特集 ビデオリサーチの進化とその先にあるもの

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特集 ビデオリサーチの進化とその先にあるもの

ビデオリサーチは2021年4月より創業60年を迎えます。メディア業界、テレビ視聴率とともに歩んだ節目の年に代表取締役執行役員の望月が「VR のこれからの進化」をテーマに語ります。
これに続き、この特集の中で、今進めている事業や取り組みについて、そこに至った経緯を交えながら具体的な活動を紹介していきます。

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【トップメッセージ】

次世代型メジャメント企業を目指す

昨今、生活者のライフスタイルの多様化や視聴形態が大きく変化し、それに伴いテレビ視聴も分散化・多様化しています。その変化に対応すべく、2020年4月に視聴率調査を大幅にリニューアルしました。これにより全地区、各調査地区において個人単位でテレビ視聴と、全国での視聴人数も示せるようになりました。

当社の進化とは、メディアの実態をより正確に示していくことであり、それがメディアの高付加価値化とメディア・広告ビジネスの拡大に寄与すると考えます。メディアの実態を正確に示すことは価値の" 見える化" ともいえます。これを実現させる企業、すなわち「次世代型メジャメント企業」を目指しています。

「次世代型メジャメント企業」は「メジャメント事業」と「共通基盤化事業」の2つの事業から構成されます。これらの事業の意味や、活動について説明していきます。

新たな価値を提示する「メジャメント事業」

メディアの価値をメジャメントする際、広告も含めたメディアの「コンテンツ」に注目していくべきであり、デジタルにも対応した形で、ユーザーやターゲット基点で捉え、深く広く進化させていかなければなりません。この課題に対応すべく、パネルデータだけではなく実数データも掛け合わせ、それぞれのデータが持つ利点を生かすソリューションを提供していきます。

この「パネル×実数」の取り組みは、すでに2020年4月から新しいラジオ聴取データ「ラジオ365データ」として開始しています。ラジオの聴取率(パネルデータ)とradiko データ(実数データ)を掛け合わせることで、毎日の聴取状況を推計できるようにし、ラジオの価値をより正しく表現できるようになりました。

テレビをはじめとした他のメディアにおいても、視聴や接触の形態、デバイス、エリア、メディアの枠を超えて個人基点で測ること、細かな粒度で生活者を把握すること、データ提供の即時性を高めること、さらに、到達率に加えて様ざまな「質」を捉えることが、当社の目指すべき方向と考えます。

業界の継続的な発展に貢献する「共通基盤構築事業」

当社は創業以来、メディアメジャメント事業の他にも、メディア・広告業界のビジネスをサポートする役割を担っていると自負しています。引き続き、業界の商流や情報流が安定的かつ迅速に流れるように基盤構築することで、既存のビジネスや新規ビジネスが長期的に続けられるよう、業界の発展に貢献していきます。

最近の具体的な取り組みでは、放送局の新たなテレビ広告のセールスSmart Ad Sales(スマート・アド・セールス/以下SAS)のシステム提供支援「枠ファインダ」や、動画コンテンツの権利保護を支える事業会社「MuserkV.I.D.」の設立があります。

この「枠ファインダ」というシステムを用いることで、放送局が販売する広告枠情報に対して、各種データ会社の保有する様ざまな視聴関連データを活用し、生活者の趣味嗜好や商品カテゴリの購入傾向などに鑑みて広告コミュニケーションに最適な広告枠を探したり、分析することができます。さらに、その結果をもとに、広告会社(ユーザ)は買いたい広告枠の媒体社(放送局)への購入申し込みまで、本システムを通じて行うことが可能となります。

MuserkV.I.D.では、生活者の動画コンテンツの視聴スタイル多様化に合わせ、放送局やコンテンツホルダーが、デジタルプラットフォームにコンテンツを提供する際、適切に情報を収集すると共に、権利をマネジメントし、コンテンツ価値の最大化を支援していきます。

そして、次世代メジャメント企業を構成する2つの事業(メジャメント事業、共通基盤化事業)を通じて、広告・メディア業界の健全な商取引に貢献すると同時に、生活者に正しく最良な 情報をお届けすることで、社会に貢献していきます。

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リサーチ事業のDX を推進

他方、次世代型メジャメント企業への進化を下支えするリサーチ事業においては、DX を積極的に進めています。そのひとつにオルツ社とのパートナーシップによる次世代型のリサーチ技術「リサーチ4.0」があります。ビデオリサーチが保有する各種のデータとオルツ社のAI 技術を活用し、回答者人数の拡大と、調査データの、より詳細かつボリューム増を図ることを目的とします。具体的には、パーソナルAI「デジタルクローン」を生成し、その生成したデジタルクローンが、その個人に代わってリサーチに回答することで、回答者の制限をなくし、時間とコストの削減を図ることが可能となります。

ビジネス環境の変化により、個人情報の保護が重要な責務ではありますが、今後さらに従来のリサーチ手法では様ざまな許諾が必須となったり、データ活用が難しくなったりすることが予想されます。その対策としても、個人情報を保有しない「リサーチ4.0」は価値を発揮すると考え、現在PoC(実証実験)を進めて実用化を目指しています。

これからも変わらないこと

ここまで、変化すべきこと、進化することを中心に触れてきましたが、その一方で、ビデオリサーチとして変わらないことも存在します。それは、公正で信頼性の高い第三者機関としての責任と義務を果たすこと。これだけは変わらず守り続けなくてはならないことです。

当社は第三者機関として、媒体社、広告主、広告会社などすべてのステークホルダーの皆さまに貢献できる「次世代型メジャメント企業」を目指していきます。そのためには、今後も必要な投資と外部の機関とのアライアンスや人材育成、そして開発型企業への転換などへも積極的に取り組んでいく予定です。

これからのビデオリサーチのさらなる進化にご注目いただけると幸いです。

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