VRデータでみるコロナ禍とメディア動向 vol.1 コロナ禍で 生活者の視聴はどう変化したか~緊急事態宣言下の生活者をデータで振り返る~

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VRデータでみるコロナ禍とメディア動向 vol.1 コロナ禍で 生活者の視聴はどう変化したか~緊急事態宣言下の生活者をデータで振り返る~

当社では、新型コロナウイルス感染症拡大が及ぼす生活者のメディア接触行動や生活・意識の変化について、4〜5月にかけて視聴率やインターネット視聴データ、生活者データベース「ACR/ex」等の様ざまなデータを分析し情報発信を行ってきました。
今回はこの間のプレスリリースの内容を中心に抜粋・補足し、歴史的な出来事となった緊急事態宣言下の生活者とメディアの関係を振り返ります。39417_point.PNG

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【視聴率】 【ACR/ex】

総世帯視聴率は増加

関東(1都3県)で緊急事態宣言が発令されていた4/7〜5/25までと、前年同期の毎60分総世帯視聴率(HUT)を比較してみると、9〜22時台において前年を5ポイント以上上回っており、普段は仕事や学校で外出が多い時間帯の変化が大きくなっています。休校・在宅勤務者の増加や勤務・営業時間の短縮の他、外出自粛により、平日、休日を通して在宅時間が圧倒的に長くなったことの影響がテレビ視聴に繋がったと考えられます。また、朝の視聴ピークは1時間遅れ、8時台に移っており、通勤通学が減少したことや、ライフスタイルの変化に伴って起床時間が遅くなった影響が考えられます。

【図表1】緊急事態宣言期と前年同期の毎60分HUT比較(関東地区)

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4月前後から、子ども、ティーン、M1、M2の視聴量が大幅に増加

感染拡大に伴い刻々と変化した時勢に際し、視聴量はどのように変化したのでしょうか。日本で初の感染による死 者が確認された2月中旬から、39県の緊急事態宣解除後を含む5/31までの約3か月(15週)を前年同週と比較すると、 警戒ムードが緩んだといわれる3月の3連休後3/23週〜5/18週までの9週間にわたり、世帯視聴率は110%以上の増加 となっていました。属性別では、小中高校が休校を開始した3月以降で「男女4-12才」「男女13-19才」の増加が目立ち はじめ、東京都が週末・夜間の外出自粛要請を行った3月末以降には「男性20-34才・35-49才」「女性20-34才」が大幅 に増加していました。4/13週では「男女13-19才」・「男性20-34才・35-49才」、4/20週からGWにかけても、同様に「男性 20-34才・35-49才」が150%以上の視聴量となるなど、視聴量が大きく変動していたことがわかります。

【図表2】週平均6-24時におけるテレビ視聴量の増減比較 前年同週比較(関東地区)

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全国的に増加傾向がみられた総世帯視聴率

全国11地区別の総世帯視聴率を前年同月比でみると、いずれの地区も前年を上回り、テレビ視聴のニーズが全国的に高まっていた傾向があったことがわかります。

【図表3】総世帯視聴率(6-24時)2019年を100とした場合の増減率

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コロナ禍で最も見られたコンテンツは「ニュース・報道番組」

生活者意識調査では、コロナ禍でよく見られたジャンルでは、「ニュース・報道番組」「情報バラエティー」「お笑い番組」、もっと見たい番組ジャンルでは、「洋画」「お笑い番組」「邦画」がそれぞれ上位3項目となっていました。コロナ禍において、テレビに対して、情報メディアと娯楽メディアのニーズ双方が表れる結果となっていました。

【図表4】現在よく見る/もっと見たい番組ジャンル

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自宅内PCインターネット視聴行動も活発化

今年の1月6日以降の週別のPCインターネット全体の推定訪問者数は、緊急事態宣言が発令された4/6週で2,500万人を超え、それ以降も増加を続け、GW期間が含まれる5/4週では2,700万人台に達しました。訪問者一人あたりの平均滞在時間も増加傾向となり、5/4週では5時間20分を示しました。昨年の同時期と比較してみると、今年は推定訪問者数と平均滞在時間ともに同4/6週を境に増加傾向となっていました。

【図表6】4/6〜5/10の5週間の時間帯別アクセス状況 前年同期間との比較(全国)

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日中のPCインターネット視聴行動が活発化

4月6日から5月10日までの5週間における、時間帯別アクセス状況を昨年の同期間と比較すると、日中の10時〜17時台でのアクセスが活発な傾向にあり、逆に21時〜深夜1時台では昨年にくらべ低調な傾向を示す結果になっていたことがわかりました。

【図表6】4/6〜5/10の5週間の時間帯別アクセス状況 前年同期間との比較(全国)

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期間内に推定訪問者数が増加したWebサイトは、Yahoo! JAPANやGoogle、YouTube、Amazon.co.jp、楽天市場、Twitter、Facebookなどの主要サイトをはじめ、Web会議ツールのZoomが高い増加率を示しました。また、価格.comなどのショッピング系サイトや、noteなどの読み物系サイト、ITmediaなどのIT 系ニュースサイトに加え、内閣府や自治体の行政機関サイトやマスクに関連したサイトなどの増加率も目立ちました。なお最も平均滞在時間が増えたのは、YouTubeとなりました。

〈出典:2020.5.22 ビデオリサーチインタラクティブ プレスリリース「緊急事態宣言発令後のインターネット視聴行動」
/PCインターネット視聴データサービス「Web Report」より〉

生活者が感じた、コロナ禍による生活の変化 〜「家族との会話・団らんの時間」と「睡眠時間」が大幅に増加〜

コロナ禍で" 増えた" 時間意識をみると、メディア行動では、視聴率でも明らかなように、「テレビのリアルタイム視聴(63%)」が最も多く、 次いで「ネットで動画を見る時間(無料)」が5割を超えたほか、「録画したテレビ番組を見る時間」や「ネットでブラウジングをする時間(サイト閲覧など)」などが目立ちました。生活行動では、「在宅している時間」以下、5割以上の生活者が「家族との会話・団らんの時間」と「睡眠時間」の増加を感じていることがわかりました。また、「家事・育児の時間」「一人で過ごす時間」や「音楽を聴く時間」といった行動も4割前後あげられていました。

【図表7】「コロナ禍」により"増えた"時間TOP15

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これまでみてきたように、コロナ禍で生活者はテレビ視聴を中心として、インターネットなどのメディア接触時間量を大幅に増加させていたことがわかりました。ウイルスの感染拡大に伴う情勢の情報源として、さらに、"STAY HOME"での自宅内でのエンターテインメントやコミュニケーションツールとして、メディアを活用していたことがわかります。
突如としてウイルスの脅威に晒され、社会活動が制限されたり、不自由な生活を強いられる中で、生活者はテレビをはじめとしたメディアの存在の大きさを改めて感じた期間でもあったといえるかもしれません。
アフターコロナ、ウィズコロナという言葉がきかれるようになりましたが、コロナ禍を経て、生活習慣や意識・価値観に及ぶまで、ご自身でも変化を感じる方も多いのではないでしょうか。
ビデオリサーチでは今後もこうした分析を行い、今後の社会と生活様式がどのようなものになっていくか、動向をみていきたいと思います。

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【視聴率】 【ACR/ex】

コロナ禍をテーマにしたリリース プレスリリースはこちらからご覧いただけます。

2020.4.23 コロナ禍でテレビの見方はどう変わっているのか
2020.5.13 「コロナ禍」で生活者が消費している"モノ"と"コト"
2020.5.22 新型コロナウィルス感染拡大に伴うテレビ視聴傾向の変化
2020.6.16 コロナ禍で変化し続けるテレビ視聴と視聴スタイル
2020.6.18 「コロナ禍」で生活者の意識は"新しい生活"へ
2020.6.25 新たな生活環境下でラジオリスナーが増加傾向

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今回掲載したデータ以外に、プレスリリースでは、「ECサイト利用」や「キャッシュレス決済」の利用も増加していたこ とやコロナ禍収束後で楽しみなことは「外食」や「国内旅行」「友人・知人に会う」が上位にあがっていることなど、他にも様ざまな分析を行っております。ぜひご覧ください。

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