【 鈴木おさむ の WHAT'S ON TV ? 】〜ドラマの変化と進化〜
【 鈴木おさむ のWHAT'S ON TV ? 】 第9回
年末年始にかなりテレビCMをうっていたNetflix「バード・ボックス」を見た。
サンドラ・ブロック主演の2時間ちょっとの映画だ。映画館では見ることのできない、Netflixだけで見られる映画。
サンドラ・ブロック演じる母親は子供二人と暮らしている。自分含め、目隠しをして外に出て、旅に出る。目隠しを取って、あるものを見てしまと、死んでしまう。絶対に目隠しを取って見てはいけない。という設定が最初の数分で説明されて、一気に引きこまれる。アメリカのテレビドラマ感が映画にフィーチャリングされて、最後まで興奮して見てしまった。
おそらく、視聴者のデータをかなり研究し尽くして脚本も作っているのだろう。映画館とは違う。家で見ているから、ストップされたら終わり。一本でもかなりおもしろいと思って貰えるものが作れれば、その期待値で、お金を払う。
アメリカの有料配信サービスで配信されるオリジナル作品は、徹底的なデータとリサーチをもとにして、作り方をどんどん進化させているのだろう。
日本のテレビドラマ、そして配信サービスで作られているドラマも、このような変化と進化をしていくのだろうか?
日本のテレビドラマ作りは、これから枝分かれしていくのではないか。
家族全員で見る!という作品を作るのは、どんどん難しくなっていくだろうから、その局ごとのターゲットに基づいて、世帯視聴率にこだわるドラマ、若い人たちの個人視聴率にこだわったドラマと、分かれていく気がする。
で、話がちょっと変わるが、「クリード 炎の宿敵」という映画を見た。
「クリード」シリーズの第二弾。あの「ロッキー」でシルベスター・スタローンが演じたロッキー・バルボアが、親友でライバルでもあったアポロの息子のトレーナーになる物語。
作品の一作目である「クリード チャンプを継ぐ男」を見て僕は号泣した。そして今回の「炎の宿敵」では、「ロッキー4/炎の友情」で、ロッキーと激しい戦いを演じたロシアのドラゴが息子をボクシングマシーンに鍛え上げて、敵役として出てくる。
人間ドラマも丁寧に描かれていて、これもかなり泣ける。映画館で僕らのようなおじさんのすすり泣きが聞こえてくる。「ロッキー」シリーズを見てないと楽しめないかと言うと、そうではなく、「クリード」シリーズはそれ単体でも楽しめる物語になっている。
これを見ていて思う。日本のテレビドラマでも、そのうち、この「クリード」的手法で作る作品が出てくるのではないか?
出てきてほしい。
例えば「スクール・ウォーズ」の滝沢先生の息子が活躍する物語。
「101回目のプロポーズ」で最後に結ばれたあの二人の息子が、恋する物語「102回目のプロポーズ」。
「男女7人秋物語」のあの主役二人の娘が、男に振り回される「男女7人冬物語」。とか。
僕ら世代は絶対に一話は見たくなるはずだし、なにより、親がワクワクする姿は子供にとって嬉しいはず。
こういう進化の仕方、してほしいな。
(了)