【ラジオレコメンダー" やきそばかおる "の I love RADIO】自分らしさでラジ友との想いを紡ぐ〜FM802『ROCK KIDS 802-FRIDAY&SATURDAY-』高樹リサさん〜
ラジオ レコメンダー" やきそばかおる "の I love RADIO 第62回
今回は大阪にあるFM802のDJ、高樹リサさんに話を伺いました。高樹さんは2016年に行われた同局のオーディションにてDJデビューを果たしました。現在は10代に向けた番組『ROCK KIDS 802-FRIDAY&SATURDAY-』(金曜 21時〜23時48分、土曜 22時〜25時)のDJを務めています。ラジオ、テレビをはじめ、さまざまなメディアで活躍している高樹さんに、ラジオとの向き合い方を訊きました。
やきそば 高樹さんはもともとラジオDJを志望していたんですよね?
高樹さん 以前からラジオで話す仕事をしたいと思っていました。FM802でオーディションがあると知ってデモ音源を録音しました。
やきそば まさに自分で夢を掴んだわけですね。FM802のDJで良かったと思うことは?
高樹さん FM802を信頼してくださっている方がとても多いことです。「FM802で喋っている」というだけで「すごいね!」と言われます。私自身はこれといってなんでもないのですが(笑)。
母も私がFM802のオーディションに合格した時が一番嬉しかったと言っていました。これもFM802が築き上げてきた歴史のおかげです。FM802は個性があって愛されているDJが揃っているので、毎日とても良い刺激をもらっています。FM802のDJの仕事を一日でも長く続けたいです。
やきそば 高樹さんの声はとても明るくて良い声ですよね。
高樹さん ありがとうございます。私自身は子どもの頃から自分の声が好きではなかったし、今でもよく「鼻が詰まってる?」と聞かれることがあります。
実際は詰まってないので、詰まっているように聞こえるのは課題だと思っています。ただ、ラジオDJになってからは「良い声してるね」と言ってもらえることがあるのでありがたいです。
やきそば 強調すべき箇所で声の雰囲気を少し変えていますよね。
高樹さん 普段はダラッとした喋り方をしているので、ラジオで話す時はきちんと考えて喋るように心がけています。
◯自信をもって話すこと
高樹さんは2016年の秋に『LNEM-エルネム-』でDJデビューを果たしました。番組は深夜3時から2時間(当時)の生放送。はじめの1年間は週に1度の放送を担当して、2年目からは週に2度に増えました。
やきそば その頃のことは覚えていますか?
高樹さん 最初は声だけで伝えることに緊張していました。ディレクターさんにはゆっくり話すことと、自分に自信をもって話すことの大切さを教えていただきました。
「聴いている皆さんに『高樹リサ』という人物がどんな人なのか分かったほうがいいし、好きなだけ話すといいよ」と言われました。スタッフの皆さんがとても良い雰囲気を作ってくれたおかげで楽しく放送することができました。
やきそば 生放送が終わったあとはクールダウンできていましたか?
高樹さん あの頃は帰宅したあとも気持ちが昂っていたため、なかなか寝られませんでした。今でも放送が終わると「あのメッセージには、こういう返しをすれば良かった」という感じで、家で別のパターンの内容をひとりで喋っていることがあります。側から見ると「何をやってるんだろう」と思われそうですが(笑)。
◯アドバイスは自分らしく
やきそば 高樹さんは2020年から学生向けの番組『ROCK KIDS 802-FRIDAY&SATURDAY-』のDJを務めていますが、心がけていることは?
高樹さん ラジ友(『ROCK KIDS 802』のリスナーのこと)は中学生や高校生が多いから、私が言ったことをピュアに受け止める人が多いです。だからこそ寄り添いたい気持ちがあります。
ただ、人によっては私が意図したこととは別の意味で受け止めてしまう人もいます。だからといって綺麗事ばかりを言っていたら人間味が感じられなくなります。
やきそば 確かにそうですよね。
高樹さん さらにいえば、私の番組は明るい雰囲気ですが、いつも明るく振る舞っているとネガティブな内容の相談をしにくくなるんじゃないか、と思うこともあります。
やきそば 難しいところですね。
高樹さん といっても、ネガティブな相談も届くので、そういう時は自分らしくこたえられるように心がけています。ラジ友にとって話しやすいラジオDJになるのが理想です。
◯FM802っぽくない?
やきそば 高樹さんの番組の魅力はたくさんありますが、FM802のオーディションに合格した要因は何だったと思いますか?
高樹さん あるディレクターさんには「FM802っぽくないところが良かった」と言われました。私自身は802っぽく喋ったつもりだったんですよ(笑)。
オーディションには5分の番組を収録した音源を送ることになっていて、洋楽と邦楽を交ぜてみたり、好きな映画の話をしました。
今になって考えると、時間配分がうまくいっていなかったり、ほかの人はきちんとしたスタジオや機材で収録するところを、私はスマートフォンのアプリで録音したので「802っぽくない」と言われたのかもしれません。
私が「スマホで録音して送った」と言ったら、同期の田中乃絵ちゃんに「嘘でしょ?」とビックリされました(笑)。
やきそば 結果的にほかの人とは違った雰囲気になっていたのが良かったのかもしれませんね。
◯充実した日々を歌に
やきそば 金曜日は高樹さんの1週間の出来事を『一週間』の替え歌で振り返る企画がありますが、とても良いアイデアですね。
高樹さん ありがたいことにとても好評です(笑)。もともとディレクターから私の1週間の出来事を共有してほしいと言われていました。
ある日ディレクターが私の7日間の出来事をもとに『一週間』の替え歌の歌詞を作ってくれたんです。それで私も"作詞"に参加することになりました。「ここはこうしたほうが伝わりやすいかな?」と番組チームで作詞ミーティングをすることもあります。
なるべくハッピーなことを歌詞にしているため、「遊んでばかりじゃないの?」とか「浮かれてばかりだな」と思われてしまうのではないかという不安はありますが、ラジ友が楽しい気持ちになってくれたらいいかなと思っています。
やきそば 金曜日は愛知のZIP-FMでも朝の番組『FRIDAY MUSIC PUZZLE』(9時〜13時)を担当していますが、どんな一日を過ごしていますか?
高樹さん 朝7時過ぎくらいにラジオ局に入ります。9時に生放送が始まって、あっという間に4時間が経ちます。13時に終わってスタッフといろいろとお話しして新幹線で大阪に戻ります。
以前は帰宅せずにそのままFM802に向かっていたんですけど、最近は一度帰宅して着替えてから行っています。同じ服でもいいんですけどね(笑)。
◯ラジ友に感謝
やきそば 高樹さんが担当する前は鬼頭由芽さんが『ROCK KIDS 802-YUME GO AROUND-』のDJを務めていましたが、意識はしましたか?
高樹さん やっぱりしましたね。もともと由芽さんの番組を聴いていたし、由芽さんの放送の最終回を聴いて「来週から私が由芽さんの番組を継ぐんだ」と思うと急に不安になってきました。
やきそば それでも意外と早く馴染んでいたのを感じました。
高樹さん 本当にラジ友のおかげです。メールを読んでいると、番組を身近な存在に感じてもらえていることを実感します。
◯ゲストとの接し方
やきそば 番組ではさまざまなミュージシャンをゲストに迎えるので、鍛えられますよね。
高樹さん 相手に対して失礼なことを言ってしまうのではないかと思うと緊張します。Saucy Dogの石原慎也さんやSHE'Sの井上竜馬さんは同年代なんですけど、お会いすると緊張して「なんで年下キャラみたいな感じなの?」と言われることがあります(笑)。
やきそば リスペクトしているが故ですよね。準備もかなりされるのでは?
高樹さん ゲストをお迎えするにあたり、楽曲を聴くのはもちろん、さまざまな下調べもします。ラジ友に「こういう話が聞きたかった」と思ってもらえるような質問を、スタッフを交えて考えます。
DJを始めた頃はいろいろなラジオ番組のゲストコーナーを聴いて真似をしてみようと思いましたが、いざやってみるとうまくいかなくて難しさを知りました。
やきそば 10代に向けた番組だと、ミュージシャンの皆さんが学生に向けた熱いメッセージを送ってくれることもありますよね。
高樹さん 学生時代を思い出すと熱くなるのかもしれません。なかにはその頃に音楽を始めた人もいるから、より熱くなるんだと思います。
◯直感と勢いを大切に
やきそば ところで高樹さんご自身はどんな10代を過ごしていましたか?
高樹さん 子どもの頃から芸能活動をしていたので、自分がまわりからどのように見られているのか、といったことを気にしていました。ただ、長い間ずっとひとりっ子だったのが、下に兄弟がふたりできてからは、面倒をみるのも芸能活動も忙しくて深く考えなくなりました。それからは随分と気持ちが軽くなりました。もちろん友達とは仲良しですが、考えすぎないようにしました。
やきそば それはラジ友へのアドバイスに活かせそうですね。
高樹さん 今は評価される土俵がたくさんあって、大変なことも多いと思います。「有名になりたい」とか「何者かになりたい」「何かを成し遂げたい」という思いをもった人も多いようですが、その思いは今後必ず何かの役に立つと思います。
やきそば これから何かを始めようと思っているラジ友の皆さんにメッセージをお願いします。
高樹さん 直感と勢いを大切にしてほしいです。私はFM802でオーディションがあると聞いて直感でエントリーしました。考えすぎると尻込みしてしまいがちですが、挑戦することをおすすめします!
やきそば 今後、高樹さんに憧れてラジオDJになる人も出てきそうですね。
高樹さん 実は「いつかはリサちゃんみたいなラジオDJになりたいです」と言ってくれているラジ友もいて、とても嬉しいです!
◯吉報が最高の幸せ
やきそば 『ROCK KIDS 802-FRIDAY&SATURDAY-』を担当していて良かったと思うことは何ですか?
高樹さん 「『うまくいくシール』(受験生にプレゼントしている番組オリジナルシール)をもらって受験に合格しました」というメッセージがたくさん届きます。私が伝えた言葉が頑張っているラジ友の背中を押すことができるのは、最高の幸せです。
ラジ友の皆さんはとても良い人ばかりで、以前「疲れた」といった内容のツイートをした時は、たくさんの方から「大丈夫ですか?」「無理しないでくださいね」とメッセージをいただきました。それは仕事とは全く関係がないことが要因だったので「心配させてごめんなさい」と思いつつ、皆さんの温かさに触れて、もっと頑張ろうと思いました。
私は『ROCK KIDS 802』があるから頑張れます。私にとってラジ友の存在は本当に大きいです!
ここからは学生向けの生放送の番組のなかから、ローカル番組3本をピックアップ。
岩手のIBCラジオ『松原友希のアフタースクールらじお』(金曜 21時〜23時)は岩手の学生に向けた番組。良きお姉さん的な存在の松原友希アナウンサーが優しく、時には少し本音を入れながら岩手の学生を盛り上げます。「お仕事見つけ隊」のコーナーでは、ひとつの職業に注目。リスナーからの質問を交えながら掘り下げます。
「音楽部」はアーティストを迎えたり、届きたてのコメントを放送するコーナー。10代の皆さんとおしゃべりする「放送部」などの企画も。松原さんは"推し"の話になるとトークの量が増えるところもポイント。
FM-NIIGATA『NAMARA MIX』(火曜 19時〜20時55分)は新潟お笑い集団NAMARAの番組。フリートークが楽しいのはもちろん、新潟で話題の人とのやりとりにも注目。出演は江口歩、森下英矢、出来心。「学生を呼んでみた」のコーナーでは、新潟で奮闘する学生に迫ります。
そのほか、何かに立ち向かい、戦い続ける新潟の人が出演する「NAMARA MIX 30分1本勝負」、出来心がふとした疑問などを体当たりで検証する「出来心のこれやってみたんよ」のコーナーなどもあります。高感度のアンテナで地元の人や物を見つけている番組です。
大分のOBSラジオでは九州を中心に活躍する「ギャル大臣」が小田崇之アナウンサーと大分の学生と作る『土イチ de much-on!』(土曜 13時〜15時)を放送中。こちらは以前にも紹介した番組です(『ラジオレコメンダー"やきそばかおる"のI love RADIO』第60回)。
ギャル大臣はアウトソーシング会社CEO兼、アパレルブランド『Not For Sale』元ディレクター。注目はスタッフのひとり、白田まもるさんのインスタグラム。ラジオが好きで放送作家志望という白田さんが、放送を通じて思ったことを細かく書いています。読むたびに「自分ももっと頑張らないと」と思わせてくれます。
<了>