【 鈴木おさむ の WHAT'S ON TV ? 】生活行動を変えるほどの番組
【 鈴木おさむ の WHAT'S ON TV ? 】第29回
現在、ドラマ台本の執筆中です。テレビ朝日で10月31日より放送予定の「先生を消す方程式。」というドラマで田中圭君主演です。
東大進学率が結構高い高校があり、僕の知り合いのA君はそんな学校に通っていました。こういう学校の生徒は先生より勉強が出来てしまうので、先生を追い込むようなケースもあるらしいんです。授業中、間違いを指摘したり、授業を聞かなかったり。それで心が病んでしまい、辞めていく先生がいたと。そんな学校を舞台にした教師モノがおもしろいなと。
田中圭君がそんな学校に赴任してくるところから始まる物語。
言ってしまえば「先生モノ」なんですが、全部の物語を通して、ある仕掛けを作っていまして。テレビ朝日も、田中圭君側も、よくOKしてくれたなと思います。
テレビドラマ、沢山作られていますが、いよいよ視聴率だけが評価の対象ではなくなりましたね。TVerで視聴された数はもちろん、トレンドの上位に入ってる言葉とか見ると、ドラマを見たくなります。
僕のドラマはテレビ朝日で土曜23時台。なので、もちろん視聴率が低いのは嫌ですが、それ以上に、どれだけ話題にするかが勝負かなと思っています。話題になれば、そのあとのTVerでも視聴されるし、話題になれば結果、リアルタイムに戻って来るだろうと。
今回、7年ぶりに「半沢直樹」の新作が放送されましたが、あの頃とテレビを取り巻く状況は大きく変わっています。日本ではNetflixもまだ始まっていなかった。YouTubeもこんなブームになっていなかった。テレビを視聴する人ももっと多かったはず。
その中で、視聴率はもちろんですが、放送中から毎回トレンドを独占しています。
そしてすごいのは、見逃し配信をしてこなかったところ。最終回直前になって全話見逃し配信をしていたものの、この時代に、リアルタイムで見させよう!という根性が凄い。
僕の知り合いで20代のIT企業の社長がいて、その会社は全員20代で、社長は友達と一緒に住んでいる。そんな人たちが半沢直樹見たさに、テレビを買ったというんですから。毎回「面白くて仕方ない」というんです。彼らがこんなにまでテレビに熱狂することはなかったはずなんです。この時代にそれをさせたというのは、素晴らしい功績だなと思ってます。
と同時に、超面白かったら、テレビを買ってまでも見るんだなと。
今現在ドラマの脚本を書いている自分としては、中途半端な作品を作りたくないなと。バットを長く持ち、ホームランかとんでもない空振り。空振りだとしても、その空振りの仕方で話題になるような空振りを!それを合言葉にして作っています。
テレビを買ってまで見たくなる作品を作ることは出来るんだと。そしてドラマだけでなく、バラエティーも。
もしかしたら地上波バラエティーにもシーズン制を導入していけば、とんでもなく熱の高いものが生まれるのかもしれない。1シーズン10本。評判が良かったものだけ、シーズン2以降を作っていく。
ゴールがないからバラエティー。だけど最初からゴールを作りバラエティーを作って行けば、今の時代に、怯えることなくもっと大振りしたバラエティーが増えるのかもしれない。
<了>