【ラジオレコメンダー" やきそばかおる "の I love RADIO】自分にできることで人を楽しませたい〜『2023シーズン横浜DeNAベイスターズスタジアムDJ』山田みきとしさん〜
ラジオ レコメンダー" やきそばかおる "の I love RADIO 第63回
今回は、2023シーズン横浜DeNAベイスターズスタジアムDJに就任した山田みきとしさんにインタビューを行いました。山田さんは山陰放送、文化放送のアナウンサーを経て今年の春にスタジアムDJに転身しました。
山田さんは父親の影響で7歳の時に野球を始めました。父親はとある高校の野球部に所属していましたが、練習が非常に厳しくて断念。その時の監督がのちに東京都内の高校の監督に就任すると甲子園への切符を掴みました。 父親が「あのまま辞めずに監督の下で野球を続けていたら甲子園に行けていたかもしれない」と未だに後悔しているのをみて、山田さんは「自分は最後までやりきろう」と思ったそうです。ところが、高校に入学して瀬戸内高校の野球部に入部すると、壁にぶつかってしまいます。
◯自分なりのポジションを見つけること
やきそば 瀬戸内高校といえば野球の名門ですよね。
山田さん 私は小学2年生の時に野球を始めて、小中学校でキャプテンも務めて自信満々だったんですけど、いざ高校に入学すると野球部には全国からものすごい人物が集まっていました。「このままではメンバーに入れない」と初めて挫折を味わいました。
やきそば それでも辞める決意はしなかったんですよね。
山田さん そこで「自分にできることはなんだろう?」と考えました。練習中の声出しやグラウンド整備を率先して行ったり、悩んでいる部員がいたら悩みを聞くようにしました。
そのうち「盛り上げ役がいたほうがベンチの空気がよくなるんじゃないか」との監督の判断で、2年時にベンチに入ることになりました。試合に出るわけではないからベンチから外れることもありませんでした。
やきそば 裏の役割に徹底したわけですね。
山田さん そうです。監督のマッサージもやっていました(笑)。マッサージをしている最中などに、監督に「最近、頑張っている選手は誰?」と聞かれて「◯◯は練習が終わったあともバッティング練習に精を出してます」と言うと、監督がその部員に注目することもありました。気が付くと監督と選手とを繋ぐ立場になっていました。
やきそば 自分なりのポジションを見つけたわけですね。
山田さん ただ、やっぱり技術が劣っているのは悔しかったです。ノックではなかなかうまく捕れないことがあって、私だけいつまでたっても終われないことがありました。
練習は大晦日と元日以外は毎日あって野球に没頭していましたが、それでも将来、野球で食べていけるのは何十人も部員がいるなかで、ひとりいるかどうか。私はたとえ試合に出られなくても、3年間で得たものは将来何かの役に立つのではないか、と思い続けました。
◯自分の得意なことを生かして
やきそば そもそもアナウンサーになりたいと思ったきっかけは?
山田さん 高校2年の時、野球部の紅白戦で実況をしたのがきっかけです。自分で言うのも恥ずかしいですが、野球部ではムードメーカーだったので、私がベンチに入ったほうのチームが盛り上がりました。すると監督に「どちらのベンチにも入るな」と言われてしまって、することがなくなったんです。
やきそば ええ〜!
山田さん ちょうどその時、球場用のマイクがあるのを見つけたんです。私はラジオでナイター中継をよく聴いていたので、監督に「実況をしてもいいですか?」って聞いたら「好きにしろ」と言われて実況をやりました。するとこれがすごく盛り上がったんです(笑)。
やきそば そっちでも(笑)?!
山田さん 監督の許可が出たとはいえ、練習の最中に実況をすると緊張感がなくなって怒られるんじゃないかと思ったんです。でも実況を終えると、怒られるどころか監督から「お前の実況、よかったぞ」と褒められました。野球で褒められたことがなかったので、ここで「実況を仕事にしたい」と思いました。
やきそば 人を楽しませようとしてやったことが今に繋がっているわけですね。
山田さん 練習は辛かったんですけど、自分にできることを考えているうちに、自分のポジションを見つけられたのが大きかったです。それがなかったら実況をするという発想に至らなかったと思います。
やきそば 挫折したことがターニングポイントになったんですね。
山田さん 高校時代に比べると、今は自分にできることがたくさんあるのを感じます。
◯どうしても実況をやりたくて
やきそば 実際にアナウンサーの仕事に就いてみて、いかがでしたか?
山田さん 山陰放送では昼のワイド番組、リクエスト番組、テレビの情報番組、高校野球中継の実況と、さまざまなジャンルの仕事を経験しました。
特に実況の仕事をやりたかったので、入社すると自主的に試合を観に行って、ボイスメモに実況を吹き込んだものを上司に提出してアピールしました。その甲斐もあって入社1年目から県大会の実況や優勝校の監督やキャプテンのインタビューを任せてもらえることになりました。
やきそば 山田さんは山陰放送時代からとてもアグレッシブでしたよね。確か全国のラジオ番組を紹介するラップを作ったり、動画を自分で編集して公開したりしてましたよね。
山田さん 撮影用の機材も自分で買い揃えました。ラジオ番組の紹介ラップがきっかけで各地のラジオ番組に呼んでいただいたこともありました。どこでどのように繋がるか分かりません。
◯類は友を呼ぶ
以前、『I love RADIO』で話を伺った『江本一真のゴッジ』(広島FM)のDJを務める江本一真さんは、山田さんと同じ大学に通い、大学生活や就職活動の苦渋をともに味わった大親友です。
やきそば そういえば、「やる気の塊」みたいな感じとか「とりあえず当たってみる」感じとか似てますね。
山田さん テレビ朝日のアナウンススクールにもふたりで通いました。東京の大学に通っているような人が多いなかで、ふたりで最前列のど真ん中に座っていました。
「何か質問がある人?」と聞かれたら真っ先にふたりで手を挙げてました。研修のあとの交流会でもふたりでよく目立ってました。ふたりともスーツが少し派手なものでした(笑)。
やきそば そうですよね。とにかく仲が良い。
山田さん 江本はよく「比べていいのは過去の自分と未来の自分」と言うのですが、私もまさに自分だけを意識するようにしています。ただ、江本が頑張っているから自分も負けられないという思いはあります。
やきそば 確かに、山田さんはラジオでプロ野球の実況中継を、江本さんはDAZNでサッカーの実況中継をしているのも縁ですね。
◯最後まで諦めない
やきそば 山田さんは2020年4月に文化放送に移りましたよね。
山田さん プロ野球の実況の仕事に就くという憧れが捨てきれず、仕事の場を文化放送に移そうと思いました。エントリーにあたり、音源を送ることになっていたのですが、普通に送ったのでは面白くないと思ってラジオ番組のような構成にして送りました。 入社後はさまざまな番組を担当する傍ら、野球の実況の下積みを重ねたうえであげく、9月に実況デビューを果たしました。
山田さん 入社1年目から実況を担当させていただけるのは当たり前のことではありません。私はスポーツ部の所属ではないので、本来は実況を担当することはないのですが、ずっと野球の実況をやりたいとアピールしていました。
やきそば デビューした日はいかがでしたか?
山田さん 『文化放送 ライオンズナイター』の北海道日本ハムファイターズ戦だったんですが、ライオンズはかなり点をとられていました。前日に先輩の斉藤一美アナウンサーから「一方的な試合展開になっても、気を緩めず、諦めず、粘り強く喋ること」と言われて、諦めない実況を心がけました。
やきそば そうですか......。
山田さん ただ、プロ野球の実況をやっていること自体が夢のように感じられて、自分でも信じられませんでした。17歳の時にプロ野球の実況の仕事を夢見て、それが叶ったのが27歳。瀬戸内高校のグラウンドで描いていた夢を、10年後にベルーナドームで叶えられたのは感慨深かったです。
やきそば プロ野球の実況の魅力を教えてください。
山田さん 実況の世界はとても奥深いものがあります。使用する言葉も多いですし、同じ言葉を使うのもなるべく避けます。
ラジオとテレビでは実況の仕方が違っていて、テレビは映像先行で映った状況を見て実況することが多いのですが、ラジオは映像がないから自分が目にしたものを言葉で伝えます。いわばアナウンサー主導です。そこにとてもやり甲斐を感じます。
◯横浜DeNAベイスターズ、ハマスタの魅力
現在は実況で培ってきたことを横浜スタジアムのDJの仕事に生かしています。
やきそば (インタビューを行った時点で)オープン戦6試合を担当されましたが、いかがですか?
山田さん 実況の仕事はスタジアムDJの仕事とは異なりますが、非常にやり甲斐があります。実況は状況をきちんと伝えることが第一なのに対して、スタジアムDJはとにかく盛り上げます。
試合前、試合中、イニング間で盛り上げて、ヒーローインタビューも行います。しかも横浜DeNAベイスターズは試合前やイニング間などのイベントがとても多いです。
例えば大型ビジョンに映ったファンの皆さんを撮影して写真をプレゼントする時間や、グラウンドでフライキャッチにチャレンジする企画、さらにダンスコンテストなどもあります。
やきそば 山田さんの「人を楽しませたい」という基本の考え方に合ってますね!
山田さん イベントのルール説明をしたり、イベントの様子を実況したりして、今までやってきたことを全て生かしています。試合中もスタジアムDJの仕事は瞬発力がとても大事なので、ファインプレーがあると即座に選手の名前をコールするようにします。
ただ、喋りがアナウンサーっぽくなることがあるので、試行錯誤しながら、もっとDJっぽく盛り上げられるようにします!
◯ベイスターズの今年の展望
やきそば 今年のベイスターズはどうでしょう?
山田さん 昨シーズンは優勝こそ逃しましたが、ハマスタ17連勝がありましたし、優勝争いもしました。ですので今シーズンは優勝、日本一を期待しています。メジャーリーグで活躍していたバウアー投手が加入することにも注目です。
バウアー投手はダルビッシュ有投手と争ってサイ・ヤング賞を受賞しました。本当に楽しみです。WBCに選ばれた今永投手、牧選手もいます!
やきそば 確かにエキサイティングなシーズンになりそうですね。
山田さん そんな年にスタジアムDJができて嬉しいです。今シーズンから声出し応援や鳴り物もOKになったのでスタンドの熱気も戻ってきています。ベイスターズは打ち上げ花火も綺麗なので、ぜひ皆さんに遊びにきてほしいです!
後半は、聴けばもっとプロ野球が楽しくなる"プロ野球関連番組"のなかから一部を紹介します。
北海道では、岩本勉さんのファイターズ愛が炸裂したトークが楽しめる『ガンちゃんの世界一面白いプロ野球の番組』(HBCラジオ 日曜 12時〜12時50分)、ファイターズの試合前に気分を盛り上げる『吉川のりおスーパーLIVE』(STVラジオ 月曜〜金曜 16時〜17時55分 ※月曜は18時まで)、試合の熱気をそのままにアツいトークを届ける『リアルタイム!』(STVラジオ 月曜〜金曜 21時〜22時)などを放送。
AIR-G'(FM北海道)はES CON FIELD HOKKAIDOのレフトスタンドに位置する「TOWER 11(タワー・イレブン)」内にサテライトスタジオ「F STUDIO(略称:エフスタ)」を開設。北海道ボールパークFビレッジやエスコンフィールドの情報を発信します。
宮城のTBCラジオでは『プレスポ』(火曜〜金曜 17時14分〜17時59分)がスタート。楽天イーグルス、ベガルタ仙台などのスポーツ情報をはじめ、担当するアナウンサーが気になっている情報を発信。『tbc POWERFUL BASEBALL』が楽天モバイルパークからの中継の時は、解説者と実況アナウンサーが試合のポイント、注目選手などを詳しく紹介します。
ニッポン放送では『ニッポン放送ショウアップナイタースペシャル 伊集院光の集まれ!野球おじさん』(初回は4月15日土曜 17時50分〜20時)がスタート。芸能界屈指のプロ野球ファンが集結し、あふれるチーム愛と応援トークを競う特別番組『ニッポン放送ショウアップナイタースペシャル ラジオペナントレース』で展開された伊集院さんの持ち込み企画です。
文化放送では『岩本勉のまいどスポーツ』(月曜 17時45分〜18時30分)を放送。こちらはガンちゃんがさまざまなスポーツを独特のアングルで取り上げます。人情味あふれるエンターテイナーのガンちゃんならではの企画が盛りだくさん。
愛知ではCBCラジオが試合直前情報満載の『ドラ魂キング』(月曜〜金曜 16時〜21時 ※月曜は20時まで)や他球団のファンのリスナーも多い戸井康成の『ドラ魂ナイト』(火曜〜木曜 21時〜22時)、若狭敬一アナウンサーの緻密な準備による濃厚なトークが楽しめる『若狭敬一のスポ音』(土曜 12時20分〜16時15分)等で盛り上げます。
東海ラジオでは『Live Dragons!』(月曜〜金曜 17時15分〜17時56分 ※月曜は18時まで)を放送。平松伴康がリスナーと一緒に全力でドラゴンズを応援します。東海ラジオは中日ドラゴンズのオフィシャル・ゴールドスポンサーです。
大阪のABCラジオは『おはようパーソナリティ 小縣裕介です』(月曜〜木曜 6時30分〜9時)(金曜は『おはようパーソナリティ 古川昌希です』)をはじめ、生ワイドを中心にタイガース一色。『ますだおかだ増田のラジオハンター』(木曜 12時〜15時)では熱烈なタイガースファンの増田さんによるタイガーストークのほか、タイガースに関連した投稿コーナーもあります。
MBSラジオも朝から夜まで生ワイドを中心にタイガース一色。なかでも『金村義明のええかげんにせぇ〜!』(月曜 15時〜17時43分)は金村さんがここだけの情報を交えながらタイガースを叱咤激励します。ナイター中継が終わったあとは『MBSベースボールパークEXトラ!』(火曜〜木曜21時〜21時55分)で試合を振り返ります。
広島ではカープに関連した番組を多数放送しています。なかでもすっかり長寿番組となったのがRCCラジオ『アンガールズのカープ愛炸裂番組 カーティスト』(月曜 19時〜19時30分)。アンガールズとゲストとのまったりとしたカープトークがたまりません。
『それ聴け!Veryカープ!』(月曜 17時46分〜19時)は坂上俊次アナウンサーと"自称"カープ芸人、ボールボーイ 佐竹がお届け。ふたりとも着眼点がマニアック。選手インタビュー、若ゴイ情報、コメンテーターによる独自の目線からの解説のほか、聴いて得した気持ちになれる1時間。RCCラジオのアプリ「IRAW」ではスタジオの生の様子が見られます。
広島FMでは今春『ウエスタン・リーグカープ応援中継』(水曜 11時30分〜13時、13時30分〜14時55分 ※9試合)を放送。広島の民放4局(中国放送、広島テレビ、広島ホームテレビ、テレビ新広島)のアナウンサーがローテーションで由宇練習場から実況生中継。全国的にみても非常に珍しい試みです。
同局では『アラウンドカープX』(月曜 13時30分〜15時55分)も放送。DJは、元カープ選手・廣瀬純コーチの妻であり、二児の母、アスリートフードマイスターの資格を持つ廣瀬桃子。カープ情報はもちろん"カープのまわり"の情報も伝えます。「桃子のホームランレシピ」のコーナーも。カープ芸人のゴッホ向井ブルーが笑いを添えます。
福岡のRKBラジオは福岡ソフトバンクホークスを応援するRKBのイメージキャラクターにお笑いコンビ「とらんじっと」が就任。あらたが「RKBホークス応援団長」、原ノコシは「見習い」として、ホークスファンと一緒に全力応援します。
また『#さえのわっふる』(月曜〜木曜 13時〜17時48分)の番組後半は野球中継を盛り上げるべく、とらんじっと・あらたが登場。コンビを組む火曜日パートナーのとらんじっと・原ノコシと一緒に、試合直前のホークスにエールを送ります。
KBCラジオでは芸人たちが送る、ニュース、クイズ、大喜利、そしてもちろんホークス情報ありの"超"バラエティプログラム『ハッピーアワー』(月曜〜金曜 16時~17時55分)がスタート。
トークバラエティが人気のKBCラジオが放つ新番組に期待大。中継終了後は『DAN!DAN!DAN!』(火曜〜金曜 21時55分まで)を放送。ホークス大好き芸人らの熱盛トークが楽しめます。出演はチムニー(火曜)、カーネギー(水曜)、とらんじっと(木曜)、ハニー(金曜)。
鹿児島ではMBCラジオ『青だよ!たくちゃん!』(土曜 13時30分〜16時30分)でプロ野球を応援する企画「私の熱狂パワフルプロ野球」を放送中。さまざまな球団を対象にファンからのアツいメッセージを紹介します。
たくちゃん(野口たくおさん)は大の読売ジャイアンツファン。新たに加わった森万由子アナウンサー(吉田正尚ファン)もプロ野球を熱烈応援します。全国各地のさまざまな球団のファンからも、「私にも言わせて!」と言わんばかりのメッセージが届きます。リスナーの皆さんからの愛のある文章にも注目。
<了>