【ラジオレコメンダー" やきそばかおる "の I love RADIO】『ラジオBar南国の夜』がつなぐ縁 〜『やきそばかおるのラジオコンシェルジュ』より、「マエハラ婦人会」きんたまるさん、南国の人妻あやかさんのエピソードをご紹介〜
ラジオ レコメンダー" やきそばかおる "の I love RADIO 第58回
今回は沖縄にあるBar「南国の夜」(宜野湾市真栄原)に集まるラジオファンの話です。
こちらのバーのマスター、與古田忠さん(よこちゃん)は2014年からRBCiラジオ『ラジオBar南国の夜』(土曜 22時~23時)のパーソナリティーとして出演。同局の人気アナウンサー、嘉大雅さんとのトーク番組(嘉さんは2018年から出演)で大人のふたりによる"ハイレベルなどうでもいい会話"が楽しめます。
▲RBC琉球放送アナウンサーの嘉大雅さん(左)と、
Bar「南国の夜」のマスター 與古田忠さん(よこちゃん)(右)
よこちゃんの話の面白さや音楽の知識の豊富さは評判となり、レギュラー番組が徐々に増加。
『blank』(エフエム沖縄 月曜〜金曜 10時40分〜10時55分。よこちゃんは水曜担当)、
『真栄原ミュージック』(エフエム沖縄 木曜 21時〜21時55分)、
『Music SAKA-Bar』(RBCiラジオ 土曜 19時30分〜20時)などの音楽番組のほか、ラジオに関するイベントにも引っ張りだこです。
『ラジオBar南国の夜』の人気が高まるにつれてBar「南国の夜」にラジオが好きな女性も遊びに来るようになりました。なかでも地元に住んでいて遊びに来る頻度が高い人のグループを「マエハラ婦人会」と呼んでいます。
「マエハラ婦人会」のメンバーのなかから「きんたまる」さんと「南国の人妻あやか」さんが上京するタイミングで、コミュニティFM「渋谷のラジオ」の番組『やきそばかおるのラジオコンシェルジュ』(金曜 21時30分〜22時)に登場していただきました。ふたりとも非常にアツい話を展開してくれました。
今回はその時の話をモチーフに紹介します。
▲『やきそばかおるのラジオコンシェルジュ』より。
左から「きんたまる」さん、やきそば、「渋谷のラジオ」理事長・西樹さん
◯「マエハラ婦人会」と「きんたまる」
きんたまるさん(女性)は車に乗っていた時に『ラジオBar南国の夜』を偶然聴き、「ぶっ飛んでいて面白い!」とどハマりしました。 気になるラジオネームの名付け親はよこちゃん。きんたまるさんは別のラジオネームを持っていましたが、インパクトのあるラジオネームにしたくてよこちゃんに相談したところ「きんたまる」と命名されました。船の名前に付けられる「◯◯丸」と同じ感覚で考えられた名前です。きんたまるさん曰く、Bar「南国の夜」に遊びに来た人にすぐに覚えてもらえるため重宝しているとのこと。 「このラジオネームだとほかの番組では使ってもらえないかもしれないのでは」という不安はありましたが、朝の情報番組や女性アナウンサーがパーソナリティーを務める番組も含めて、基本的に紹介してもらっているそうです。
やきそば そんなよこちゃんの普段の様子を教えてください。
きんたまるさん いつもニコニコしていて可愛くて、おしゃべり上手で聞き上手。その場の空気の読み方が絶妙で、出る時は出るし、引っ込むところでは引っ込んでいます。あと、美味しいコーヒーを淹れてくれます。
やきそば さすが、ベタ褒めですね! 嘉大雅さんはいかがですか?
きんたまるさん すごく良い人で、挨拶もきちんとしてくれるし、声も良いし、見ての通りイケメンです! 「マエハラ婦人会」には大雅さんの熱狂的なファンが3人います。しましまぷ〜こさん、チョロリンさん、沼ったNo.5さんです。みんな無償の愛で応援しています。
「マエハラ婦人会」では大雅さんと鎌田さん(RBC琉球放送アナウンサー)が人気を二分していますが、私の推しはOTVアナウンサーの塩顔イケメン植草凜さんです。
やきそば では『ラジオBar南国の夜』の好きなところは?
きんたまるさん ふたりがくだらないことを楽しく話していて面白いところ。週末にはもちろん、イヤなことを忘れたい時、元気を出したい時にもピッタリです!
「マエハラ婦人会」はハッキリとした入会条件があるわけではありませんが、Bar「南国の夜」に遊びに来る人のなかで、ラジオやよこちゃん、嘉大雅アナウンサーをはじめ、さまざまなパーソナリティーを応援している人が集まっています。 四六時中、ラジオの話をしているわけではなく、普段は食べ物や美容の話など、幅広い話で盛り上がっています。年齢も仕事も違う人が集まっていますが、「マエハラ婦人会」はいつも笑いが絶えません。 Bar「南国の夜」に通う前はラジオのことを話す相手がまわりにいなかったものの、番組やお店の存在を知ってからは毎日がより楽しくなったといいます。Bar「南国の夜」はマスター自身がお酒が飲めないこともあり、飲めない人も歓迎しています。ラジオが好きな方はぜひ足を運んでみてください。
Bar「南国の夜」
住所:沖縄県宜野湾市真栄原3-4-7 2F 水曜定休。
営業時間は21時(木曜は20時30分)〜4時。食べ物持ち込み大歓迎。盲導犬等同伴OK。臨時でお休みすることもあるため、事前に確認することをおすすめします。
▲Bar「南国の夜」ある日の様子
◯横山雄二を愛して25年
Bar「南国の夜」には、ひとりのアナウンサーを25年にわたり応援している女性も遊びに来ます。後半はアナウンサーに心を奪われた女性のお話です。
三重県出身のあやか(南国の人妻あやか)さんは小学6年生の時にラジオを聴きはじめました。 中学1年の時にCBCラジオの番組にハマり、21時から早朝5時までラジオを聴くほどに。さらにベランダに出ればニッポン放送の電波が拾えることに気付き、真冬にベランダでラジオを聴いてインフルエンザになったこともあります。 ラジオに出会って以来、すっかり虜になったあやかさん。高校生になると運命の人に出会います。それは1996年6月3日のことでした。 この日からTBSテレビでは朝の情報番組『おはようクジラ』がスタート。渡辺正行さんがメイン司会を務めました。あやかさんはCBCラジオのヘビーリスナーであるため、CBCのアナウンサーが目的で観ていました。するとCBCではなく、別の局の男性アナウンサーが目に留まりました。
やきそば そこで気になったのが、広島のRCC中国放送の横山雄二アナウンサーということですよね。
あやかさん 私、横山さんの素敵なところを100個は挙げられます。例えば、視聴者やリスナーを喜ばせたい気持ちが非常に強く、そのために常に努力に努力を重ねられているところや、とにかく作品やお話が全て面白いところなどです。
『おはようクジラ』での横山さんはキラキラして見えるくらい素晴らしく、画面上に神が降臨したかと思ったほどでした。中継の時は視聴者を楽しませるために毎回なんらかの工夫をしていることが分かって「『プロフェッショナル』とはこういうことなんだ」と感じました。
あやかさんは横山さんの魅力を誰かに話したいという衝動を抑えきれず、高校の給食の時間になると横山さんの素晴らしさや格好良さを友達に語る日々でした。その話を聞いてくれた友達はなんとありがたい存在なのでしょう。 ところが、幸せな日々は長くは続きませんでした。1999年3月、『おはようクジラ』は幕を閉じたのです。横山さんの姿を観られなくなったあやかさん。「私はこれから、何を楽しみに生きていけばいいのだろう」と途方に暮れたのは言うまでもありません。 あやかさん「別れを経験しました。ひとつ大人になりました」。 それからというもの、あやかさんは横山さんの近況知りたさにネットで検索する日々。当時はブログすらない時代です。横山さんに会いたい気持ちは募るばかり。
2002年
あやかさんはついに動きます。
あやかさん 当時放送していた横山さんのテレビ番組『KEN-JIN』※をどうしても観たくて高速バスで広島に行き、3780円のホテルに泊まって泣きながらテレビを観ました。
やきそば ついに! しかも『KEN-JIN』は金曜の深夜1時頃に放送されていましたよね。
あやかさん 当時の日記には「天才 横山雄二さま、かっこよすぎ!」ということをたくさん書いていました。RCCの本社にも行って建物を見上げながら「ここが神がいるRCCなんだ!」と思いました。一歩間違えたらただの不審者なんですけど。
あやかさんは就職活動ではRCCを受けようとするも、その年は採用枠がなかったそうです。地元の放送局の面接を受けた時には横山さんの魅力の話ばかりをしてしまい不採用に。 あやかさん「後悔はありません」。
2004年
「KEN-JIN BAND」の横山アナ、有吉弘行さん、劇団ひとりさんが『うたばん』(TBS)に出演。あやかさんはビデオテープが擦り切れるほどに夢中で観ました。2005年には横山さんのブロマイドが浅草のとある店で販売しているという情報を掴み、買いに行きました。
2008年
今度は"生"で横山さんを観られる機会を掴みます。毎年ゴールデンウィークに開催される広島の一大イベント「ひろしまフラワーフェスティバル」のステージで横山さんが観られるということで足を運びます。ところが...
あやかさん 好きすぎて近寄れず、ステージから数十メートル離れた場所から双眼鏡で横山さんを観ていました。
やきそば 広島に移住しようと思ったことはありますか?
あやかさん ありました。ただ、仕事の事情で東海地域から出られなかったんです。当時は『ザ★横山雄二ショー』の10分ほどのポッドキャストと『TJ Hiroshima』(タウン情報誌)で横山さんが書いていた映画コラムだけが神との接点になりました。
ポッドキャストは何度も何度も聴いていて、海外に行った時も飛行機に乗っているおよそ9時間もの間、ずっとリピートしながら聴きました。
2015年
RCCラジオがラジコのエリアフリー配信をスタート。『ごぜん様さま』が聴けるようになります。ただし、この頃はタイムフリー機能がなかったため勤務中のあやかさんは聴くことはできませんでした。
2018年
あやかさん、結婚して沖縄に移住。 6月に『ラジオBar南国の夜』のよこちゃんと嘉大雅アナウンサーが『ごぜん様さま』に出演しました。きっかけは両方の番組を聴いていた太田光さん(爆笑問題)が『南国の夜』のふたりに『ごぜん様さま』の横山さんに会うように提案したことでした。 交通費を工面したふたりは飛行機と新幹線を乗り継ぎ、途中で温かいリスナー陣と触れ合いながら広島を目指しました。この出来事は、のちにあやかさんと横山さんを繋げるきっかけのひとつとなります。 同年、あやかさんは勇気を出してBar「南国の夜」の門をくぐりました。カウンターで横山さんのファンであることを熱く話したところ、よこちゃんは思いました。 「ヤバいヤツが来た」
あやかさん よこちゃんは「面倒を見切れそうにない」と感じたようで、ラジオに詳しい「この世界の片◯仁」さん(ラジオネーム)に電話をしました。そこで横山さんの魅力を話すことができました。横山さんのことをこんなにたくさん話せたのは初めてだったので、感激しました。
2019年
あやかさんは再び意を決して動きました。広島へ横山さんに会いに行くことを決意したのです。 『平成ラヂオバラエティ ごぜん様さま』では9時から11時40分までの放送のうち、9時55分から10時、10時55分から11時までの間、横山さんがタバコ休憩をするために局舎の外にある喫煙所に向かいます。その間を狙ってリスナーが差し入れを持って横山さんに会いに行くことがあるのですが、その行為は「横山詣」と呼ばれています。 あやかさんも横山詣をすることにしました。ところが...
あやかさん RCCの局舎まで行ったのですが、やはり尊すぎて近付けなくて、局舎のまわりを2周して、ブランコをこいで帰りました。
やきそば ええーーー!
あやかさん 私、ただのヘタレなんです...。
あやかさんが横山さんと直接会ったのはさらに1年後。2020年12月5日のことでした。横山さんは仕事の関係で沖縄に来ることに。そしてもちろん、Bar「南国の夜」にも遊びに来ることになりました。
あやかさん よこちゃんが私を無理やり引っ張り出す感じで背中を押してくれて、25年越しの愛を伝えることができました。横山さんは本当に格好良かったです。私だけじゃなくて「マエハラ婦人会」のメンバー全員がメロメロになってしまって、翌日、みんなつわりみたいな症状がでたほどです(笑)。
▲横山雄二さんが「Bar南国の夜」を訪れた伝説の夜
やきそば せっかくなので、横山さんにメッセージをぜひ!
あやかさん これからも元気でいてほしいです。横山さんが『ごぜん様さま』で喋ってくれているおかげでいつも励まされています。沖縄に移住した時も友達がいないなかで、横山さんの声に本当に支えられました。ずっと放送を続けてもらえたら嬉しいです! 100歳までお願いします。
▲「南国の人妻あやか」さんが大切にしている横山雄二さんの著書ほか
横山雄二 情報
◯小説『アナウンサー辞めます』(ハルキ文庫)増刷決定。大好評発売中
<『アナウンサー辞めます』あらすじ>
太田裕二(53歳)の職業は地方局のアナウンサー。
妻と大学3年生の娘と3人暮らしで、公私ともに平凡ながらも幸せな人生を歩んでいたが、心の奥底には学生時代からずっと引きずっているトラウマがあった。
野球少年だった太田は「将来プロ野球選手になる!」という夢を抱きながら高校生活最後の夏、地方大会の決勝のマウンドに立っていた。しかし「あと一歩で甲子園」というところまで来ていたにもかかわらず、無残にも打たれてしまい、プロ野球選手になるという夢は儚くも散ってしまった。
それから35年の歳月が流れ、心の傷となっていた一球にかける想いも薄れてきたある日、自身の番組で太田が発した一言がきっかけとなり、世の中が急激に動き出す。それと同時に、忘れかけていた太田の「プロ野球選手になる!」という夢が再び燃焼し始めるが―。
夢はいくつになったら諦めなければいけないのか? 53歳、中年男の挑戦が今、始まる。
あやかさん 横山さんは本当に努力の方です。横山さん自身、アナウンサーをしながらも映画監督の夢を叶えた背景があって、そのことと相まって小説を読みながら12回泣きました。
◯映画『愚か者のブルース』
広島県を舞台にしたストリップ劇場3部作の最終章。恋人とストリップ劇場に身を寄せる元映画監督のヒモ男と、歓楽街の人間模様を描く。劇中に登場する、広島のストリップ劇場"第一劇場"は2021年に閉館。最後の貴重な姿が収められている。
2022年8月の広島県横川シネマでの先行上映を皮切りに、2022年11月18日(金)からは池袋シネマ・ロサ、福岡中洲大洋にて上映開始。全国順次公開予定。
脚本・監督:横山雄二
太田光(爆笑問題)-特別出演
未唯mie-特別出演
筒井真理子ほか
※『KEN-JIN』(2004年4月より『KEN-JIN DX』)
RCCテレビにて1997年〜2005年に放送。横山雄二の企画・立案でスタートした。初回ゲストは吉川晃司。およそ1時間の深夜番組で、イケイケで尖った企画が多かったことでも話題に。『進め! 電波少年』(日本テレビ系)で活躍したあとの有吉弘行の面白さを引き出した番組のひとつでもある。
東京ロケを積極的に行った番組で、この頃に培った良き人間関係が横山アナの以後の活動に影響を与えている。番組で結成されたユニット「KEN-JIN BAND」の代表曲のひとつ『Hungry Man』は作詞:横山雄二、作曲・サウンドプロデュース:吉川晃司。広島を中心に大ヒットした。
最後は「人に詳しい人」の番組のなかからほんの一部ですがピックアップ。「人に詳しい人」のトークはやっぱり面白いです。エピソードに話術が加わって一層興味深い話になります。
北海道のHBCラジオ『ガンちゃんの世界一面白いプロ野球の番組』(日曜 12時〜13時30分)。当欄でも何度か紹介している番組。選手に詳しいガンちゃん(岩本勉)。地獄耳をもつ彼が選手についてコッテリと語ります。時にはチームや球界に対して本音を語ることも!
新潟のBSNラジオ『スーパー・ササダンゴ・マシンのチェ・ジバラ』(日曜 25時〜26時 ※月に1度 26時から放送)はプロレスの話はもちろん、実家の坂井精機株式会社の代表取締役社長をも務めるスーパー・ササダンゴ・マシンさんがまわりで起きた出来事を面白おかしく話します。人間観察力と描写力の賜物。
ABCラジオ『東野幸治のホンモノラジオ』(金曜 25時〜26時)。芸人のエピソードにとにかく詳しい東野さん。著書『この素晴らしき世界』では芸人界の奇人変人を肴に、愛をもってイジり倒しています。しかもどの芸人に対しても詳しい。
加えて映画、音楽、漫画ほかエンターテイメントにも詳しく『ホンモノラジオ』ではミッチリと解説。喋り倒します。
MBSラジオ『ありがとう浜村淳です』(月曜〜金曜 8時〜10時、土曜 8時〜11時30分)は放送開始49年。これまでに数えきれないほどの映画を鑑賞し、たくさんの国内外の俳優にお会いしてきた浜村さん。エピソードに非常に詳しく、イメージしやすいように解説します。
土曜に放送している「映画サロン」のコーナーではおよそ40分にわたって作品を紹介。基本情報の紹介から名場面の再現までひとりで行います。ハリウッドスターであろうが関西弁なのが微笑ましいです。
同じくMBSラジオ『それゆけ!メッセンジャー』(土曜 11時30分〜12時55分)のメッセンジャーのおふたりは、芸人はもちろん、家族、親戚、街で出会った人など、トークに登場する人物が幅広いのが特徴のひとつ。時事ネタにも詳しいです。
メッセンジャーのあいはらさんは『メッセンジャーあいはらのYouはこれから!』(MBSラジオ 水曜 15時〜17時54分)も絶好調。話す内容のチョイス、共演者への振り方などがとてもよく考えられていて、アツいトークラリーが繰り広げられます。スタジオに湯気が立っているのではないかと思うほどの熱気です。週によって「話し相手」が変わり、なかでも芸能界の酸いも甘いも噛み分けてきたトミーズ健さんの回は大人気。
黒田さんはナイターオフに『メッセンジャー黒田のチラシダス』(MBSラジオ 水曜 18時〜20時)を放送。チラシをもとにトークをする企画の面白さ、内容の濃さや楽しさなどが評価され、昨年度「第59回ギャラクシー賞」を受賞しました。黒田さんと山本量子さん、MBSの亀井アナの博学3人による珠玉のトーク。笑ってためになる番組です。
<了>