Amazonの参入で、ブラックフライデーは日本に根付くのか??

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Amazonの参入で、ブラックフライデーは日本に根付くのか??
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【全国テレビCMデータ】

テレビやWEBで耳にする機会が増えた「ブラックフライデー」。もともとはアメリカで感謝祭(11月の第4木曜日)の翌日の金曜日を指す言葉で、本国アメリカではこの日に大規模なバーゲンセールが開催されます。日本でも2015年にバイマが実施したのを皮切りに、イオン、ABCマート、楽天、Amazonなどが続々と導入したため、この期間にお得な買い物をされたという人も多いのではないでしょうか。

今回はそんなブラックフライデーの盛り上がりを、テレビCM 出稿量とWEBアクセス数の2つのデータから、今後、ハロウィン並みの市場を築けるのか、一大イベントになるのかを推察します。

テレビCM出稿状況から分かるブラックフライデーの盛り上がり

[図1]はテレビCM の出稿量を時系列で表したものです。こうしてみると、ブラックフライデー当日の出稿量は昨年の方が多いのですが、今年はセール期間の1週間前の早い段階からCMが出始めており、翌日の土曜日・日曜日のテレビCM 出稿量も昨年より多いことが分かります。
今年は消費税が10%に引き上げられたため、各社消費の冷え込みを見越して、早い段階から消費者にブラックフライデーを告知することで、世の中的な盛り上がりを喚起する狙いがあった可能性が考えられます。また、昨年と比較して土曜日・日曜日のCM出稿量を増やすことで、より多くの消費が見込める、週末の購入を促そうとしていると推測されます。

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テレビCM出稿状況から各企業の戦略を読み解くと...

全体で見ると、昨年よりも出稿量が増えています。では、その内訳はどうなっていたのでしょうか。[図2]はブラックフライデーに関連するテレビCM の出稿量が多い企業をランキングにしたものです。昨年の1位のイオンに代わって今年はAmazonが参入しています。皆さんの中でも、AmazonのCMを見て、ブラックフライデーの存在を知った人も多いのではないでしょうか。
企業別にみると、2年連続で出稿している、シューズ販売店大手2社〔ABCマート、チヨダ(東京靴流通センター)〕は昨年よりかなり力を入れていることが分かります。靴などのアパレル系商品は、本国アメリカのブラックフライデーセールでも目玉商品のひとつであるため、こうしたメーカーによるテレビCM の出稿量の増加は、日本でのブラックフライデー浸透の足掛かりになるかもしれません。

また、2年連続でTOP3にランクインしたイオンは、昨年と比べてブラックフライデーセール実施期間そのものを伸ばしており、それに合わせてCM出稿期間も伸ばしています。
一方で、同じく2年連続でブラックフライデーセールを実施している楽天は、「ブラックフライデー」と銘打ったテレビCMは出稿しておらず、12月上旬に実施される「楽天スーパーセール」等、独自のCMを出稿していました。名の知れた独自のセールに注力することで、売り上げを担保する戦略であったと推察できます。

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WEB上で「ブラックフライデー」はどのように関心を集めたか

テレビCMでは企業側がブラックフライデーを盛り上げようとしていることが分かりました。それに対してWEB上ではどのような反応があったのでしょうか。[図3]は、ウェブサイトの閲覧ログを収集・分析できるパネル「VR-CUBIC」より、ブラックフライデー関連のウェブサイトのアクセス率を日別で表したものです。まず、全体で見ると、昨年に比べ明らかにアクセス人数が多く、WEB上でもいかに「ブラックフライデー」が盛り上がりを見せたかがよく分かります。こちらもAmazonの参入が大きく影響しているといえるでしょう。さらに、このWEBページアクセス率の内訳を調べてみたところ、2018年は楽天が首位ですが、今年はAmazonが参入したことにより、Amazonに集中していました。他にもトイザらス、Yahoo、イオン、ABCマートなど、各社実施した期間に合わせてWEBアクセスに盛り上がりがみられました。

最大の特徴として、今年は、セール期間を11月22日(金)〜11月24日(日)に設定したAmazonに対して、昨年のアクセス数が最も多かった楽天は11月28日(木)〜11月30日(土)にしたため、アクセスの波が2回あり、より顕著にその結果が現れました。競合他社とのセール期間のバッティングを回避し、アクセス数を担保する戦略があったと推察できます。

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これからの「ブラックフライデー」

ここまでのデータから、テレビCMではネット通販、流通・アパレル系の大手企業が起爆剤となって盛り上げようという動きがあり、その影響もありWEB上ではユーザーの興味関心が高まりつつあることが分かりました。「ブラックフライデー」という概念は少しずつ浸透してきているといえるのではないでしょうか。とはいえ、日本ではまだまだ馴染みの薄いワードであり、バレンタインデーやハロウィンのように世間一般に浸透するまでには時間がかかりそうです。年末商戦もある中で埋もれないような、各企業の工夫が必要なのかもしれません。
近い将来、もっと多くの企業が導入し、お得な買い物をできるチャンスが増え、楽しい冬を過ごせたら嬉しいですね。

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今回は当社が保有する全国テレビCMデータ(テレビCM速報)、VR-CUBICより、ブラックフライデーに関する分析結果を紹介しました。ご興味をお持ちの方はお気軽にお問合せください。

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※今回使用したテレビCM 集計結果は全て関東地区民放5局・スポンサードCMです。また、2019年11月1日以降のデータについては、確定前の速報データを使用して集計しております。

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