新視聴率調査から1年、広がる浸透、進む活用 BS視聴調査拡充 より詳細な視聴実態把握へ【第1回】

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【全国BS視聴率】

拡く、深く、遍く視聴データへ

2020年4月に開始をした「新視聴率調査」から1年経過しました。これまでお伝えしてきたように「新視聴率調査」は下記を目的として導入し、現在は更なる安定的なデータ提供のため改善に努めています。

「新視聴率調査」では、全国27地区それぞれの調査設計と提供指標の共通化(52週化・PM化・タイムシフト化)を図りました【図表1】。また非調査5地区に関しても、地区別の視聴率データの提供について当該放送局の皆さまと意見交換を行っています。

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「BS 視聴調査」も「新視聴率調査」へ統合

このように「新視聴率調査」では、調査設計・ 提供指標が完全に共通化され、各地区のサンプルから世帯数・人口比に基づいた、「全国の視聴データ」の具現化と併せて、地上波は各放送局の系列ごと、全国放送であるBS放送は各局の全国32地区「視聴率」「推計視聴数」などの指標提供が開始されました【図表2】。

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BS デジタル放送は放送開始20周年。拡大、挑戦を続けるBS

ここからは、昨年放送開始から20周年の節目を迎えたBSデジタル放送と、データに関する取り組みの振り返りをしていきます。
初回となる今回は、BS放送の変遷と無料民放BS局のBSデータへの取り組みについて、紹介します。

1987年1月にNHKBS1が開局し日本におけるBS放送が開始されて以降、1989年6月に NHKBS 2、1991年4月にWOWOW が開局。 そして、2000年12月にはBS デジタル放送が開始し、無料民放BS局(BS 日テレ/ BS 朝日 / BS-TBS / BS テレ東/ BS フジ 注:現在の放送局名称)とNHKBShi が開局しました。

無料民放BS5局は2020年12月に開局20周年を迎えました。その間に無料民放BS局の拡大(BS11イレブン・BS12トゥエルビ)、有料BS新局の開始など、BS放送として発展・拡大をしてきました。現在は視聴可能世帯の割合が7割強(普及の詳細については後述)となり、生活者にとって身近なテレビメディアとして発展を続けています。また2000年12月に開局した無料民放BS5社とNHK では、2018年12月より順次4K放送(NHKは8Kも)を開始し、新たな挑戦が続いています。

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無料民放BS局のBS データへの取り組み

視聴状況・量を表すデータへの取り組み

無料民放BS局の視聴状況・量を表すデータへの取り組みは、2000年12月に開局した無料民放BS5局が主体となり、2005年4月から「BSパワー調査」(日記式調査)がスタートしました。「BSパワー調査」はその後、調査期間の拡充・参加局の拡大(BS11イレブンの参加)などをしながら、 2015年3月まで継続されます。そして、2015年 4月からは、さらなるデータ拡充を目指して調査方式を機械化した「機械式BS視聴世帯数調査」 に移行し、2020年3月まで実施されました。

これらの無料民放BS局主体の調査は、BSの視聴環境が今ほど浸透していない時期から、BSの視聴量を捉えられるよう計画されたため、

● 調査対象はBS視聴可能世帯
● 全国(47都道府県)を調査エリアに設定

など、BS放送にとって必要な仕様を盛り込んだ調査でした。また「機械式BS視聴世帯数調査」 からは、調査名にある通り【視聴世帯数】という新しい視聴規模を表すデータが採用されました。 視聴可能世帯数(=調査対象世帯)が増えていく状況で、他媒体と比較してBS放送の価値を示す取り組みがされ、広く業界で利用されました。

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普及状況を表すデータへの取り組み

「BSパワー調査」「機械式BS視聴世帯数調査」の調査主体である無料民放BS局は視聴状況・ 量を表すデータへの取り組みだけではなく、「BS デジタル放送の視聴可能世帯数/率」を独自に調査し、公表してきました。

【図表5】の普及状況のデータは、無料民放BS の価値を示す(「機械式BS 視聴世帯数調査」では、【視聴可能世帯数】算出にも利用)だけではなく、BSデジタル放送が普及していく状況を定期的に公表し共有することにより、 政府の様ざまな政策検討に用いられるなど、非常に重要な取り組みとなっていました。はじめて公表された2008年の視聴可能世帯率は4割弱(2,000万世帯)でしたが、2011年の完全デジタル化以降は7割を超えて普及状況が安定しており、直近では推計約4500万世帯に普及しています。

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ビデオリサーチ新視聴率におけるBS データ

2020年4月より、ビデオリサーチは全国視聴率の調査フレームから全国BSデータとして、BS局の視聴率提供を開始(【図表4】の新視聴率:全国BS仕様参照)し、これまで「機械式BS視聴世帯数調査」を利用いただいた多くの皆さまに、新たなBSの視聴を表すデータとして提供を開始しました。

今回は、BS放送の歴史と無料民放BS局の開局からこれまでの調査への取り組みについて紹介しました。次回以降はこれまでの無料民放BS局の取り組みを踏まえ、BS放送の現在について紹介する予定です。
「新視聴率調査(全国BS)」では「365日」のデータを「毎分」単位で、「個人視聴率」「タイムシフト」等の様ざまな指標で見ることができるようになりました。全国の視聴を表現する 「平均視聴数/到達数」も活用しながら、視聴の傾向や視聴者の特徴を紹介していく予定です。ご期待ください。

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