【ラジオレコメンダー" やきそばかおる "の I love RADIO】"おしゃべりモンスター"が届けるラジオと音楽〜ラジオ関西『Clip』近藤夏子さん〜

ラジオ レコメンダー" やきそばかおる "の I love RADIO 第65回

今回はシンガーソングライターの近藤夏子さんに注目。2023年3月からは4ヶ月連続リリースを行った近藤さん。

ラジオパーソナリティー としても人気で、全国各地のファンに支持されています。さらに今春、大阪キリスト教学院 大阪キリスト教短期大学 幼児教育学科 「教育テックコース」客員教授に就任。

「コミュニケーション演習」の講義を開始しました。予測不能な展開が面白く、「近藤さんのラジオは面白い」と人気の近藤夏子さんにラジオと音楽について話を伺いました。

（ラジオのレギュラー番組）

ラジオ関西『Clip』月曜担当 14時30分〜16時 ※共演：春名優輝アナウンサー

ラジオ関西『神戸ファッションマートpresents マイホーム・マイライフ』金曜 17時35分〜17時50分

ABCラジオ『ドッキリ！ハッキリ！三代澤康司です』水曜担当 9時〜12時

滋賀・e-radio『Spike!!』土曜 18時〜18時30分 ※共演：仙石幸一

（代打出演）

Kiss FM KOBE『ENERGY FRIDAY !!!』（2023年4月7日〜6月30日）※共演：ターザン山下

（テレビのレギュラー番組）

山陰放送『生たまごBang!』水曜 19時〜19時54分

▲ラジオ関西でのひとコマ。春名優輝アナウンサー（右）と

いきなり飛び込んだラジオの世界

やきそば 近藤さんといえばラジオでのおしゃべりが面白くて"おしゃべりモンスター"と呼ばれていますが、近藤さんはラジオっ子だったわけではないそうですね。

近藤さん そうなんです。ラジオのインタビューであんまり堂々と言える話ではないけど、ラジオには触れてきませんでした。初めてのラジオのレギュラー番組は2009年春から滋賀で放送された『Happy Mania』（e-radio）で、喋るのが大好きだったんで「ラジオの仕事、本当に初めてなの？」と聞かれたほどです（笑）。

「喋るのがうまい」と言ってもらえるのはありがたかったけど、自分ではそんな自覚は全くなくて。良くも悪くもラジオがどういうものなのか、分かっていなかったんで、与えていただいたお仕事を全力で頑張ってました！

やきそば そこが逆に良かったのかもしれませんね。

近藤さん 自分なりに楽しく話していたので余計なプレッシャーは感じてなかったです。月に1度、土曜の深夜に『オールナイトニッポンR』（ニッポン放送）を担当していた時も「あの『オールナイトニッポン』！」と気負うことなく、とにかく楽しんでました（笑）。

根は真面目なんです（笑）

やきそば 近藤さんはラジオでの気遣いが細かいですよね。例えばパートナーがある番組のタイトルを言ったとすると、近藤さんがすかさず「○○（ラジオ局の名前）の番組ですね」と補足を入れる、といったことをきちんとやっていらっしゃる印象があります。

近藤さん 自分で言うのもおこがましいけど、根はすっごく真面目です。無意識にやってしまうので、フォローしながら自分でも「またやってるわ〜」と面白く思えてくるんです（笑）。

ラジオって"みんな"に届けるというより、一対一でコミュニケーションを図るものだと思ってるので、初めて聴く人もいるかもしれないし、置いてきぼりにしたくないんです。だからついついフォローの言葉を入れちゃうんですよ（笑）。

やきそば 近藤さんは出演する番組のパートナー（特番・代打出演含む）が20代から60代までまんべんなく揃っていますよね。春名さん以外は年上ですが、「近藤さんと一緒だと放送しやすい」と言ってもらえることがあるのでは？

近藤さん ありがたいことに、そう言っていただけるようになりました。特にスタッフの皆さんから言われることが多くて、「近藤さんだったら台本がなくても大丈夫ですよね」と言ってもらえます。私がもともと台本をあまり読まないのを知ってるからかもしれませんが（笑）。

e-radioの『Spike!!』がスタートする時に久しぶりにお会いした仙石さんにも「近藤さんは喋りやすい」と言っていただきました。

やきそば 年上のパーソナリティーから言っていただけるのは勲章のような気がします。

近藤さん そのあたりの実感は全くないんです（笑）。自分が出演した番組を聴き直したり、知り合いが出ている番組は聴くけど、私自身はラジオを聴いてこなかったんで普通のラジオがどんな感じか、分かってません（笑）。

かけあいを楽しむこと

やきそば なかでもラジオ関西の『Clip』（月曜）とABCラジオで北村真平アナウンサーと不定期に放送している『よなよな...』のキンレイとのコラボ特番（ラジオ関西でも春名アナと放送）は、近藤さんが主導権を握りながら進行していて、ほかの番組とはまた違った痛快さがあります。

近藤さん 特にこの2本は私がやりたいようにやってます（笑）。『よなよな...』は北村さんがアナウンサー歴も長いし、基本的にツッコミ役に徹してくれてストッパー役にもなってくれるんで自由にやってます。

春名さんは年下で、アナウンサー歴もそこまで長くないので、私が主導権を握ろうと思えばいくらでも握れてしまいます。だからこそいきすぎないようにしてます。

例えば「春名くん」と呼ぶところをあえて「春名さん」と呼んだり、丁寧な言葉遣いで接したりして少しずつ会話の雰囲気を変えたりして。

やきそば 春名さんは近藤さんとはまた違った意味で真面目で、しっかりしようとしているのが伝わってきます。

近藤さん 真面目なのは春名さんの良いところだけど、考えすぎるのがちょっと心配。私のことをもっと信頼してくれてもいいんですよ（笑）。いつもノートに話す内容を丁寧に書いてて、それを読んでる感じなんです。

例えば春名さんが「今日は良い天気でしたね」と言ったあと、私がそこから話を膨らませようと思っても、春名さんは次の話にいってしまう感じなんで、「私の話、聞いてる？」と思うことがあるんです（笑）。

肩の力が抜けたらもーっと面白いかけあいになりそうです。笑福亭鶴瓶さんもネタ帳に出来事を書いてるけど、基本的に箇条書きで書くだけやから話が膨らみやすいんです。

『ドキハキ』三代澤さんのすごさ

やきそば ABCラジオ『ドッキリ！ハッキリ！三代澤康司です』（通称『ドキハキ』）の三代澤さんは還暦を迎えたとは思えないパワーを感じます。

近藤さん 三代澤さんはホンマに元気（笑）。パワフルすぎて、三代澤さんはもはや人間じゃないと思ってるし、同じ人間だと思ったらへこむほど精神が強くて凄いバイタリティ！ ただ、三代澤さんは「僕は冷たい人間なんです」って言うんです。

精神が弱くないから、困っている人にどのように声をかけたらいいのか分からないらしく、「それに比べて近藤さんは弱い人の気持ちも分かって、心も強くなってきてるから僕よりはずっと強い人間やと思う」と言ってくれました。

『よなよな...水曜日』のトークで私が弱い部分を見せていたのを聴いて「この人なら、ラジオを一緒にやっても大丈夫」と思ったそうです。

やきそば 三代澤さんはフリーになってから、ますますパワフルですよね。

近藤さん フリーになることを自分で決意して、自分で選んだ道を正解にしてるから凄い！ 『ドキハキ』ではそんな三代澤さんの生き方も学んでます。

『ドキハキ』は三代澤さんがおもろいと思うことに対して、どれだけ自分もおもろいと思って参加できるか、が大事だと思ってます。三代澤さんは私が経験したことがないことを楽しんでるんで、私も一緒に楽しんでます。

やきそば 4月にスタートしたばかりの『Spike!!』（滋賀・e-radio）はFM局の番組ですが、トークも多いですね。

近藤さん そうなんです。番組がスタートするにあたり、仙台さんに久しぶりにお会いした時に「近藤さんは喋りやすい」と仰ってくれたのが嬉しかったです！

やきそば ターザン山下さんとは『ENERGY FRIDAY !!!』で6月まで産休中の小林祐梨子さんの代打を務めたり、テレビ番組でも何度も共演してこられましたが、いかがですか？

近藤さん ターザンさんはカリスマで努力家で、いろんなことができるのに不器用でポンコツ（笑）。大ベテランやけど、大事なお知らせを読むための原稿に今でも赤ペンでびっしりとチェックを入れてるんです。

しかも息継ぎをする位置まで印をつけるほどキッチリしているのに、噛むことがあるんです。そんなところに人間味を感じるので大好きです！

やきそば 放送時間もパートナーも異なる番組を複数担当していて、いかがですか？

近藤さん まわりの人の話では、毎日同じ番組に出演するのに比べて、放送時間もパートナーも違う番組を複数担当するほうが大変らしいけど、私は人と喋ることにストレスを感じないんで楽しい気持ちのほうが勝ってます。

やきそば 生放送の進行は頭をフル回転させないといけませんが、なかでも『Clip』の月曜日の15時台はコーナーが多いですよね。近藤さんと春名さんが楽しく、内容も濃く放送していて圧巻です。

近藤さん 『Clip』はまだ始まって1年3ヶ月だけど、ありがたいことにたくさんの方に聴いていただいています。スポンサーさんと一緒に企画をする場合も、とにかく楽しく聴いてもらえるようにしてます。

やきそば 近藤さんの思いは放送を聴いていて、とても伝わってきます。

近藤さん 自分の放送の音源を聞き返した時に、つまらなくてイヤホンを外すような番組にしたくないんです。それは私が大好きなジェーン・スーさんと堀井美香さんのポッドキャスト番組『OVER THE SUN』（TBS Podcast）を聴いているのが大きいかもしれません。

スーさんの番組『生活は踊る』（TBSラジオ）もそうだけど、スポンサーとのタイアップ企画でもリスナーの皆さんと一緒に楽しんでいる様子が好きで、私も同じようにさまざまなコーナーをもっとリスナーの皆さんと楽しめるようにしたくて。

『Clip』の月曜日はお昼の2時半からの番組にしてはかなり賑やかに聴こえるかもしれんけど、私を呼んでいただいたのは「私のテンションで大丈夫」ということだと勝手に思ってます。そもそも私は穏やかな放送をしたくてもできない性格なんで（笑）。

鶴瓶さんの勘

やきそば 近藤さんといえば、昔から笑福亭鶴瓶さんが近藤さんを面白がっていた印象が強いです。

以前（2019年）『笑福亭鶴瓶 日曜日のそれ』（ニッポン放送）にゲスト出演させていただいた時に近藤さんの話になり、僕が「近藤さんのラジオが面白いです」という話をしたら、鶴瓶さんもラジオが大好きな方なので「夏子のラジオ、面白いんか。夏子、ええよなぁ〜。あいつはおもろい」と嬉しそうにしていらっしゃったのを覚えています。

近藤さん 鶴瓶さんは、ずっとどこかで私のことを気にかけてくれてるんです。私はデビューした時に鶴瓶さんの番組にゲストとして出させていただいて、本来は10分の予定だったのに面白がってくれてそのまま残ることになって！

しかも「夏子がこんなにおもろいんやから、お母さんもおもろいはずや」と言って、ラジオのスタジオから母親のケータイにアポなしで電話をかけたんです。鶴瓶さんが「もしもし鶴瓶です。今、夏子とおるんやけど」と告げると、母は「え？ 鶴瓶？」って。

大御所に向かって呼び捨てにしてました（笑）。確かに芸能人からいきなり電話がかかってきたらびっくりしちゃいますよね、普通は（笑）。私と鶴瓶さんは初対面にもかかわらず、私のことを「おもろい」と見抜いてくれたのは本当に嬉しかったです。

やきそば 近藤さんのラジオを聴いていると島根のご家族の話がよく出てきますよね。本当に仲が良いですね。

近藤さん 私、家族に対する愛が半端ないんです（笑）。父も母も祖父も祖母も兄妹も、み〜んな仲良しで、なにひとつ不自由のない恵まれた環境で育ちました。

みんな喋るのが大好きで、むしろ"おしゃべりモンスター"と呼ばれている私が無口になるほどよく喋ります。家族と一緒にいる時は私は聞いていることのほうが多いくらいだし、みんな、顔もめちゃめちゃ広くて、新年会には80人くらいが集まります。みんなコミュニケーション能力がエグいんで（笑）。

やきそば ご家族の皆さんも近藤さんの番組をよく聴いていて、近藤さんのLINEによくリアクションのメッセージを送っていらっしゃいますよね。

近藤さん 家族全員、私が出てる番組をよ〜〜く聴いてます（笑）。父は私のライブには来たことはないけど、『よなよな...』がきっかけで私が出る番組を聴くようになりました。父はリアクションこそしないけど、密かに全部聴いてくれてます（笑）。

やきそば 近藤さんは今春から活躍の場をさらに広げて大阪キリスト教短期大学 幼児教育学科 教育テックコースの客員教授に就任されましたが、ご家族の皆さんも喜んでいらっしゃるのでは？

近藤さん 喜んでますよ〜。私の担当は「コミュニケーション演習」なんですけど、母には昔から「あんたは口がうまいから、人に何かを教えるのは向いていると思う」と言われてたんです。

私なりのコミュニケーション術があって、今は自分でそれを分析中。例えば、人に失敗したエピソードを聞く時は相手にいきなり聞かずに、まずは自分のエピソードを話してから聞くと相手も話しやすくなるといった具合。

学生の皆さんは私の話をとても真剣に聞いてくれます。学生の頃の私とはえらい違い（笑）。

4ヶ月連続リリース曲紹介

2023年3月から6月にわたってリリースされた新曲についてお聞きしました。（リリース時のコメント付き）

『アカイイト』（2023年 3月リリース）

女の子の"重い想い"を近藤夏子らしくポップに歌ったラブソング。思わず共感してしまう!? "こわカワイイ"歌詞に注目。

「私らしく実体験から作りました。"赤い糸なんてロマンチックなこと言ってないでぶっとい鎖で繋がせてね♡"っていう、表になかなか出せない本音をpopなメロディーにのせた近藤夏子ぶし!! 春のお散歩に聞いてもらうとテンポ的にはピッタリです（笑）」（近藤さん）

やきそば 恋愛ならではの怖い気持ちを歌詞にしていますが、「春のお散歩に聞いてもらうとテンポ的にはピッタリ」と仰っていたのが印象的でした（笑）。

近藤さん 私自身、歩く時に聴いてるんですよ。ウキウキな気分で歩くのとは裏腹に歌詞の内容は重いけど。

やきそば そのギャップがたまりませんね（笑）。

『ばぁばぁちゃん』（2023年 4月リリース）

ラジオリスナーからの"大好きなおばあちゃんへの感謝の気持ちを込めて、おばあちゃんの曲を作ってほしい"というリクエストを受けて制作された。おばあちゃんという自分にとって大きな存在を大切に想う気持ちを素直に届ける歌詞と、どこか懐かしいメロディで、心がほっこりあたたかくなるような楽曲に仕上がっている。人と人の心を繋ぐラブソング。

「血の繋がりに関係なく、"おばあちゃん"という存在が私たちにくれる温もりを表現したいという思いで作詞作曲しました。私自身もこの曲を聴くと地元を思い出したり、自分のおばあちゃんに会いたくなって心がじんわりあたたかくなります。おばあちゃんのことが大好きなおばあちゃんっ子、自分自身がおばあちゃんという方も、たくさんの方にこの曲が届いたら嬉しいです」（近藤さん）

やきそば お世辞抜きで『ばぁばぁちゃん』と『約束って悪くないな』はNHKの『みんなのうた』に選ばれてほしいくらいです。

近藤さん ありがとうございます。私もそう思います（笑）。『ばぁばぁちゃん』はラジオから生まれた曲だから、リスナーの皆さんからとても大きな反響がありました。

おばあちゃんはあまり前に出るタイプではないかもしれないけど、会いに行きたくなるでしょ。『ばぁばぁちゃん』はおばあちゃんへの愛と、会いに行きたくなる理由などを込めています。

『約束って悪くないな』（2023年 5月リリース）

近藤夏子自身が生きることが難しいと感じてしまった時にできた楽曲。自身の中で溢れ出す感情をそのまま書き起こした歌詞を、無機質なようで力強くも感じられる「鼓動」のようなリズムに乗せた、同じように感じている人の心に寄り添う楽曲となっている。

「ただ、ただ、その瞬間に歌詞も曲もいっきに書き切りました。曲を作ってるっていう感覚はなくて、生きるために必要な行動だった。って感じでできました。なので、最初はなんの意識もせず、誰かに聴かせるつもりもなく、自分を救うつもりで書いた楽曲です。

なんで生きてるんだっけ？？なんてこと、考える人が多いのか少ないのかは分かりませんが、もしそんなことがあったり、小さな嫌なことがあって落ち込んだ時に聞いてほしいです」（近藤さん）

やきそば 無機質でありながら力強くも感じられる鼓動のようなリズムに乗せた楽曲となっていますよね。

近藤さん そこはかなりこだわりました。揺れる感情を歌っている楽曲だからこそ、心臓のように一定に動く音が必要でした。

やきそば 近藤さんは数年前に精神的にかなり参っていた時期があって、「ひょっとすると明日、自らこの世からいなくなる選択をするかもしれない」と思っていたことを放送でカミングアウトされていただけに、この曲の公開は覚悟が必要だったそうですね。

近藤さん 『約束って悪くないな』はおよそ5年ほど前に作った曲で、心がボロボロだった時期。仕事中はまわりの人に分からないようにしてたけど、家ではかなり落ち込んでました。当時の自分の気持ちをそのまま歌詞にしたエグい内容だから、リリースするのは勇気と覚悟が必要...。

とはいえ、私にとって大切な曲なのは確かなので、いつかリリースをしたいとは思ってました。実際にライブでは演奏してたから、私を支えてくれるファンの皆さんにはおなじみの曲だったけど、いざリリースするとなると、私がラジオやテレビで見せる明るいキャラクターとは異なるため「ひかれるんじゃないか」と思って発表を控えてたんです。

1年半ほど前に自分の心に大きな変化が起きて、「これからは人の目を気にするのをやめて、自分が歌いたい楽曲を歌おう」と思うようになり、リリースを決めました。

やきそば 近藤さんは自身の経験を踏まえたアドバイスをすることも多くて、『Clip』に精神科医の井上智介先生をお迎えしてお悩み相談をする時は、近藤さんも体験談を赤裸々に話しますよね。

近藤さん 井上先生も自身のことをあけすけに話していて、精神科医の先生でも自分で精神のバランスが取れないことがあることを話してくださいました。私も経験者だから、同じような思いで悩みを抱えている人に届けたいんです。

ちなみに三代澤さんは、私が昔『よなよな...水曜日』で鬱になっていたことをあけすけに話しているのを聴いて、「喋り手としてこの子は素晴らしい」と思ったそうです。

やきそば あけすけといえば、地元の山陰放送の人気ラジオ番組『森谷佳奈のはきださNIGHT！』（2023年5月29日放送）にゲスト出演した時も、山陰放送のテレビ番組『生たまごBang!』で共演していてお付き合いの長い森谷さんに、ここ数年の心の変化について赤裸々に話してましたね。とても聴きごたえのある内容でした。

近藤さん 森谷さんは人のことをとてもよく見ていて頭の回転も速い！ テレビ番組のロケの最中もまわりの状況を読んでいて、「共演者や視聴者が欲しているのは何だろう」と頭を働かせてます。

このあいだの『はきださNIGHT！』のインタビューの時も細かい配慮が素晴らしくて、私が気持ちよく話せる空間をつくってくれたので深い部分まで話せたんです。

やきそば 改めて4曲を聴き直すと『ばぁばぁちゃん』と『約束って悪くないな』は、これまでの楽曲とは少し雰囲気が違いますよね。

近藤さん 以前から私を知ってくれてる皆さんには「新生・近藤夏子だね！」と言ってもらえることが多いです。とにかく私が歌いたい曲を発表したんで"自己満足な作品"でもあります。

今までは肩肘を張って歌う印象が強かったと思うけど、『ばぁばぁちゃん』は歌い方も変えてます。「本来の近藤夏子の優しさが出ているね」と言われます。

『Dear you』

別れても会いたいと思ってしまう、情けなくて、恥ずかしい気持ちを切ないピアノの旋律に乗せて届ける失恋ソング。繊細な心の温度を表現したジャケットは、イラストレーター・asukaが手がけた。

「誰にも聴いてほしくないくらい赤裸々な気持ちを歌詞にしました。最後の『君が好きです 好きになってごめんね 会いたいよ 本当バカだよね』という言葉に言いたいことがすべて詰まっています。こういう経験っていつかきっと宝物になると思うので、失恋した人も気持ちが落ち着いたら聴いてもらえたらうれしいです」（近藤さん）

やきそば 以前、近藤さんが番組で「聴いてほしいけど聴いてほしくない。聴いてほしくないけど聴いてほしい」と仰っていたのが印象的でした。

近藤さん 友達に聴いてもらうのと同じくらいの感覚でリリースしました。歌詞はもちろんですが、歌い方にも注目してもらえると嬉しいです。今までは聴いた人が自由に想像できるように淡々と歌って余白を残してたけど、『Dear you』は感情を乗せて自分の思うがままに歌いました。 やきそば 『Clip』の春名さんは、今までの近藤さんの歌い方とは違うことを指摘してましたね。

近藤さん そうなんです！ 春名さんは、そういうところに気付くの（笑）。

しかもリリース前に『ドッキリ！ハッキリ！三代澤康司です』でオンエアされた部分を何度も聴き直したそうで、「1番のサビの『君の左腕に勝てるわけないよね』の部分の歌い方がいいですね」と感想をLINEで送ってくれました。

この部分は特に感情的に歌ってるんです。春名さんは分析が好きでこういう細かい部分に気付くから、まさにオタク気質（笑）。

（近藤夏子・プロフィール）

島根県大田市出身。2歳からピアノを始め、高校卒業後、大阪で本格的に音楽活動を始める。ストリートライブで注目を集め、2010年『リアルでゴメン...』でメジャーデビュー。立ってキーボードを激しく叩くライブパフォーマンスで大きな話題を集めた。

観客を巻き込むスタイルの飛び抜けたパフォーマンス力で、観ている人全員を笑顔にさせる。また、即興ソングのクオリティーの高さがメディアで話題となり、テレビ/ラジオ/学校/企業から依頼が殺到し、現在では自身の大きな武器の一つとなっている。

（お知らせ）

毎年恒例となっている近藤夏子のバースデーライブが、誕生日当日の2023年7月29日（土）に東京・渋谷LUSH、8月6日（日）に兵庫・クラブ月世界で開催。両公演で4ヶ月連続リリースされた楽曲もすべて披露されます。詳細は近藤夏子の公式サイト、SNSにて。

最後はミュージシャンが担当する生放送の番組を紹介します。

埼玉のFM NACK5『ラジオのアナ〜ラジアナ』（月曜〜木曜 25時〜28時45分）の火曜はMOSHIMOのヴォーカル、ギターの岩淵紗貴が担当。おしゃべりが好きで音楽に詳しい岩淵さん。深夜1時台の「ラジアナ新人発掘部」と2時台のゲストコーナーでは、まだあまり知られていないミュージシャンも積極的に紹介しています。

特にゲストコーナーではミュージシャン同士だからこその話で盛り上がります。ほか、パーソナリティーは保井ひろゆき（月曜）、西田好孝（入間国際宣言）（水曜）、俳優・平井珠生（木曜）。木曜の平井珠生は弾き語りも行います。

山梨のYBSラジオでは2023年春に『ミュートレック〜MuTrek〜』（土曜 9時〜12時50分）がスタート。シンガーソングライターの神部冬馬が「音楽の世界を旅する」をコンセプトにお届け。タイトルは「MUSIC」と「TREK」（旅）を掛け合わせたもの。選曲のラインナップが面白いです。

兵庫出身のクマガイタツロウ（ワタナベフラワー）はKiss FM KOBE『シャカリキ』（月曜〜木曜 7時30分〜11時）、ラジオ関西『ワタナベフラワーのウホウホ！ゴリラジオ』（日曜 10時〜11時30分）、『サンデー神戸』（日曜 9時〜9時30分）と大活躍。『シャカリキ』は朝からテンション高めでロケットスタートを切りたい人にうってつけです。

＜了＞