【ラジオレコメンダー" やきそばかおる "の I love RADIO】人に薦めたくなる商品を紹介したい〜Babanet Channel馬場雄二さんインタビュー〜

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ラジオ レコメンダー" やきそばかおる "の I love RADIO 第68回

今回は、ジャパネットたかたで10年にわたってテレビとラジオショッピングのMCを務めた馬場雄二さんに注目。馬場さんは今年の夏まで、一日におよそ16本のラジオ番組に出演して商品を紹介していました。現在は「Babanet Channel」を立ち上げて、SNSなどでライブ配信をして視聴者とコミュニケーションをとりながらショッピングができるライブコマースや、配信で商品を紹介するライバーの育成に力を注いでいます。


●馬場雄二

1966年鹿児島県生まれ。1989年、鹿児島放送(テレビ朝日系列)に入社。報道キャスターなどを務めたのち、2013年にジャパネットたかたに入社。テレビショッピングのMCを務めたあと、2019年よりラジオショッピングのMCに。2023年8月23日をもって退社。「Babanet Channel」を立ち上げる。ライバー、セールストーク講師ほか多方面で活躍中。

Babanet Channel サイト

47歳で転職するも、いきなりぶつかった衝撃

馬場さんといえば『平成ラヂオバラエティ ごぜん様さま』(広島・RCCラジオ)や『ドッキリ!ハッキリ!三代澤康司です』(大阪・ABCラジオ)、『デイリーフライヤー』(JFN)をはじめとして、さまざまな番組に出演して軽快なトークをされていたのが印象的でした。

やきそば 馬場さんは鹿児島で夕方のニュース番組を20年ほど担当したのち、ジャパネットたかたに転職されたそうですが、かなり大きな決断だったのではないでしょうか。

馬場さん 47歳の時でしたからね。転職するにはかなりハードルの高い年齢だったのですが、偶然、ジャパネットたかたの東京スタジオが完成するとのことで喋れる人材を募集していたんです。

やきそば そうなんですか。

馬場さん ずっと喋る仕事をしてきたので、ある程度は売る自信がありました。しかし、初めて担当したテレビショッピングで電動シェーバーを紹介したところ、全く反響がなくて売れたのは2個でした。

やきそば ええ!

馬場さん 前日にショッピングキャスターの中島(一成)が同じ商品を紹介して20個売りました。さらにその別の日に社長(当時)の高田明が紹介したら200個も売れました。だから「僕が積み重ねてきた20年のアナウンサー人生はなんだったんだろう?」と落ち込みました。

やきそば そこからどのようにして立ち直っていったんですか?

馬場さん 原点に立ち返って社長の完全コピーに取り組みました。VTRの音を消して、口の動きに合わせて一言一句同じ言葉を喋ってみたんです。すると、見えてきたものがありました。社長はテレビの前のお客さんの反応を察しながら、コミュニケーションするようにカメラに向かって話していたんです。この時、"間"の大切さを学びました。


▲ジャパネットたかたでラジオショッピングのMCを務めていた頃


やきそば その後、テレビからラジオに移った時に意識して変えた部分はありますか?

馬場さん 言葉だけでお客さんに商品を想像していただけるように、身近なものに例えるようにしました。例えばウォーターサーバーを紹介すると、大きさに関する問い合わせがきます。そこで「置くスペースはご家庭にある電話帳くらいで、高さは腰ぐらいです」と伝えると想像していただけます。掃除機を紹介する時は「リンゴ3個ぶんの重さ」といったように、身近なものに例えます。こうしたことをジャパネット時代はずっと考えていました。

やきそば 定年を待たずして退職を決意したのは?

馬場さん やりたいことがたくさんあったからです。これからはライブコマースの時代だと思いまして、8月に「Babanet Channel」を立ち上げました。希少価値が高く、ネットショッピングでも販売されていない、とっておきの商品を紹介しています。全国を飛び回って素敵な逸品を見つけています。


映像のあることの強み

やきそば テレビショッピング、ライブコマース、ラジオのそれぞれの強みはなんですか?

馬場さん 映像の強みは作っている人の姿を見せられること。例えば職人が工芸品を作っている様子を観ると、いかに手間暇をかけて作り上げているかが一目瞭然です。先日はBabanet Channelで鹿児島県日置市にある薩摩焼の伝統窯、荒木陶窯の「フリーカップ」を紹介しまして、できあがるまでの工程を映像で流しました。

ただ、テレビショッピングに関しては一方通行な部分があります。カメラに向かって一生懸命に語りかけたとしても、「果たして、商品の魅力がきちんと伝わっているかな?」と不安になることがあります。一方、ライブコマースは、不明な点があればすぐにチャットで質問することができます。例えば液晶テレビを紹介する時に、観ている人がテレビの後ろの部分を見たいと思ってもテレビショッピングでは見せることがないと思いますが、ライブコマースで「背面にどんな差し込み口があるのか見たい」とリクエストされたらお見せすることができます。

やきそば コールセンターのオペレーターのような役割も担ってますね。

馬場さん どんな質問をいただくか分からないので、たくさん勉強しておく必要があります。ただ、直接コミュニケーションをとりながら伝えられるのはとても楽しいんですよ。

その点でいえば、ラジオはパーソナリティーがお客さまであるリスナーのかわりを担っています。疑問に思ったことを聞いてもらうことで、商品をより細かく伝えられるわけです。

やきそば ライブコマースを始めるにあたり、馬場さんがテレビとラジオの両方のMCを経験したのはとても大きいということですね。商品を紹介するうえで心がけていることはなんですか?

馬場さん ひとつ挙げるなら、話す時の構成です。伝える順番次第で商品に対する印象が全く変わってくるんです。だから自分で構成を考えられる人はMCやライバーに向いています。

やきそば 馬場さんは原稿はどうされていますか?

馬場さん 頭を整理するために一度原稿を作って頭に入れます。本番では使用しません。ラジオショッピングのMCをしていた時も、相手のパーソナリティーがどこに興味をもっていただくか分からないため、話す内容を臨機応変に変えていました。原稿に頼っていると流れが変えにくくなるんです。それに、毎回同じ文言だったら、毎日聞いている人から飽きられてしまいますからね。

やきそば Babanet Channelを立ち上げていかがですか?

馬場さん ライブコマースで初めて紹介した商品は鹿児島の牛すじカレーでした。とても美味しいのですが、ネットでは売っていなかった商品です。僕が紹介して以来、現時点(2023年9月)で生産が追いついていない状況です。お肉がたっぷり入って10袋(1セット)で7000円。なかには20セットも購入していただいた方もいらっしゃいました。

やきそば すごいですね! あの牛すじカレーは僕も馬場さんの紹介でいただきまして、お肉の食感からしてとても美味しかったです。

馬場さん でしょ? 人に薦めたくなる商品を紹介したいんです。


▲Babanet Channelでのひとコマ。ライバーの西川ゆりのさんと


海外の状況と地域創生

やきそば そもそも、海外ではライブコマースがかなり盛り上がっているそうですね。

馬場さん 特に中国や韓国で流行していて、中国では50兆円産業だと言われています。街を歩いていると靴屋さんや化粧品店など、あちこちの店でライブコマースをしている光景を見かけます。中国は日本の10年先を、韓国は5年先をいっていると言われています。

やきそば そうなんですか。日本でライブコマースが遅れている要因はなんですか?

馬場さん 国内ブランドのガラケー(ガラパゴスケータイ)がとても優れていたぶん、スマートフォンの普及が遅れたことと、海外のほうがキャッシュレス化が進んでいたことなどが挙げられます。日本でもライブコマースは既に行われていますが、今は美容とファッション系が多いです。これからは電気製品や美味しい食べ物も紹介して、日本でももっと身近なものにしていきます。

やきそば 面白くなりそうですね。

馬場さん さらに、これからのテーマは地域創生だと思っています。全国各地にどんどん足を運んで、現場からライブコマースを行っていきます。早速(2023年)11月には私の故郷でもある鹿児島県日置市で、地元の特産品をライブコマースで販売します。新聞社やインフルエンサーの方々にも協力をいただき、たくさんの方に観て楽しんでいただきたいと思っています。全国の自治体の皆さんに気軽にお声がけいただいて、楽しい展開をしていきたいです。

やきそば そこで馬場さんが商品を紹介する出番となるわけですね。

馬場さん 商品の魅力をどのように紹介すればいいのか、考えます。例えばイチゴの場合、スーパーに並ぶ形の綺麗なイチゴもいいけど、大きさの違うイチゴも美味しいですよね。そんな時は「ひとつひとつが、個性豊かです!」と言うと、イチゴの価値が上がります。こうしたことを10年にわたって考えてきましたので、ノウハウがあります。

そのほか、二次元コードを使った仕掛けも考えているそうです。

馬場さん 旅行のパンフレットやガイドブックも、もっと楽しいものになっていきますよ。名所や名店はもちろん、地元の人しか知らない美味しい店やスポットをガイド欄にある二次元コードにスマホをかざせば動画で詳しく分かる、なんていうこともできるわけです。

やきそば 最近、Babanet Channelで馬場さんが全国のアンテナショップを巡っていますが、それは各地の特産品を見て回っているわけですね。

馬場さん アンテナショップには、それぞれの地域の情報が凝縮されています。この前、長崎のアンテナショップに行ったら「あこや真珠」のガチャがあったんです。1000円で本物の真珠が出てくるから、ガチャをまわしたくなりますよね。まさに発想の転換です! 皆さんからも、まだ知られていない、とっておきの逸品がありましたら、ぜひ教えてください。


日本はライバー不足。そこで...

やきそば 馬場さんは商品を紹介するライバーも育てていくそうですね。

馬場さん 日本はライバー不足なんです。だからライバーを養成する講座を立ち上げることにしました。これから新しいライバーがどんどん誕生して商品の魅力を紹介していきますよ。売れるライバーってすごいんです。中国には1日で5000万円を売り上げるライバーがゴロゴロいます。報酬が10%だとしても500万円です。日本ではそこまではいかないにしても、1日で200万円を売り上げるのはそんなに難しいことではないと思っています。

やきそば 同じライバーでも人気のある人はどんな人ですか?

馬場さん 女性なら同性に好かれてスター性のある人。表面的なことを言っていたら女性はすぐに見抜きますからね。男性なら信頼がてそうな人。「この人が薦めるのなら、間違いないだろう」と思わせてくれる人です。 やきそば 「ライバー」と聞くと若い人というイメージがありますが...。

馬場さん さまざまな年齢層に向けた商品があるので、年齢は関係ないんです。年配の方だったら健康食品や補聴器、老眼鏡や拡大鏡などもあります。自分に合った商品を紹介すればいいわけです。

やきそば これからは海外に向けて発信できるといいですよね。外国語が話せる人がますます貴重になってきますね。

馬場さん それが、必ずしも外国語を話せる必要はないんです。AIによる翻訳技術が進んで、日本語で喋ると海外の言葉の字幕が表示できるようになっています。しかもAIはどんどん学んでいくため、翻訳の精度もみるみる良くなっていきます。だから日本語で紹介すれば大丈夫です。ひとつ気がかりなのは、僕が言ったオヤジギャグをAIが理解してくれないことくらいです(笑)。




ここからはビジネスに関するラジオ番組のなかから、ピックアップします。


北海道のFM NORTH WAVEでは『TOP CONNECT~3分でわかるビジネスモデル~』(木曜 25時〜25時30分)を放送中。毎週、2組の経営者をゲストに迎えて、TOP CONNECT代表 内田雅章氏が、さまざまな切り口で、インタビューしていきます。30分、濃い内容になっています。


TOKYO FMではビジネスとお金が"わかる人"になれるというコンセプトの番組『馬渕・渡辺の#ビジトピ』(日曜 6時〜6時30分)を放送。30分聴いていると世の中の動きが分かってきます。

出演は日本金融経済研究所 代表理事、経済アナリスト、公共政策修士、イー・ギャランティ 社外取締役(プライム上場)、ハリウッド大学院大学 客員准教授の馬渕磨理子と消費経済アナリスト、マーケティングアナリスト、流通アナリスト、コンビニ評論家、コンビニジャーナリストの渡辺弘明。経験豊富なふたりのエピソードはとても聴き応えがあります。


大阪のMBSラジオでは『日本一明るい経済新聞』(日曜 10時30分〜10時59分)を放送。年間、およそ400社の企業のトップに取材をしている『日本一明るい経済新聞』の編集長、竹原信夫さんが松川浩子アナウンサーと伝えます。中小企業の味方の番組。長寿番組で、さまざまな企業の元気なトップから楽しく、しっかりと話を引き出します。


広島FMの『H-Junk Factoryのものづくりラジオ』(木曜 18時〜18時30分)では広島で培われてきた『ものづくり技術』、広島に根付く『ものづくりスピリッツ』、広島で活躍する『若き技術者・クリエイター』。そんな『ものづくり』の面白さ・ものづくりの深みを発信します。クイズ企画から、クスリと笑える「ものづくりあるある」などさまざまなコーナーを展開。アーカイブはYouTubeチャンネルでも楽しめます。出演は平岡工業株式会社 代表取締役社長で"工場長"こと平岡良介、MC業やパーソナリティーを務める"広報"の森光七彩。

<了>

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