【 鈴木おさむ の WHAT'S ON TV ? 】2020年、テレビで求められるもの
【 鈴木おさむ の WHAT'S ON TV ? 】第21回
今年はテレビ界にとって、かなり激動の年になるだろう。
視聴率の取り方、発表の仕方はさらに変わるだろうし、ネットでの同時放送もついに始まる年になるだろう。それと同時にNetflixなどは日本で当てるコツを見つけただろうし、芸能人はさらにYouTubeを始め、もちろん淘汰されるだろうけど、その中でビッグヒットも出てくるだろう。
そんな中で、思うことがある。
僕的には、テレビでは「これ!これ!」が求められるんじゃないかと思う。
昨年放送された、木村拓哉さん主演の「グランメゾン東京」。
あれ、回を重ねるごとに街中でグランメゾンのことを話題にしている人が増えていった。しゃれたバーで、20代のカップルも「キムタク、格好いいよね~」と言っていた。まるで「ロングバケーション」や「GOOD LUCK!‼」が放送されていた頃のように。
グランメゾンが成功したのは、やはり"木村拓哉らしさ"に振り切ったことが要因だと思う。
「木村拓哉、格好いい!」というポイントにスタッフが立ち返って作ったんじゃないかと思う。僕は同じ年だが、やっぱり今回ドラマを見て「格好いいな~」と思ってしまうし、木村拓哉のすごさって、男同士で集まった時にも「グランメゾンのキムタク、格好良くない?」と話し合えてしまうところだ。
ドラマの物語も含めて、そう見せていく。だから、30代40代、木村拓哉ドラマで育った人は「これ!これ!」という気持ちになったのだと思うし、30代40代の人がそう言ってると、必ずそれは若い世代にも伝染すると思う。
俳優さんには、「スタータイプ」と言われる人がいる。
その人達は当たり役やハマり役がしっかりある分、「何やっても変わらないよね」と言われたりして、その評価から避けたくて、その俳優さんに合わないようなものをやってしまいがち。その気持ちもわかる。
だが、今回、グランメゾンを見て、スタータイプと言われる俳優さんたちは、その人しか出来ない役をテレビドラマで思いっきりやっていただきたいと思った。
武田鉄矢さんが校長先生をやって、今の若者にどう向き合うかとか、やっぱり見たいし。
山口智子さんがドラマに出るなら、50代女性と30代男性の、年の差のドキドキ出来る恋愛をやってほしいと思ってしまう。
織田裕二さんだって、あの年なりの熱い役をやってほしい。
若い世代の俳優・女優さんにもスタータイプっていて、そういう人にもテレビドラマでしか出来ない「これ!これ!」をやってほしいんですよね。
とにかく「これ!これ!」と言いたいのだ。
ドラマだけではなくバラエティーも。「これ!これ!」と声を挙げて言える物を作るのがテレビのソフトにとって大切で、ネットでは作られないものなんじゃないかなと思った。期待。
<了>