【 ラジオレコメンダー" やきそばかおる "の I love RADIO】〜頑張る学生を応援してくれる番組〜
ラジオ レコメンダー" やきそばかおる "の I love RADIO 第19回
「てっきり、ドッキリかと思ってました! 静岡放送から連絡があってからも、数日間は信じていませんでした」
と話すのは、「第56回ギャラクシー賞」(主催:放送批評懇談会)でDJパーソナリティ賞を受賞した鬼頭里枝(きとう・りえ)さん。静岡のSBSラジオで10年以上続く人気番組『テキトーナイト!!』のパーソナリティを務めています。通称"キトちゃん"。
DJパーソナリティ賞といえば、過去には久米宏さん、伊集院光さん、横山雄二さん、青山高治さん(横山さん、青山さんともにRCC中国放送アナウンサー)、吉田尚記さん(ニッポン放送アナウンサー)、星野源さん、そして昨年は村山仁志さん(NBC長崎放送アナウンサー)など、錚々たる人たちが選ばれています。
『テキトーナイト!!』は土曜20時から2時間の生放送。
"10代と10代を経験した全ての人へ"をモットーに、適度にテキトーに中高生と同じ目線でつくる"ラジオの学校"。一緒に笑い、一緒に汗をかき、リスナーのために10年、本気で番組を作ってきました。
2019年5月31日(金)には、都内のホテルにて贈賞式が開かれました。
いつもは明るいキトちゃんですが、この時ばかりは緊張。式が始まる10分前になっても「スピーチの内容を考えてない」と焦っていたキトちゃん。
"出番"はあっという間にやってきました。司会の村山仁志さんから名前が告げられると、ステージへ。
明らかに"偉い人"だらけの客席を見渡す余裕もない...といった様子で口を開きました。
「とても緊張しております。静岡から参りました、SBS静岡放送『テキトーナイト!!』のパーソナリティ、鬼頭里枝と申します。
このたびは本当に素敵な賞をいただきまして、ありがとうございます。このトロフィーは、色々な意味で重たくて、ズシリときております」
キトちゃんは、とにかくよく動きます。本来は "とにかくよく働く"という言葉を使うべきですが、仕事が大好きで「私から "仕事"をとったら、何も残らないかも」と言っていたキトちゃん。働かされているのではなく、自ら"動いている"といったほうが正しいのです。
贈賞式の前日も地元の高校の文化祭のインタビュー取材に足を運び、贈賞式が終わると東京に留まることもなく、最終の新幹線で再び静岡へ。
翌日も別の高校の文化祭に赴き、出会った学生を取材するほどのフットワークのよさです。受験当日には学校の校門に巫女の格好で立ち、リスナーにエールを送ることも。
10年間で出会った学生はおよそ2万人。駅員に憧れていたリスナーが、時を経てJRの職員になったり、小学生だったリスナーに子どもが生まれたりと、寮母、いや、寮のお姉さんのようです。
そんなキトちゃんは子どもの頃からラジオっ子。
「子どもの頃は布団をかぶって、深夜ラジオを聴いて育ちました。ラジオのパーソナリティに憧れていた自分が、今、パーソナリティになって10年間番組を続けてきたことで、こんなに素敵な賞をもらえたことに驚いています。
"継続は力なり"ではないけれども、一生懸命に好きなことをやっていけばご褒美をもらえるんだということを、ラジオを聴いている10代のみんなや、一緒に頑張っている全国のパーソナリティのみなさんの明日の活力にしてもらえたらと思っています」
キトちゃんがDJパーソナリティ賞を受賞したと報じられると、全国の放送関係者から、お祝いのメッセージがキトちゃんに寄せられました。それを受けてキトちゃんは、こう話します。
「全国で頑張っている女性のパーソナリティがたくさんいるから、私のあとに続く人が出てきてくれたら...」
以前、キトちゃんに「フリーでやっていくには、どういう立ち位置にいるのがいいですか?」と訊いたところ、「10人いたら、8番目くらいの位置ですね。目立つとよくないから(笑)」とキトちゃんらしい答えが返ってきました。
キトちゃんは静岡のテレビ番組でもおなじみです。中継先ではカニや人魚、カッパなどの格好をしています。カニやカッパはこの上なく目立っていますが、あくまでも、三枚目を演じることがポイントだとか。
全力で仕事に立ち向かう姿に影響されて、キトちゃんの背中を追っているしゃべり手も数多くいます。アナウンサーやフリーのパーソナリティから(もちろん、スタッフからも)、信頼を得ているわけです。
余談ですが、ギャラクシー賞の効果は絶大で、番組の公式ツイッターのフォロワー数も、番組のスポンサーも増えました。
「ラジオは距離が近く感じられて、例えば、大好きな菅田将暉さんがすぐそばにいるような気持ちになれるのもラジオのよさ。SNSが発達した今、ラジオを聴きながらみんなで盛り上がることもできて、ラジオの未来って、すごく明るいと思っています。本当に素敵な賞をありがとうございました」
スピーチでは、リスナーや歴代のスタッフにも感謝を伝えました。
第56回 ギャラクシー賞 主催:放送批評懇談会
私は『テキトーナイト!!』の5月のある回を密着取材しました。放送当日、15時をまわった頃から、ディレクターと一緒に静岡市内の繁華街に立ちます。
「実地調査は非常に大事!」「一度話したら、みんな友達!」というキトちゃん。
タピオカの店にできている大行列を横目に、学生のカップル、部活帰りのグループなど、ノリの良さそうな子を瞬時に見定めてロックオン。キトちゃんは自然な足取りで近づき、明るく声をかけます。その様子は、ふわふわと花に近づくモンシロチョウのようです。
学生との接し方のポイントは、会話のなかで分からない用語が出てきたら、「どういう意味?」と訊くこと。知ったかぶりをして、大人ぶらないことが大事だそう。
この日は、2時間半で6組のコメント収録に成功しました。
そのうち、1人の女子高生(かよこさん)には、両親の許可を得てスタジオ出演してもらうことになりました。かよこさんは街角で絵を描いていました。道行く人の似顔絵を僅か3〜4分ほどで描きあげます。いわば絵を描く修業です。横尾忠則さんを尊敬しており、"そっくりに描く"というよりは、顔の特徴を捉えてポップに描きます。
美術部に所属しているわけではなく、あくまでも独学。普段は男子バレーボール部のマネージャーをしています。明るくてコミュニケーション能力抜群。修業は4月に始めたばかりですが、2ヶ月で100人以上を描いたそう。
美術大学に行って将来は海外でも活躍...といいたいところですが、両親の反対もあり、来春に就職する予定です。
絵の職に就かないことを「もったいないなぁ〜」と何度もキトちゃんが言ったのは、いうまでもありません。「絵は趣味に留めておきます。週末に描くとか」とかよこさん。
「絵は色々な人を描いています。ついこの前も、家族連れの3人を描きました...」
放送では、学校生活についてキトちゃんが根掘り葉掘り訊き出しました。キトちゃんは、進路や美術に関する真面目な話をしたかと思いきや、大好物の恋愛話も引き出します。
「彼氏はいるの?」
「いないんです〜」
「え? 嘘でしょ! 絶対にモテるよね」
「本当にいないんです〜」
キトちゃんは、学生の心をくすぐるように接します。リスナーはSNS上で「"高嶺の花"っていうことかな?」と勝手に盛り上がります。こうして、出演時間はあっという間に過ぎていきました。
それから時間が経過すること、およそ30分。
かよこさんが、スタジオの様子を見ながら休憩していた時のことです。思いがけないメッセージが紹介されました。
「今、放送を聴いていて驚きました。私は、この間、かよこさんに描いてもらった3人組の家族の者です。絵って、部屋の片隅に置いていても飾ることまではしないのですが、かよこさんが描いた絵は飾りたくなって、額縁を買って飾りました」
メッセージは一文字ずつ、丁寧に綴られていました。
目頭を熱くしていたかよこさん。
なにげない土曜の午後。街角で絵を描いていたら、ラジオ局のパーソナリティに声をかけられてラジオ出演。絵を描いた相手からお礼のメッセージが届く...。
そんなことが起こるとは、かよこさんは予想だにしなかったでしょう。
素敵な経験のきっかけをつくった『テキトーナイト!!』、キトちゃん、そして、かよこさんの未来に栄光あれ...。
『テキトーナイト!!』 のように、学生の背中を押す番組はたくさんあります。当連載でも「若者が主役のラジオ番組はこちら!」として10代向けのワイド番組を中心に紹介したことがありますが、今回は学生の夢を応援する番組や、学生の憧れる人が出演する番組を紹介します。
・アーティストのアドバイスがもらえる番組
4月にスタートした『GOLDEN PASS』(J-WAVE 日曜 23時〜23時54分)は、ダンサーの菅原小春さん、きゃりーぱみゅぱみゅのアートディレクションなどを担当する増田セバスチャンさんなど、海外で活躍する著名人を招き、生い立ちや海外でのエピソードを根掘り葉掘り訊き出します。
と、ここまではトーク番組ではよくあるコンセプトですが、この番組ではJ-WAVEの大学生・専門学生のコミュニティ・サークル「J-WAVE WACODES(ワコーズ)」のメンバーで、海外進出を考えている学生が、本人に直接悩みを相談します。
頑張る学生のエピソードを聞きながら「その気持ち分かる!」と共感したり、アドバイスをしたり。ゲストのほうが「最近の若者はしっかりしてる!」と感心することも。学生に対して、ゲストが優しい眼差しで接しているのが伝わってきます。
また、大学生応援コンペ企画と題して「海外で活動がしたい」という、強い希望をもった大学生を募集。スタジオでプレゼンをして勝ち残ったチャレンジャーには、番組から海外活動費まさに"GOLDEN PASS"が贈呈されます。
ナビゲーターの藤田琢己さんが、緊張気味な学生を優しくサポートしている点もポイント。
同じくJ-WAVEの番組『SPARK』(月曜〜木曜 24時〜25時)では、とりわけ、ポルカドットスティングレイのヴォーカル・ギターの雫さん(火曜)に注目。
ポルカドットスティングレイは2015年に福岡で結成。2017年にメジャーデビュー。2019年7月には武道館で単独ライブを行うことが決まっている4人組バンドです。
ものすごい速さで階段を駆け上がっています。雫さんはほとんどの楽曲の作詞・作曲やミュージックビデオの構成も担当。もともと大のゲーム好きで、ゲーム制作のディレクターもしていました。学生時代はロンドンに留学していたこともあり、英語の発音のうまさは聞いていてため息が出るほどです。
番組では音楽、ゲーム、アニメに関することから、英語の勉強の仕方まで、10代からの質問にどんどん答えています。ライブではギターをかき鳴らしているものの、ギターの練習を本格的に始めたのは20歳を過ぎてからでした。
「実はよく分からないコードがあるの」「ライブで失敗したら、顔でごまかせば大丈夫(笑)」とあけすけに話す雫さんは、リスナーにとってよきお姉さんであり、憧れの存在です。
アーティスト自ら音楽を解説する番組といえば、TOKYO FM『SCHOOL OF LOCK!』(月曜~金曜22時~23時55分 ※金曜22時55分まで)もおすすめ。なかでもTOKYO FMの『サカナLOCKS!』(金曜 23時23分頃から『SCHOOL OF LOCK! UNIVERSITY』内で放送)では山口一郎さんが、音楽について話します。
例えば、以前の放送では"なぜ米津玄師の『Lemon』が大ヒットしたと思うか"というレポートをリスナーに送ってもらい、リスナーの見解を交えて解説するユニークな企画を行なっていました。
山口さんはリスナーから寄せられた質問にも、愛をこめて、優しく、細かく、時にはシビアにアドバイスします。偉大なるミュージシャンなのに、ラジオを聴いていると、一対一で話をしている感覚になるから不思議です。およそ15分のコーナーなので、時間が短いのがもったいない。
静岡のSBSラジオ『Jam9 MUSIC SCHOOL』(火曜 21時〜22時)にも注目。静岡出身、"現役のミュージシャン&クリエーターが解説する、音楽の楽しみ方"をコンセプトに、最新の曲から懐かしい曲までイチから解説します。
丁寧な番組作りで、例えば「ライブハウスとドリンクの謎」「スタンディングライブの心得」「ハモリの作り方」などのためになる話から、アニメの楽曲解説まで幅広く展開。リスナーを置いてけぼりにしない点がポイント。
Jam9は楽曲提供も行なっており、第57回日本レコード大賞優秀作品賞受賞。共演しているCLEEM MIKUは、メジャーデビューを果たしたばかり。『COUNT DOWN TV』でも紹介されました。
FM FUKUOKA『松隈ケンタの「スクランブル ロック シティ」』(水曜 20時25分〜20時55分)の松隈さんは、BiSH、BiS、中川翔子のほか、数多くのメジャーアーティストに楽曲を提供。新進気鋭のサウンドチーム「SCRAMBLES」の代表でもあります。
注目は、楽曲制作のお悩みにこたえる「サウンドクリニック」や、リスナーから募集している楽曲にコメントをする楽曲添削コーナー「スクランブルプレイリスト」。本気で音楽で飯を食っていきたい人にとっては、かゆいところに手が届くようなコーナーが満載。
分かりやすくアドバイスをするほか、たくさんの音楽に触れている松隈さんならではの本音が飛び出すことも。ちなみに「スクランブルプレイリスト」のコーナーでは、決して巧いとはいえなくても、オリジナリティ溢れる楽曲が届くと、大いに関心を示すことがあります。
α-station(FM京都)『BREAK ON THROUGH』(日曜 23時〜24時)は京都のロックンロールバンド「片山ブレイカーズ&ザ☆ロケンローパーティ」のヴォーカル、片山尚志さんが中心となり、中高生の音楽活動を紹介。京都の音楽スタジオmusic studio hanamauiiと連携して、京都の中・高校生の軽音楽部を応援しています。
ゲストのインタビューにしっかりと時間を割いているのも嬉しいところ。音楽関係者に"17歳"の頃を振り返ってもらうコーナーも。片山さんの「中・高生のみんなに、どんどん活躍してほしい」という思いがヒシヒシと伝わってきます。
月曜の23時からは再放送をしていますが、構成と最後の曲を変えています。ちょっとしたことのように思えますが、手間がかかっています。
番組のツイッターでは「もっと話題になってもいいはずやのに あんまり話題にならない謙虚さが素敵とよく言われます」とツイートしていました。通常よりもツイートの数が多いと喜んでいることもありますので、ぜひ、皆さまも拡散を...。
・学生が一緒に作る番組
東海ラジオ『高校ラジオクラブ』(月曜 21時40分〜21時50分)は、ラジオに出たい高校生を募り、選ばれた人は1ヶ月を通じて出演します。スマートフォンから手軽に配信ができる時代ですが、番組に出演した高校生がまず驚くのが放送機材の充実ぶり。
「こんなに立派な機材がたくさんあるんですか!」と興奮。アナウンサーを目指している人から、声優を目指している人まで登場し、週替わりのテーマで自分をアピールします。
この番組を知ったきっかけはさまざまですが、なかには「高校生 ラジオ 求人」で検索したところ「高校ラジオクラブ」が出てきたため、応募したという女子高生もいました。トータルすると40〜50分は出演していることになるため、実は贅沢な企画ともいえます。
宮城のDate fm(エフエム仙台)『飛び出せ高校生諸君!』(木曜 20時〜20時25分、20時30分〜20時55分)は30年以上続く、Date fm最長寿番組。宮城県内の高校の放送部が制作します。学校によって若干雰囲気が違っているのがミソ。緊張気味の高校生が、ふとした悩みや恋愛トークをきっかけに盛り上がり始めるところも初々しいです。
長渕剛さんを"講師"に迎えて「飛び出せ高校生諸君! 長渕剛の課外授業」をライブハウスで行ったこともあります。ライブはもちろん、高校生からの悩みに真っ向からアドバイスしました。
FM PORTで5月に始まった『SHOW! presents 「GGラジオ」』(毎月最終金曜 24時〜25時)は「SHOW! 国際音楽・ダンス・エンタテイメント専門学校」音楽ビジネス科1年生が企画・制作・出演する番組。タイトルもみんなで決めたそうで"GG"は「GoodでGreat」からきています。
全員が2000年生まれ! 新潟を拠点に活動を続けるアーティストをゲストに迎えます。憧れのアーティストを前に、興奮気味になっているところが新鮮。学生ならではのコーナーの展開に期待です。
山梨のFM FUJI『みらいterminal』(金曜 18時45分〜18 時54分)は地元で活躍する若者にインタビューしています。
Kiss FM KOBE『大阪芸短 presents ハイスクールノオト』(土曜 8時〜8時15分)は、サウンドクルーの永田早紀さんが兵庫県内の学校を訪問。クラブ活動を紹介しながら、学校(クラブ)をアピールするラジオCMをつくっていきます。
以前の放送では、部員が少ない野球部をPRするためのCMをつくったことも。手間がかかっています。
熊本のRKKラジオでは『GWEEENとはばたけHEROES!!』(金曜 23時〜23時30分)と『Yabaらじ!』(土曜 21時〜22時)を放送。『GWEEENとはばたけHEROES!!』は放送6年。中華首藤、渡辺大輔さん、悠木はるかさんが、頑張っている中高生を応援する番組。
注目は取材対象の目新しさ。スポーツで活躍する学生はもちろん、盲学校のアンサンブル部、ボランティア活動に勤しむ学生など、しっかりと取材して学生の生の声を届けます。アーカイブの記事からも「なんとかして、この学生にスポットを当てたい」という思いが伝わってきます。
学校の先生から学生にメッセージを贈るコーナーも。ストレートな言葉が刺さります。『Yabaらじ!』は高校生がパーソナリティに挑戦。リスナー、"助っ人"役のアナウンサーと一緒に番組をつくっていきます。ワイワイと賑やか。
また、以前にも紹介したことがある番組では、大分のOBSラジオ『とりまラジオ』(月曜〜木曜 16時40分〜17時)は、ラジオカーのレポーターが街で出会った下校中の学生にインタビュー。生放送で部活や恋愛の話を訊き出します。
鹿児島のMBCラジオ『岩﨑弘志のてゲてゲハイスクール』(日曜 13時〜14時)は、毎回ひとつの学校の生徒数人が登場。学校で行なっている活動や流行していることなど、岩﨑アナがうまく引き出します。生放送なので、現役生や卒業生からメッセージが届くこともあり、なんともほのぼの。
・憧れの職業に就いている人の言葉が聴ける番組
広島FMで4月にスタートした『江本一真のゴッジ』(月曜〜木曜 17時〜17時54分)では、広島を盛り上げる若者を紹介するコーナー「ゴッジメン」を放送。ある日の放送では広島出身のダンサー 、AYA SOFIAさんが出演。
AYAさんはDREAMS COME TRUEのツアーで8年ほどバックダンサーを務めたり、AI、湘南乃風のライブのオープニングやサポートダンサー、EXILE MATSUの舞台ツアー、乃木坂46や倖田來未のライブの構成のサポートをしています。江本さんがリスナーの立場に立ちつつ、短い時間で訊きたいことをどんどん引き出してくれます。
江本さんは、5歳から高校卒業までサッカー漬けだったという元サッカー青年。DAZNのJリーグ中継でも活躍しています。
"広島FMのお祭り男"とも呼ばれ、担当番組は常にテンションが高めですが、聴いていると疲れるどころか、逆に元気が出てくるから不思議です。
FM- NIIGATA『新潟の若者達の番組』(日曜 25時〜25時30分)はタイトル通り、新潟で活躍する若者を招き、仕事や活動の内容を村井杏さんがじっくりと訊き出します。例えば、普段は店員として働いていますが、実はキャラクターショーのMCや、ポールダンサーとしても活躍している若者が出演。
番組のゲストは明るい人が多く、取り組んでいる仕事を楽しそうに話すのが印象的。日曜深夜の放送なので、聴けば月曜からの活力になるかも...。
・16歳による、大人も顔負けの番組がスタート
既に活躍している高校生の番組も始まりました。InterFM897では、要注目の16歳のトラックメイカー、SASUKEさんの番組『SASUKE's konnichiwa Radio』(火曜 23時〜23時30分)がスタート。SASUKEさんは愛媛県出身、5歳でダンスを始めて、6歳の時には「GarageBand」を使って音楽制作をスタート。
「GarageBand」は大人でも使いこなすのが難しいアプリです。10歳の時にアポロシアターの「アマチュアナイト」で優勝。14歳の時に原宿で披露した路上パフォーマンスが話題に。
今年、4月1日に元号が「令和」に変わることが発表されるやいなや、およそ2時間で新曲『新元号覚え歌』を制作。YouTubeで公開すると、大いに話題となりました。「新しい地図 join ミュージック」が歌う新曲『#SINGING』も手掛けました。
SASUKEさんは5月にJ-WAVEの番組で、水曜日のカンパネラのトラックメイカー、ケンモチヒデフミさんと対談しました。20歳年上のケンモチさんもこの経歴に脱帽。
2人は20歳の年の差がありますが、SASUKEさんは楽曲制作のセオリーや、音楽業界の未来、最新の機材について、大人も顔負けの話をしました。
『SASUKE's konnichiwa Radio』の注目は「今日の機材」のコーナー。音楽機材に関して "マニア"といってもいいほどの知識をもっているSASUKEさんが、気になる機材を解説します。その詳しさは、大人の音楽家も唸るほどハイレベル。
5月には「今日の機材スペシャル」と題して、機材のプロフェッショナルと一緒に30分にわたって機材を紹介する企画も行われました。プロフェッショナルからみても「この子はヤバい」と思うレベルだそうです。
リスナーからは、「こんな曲を作ってほしい」という希望も届きます。大人になるとアイデアが浮かびにくくなりがちですが、SASUKEさんは溢れ出てくるそうです。
そのほか、既に紹介したことがある番組では、現役高校3年生が将棋の面白さを伝える『女流棋士水町みゆの、まるで将棋だな』(LOVE FM 第1・3日曜 14時45分〜15時)、富山県の中学生がラジオドラマに挑戦する『西村まさ彦のドラマチックな課外授業』(FMとやま月曜~木曜8時30分~8時40分 )などもあります。
学生を応援するラジオ番組は、まだまだたくさんあります。個人配信ではないこと、また映像がないからこそできる企画の種もたくさん詰まっています。
<了>