【 鈴木おさむ の WHAT'S ON TV ? 】「爆笑問題」がYou Tubeで見せる「事件」
【 鈴木おさむ の WHAT'S ON TV ? 】第49回
爆笑問題さんがYouTubeを始めました。
一番やらなそうな人たちがやった、と思ってる人も多いみたいですね。しかも中身はコント。「爆笑問題のコント テレビの話」というチャンネル名で、コントに特化したもの。このYouTube、僕も手伝わせていただいてます。
爆笑問題さんには本当に昔からお世話になっていて、番組にも沢山参加させていただいてますし、SMAPの番組には沢山出演していただきました。AbemaTVで2017年に生配信した新しい地図の「72時間ホンネテレビ」。あの時に爆笑問題さんが出演してくれたことは本当に感謝しています。
「SMAP×SMAP(以下、「スマスマ」)」のコントで、あるメンバーと打ち合わせをしているときに、次のコーナーに出演予定の太田さんが楽屋に来ました。僕らのやり取りを聞いていて「何の話してるの?」と、太田さん。僕がそのコーナーの趣旨を太田さんに説明すると、太田さんは「絶対やったほうがいいよ。スマスマってさ、事件を見たいんだよ」と言いました。
その「事件を見たい」って言葉が僕の中でめちゃくちゃ刺さりました。ビッグゲストの登場はもちろん事件なのですが、そうじゃなくても、コントの中で「こんなキャラやってる!」とか、企画の中でも「SMAPがこんなことやってる!」という事件。大きくなくてもいい。毎週小さくてもいいからSMAPで事件を見せていくことが大事なんだと気づかされました。
これはスマスマだけじゃなくて、今となってはテレビ全体でとても大事なことなんだと思いますが。
で、昨年、自分が書いた小説の宣伝で、TBSラジオ「爆笑問題の日曜サンデー」に出演させていただきました。その時に太田さんから「鈴木おさむ、コント、書かないかな~」と言っていただいたのですが、その時点ではコントをやるとしてもYouTubeでやるとは決まってなく、何をアウトプットしたらよいかも決まってない状態。
そこからスタッフさんや、タイタン社長の太田光代さんと打ち合わせをさせていただき、僕としては、YouTubeでやることを超お勧めしました。
爆笑問題がYouTubeでコントをしている。しかも時事的なことを含んだもの。爆笑問題を通して「事件」をYouTubeで見せていく、それがとても面白いと思ったからです。
そこからYouTubeでやることに決まり、太田さんとも会って打ち合わせさせていただきました。太田さんからテレビの制作会社を舞台にしたコントをするという案が出て、僕もその設定にアイデアを出させていただきました。
タイタンの優秀な作家さんたちが太田さんのアイデアを台本にして、僕に送ってくれます。それに僕が、「事件」を起こすためのアイデアなどを提案させていただく。
そして撮影したものをYouTubeで見せるという視点から、編集にも色々と提案をさせていただき、爆笑問題のYouTube「爆笑問題のコント テレビの話」が始まりました。
一話目から宗教の話がテーマになっていたり、毎回テレビでは絶対に触れることのできない話題が出てきます。まだ始まったばかりなので、これからどんどん変化していくと思います。
先日、リハーサルの現場にも伺わせていただきました。なんでしょう、この久々にわくわくする感じ。
そしてみんながめちゃくちゃ楽しんでやっている。これって、絶対に伝わっていくと思うんですよね。
このまま続けていったら、絶対どこかで世間から怒られる回も出てくると思います。でも、爆笑問題さんにはYouTubeでコントをするという形で「事件」を起こしてほしい。
僕が太田さんから教わったことを、今、爆笑問題さんのお仕事で意識して作っている。
そのブーメランの戻り方が面白いなと思ってます。
そして、これが大きな成功となれば、また、それはテレビに返っていくだろうと思っている。
<了>