間は一気に増えた。こういう人も増えているだろう。自分でラジオのパーソナリティーもやらせてもらっているが、正直、ラジコがメジャーになってから、聴かれてる感が強まった。
TBSラジオは昨年から平日、ナイター中継をやめて、その時間に、若い世代に向けた番組を置いた。このときも、衝撃を受けた。年輩の人向けでなく、若い世代に向けた編成にしていくという姿勢に。
そして今度はスペシャルウィーク撤廃。
ラジオの聴取率。かなりアナログな方法で調べているらしい。だが、ラジコだと毎日、どれだけ聴いているか正直な数字が出る。そりゃそうだ。もちろん年輩の方はラジコではなく、ラジオで聴いてる方も多いのだろうが、聴取率ではなく、ラジコの数字を参考にしていくというのは、「そういうこと」だろう。
日本のテレビは未だにネットでの同時放送は行われてない。来年からNHKがついに始めると思う。民放もこの2~3年で始めることになると僕は思っている。
そうなると。テレビも同じ問題に直面していく。ネットで放送すれば、その正直な数字が即座に出て行く。
年輩層の視聴者数が多いほど上がっていく視聴率とネットでの正直な数字。
スポンサーが知りたいのはどっちか?スポンサーが買いたいのは、どっちの番組か?
今回のTBSラジオのジャッジを、どこかのテレビ局が数年後に行うことになるのではないかと思う。
おもしろい。
(了)