「VR FORUM 2020」開催インタビュー DXが進む中 「メディアの新しい価値」とはなにか

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#VR FORUM #テレビ #デジタル
「VR FORUM 2020」開催インタビュー DXが進む中 「メディアの新しい価値」とはなにか

「VR FORUM 2020」は、「メディアの新しい価値を見逃すな。」をコンセプトに、DX が加速する社会でメディアがどのような価値を生み出していけるかを、登壇者と聴講いただく皆さまとともに考えるフォーラムとなります。
開催にあたり、見どころや、コンセプトに込めた思いなどをお伝えすべく、VR FORUM 2020のプロジェクトリーダーを務める池田が語ります。


DX の中でテレビの価値と変化をしっかり捉えること

「メディアの新しい価値を見逃すな。」というコンセプトに込めた思いや意図とは?--

皆さまもお感じのとおり、コロナ禍を経て、リモートワークやオンライン会議、ウェビナーの浸透といったビジネス面での変化に加え、日常のあらゆる面でデジタル化が進み、生活者のライフスタイルが大きく変化しつつあります。
メディアビジネスでも、テレビ放送で見逃した番組をネット上で視聴したり、テレビ番組のスピンオフをネット配信で楽しむ生活者が増えている中で、テレビ放送とネットの連携が深まっています。それは映像コンテンツだけでなく、新聞・雑誌などの紙メディアも同じで、メディアビジネス全体においてDX※が求められていることを実感されているのではないでしょうか。ここでもう一度メディアの価値を見つめ直す必要があります。時代に左右されない不変な価値を再認識する一方で、これからのデジタル社会に求められる新たな価値を見出し、形にしていく努力も必要でしょう。
社会がデジタルシフトする中で、生活者とメディアの関わり方、メディアと広告のあり方、広告主のメディアの見方などが、どのように変化しているかについて、今、広く業界の皆さまの意見をお聞きし、共有することが重要だと考えております。
「メディアの新しい価値を見逃すな。」というコンセプトには、各方面でご活躍される登壇者からご体験に基づいたお話をうかがうことで、「メディアの新しい価値」を、皆さまと見出していく場にしたいとの思いを込めました。このフォーラムが、ご参加いただく皆さま一人ひとりにとって、メディアビジネスが進むべき道はどこか、メディアが社会に提供すべき価値とは何か、を考えるきっかけになれば幸いです。

※デジタルトランスフォーメーション...デジタル技術を浸透、推進させて人々の生活をより良いものへと変革すること



DX で浮き彫りになる課題と価値を共有する場に

各セッションの見どころは?--

セミナー冒頭の「Keynote.1 基調講演」で、(株)電通の五十嵐代表取締役社長執行役員にご登壇頂き、日本のメディア業界動向に関するご講演を頂きます。
続く「Keynote.2」で は、ビデオリサーチUSA President & CEO 谷口悦一よりアメリカのメディアビジネスの最新事情を解説します。
世界の中でも、特にデジタル化が進むアメリカにおいて、有識者のインタビューを交えながら、テレビや出版といったメディアビジネスがどう進んでいるのか、2021年以降をどのように見据えているのかを探り、将来的な日本のメディア業界動向の兆しを感じていただければと思います。
次に、「Session.1」では、ビデオリサーチのシンクタンクである「ひと研究所」研究員の渡辺庸人から、国内の生活者のライフスタイルの変化とメディアの変容・デジタル化のデータ分析結果から、当社独自の視点で解説と予測を行います。
これらのセッションを通じて、コロナ禍を経たマーケットや生活者の変化とともに、今後のビジネスのヒントを得ていただければと考えます。

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本年4月より新視聴率がスタートしました。テレビに関するテーマではどのような内容を扱う予定ですか?--

この4月から新視聴率がスタートしていますが、個人視聴率やタイムシフト視聴率が全国で計測可能となったことを受けて、視聴率の見方、活用のされ方が変わってきた部分があると思います。また、新たな指標である「全国視聴率」「視聴人数」など将来に向けた指標の位置づけについても、ビデオリサーチとしての考え方を「Session.2-a 複雑化社会のテレビビジネスについて考える。」でお話ししていく予定です。

デジタルマーケティングに関するセッションでは?--

当社では、テレビとデジタルの共通指標化や効果測定に取り組んでいますが、新たに展開するソリューションの紹介とともに、現時点でのデジタルマーケティングにおける可能性と課題がテーマとなります。
具体的には、デジタルマーケティングにおける効果測定は、一般的には全数をベースに進められているといえますが、これまでのビデオリサーチは、主にパネルデータをベースとしてきました。こうした2つの世界観の違いや、今後の想定についても触れる予定です。また、日本国内では今年6月に個人情報保護法の改正案が成立し、2022年の前半に施行される見込みですが、世界的に個人データの取得・活用における厳格化の流れを受けて、Apple社のスマートデバイスに採用されている「iOS」では、来年早々に広告識別子、いわゆる「IDFA」がアプリ毎に完全オプトインになることが明らかになっています。それにより iPhone や iPad のアプリで行われていたターゲティング広告戦略の見直しを迫られるなど、これまで成長の一途を辿ってきたデジタルマーケティングがある種の転換点を迎えつつあると感じている方も多いのではないでしょうか。「Session.2-b ポストCookie時代における、データマーケティングの展望」ではこうした現状に際して、事業会社、広告会社の皆さまにお話をうかがう予定です。
加えて、雑誌やラジオといったメディアについても、価値基準やビジネス展開でデジタルシフトが進んでいます。ビジネスモデルが急速に変化しつつあるメディアとして、従来型のメディアビジネスと新たな収益源として立ち上がりつつあるデジタルビジネスが、今後「調和」するのか、一気に「変革」していく流れに向かうのか、気になる方も多いのではないでしょうか。「Session.2-c 個人最適を"超える"、コンテンツメディアの新たな活用」では、特定の属性に特化した「ターゲティングメディア」という切り口から、今後の動向を出版業界・ラジオ業界の方々からお聞かせいただく予定です。



新しい価値をサポートしていくVRでありたい

フォーラムを聴講される皆さんへお伝えしたいことは?--

私たちビデオリサーチは、メディアビジネスにおいて、あくまで"裏方"的な存在だと自認し、視聴率などのデータをはじめ、お客さまや広告主の皆さまの求める情報を提供することを使命としてきました。
環境変化への対応に当たっても、私たちがメディアを先導するというよりも、メディアの進化に寄り添い、新しい価値創出をしっかりとサポートしていきたいと考えています。
今回のフォーラムにおいても、あらかじめ「新しい価値とはこれだ」という回答を用意しているわけではなく、多くの登壇者の方のご意見をうかがい、当社の考えもお示しする中で、これからメディアがどういう方向に進んでいこうとしているのか、そのヒントを引き出していく場になればと思っています。
フォーラムを聴講いただく皆さまには、ぜひ、登壇者の方や当社が発信する情報をもとに、「だったら、これからはメディアをこう活用しよう」「こんな広告を出せるのではないか」など、ご自身のビジネスについて考えるきっかけにしていただくとともに、皆さまの思いに耳を傾けることで、私たち VR が何をすべきか、何をやらなければいけないのかも、見えてくるのではないかと思っています。
今回の「VR FORUM 2020」が、皆さまとともに、これからのデジタル社会にメディアビジネスが提供すべき価値を一緒に考えていく場になれば、主催者としてこれ以上の喜びはありません。

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ひと味違うウェビナーを目指す

初のオンライン開催に踏み切った経緯は?--

これまでの「VR FORUM」では、業界関係者が一堂に会してのリアルイベントでした。去年開催の『VR FORUM 2019』では、延べ3,500人を超えるお客さまにご来場いただきましたが、今年の開催は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点で、同様の形式では難しく、ウェビナー(WEBセミナー)という形式を選択せざるを得ませんでした。とはいえ、これにより、以前は席数の問題から参加いただけなかった方や、会場までお越しいただくことが難しかった遠方の方々にも参加いただけるようになりました。
これまで以上に幅広い方々へ向けてセッションをお届けできるという点で、今回の開催には非常に大きな期待を抱いています。

ウェビナーという新たな開催形式について、どのように考えていますか?--

参加される方の個々のパソコンの画面越しや、場合によっては会社の会議室等のモニター越しにご視聴頂くことになります。これまでの「VR FORUM」ならではの雰囲気を、ウェビナーという開催方式でも伝えられることを目標にしています。また、リアルイベントとオンラインイベントではどうしても参加頂く方々の環境が異なることが想定されますので、今回は、できるだけ多くの方に最後まで専念してご覧頂けるように、開催時間をトータルで150分程度に抑えた上で、構成する各セッションを最長でも50分程度とするコンパクト化を図りました。
「Session.2」では、a、b、c の3テーマに分かれるため、皆さまの関心に応じてご覧頂くコンテンツをお選びいただく形になりますが、全体を通してテンポ良く進行しながら、内容の濃い「VR FORUM 2020」をお届けできればと思っております。

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