【ラジオレコメンダー" やきそばかおる "の I love RADIO】好奇心旺盛DJが自らの「好き」を存分に届ける〜千葉bayfm『シャララ島』シャラ ラジマさん〜

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ラジオ レコメンダー" やきそばかおる "の I love RADIO 第67回

今回は千葉のbayfmで2023年春に始まった『シャララ島』(土曜 早朝4時〜4時27分)のDJ、シャラ ラジマさんに注目。ワールドワイドな話と素敵な選曲が気になり、気がつけば毎回聴いています。radikoのタイムフリーやポッドキャストで好きな時間に聴くことができることもあり、リスナーが増えている番組のひとつです。2023年8月には"FORBES JAPAN 30 UNDER 30 2023" 「世界を変える30歳未満」に選出されたほか、さまざまな分野で注目を集めているシャラ ラジマさんに話を伺いました。


●シャラ ラジマ

東京都北区王子出身。ルーツはバングラデシュ。報道番組・バラエティー番組出演、モデル、執筆など、多分野で活躍。

趣味・興味は居酒屋探訪、レトロ喫茶巡り、少女漫画、三島由紀夫、世界史の勉強、トランス音楽鑑賞。中島みゆき『地上の星』が好きでカラオケで熱唱する。

憧れの人物は北野武、カニエ・ウェスト。

"FORBES JAPAN 30 UNDER 30 2023" 「世界を変える30歳未満」に選出。


やきそば シャラ ラジマさんはラジオで喋るようになったきっかけが、ちょっとユニークですよね。

シャラ ラジマさん bayfmのオーディションがきっかけで声をかけていただきました。私はおしゃべりが大好きで、マネージャーさんも「ラジオ番組は勉強になるから挑戦してみよう」と言っていたところに、ある番組のオーディションの話をいただいて受けることにしました。

ところが、当日になって会場に行ってみると、集まっていたのは10代後半くらいのキラキラした子ばかりで、私は明らかに場違いだったんです(笑)。

やきそば ええ!

シャラ ラジマさん マネージャーさんと「オーディションを間違えたかも?」と焦ったまま私の番になりました。台本を渡されて、途中でフリートークをしながら喋ることになっていて、フリートークの部分はとっておきのネタを話せたから良かったんですけど、決められた文章を読むのがめちゃくちゃ下手で"いかにも読んでいる感じ"が出ただけでなく、何度も噛んだんです。

「あ、これはダメだ...」と落胆しながら、「めちゃくちゃ緊張しました」と言ってスタッフの皆さんと少しおしゃべりをしました。

やきそば どんな話をしました?

シャラ ラジマさん 久しぶりに海浜幕張に来たら「サイゼリヤ」があるのを見つけたので「サイゼリヤに行きたいです!」といったような、たわいもない話をして帰りました。

やきそば なるほど!

シャラ ラジマさん その番組には落ちたんですけど、後日、bayfmの方から新しい番組のお誘いがあったんです。

やきそば オーディションのあとで肩の力が抜けた感じが良かったわけですね!

シャラ ラジマさん 本当に嬉しかったです! なんでも挑戦することが大事だと思いました。

ギャップの魅力

やきそば 実は僕が『シャララ島』を知ったのは、radikoの番組表でほかの番組よりもアート的なサムネイルを見て「どんな番組なんだろう?」と気になって、タイムフリーで聴いたことだったんです。

するとシャラさんが予想外にたくさん喋っていて、「この人のお話、面白い!」と思ったことでした。

シャラ ラジマさん どうやら、私の顔の雰囲気と、実際に喋っている時の雰囲気に大きなギャップがあるみたいなんです。

初めてお会いした人や、私の写真しか見たことない人だと硬い印象を受けることが多くて、会って実際に楽しそうにどんどん喋っているのを見たり聞いたりした方から驚かれることが多いです。ただ、野性の勘みたいなものが働くので、ギリギリを攻めつつも失言だけ勝手に避けることができます(笑)。

やきそば 『シャララ島』で喋る場ができて良かったですよね。ラジオを聴いてシャラ ラジマさんの魅力に気付く人がどんどん増えていってほしいです。

シャラ ラジマさん ラジオに本当に救われてるんですよ。

自分について知ってもらうこと

やきそば シャラさんはテレビやネット配信番組にも出演されていますが、ラジオとの違いは意識しますか?

シャラ ラジマさん 全然違う! テレビやネット配信番組は、自分がその番組のなかでどんな役割を求められているのかを把握して、短い時間できちんと発言することを意識する空間。

さらに、自分がどんなキャラクターの人間なのかが知られていない場でも、飛び込んでいく力が必要な感じ。実際の私はボケで天然でもあり、たまに鋭いツッコミのなんとも言えないバランス感なんですけど、すぐに発揮してわかってもらうのは難しいなって自分でも思う(笑)。なのでまずは自分のことを軽く広く知ってもらおうと思っています。



北区 王子から海外の話まで

やきそば シャラさんは東京の王子育ちで、地元の美味しい店「回転寿司 飛鳥」や喫茶店「makiya」、中華料理店「鴻運楼」をはじめ名所の話をすることも多くて、思わず行ってみたくなります。王子の魅力はなんでしょう?

シャラ ラジマさん 王子は着飾らなくてすむから私にフィットしてるんです(笑)。昭和の人情のようなものも残ってて、それってなんか感覚的にですけど、バングラデシュに似たところがあるなって勝手に感じちゃってますね(笑)。

やきそば 『シャララ島』は王子の話だけでなく、話がワールドワイドなのがいいですね。例えば海外の航空会社の機内食の話が出てきたりして。

シャラ ラジマさん 機内食は航空会社によって全く違うんです。その国のとっておきのメニューが用意されています。

このあいだパリから帰国した時にオーストリア航空を利用したら、メニューのなかにオーストリアのお菓子、ザッハトルテみたいなデザートがあって。マジでめっちゃ美味しかった。

ドバイを本拠とするエミレーツ航空はおすすめです。食材がしっかり美味しいだけでなく、お酒もたくさん飲める。もはやひとり居酒屋プレーンって感じでしたよ!(笑) しかも夜になると天井がプラネタリウムみたいにもなる!


やきそば 羨ましい! 以前『シャララ島』(第3回放送)で外国語の話になった時に、日本語ではなくベンガル語や英語ばかり使っていると、日本語に戻った時に普段は使わないワードセンスが出てきて、それを「言語洗浄」と表現していたのもとても印象的でした。

シャラ ラジマさん めっちゃ独自の意味わかんない概念ですよね。本当にbayfmのラジオでは好き勝手に持論を展開させてもらってるんです(笑)。

ラジオの収録などに向けて言語センスを高めたいなーって思ったら、私の場合外国の映画を吹き替えなしでぶっ続けで観ることで一旦日本語を忘れさせると、また日本語に戻ってきた時に、自分でも予想しなかったような自由な言葉が出てくることがあるんですよ! 不思議ですよね。

やきそば その感覚は不思議ですね!


▲イスタンブールのモスク


次元を飛ぶ?

やきそば そういえば、シャラさんが人といる時に次元を飛んだことがあるという話は謎でした(笑)。

シャラ ラジマさん え?そんな謎ですか?(笑) 皆さんは飛んだことがないんですかね? 私、何回かあるんです。

小学6年の時に修学旅行で日光に行った時のこと。肝試しをすることになって、怪談を聞いたあとでふたり一組で暗い一本道を歩いた先で先生が児童を脅かして、そのあとゴールに着くというものでした。

私たちは3人で一本道を歩いていて、途中で前を歩いていた組を追い抜くほど余裕でゴールしたんです。途中で全く怖い目にあわなかったんですけど、そしたら先生たちが私たち3人だけ見かけなかったんです。

もちろん私たちも会ってないし...えーーどういうこと!?って感じですよね(笑)。この謎はまたいつかラジオかどこかで...詳しく話させてください! 今は一旦、謎は謎のままで。こういう色んなパターンの不思議なことって、ほかにも経験した人がいると思っているのですが。

やきそば う〜ん...少なくとも僕はありませんが、ひょっとするといるかもしれませんね。

大事なことは学校外で学んだ

やきそば ところでシャラさんが人から言われて嬉しかった一言はなんですか?

シャラ ラジマさん 「何歳になっても好奇心旺盛でシームレスなのが凄い」と言われたのが嬉しかったです。年齢を重ねていくと価値観が固まってきがちですが、私はそうならないようにしています。

それは若い頃から好奇心旺盛で、いろいろなジャンルや年齢の人と仲良くしてきたのが大きいかもしれません。人と話すのが大好きなので、高校時代から学校の外に、会社員からラッパーまでほぼ全ジャンルの友達がいるかも(笑)。

それで色んな人と話してきた影響もあり、学校も楽しかったけど、この世で大事なことはほぼ学校の外で学んだといっても過言ではありません!


やきそば 国内外の人々と接していて、日本と海外の風潮の違いはどう思いますか?

シャラ ラジマさん あくまでも私から見た話ですが、政治の話をひとつとっても海外の人は意見をハッキリと言う印象がありますが、それって必ずしも自分の「考え」を言っているとは限らないんだなと最近思うんです。

誰かの意見を自分の意見のように言っている時もある。海外から見ると日本人は意見がないみたいなイメージだけど、日本で生きていて私は全くそう思わないですね。みんな意見を持っていても言わないだけじゃないですか? 隠しの美学、私は好きです。

だから「日本人が考えていなくて外国人はよく考えている」というわけではないと思っています。

やきそば 確かに日本だと詳しくないと言いづらい雰囲気がありますね。

素直に「好き」と言う難しさ

やきそば 『シャララ島』ではシャラさんの好きなものにまつわる話が多く、人や物を見つけるのがうまい気がしています。

シャラ ラジマさん そうですかね、嬉しいな! 人や物に対して偏見を持って見ないようになっているのかもしれませんね。それは私自身が偏見で見られやすい立場にあった子ども時代だったからかも知れません。実は意外と最近まで、好きなものに対して素直に「好き」と言うのをためらっていました。

やきそば そうなんですか!

シャラ ラジマさん 例えば私は音楽が大好きですが、私より詳しい人はたくさんいるから、どのくらい知っていたら「好き」と言っていいのかわからなかったんです。

友達からは「シャラちゃんは詳しいよね」とは言われるけど、「詳しい」のラインどこ?みたいな。長く悩んだけど、詳しいとか詳しくないとかの話じゃないってわかってからは、好き!って言えるようになりましたね。

やきそば ひとりでも「好き」って言わないと、光が当たらない気がしますよね。

シャラ ラジマさん たとえライブに1〜2回しか行ったことがないバンドも、好き!って言って行くことにしました。今の私は好きな音楽とか漫画とか映画などでできています。

よく「今の若者は趣味がない」と言われますが、それって昔の私みたいに「私なんかが『好き』と言っていいのかな」という卑屈とも言える謙遜の気持ちが潜んでいるのかもなーって感じてます。皆さんも好きなものがある人は言ったほうがいいと思います!!



時代の境目のない音楽

やきそば 音楽も幅広いジャンルのものを聴いていますよね。『シャララ島』でかけている曲もとても良いし、きちんと選曲理由を添えているのが素敵です。あるインタビューで好きなアーティストを聞かれて、COUCOU CHLOE、Shygirl、Arca、Eartheater、Isabella Lovestory、宇多田ヒカルをはじめ、ズラーッと挙げていたのを覚えています。

シャラ ラジマさん これらってマイナーなんですかね? わかんないです(笑)。詳しいイメージかもですが、メジャーどころが抜け落ちてたり。例えば80年代以降のポップスとかあんまり通っていないんですよ。

やきそば 意外ですね。学生時代は何を使って聴いていた世代ですか?

シャラ ラジマさん CDはもう通ってなくて、小学生の時にはiPodから始まりました。昔の曲とか知ってると「よくそんな古い音楽を知ってるね」とか言われるんですけど、インターネットで聴いているから時代の境目がないんです。

新しいリリースだから聴くとか、古い曲だから聴かないといったこともありません。そもそも「古いもの=ダサイ」という概念とかも薄いかも。


三島由紀夫に魅了されて

やきそば なるほど! 確かに時代云々よりは好きかどうかが大切ですよね。あとは読書も好きで、なかでも三島由紀夫の作品が好きなんですよね。

シャラ ラジマさん 10代の時に初めて読んで難しかったけど、まずものすごい文章のうまさに衝撃を受けた。でもその後はエッセイ集『行動学入門』とかはとてもわかりやすく書いてるんですよ、実は。ぶっ飛んだ誰も寄せ付けない文章から、みんなにわかりやすく書くその幅広い技巧に感激ですよ。

やきそば 話を聞いていると、シャラさんは、おそらく感受性が強いほうですよね。

シャラ ラジマさん 間違いない(笑)。好きなものについて話し始めると止まらなくなって、たまに突拍子のない話に転がっていっちゃうんです。話が長くなって、あまりメールを紹介できていないのが申し訳ないです。

やきそば 個人的には『シャララ島』がもっと広まってほしくて、聴いている人も「X」(旧ツイッター)でたくさんポスト(ツイート)してほしいな〜と思います。オンタイムで聴いている人も、radikoのタイムフリーやポッドキャストで聴いている人も。

シャラ ラジマさん そうなんですよ! 何を書けばいいのかわからない人もいると思うので、なんでも良いのでX(#ラジマ)に書き込んでくれると嬉しいです。「聴いたよ!」の一言でもなんでもいいんです。

やきそば まだSNSでリアクションをしていない方も、一度書き込むとクセになりますからね!



最後は海外のことがわかる番組のなかから紹介します。


北海道のFM NORTH WAVEではハワイから情報と音楽を伝える『ISLAND BREEZE from HAWAII』(日曜 8時〜9時55分)を放送。オアフ島にある「Studio Rim Hawaii」からの放送で、リスナーやアーティストを迎えて公開収録を行っています。


世界中を飛び回る葉加瀬太郎さんは『ANA WORLD AIR CURRENT』(J-WAVE 土曜 19時〜19時54分)を担当。ゲストの思い入れのある海外の街の話を軸に盛り上がります。聞き上手でいつも前のめりに話を聞く葉加瀬さん。お相手の幼少期の話から始まり、仕事の裏話、海外の街の話、今後の展望までみっちりと聞き出します。20年以上続く人気長寿番組です。


ROKラジオ沖縄では『ワールド・ウチナーンチュ』(日曜 18時30分〜19時)を放送。世界各国のウチナーンチュ(沖縄県系人)のヒューマンストーリーや海外に息づいている沖縄の心・伝統文化などを紹介。選りすぐった音楽とともに届けます。ナビゲーターは、四半世紀に亘って海外の沖縄県系人を取材してきた前原信一。(アーカイブを放送しています)

<了>

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