「アプリとブラウザの違いは?」今さら聞けない!基本の『キ』
日々急速な進化を遂げるデジタルマーケティング業界。
皆さんも、毎日のように各社から発信されるニュースで最新情報をキャッチアップしたり、実務上デジタルマーケティングに関わることも多いかと思います。
このコーナーでは、皆さんがニュースや業務で触れるデジタルマーケティングに関する多くのサービスで頻繁に目にする・・・けれども、"基本"であるがゆえ、詳しく説明されることが少ない「単語」や「仕組み」について、初心者にもわかりやすく説明していきます。
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アプリとブラウザ、両者の関係性は?
普段スマホやPCで何気なく利用しているアプリとブラウザですが、まずはそれぞれその単語が示す意味、そして両者の関係性を理解するところから始めてみましょう。
アプリ(アプリケーションソフト |
アプリは、アプリケーションソフトという単語を略したものです。 |
ブラウザ(ウェブブラウザ) |
アプリケーションソフトの中でも、"インターネット上の複数のウェブサイトをサクサク見るために 使うソフトウェア"を「ブラウザ」と呼びます。つまり、ブラウザとアプリは別物ではなく、"アプリ(アプリケーションソフト)の中でも、ウェブサイト閲覧用のソフトウェアがブラウザ"という包含関係にあるということになります。 |
「ブラウザ」は英単語「browse」=ざっと見る、拾い読みするが語源で、もともとはPC 上に複数あるファイルをまとめて見るためのソフトウェア全般を意味していました。なので昔は「テキストブラウザ」「画像ファイルブラウザ」などもあったのですが、インターネットをまとめて見るためのブラウザである「ウェブブラウザ」が一気に世の中に広まったため、今では「ブラウザ」=ウェブブラウザのことを意味するようになっています。
ここまでは辞書的な意味でのブラウザとアプリの違いをお伝えしましたが、皆さんが普段の会話で"アプリ"という単語を使う場合、ほとんどが"スマホ(タブレット)で使うアプリケーションソフトのうち、ブラウザ以外のもの"をさしていると思います。下図で表すと、右側のように位置付けていた方も多いのではないでしょうか。
もともとは上記図左側のような関係性だったものが、スマートフォン上でのマーケティング活動が一般化した現在では、アプリとブラウザの関係性は上記図右側のように"スマートフォン(タブレット)にダウンロードして使うソフトウェア"と"もともとあるウェブサイト閲覧用ソフトウェア"という意味合いに変化したと言えます。
一方で、本来的な関係性は左側の通り"アプリのうち、ウェブサイト閲覧用のものがブラウザ"という包含関係にありますので、Google ChromeやSafariなどのブラウザもスマートフォン上では他のものと同様にホーム画面にアイコンとして表示されますし、仕様が更新された際にはGoogle PlayやApp Storeでアップデートする必要がある(※1)など、他の "アプリ"と同じ特徴を有しています。
微妙な違いではありますが、単語の意味、そして両者の示す関係性を理解しておくようにしましょう。
※1:スマートフォン購入時にデフォルトでインストールされているブラウザ(iPhoneならSafari、AndroidならGoogle Chrome)は、OSの提供企業と同じ企業が配布しているブラウザなので、OSのアップ
デート時にブラウザも一緒にアップデートされるのが一般的です。
スマートフォン利用におけるアプリとブラウザの違い
~機能特徴で見た場合~
ここからは、前章の図で言う「右側」、すなわち皆さんの業務での言及により近い方であるアプリ="スマートフォン(以下、スマホ)にダウンロードして使うソフトウェア"と、ブラウザ="もともとあるウェブサイト閲覧用ソフトウェア"と位置付けた場合の両者の機能的な違いについて説明します。
インターネット環境の必要性
アプリは、そのアプリでやろうとすることがインターネット無しで完結できるものであれば、インターネット環境がなくても利用することができます。たとえば、多くのスマホで購入時から搭載されているカレンダーや電卓は、インターネットを原則利用しません。
一方、ブラウザはウェブサイトを閲覧するために利用するソフトウェアなので、インターネット環境無しでは利用できません。
動作性
アプリは、そのアプリでやろうとすることに特化・最適化できる仕様にできるのでブラウザより動きもスムーズですし、画面の切り替わりも早いです。
独自機能の実装
アプリは、そのアプリ独自のオリジナル機能を実装することが可能です。たとえば一大ブームを巻き起こしたアプリ「Pokemon GO」は、遭遇したポケモンを捕まえるためにモンスターボールをポケモンに向かって" 投げる"という指ではじくような動作をしますが、これも「Pokemon GO」というアプリ用に独自に設定されたものです。一定の条件に従ってプッシュ通知(アプリの上に赤いマルで表示される数字)を出す設定ができるのも、アプリならではの特徴といえます。
一方、ブラウザでは、いろいろなウェブサイトを横断して閲覧することを前提にしているため、どの会社のウェブサイトにおいてもスクロールや「前のページに戻る」などできる動作は同じです。
容量
ブラウザは1つのウェブサイトを閲覧しても、100のウェブサイトを閲覧しても、スマホの容量を使用することは基本なく、Google ChromeやInternet Explorerといった各ブラウザの「1アプリケーションソフトとしての容量」のみが発生します。
一方アプリは、皆さんも普段ダウンロードする際に気にする通り、1つ1つのアプリでそれぞれの容量が発生し、アップデートしたり、アプリ内で写真や動画等を保存するとその分の容量も追加で発生します。
スマートフォン利用におけるアプリとブラウザの違い
~マーケティング視点で見た場合~
前章では機能特徴面での違いを見てみました。では皆さんの普段の業務の中で「アプリかブラウザ、手をつけるならどっち?(優先するならどっち?)」と悩んだ場合は何を判断基準にすればよいでしょうか。ここからは両者のマーケティング視点で見た違いについて説明します。
検索からの流入が見込めるかどうか
ブラウザは、Google検索やYahoo!検索などの検索結果画面から、強いニーズを持った新規ユーザー等の流入を見込むことができます。
一般に、検索により新しくウェブサイトに流入する人には強いニーズがある、と言われています。たとえば「急な頭痛 緩和する方法」という検索ワードを入れて調べている人は、ほぼ確実に" 頭痛を緩和させる"ための答えを強く欲しています。検索の結果、頭痛をやわらげるツボを紹介するウェブサイトなどが表示されれば、高確率でそのウェブサイトは閲覧され、そしてじっくり読まれることでしょう。読んだ結果、満足度が高ければ、そのウェブサイトはお気に入り登録してもらえるかもしれません。このように、検索により流入した新規ユーザーは、通常のインターネット広告からの流入よりもロイヤリティが高いと考えられています。
ファンの作りやすさ
前述の通り、アプリはやりたいことに特化し、最適化を行うことができます。プッシュ通知はメルマガよりも読んでもらえやすく、動作性もよいのでその人が目的としている情報にたどり着くまでの時間や手数も少なくて済むことが多いです。そのため商品の購入などの利益につながりやすかったり、リピーターが作りやすいといわれています。
視認性
アプリは、インストールするとスマホのホーム画面にアイコンを置くことが出来ます。たとえば皆さんが「明日の天気が知りたいな」と思ったとき、天気が分かるアプリをインストール済みであればそのアプリを用いるのが普通であり、わざわざブラウザで天気を検索したり、別の天気関連アプリを新たにダウンロードすることはないでしょう。このように、アプリをインストールしてもらうことで自社のアプリアイコンが目に入りやすい状態となり、何かをしたい、と思ったときに、自社を選んでもらえる可能性が高くなります。よって、アプリにはアイコンを表示させることによる視認性UPの効果があると言われています。
開発・運用コスト
ブラウザは、基本どのウェブサイトもHTMLという共通の言語を使っており、無料ホームページ作成サービスが多数世の中に出ているように、比較的初心者の方でもウェブサイトを作成しやすい仕組みを採用しています。そのため、ウェブサイト作成にかかるコストは比較的安く済むことが多く、運用もしやすいです。
一方、アプリはOSにより開発言語や作成時のルールが異なっていたり、OSのアップデートへの対応も都度必要となることから、ブラウザよりコストがかかるといわれています。
更新(アップデート)のしやすさ
アプリは、たとえば「期間限定のガチャ無料キャンペーン」などを行いたい場合、キャンペーンを実施するためのプログラムを自社アプリに実装するために都度、App StoreやGoogle Playに申請を出し、審査してもらい、OKが出てからでないと配布ができません。また、その更新情報を各ユーザーの端末で、ユーザー自身がアップデートしてもらう必要があります。そのため、自社アプリのユーザー全体にアップデートがかけられるまでに数日~数週間の時間を要することがあります。
一方、ブラウザは自社でウェブサイトを書き換えれば更新が完了し、アプリストアやユーザー自身での作業を必要としないためスムーズに更新を行うことができます。
今から新しく展開するならアプリ?ブラウザ?
これまで述べてきたとおり、アプリとブラウザにはそれぞれに異なる利点があり、一概にどちらがよい、というわけではありません。たとえば、ある特定の商品を購入した人向けに、限定のコンテンツやクーポン等を提供したいのであればブラウザよりアプリのほうが向いていますが、コストをなるべくおさえ、まずは試しに新しいキャンペーンを実施してみたいならアプリよりブラウザで特設サイトを作るほうが向いています。
新しい商品やサービスを出したい場合は、その商品やサービスで自社が何をやりたいのか、そしてユーザーとなるお客様に何をしてもらいたいのか洗い出した上で、どちらを(もしくは両方を)展開すべきか判断いただくことをオススメします。
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