「大分朝日放送」ガーデンスタジオ建設でイメージ一新
[ 大分朝日放送 ]
※本記事は2015年に取材したものです
大分朝日放送 代表取締役社長 上野 輝幸(うえの てるゆき)
九州朝日放送の取締役をへて、2010年6月から現職。
「系列を超えてどなたでもウェルカムです。見学にきてください!」
就任以来、数々の改革を推進してきた上野社長。
ここでは改革の一部をご紹介します。
昨年、開局20周年にあたって社屋をリニューアル、屋外型スタジオの"ガーデンスタジオ5"の建設、そして記念イベントの開催など様々なことをされていました。何を成し遂げようとされたのでしょうか?
上野社長 :全社一丸という姿勢を打ち出すことですね。みんないうんですよ、全社一丸とか全員で・・とか。でもどこも実際やってないじゃないか!と思っていました。だから記念イベントは全従業員でやれと言ったんです。東京支社・大阪支社も全部来て、全社一丸で成し遂げました。
自然の風を感じられる屋外型スタジオ
リニューアルされた報道センターも特徴的ですね。
上野社長 :真ん中に柱があってかわった報道センターです。KBC時代に報道部長を6年やっていたんですが、反省会だとか、打ち合わせのときに報道部員に対してどうやったらメッセージが伝わるか考えていました。
で思ったのは物理的な構造だと。普通の平場の報道センターだと伝わりにくいんです。そこで参考にしたのが大学の講義室です。階段になっているから話が伝わりやすいんですよね。それが円になればさらに伝わりやすくなって、意思の疎通がしやすいくなると思って、この構造になったんです。
コンセプトは"NASA"の管制センター、 中央の柱を中心に円形に設計されている
ガーデンスタジオ5は撮影スタジオとしてだけでなく地域の方にも開放されていらっしゃいますよね。
上野社長 :ありがたいことに、町内会の人が自分たちの庭みたいに落ち葉を拾ってくれています。それ以外にも毎日いろんな人がくるんです。だから従業員もこれまでとはぜんぜん違う人と接するでしょ。そうすると段々変化が出てきて。こられたお客さんに挨拶をするようになってきたんです。
そういうのが自然に身についてきた。いい会社になりつつあるなと実感しているところです。そういう風土みたいなものが結果的にうちの財産になるんです。
ガーデンスタジオ5に併設されている社食
「金様の鍵」もガーデンスタジオ5で生放送
編成業務局 編成部長 後藤 淳一(ごとう じゅんいち)
編成、報道、営業を経て現職。 編成の方針は「1.過去データに基づくこと。2.テレビの前に座っている人を想像すること」。 大分で唯一の自主制作深夜番組「JOKER DX」。視聴率は毎年伸び続けている。制作秘話を後藤部長にうかがった。
「JOKER DX」
企画・演出・MCに至るまで面白くなければスグ打ち切り?!
「おおいた」の色んな人、モノ、場所をユル〜く紹介する"実験的"深夜番組です。
金曜深夜の人気番組「JOKER DX」は編成部で企画されたんですよね?
後藤 :そうなんですよ。この春から担当を制作部にうつしたんですけど、もともと編成部が担当していた珍しい番組なんです。"ゆるい"番組が受けるといわれてますが、この番組もゆるいんです(笑)。
企画された意図は?
後藤 :大分では深夜番組が一時期はやってましたけど、大分の局から深夜番組がなくなっちゃったんで、新しく作ろうと思ったんです。狙いは二つありました。一つ目は再放送用にコンテンツ化すること深夜番組なんだけど朝でも昼でも見られる番組にしたかった。だからよくある騒がしかったりエロだったりってのはなし。
もう一つは"大人"が見る番組を作るということ。深夜=若者みたいな構図があるけど、実際には夜更かしする"大人"って多いんじゃないのかな?って。いわゆるバブルを潜り抜けた人って徹夜なんて苦じゃないし、そういう"大人"が見る番組がないんじゃないのかなと思ったんです。
実際に放送してみて、反応はどうでしょうか?
後藤 :数字にはっきりでているわけじゃないんですけど、明らかに番組によせられるメールがおじさんからが多い(笑)。町でMCに声をかけてくるのが大体おじさん、もしくはおじいちゃん。『うちの近くにこういう地蔵があるんだけどくる?』とか。どういう声のかけられ方だよ!っていう(笑)。
つくる上でどのようなことに気をつけていますか?
後藤 :視聴者を馬鹿にしないということです。「JOKER DX」はひねりません。ひねろうとしても、視聴者は賢いからその先の展開を読みますよ。だから、「JOKER DX」では、もうばらしちゃうんですよ。ナレーションで『もうわかっていると思いますが』っていれちゃいます。正直な番組なんです(笑)。
視聴者からのメールを結構読んでらっしゃるとか。
後藤 :メールおもしろいです。番組のメーン企画「豊後遺産」などに、面白いネタをもらったらなるべく行こうと思っています。双方向をしっかりやっていきたいですね。将来的に生放送になったとしてもSNS連動がしやすい番組だと思います。深夜ラジオ聴いてた世代の人とか多いと思うから、はがき職人ならぬメール職人がでてきたらいいですね。
報道制作局 報道部
和田 祥平(わだ しょうへい)
入社4年目。2015年3月に営業から報道へ異動。大分朝日放送の期待の若手社員、和田さんにお話をうかがいました。
2012年の入社ですよね?
和田 :実は新卒から半年遅れで入っているんです。大学卒業して就職できなかったんです(苦笑)たまたまOABが中途募集していて、合格できたっていう。実は、大学の卒業もギリギリでした(笑)。
入社されて最初は営業ですよね。どのようなことをされていたのでしょうか?
和田 :代理店を担当させてもらって、一緒にクライアントのところにいったりしていました。どれだけお客さんのご要望にこたえられるかを大事にしてきました。クライアントは実際にお客さまに会える"イベント"を求める方が多かったです。だから僕も、弊社なら「ガーデンスタジオ5」を使ったイベントができますと提案していました。
この春、報道に異動されましたが、報道希望だったんでしょうか?
和田 :いえ、まったく(笑)。異動希望は出してなかったんですよ。営業の上司に『営業出身のお前をいれるということは、他部署での経験を生かして頑張れってことだ』って。それいわれて頑張ろう!って思いました。
報道にこられてまだ数ヶ月ですが、戸惑いはありますか?
和田 :はい、動きがまったく違うので。営業は売って、CMが放送できた、で終わりですけど、報道は一つの事柄を徹底的に調べますよね。いつ、なにがおきて、なんでこうなったのかを理詰めで突きつめるので、繊細な作業をする部署だなと感じています。昼にニュースがあって、夕方もニュースがあって、それにあわせて各自が動いています。
帰りも遅いですね。営業のときは飲みで遅かったですけど、報道は明日の準備、情報収集などで遅くなってしまいます。夜の当番などもあったりするのでそういう日はお酒も飲めませんね。
報道記者としてのコツはありますか?
和田 :手探りですけど、先輩から言われたのは『どんなことでもいいから、自分が頭をひねって疑問に思ったことを全部聞いて帰って来い』って。原稿出したときにデスクから『これはどういうことなの?』って聞かれたときに答えられないのは取材をしてないのと一緒、といわれました。最初は取材しても、『はい、わかりました』ってすぐ帰っていましたけど、今は他にもなにかないかなと思って取材をしています。
最後に今後の目標を教えてください
和田 :次は東京支社に行ってみたいです!
食レポをしてくれました。 「いただきます!・・・・。すごくやわらかい!舌の上で鶏肉が生き返りました!」