【ラジオレコメンダー" やきそばかおる "の I love RADIO】人力車とラジオ。2足のわらじで人々を笑顔に 〜レインボータウンfm『Samedi Lips』関森ありささん〜

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【ラジオレコメンダー

ラジオ レコメンダー" やきそばかおる "の I love RADIO 第57回

"人力車DJ" 関森ありささん。

唯一無二の肩書きです。週に4日は浅草で人力車を引いてお客さまを案内し、週に4日は江東区にあるレインボータウンfmでDJやパーソナリティー、ディレクターを兼任しています。金曜日は昼は人力車、夜はラジオの仕事をしていて、毎日仕事をするほどパワフル。

休むよりは働いていたほうが楽しいという関森さんに話を伺いました。


▲完成したばかりのレインボータウンfm 豊洲スタジオにて


▲俥夫の姿(観光人力車 天下車屋)

●関森ありさ

生年月日:1996年11月10日。

生まれも育ちも江東区。

2019年からレインボータウンfmで局員としてDJやパーソナリティー、ディレクター、浅草で人力車俥夫(時々姫路出張)としてのWワークがはじまる。

現在、人力車は5年目。ラジオは4年目。お笑いが大好き。

座右の銘:祖母に教わった落語家 桂小金治の言葉

「人の心に花一輪 人と別れる時には人の心にとげを残すな 人の心に花を残していけ」

◯人力車との出会いは突然に

関森さんは人前で話すことが好きで、学生時代には生徒会長を務めていたこともあり、アナウンサーに興味を持ったそうです。大学時代はアナウンススクールに通っていました。 「アナウンススクールに通ったら人と話すのがますます好きになって、アナウンサーになりたい気持ちが強くなりました」と関森さん。 就職活動は大学3年の時に開始。北海道から沖縄まで全国の放送局を受験していました。ところがなかなか就職が決まらないため、自己PR欄に書く内容についてアナウンススクールの先生からアドバイスを受けます。

関森さん 「今からでも遅くないから勉強を兼ねて何か挑戦できることをやってみたらいいんじゃない? 例えばディズニーランドのキャストとか人力車を引いてみるとか」と言われました。

やきそば 先生はなぜ人力車を勧めたんですかね?

関森さん トーク力を磨くためというのもあるんでしょうけど、当時、私は今よりも結構太っていたから痩せることを暗に勧めたんじゃないかと思います。

関森さんにとって人力車は男性が引くものという印象が強かったため、引くことができるかどうか不安だったそうです。最初に受けた会社には落ちたものの、次に受けた「観光人力車 天下車屋」で研修を開始。負けず嫌いな性格で「とにかくやってみよう」という気持ちが関森さんの背中を押しました。

やきそば 研修はいかがでしたか?

関森さん 最初は全く引けなくて5分ももちませんでした。人が乗っていない状態や、店長とスタッフを乗せた状態で練習をするのですが、私に力がなさすぎてそのままバックドロップしてしまったこともありました。

幸い怪我をした人はいませんでしたが、浅草は車が多いし教える側も大変だから、姫路店にいる社長が「もしも本気で人力車を引けるようになりたかったら、姫路に来てください」と言ってくださり、大学4年生の夏休みに姫路に行き、朝から夜まで1ヶ月間、教えていただきました。


▲姫路城をバックに。毎年、姫路でも数日間のみ人力車を引く

その間も就職試験やアナウンススクールの授業もあるため姫路と全国各地を行き来していたそうです。姫路での研修を全て終えて東京に戻り、さらに2ヶ月間。合計4ヶ月の研修を経て、現場デビューを果たしました。

やきそば 具体的にはどんな研修をしましたか?

関森さん まずは誰も乗せていない状態で引きます。人力車は「てこ」の原理で前進させるため、人が乗っていない状態で動かすのは大変です。その後、店長やスタッフを乗せた状態で練習します。狭い道を引く練習を集中的にやったり、吾妻橋を何度も往復したり、ガイドの練習をしたりしました。


▲研修中のひとコマ

晴れて人力車デビューを果たしたものの、その後も別の関門が待ち構えていたそうです。

関森さん 人力車は気合いを入れて練習をすれば誰でも引くことができます。ところが、雷門の周辺で皆さんに声をかけて人力車に乗っていただくのが大変なんです。声をかける段階で心が折れてしまって辞める人もいます。歩いている人にアピールするのは楽ではありません。

やきそば それはしんどいですね。

関森さん 私も人力車を引き始めた頃は苦戦しましたが、たとえ声をかけて止まってくれた人が人力車に乗らなくても、相手が笑顔になってくれたら「次に浅草に来た時は乗ってくださるんじゃないか」と思ったり、「浅草に行ったら人力車を引いている女性に声をかけられた」と話のタネになったらそれで良い、と思うようになってからはうまくいくようになりました。

関森さん曰く「お金はあとからついてくる」とのこと。 浅草から4時間をかけて渋谷まで引いたこともあるそうです。

関森さん 浅草以外の街でも人力車を引いたら、出会った人たちが元気になるんじゃないかと思いました。その時は先輩のスタッフにサポートをしてもらいながら渋谷まで案内しました。

強風時はお休みするものの、雨の日や雪の日も人力車を引きます。

関森さん 雪が降った翌朝が大変で、雪かきをしてから人力車を引きます。そんな日のことはよく覚えています。人力車に乗る機会はおそらく一生に一度あるかないかだと思いますが、お客さまにとって、きっと一生の思い出になる魅力的な仕事です。

◯ラジオと人力車の相互関係

一方、就職活動に関しては最終まで残った放送局があったものの就職先は決まらず、大学を卒業した直後にレインボータウンfmの就職が決まりました。

関森さん レインボータウンfmには"拾っていただいた"という感じなので感謝の気持ちしかありません。Wワークも可能だったため、木下局長も「人力車とのWワークは面白いね」と理解してくださいました。

関森さんはMCも裏方も務めています。他の番組にゲストとして呼ばれることもあります。

関森さんの主な担当番組

【MC担当】

・毎月第2土曜日13時〜14時『Samedi Lips』

・毎月第2土曜日17時〜18時『ミュージックデリバリーDX』

・毎月第5週(ある時は)

火曜日20時〜21時『火曜BEAST!!!!!!!』 水曜日20時〜21時『水曜スペシャル』 土曜日『ミュージックデリバリーDX』

【コーナー出演】

・毎週火曜日12時〜14時『Radio JUKEBOX』13時30分〜「まきレポ」コーナー

(局長と地域の話題の情報、ニュースをお届け)

【ディレクター兼サブ出演】

・毎週水曜日17時〜18時『みさよのふるさと自慢、味自慢』

ほかの番組でもスタッフを務めている。


▲豊洲スタジオから見える風景

やきそば 関森さんは休日が全くありませんが...。

関森さん ラジオは夕方から仕事をする日もあるのでその日はゆっくりできますが、1日まるごと休むことはありません。私にとってはラジオも人力車も「仕事をしている」という感覚がないため、働いているほうがいいです。

それに私がラジオで喋っているのを聴いて人力車に乗りに来てくれるケースもありますし、逆に人力車に乗った方がラジオを聴いてくださるケースもあります。ラジオを聴いて来てくださった方のなかには、私がムキムキな筋肉の持ち主だと想像していて、私の姿を見て「人力車、引けるんですか?」と驚く方もいらっしゃいます。

やきそば 人力車に乗っているお客さんに対してもフリートークをしていると考えると、ある意味、それもラジオですね。

関森さん そうなんです。ラジオよりもさらに喋り手との距離が近く感じられる"ラジオ"です。話す内容もお客さんの年齢によって変えています。例えばお子さんがいる場合は退屈させないように「『ちびまる子ちゃん』の花輪クンも浅草の人力車に乗ったんだよ」といった話もします。

縁結びの神社である「今戸神社」に案内する時は恋愛話を絡めることもあります。話を聞きたくて人力車に乗ってくださる方もいらっしゃいます。

◯前を向いていると良いことがある

やきそば 関森さんはもともとラジオは聴いていましたか?

関森さん 祖父の影響でNHKの『ラジオ深夜便』を聴いていました。祖父は目が良くないこともあってラジオをよく聴いていて、私も一緒に聴いていました。祖父は5月に他界したんですけど、最後の誕生日にはラジオをプレゼントしました。

余談ですが、15年ほど前に旅行で小樽に行った時に祖父と人力車に乗りまして、まさかその10年後に私が人力車を引く仕事に就くとは思ってもいませんでした。

やきそば 人力車にしてもラジオにしてもご縁を感じますね。

関森さん 就職が決まらなくて焦っていた頃はドン底の日々だったんですが「まずはすべきことをやってみよう」という思いで取り組むうちに楽しい方向に向かっていきました。辛いことも「あの時の私にはあの経験が必要だったんだ」と思うことが結構あります。前を向いていると良いことがあると実感しています。

やきそば それにしても、関森さんのバイタリティはどこから来るんでしょうか?

関森さん 人力車のお仕事でお客さんの笑顔を見られることです。昔は大人しかったんですが、人力車を引くようになってから積極的に人とコミュニケーションをとるようになりました。

やきそば 素敵ですね!

関森さん あと、お笑いが大好きなので、ラジオの仕事で芸人さんをお呼びして番組ができるのがとても楽しいです。

やきそば 例えばどんな芸人が好きですか?

関森さん どんぐりたけしさんです。インパクトがあるネタなので、最初は「この動きは何だろう」と思ったのですが、「誕生日」というネタを見てハマりました。型にハマらないところが大好きで、下北沢の劇場にもネタを観に行きました。私も型にハマらず、相手の魅力を引き出せる番組をつくっていきます!

やきそば ありがとうございました!

関森さんは、いつかどんぐりたけしさんを人力車で案内するのが夢だそうです。


▲レインボータウンfm(江東区)はListenRadio、YouTubeライブ、サイマルラジオでも楽しめます。携帯やパソコンで全国どこでも無料で聴くことができます。


▲およそ15年前。祖父と小樽で人力車に乗る


▲今年、祖母の87歳の誕生日に人力車の旅をプレゼント


ここからはさまざまな職業の方がパーソナリティーを務める番組を紹介します。

Rhythm Station(エフエム山形)では山形駅西口にあるレコード店(RAF-REC)の店主・髙取信哉がパーソナリティーを務める番組『西口のレコ屋から』(金曜 11時45分〜11時55分)を放送中。レコ屋&DJならではの選曲です。髙取さんの近況トークもなんとも良い味を出しています。

FMとやま『BEAUTIFUL MOMENT』(土曜 7時30分〜7時45分時)は文化系プロレスラー&ミュージシャン、一般社団法人 富山県いみず市を世界に発信する会 代表理事、日本空手道 武徳心の最高師範の矢郷良明と射水市在住の翻訳家、イローナの番組。毎回、さまざまな分野で活躍するゲストを招きます。街のことをよく考えている矢郷さんだからこそ引き出せる話が満載。

同局では富山出身で、東大卒のクイズ王である林さんの『富山ダイハツ 林輝幸のオッケイQ』(金曜 11時30分〜11時55分)も放送しています。雑学が楽しめるのはもちろん、林さんが富山各地を訪れた模様も紹介しています。ためになって得した気分になれる25分。

新潟のBSNラジオ『古町芸妓のあおいごと』(土曜 7時15分〜7時45分)は新潟古町芸妓のあおいによる30分。近況から芸妓の裏側、人生相談、はたまた料理の話までバラエティに富んだ内容です。おしゃべりがうまいので初めて聴いた時はプロのアナウンサーかと思ったほど。あおいさん曰く、いつもお客さんを前に話しているため話せるようになったとか。

レディオキューブ FM三重では『Ericar・Gocar Auto Ensemble♪』(土曜 11時〜11時30分)を放送。輸入車好きな多田えりかと、くるまマイスター1級のGocarによるクルマの情報バラエティ番組。人気YouTubeチャンネル「Go!Car CHANNEL」とも連動。クルマを介したふたりの掛け合いが楽しく、聴いていてワクワクします。

福岡のRKBラジオでは『摂津正のつりごはん』(土曜 7時30分〜8時)を放送中。元ソフトバンクホークスの摂津正は子どもの頃から釣りが大好き。摂津さんは現役時代は寡黙だったそうですが、釣りの話になると饒舌に。今夏、釣り上手になって息子に自慢したい田畑竜介アナが摂津さんに入門しました。

ROKラジオ沖縄では訪問看護(KEN)と運送業(SHOGO)のふたりが愛するヒップホップと楽しくて"チルいトーク"を届ける『KEN&SHOGO チルタイムオキナワ』(土曜 17時〜17時10分)を放送。ほのぼのとした雰囲気ながら選曲と解説にはかなり力を入れているのが分かります。あっという間に終わってしまうのがもったいないです。

<了>

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