動画サービスの視聴実態〜生活者と「映像コンテンツ」の"いま・これから" 第一回〜
スマートフォンの普及に伴い、動画配信サービスや動画投稿サイトといった動画コンテンツを提供するサービス(以降は動画サービス)が増え、生活者の利用が広がっています。 また、テレビにインターネットをつなぎ、テレビ画面で動画サービスを見るという動きもでてきています。
私たちひと研究所では、動画サービスが生活者の日常にどのように取り入れられているのか、今後テレビを含め映像コンテンツは生活者に何をもたらすのかを探るための研究を進めています。その研究成果について、今回からスタートする「生活者と「映像コンテンツ」の"いま・これから"」で紹介していきます。
第一回目は、まず動画サービスがどのくらい生活者に浸透してきているかの現状を確認した後、第二回では現在動画サービスを利用している人たちが、テレビや各動画サービスをどのように捉えているかを紹介します。また、1日の中で最も動画サービスを利用する夜の時間(21〜23時)にフォーカスを当て、生活者に選ばれやすいコンテンツの傾向についてもみていきます。 なお、今回は関東圏のデータを用いて紹介します。
まとめ |
テレビ放送と動画サービスのイメージは違う?!〜生活者と「映像コンテンツ」の"いま・これから" 第二回〜はこちら
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動画サービスの視聴実態
■生活者全体が見るものへ
動画サービスの1ヶ月以内利用者」の割合は全体(12-69歳男女)では5年間(2014年〜2018年)で8.3ポイント上昇し7割を超えました【図表1】。年代別でみると、20代・30代では利用率自体は高いものの、伸びは横ばい。一方、10代と40代以降は連続して増加傾向であり、ここ5年間の利用率の伸びを牽引していると考えられます。動画サービスは「若者が見るもの」から「生活者全体が見るもの」へと変化を遂げつつあるようです。
【図表1】動画サービスの1ヶ月以内利用率
(Data:ACR/ex 2014年4-6月データ〜2018年4-6月データ)
■3人に2人がYouTubeを見ている
YouTubeは、2015年ですでに6割を超えており、2018年では66.1%と3人に2人が利用。動画視聴ポータルとしてすっかり定着していることがわかります【図表2】。
その他の動画配信サービスは、まだまだスコアとしては小さいものの、Amazonプライムビデオの伸びが著しく、2018年では1割に達しています。また、TVer(民放公式テレビポータル)は、2015年のサービススタートから3年強で4%弱まで堅調に伸び、それ以外もほとんどの動画配信サービスがじわじわと上昇傾向にあります。今後の動画市場の成長は、AmazonプライムビデオやNetflixなどの有料動画配信サービスがどこまで伸びていくかが鍵になりそうです。
【図表2】主要動画サービスの1ヶ月以内利用率(12-69歳男女全体)
※Amazonプライムビデオ・Netflix・TVerは、2016年より調査開始、AbemaTVは2017年より調査開始。
(Data:ACR/ex 2015年4-6月データ〜2018年4-6月データ)
■ 20代の動画視聴が顕著
利用者の割合は増え続けていますが、動画の視聴時間量(1日あたり)は、2017年から2018年にかけて大きな変化はないようです【図表3】。
ただ、全体と比較して、20代は動画視聴時間が長いことがわかりました。
20代における視聴時間量は、テレビ>動画ではあるものの、映像(テレビ+動画)視聴時間が約2時間ある中で、動画視聴は27分と2割強を占めています。
今後も動画視聴時間は増加していくことが予想され、自宅における余暇時間の過ごし方として動画視聴は無視できない存在になっているのではないでしょうか。
【図表3】1日あたりの「動画サービス視聴時間量」、「テレビ視聴時間量」
※視聴時間量は、全体(非行為者を含む)を集計分母として算出しています。
(Data:ACR/ex 2017年4-6月データ〜2018年4-6月データ)
21時以降から動画視聴がはじまる全体(12-69歳男女)でみると、動画サービスの利用は、1日の中で大きな山はなく、最もスコアが高い時間帯(21時〜23時)でも2%程度。ゴールデンタイムは、テレビを見ている人が圧倒的に多いと言えます【図表4】。
これを20代に絞ると、テレビ利用のピークが下降し始める21時台から動画サービスの視聴が増えていきます。ピークで5%程度であるものの21時台以降は、動画サービス視聴を楽しむ人が一定数存在しています【図表5】。
【図表4】全体の時間帯別の「テレビ利用率」・「動画サービス利用率」
【図表5】20代の時間帯別の「テレビ利用率」・「動画サービス利用率」
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