健康志向の高まりとプチ贅沢
【この記事はこんな方にオススメ!】
✅コロナ禍を経た生活者の意識変化に興味のある方
✅F1、F2層の貯蓄やお金の使い方の変化に興味のある方
1.はじめに
皆さんは普段、健康に気を使っていますか?2020年からの新型コロナ禍の影響で、人々の生活スタイルが変化する中、自宅でトレーニングをする「宅トレ」や、「オートミール」「糖質オフ食品」といった健康に関する言葉をよく耳にするようになりました。そこで本記事では、コロナ禍を経て生活者の健康意識にどのような変化があったのか、またその変化はどのような影響をもたらしたのか、当社の「ACR/ex」データからみていきます。
2.コロナ禍を経て、健康意識や美容意識が高まった?
まず、コロナ前の2018年からコロナ禍を経た2022年の『健康やダイエットへの意識』に関する推移をみてみます。
個人全体で、「家でエクササイズやフィットネスをしている」(2018年22.8%、2022年32.1%)や「体型に気を配っている」(2018年48.1%、2022年53.6%)といった項目が大きく伸びており(図1)、コロナ禍の外出自粛により体型を気にする人が増え、健康・ダイエット意識が高まったことが考えられます。また、特に女性20-34歳(F1)、女性35-49歳(F2)で伸びが大きい傾向がみられます。
そこでF1、F2に注目してみると、「サプリメント最近3か月食用あり」「栄養補助食品をよく利用する」という健康に関する食品の利用も2018年から2022年で伸びています。(図2)
さらに、「顔のお手入れに気を配る」「肌のお手入れに気を配る」「美容には気をつかう」といった美容意識や、「美容関連にはお金をかける」という意識も高まっている様子がうかがえます。(図3)
これらのことから、健康・ダイエット意識の高まりとともに、見た目にも気を使う人が増え、美容意識も高まっていることがみてとれます。
3.お金の使い方は変化した?
ここまで、健康や美容意識の変化についてみてきましたが、それに伴い、商品の利用や購入といった「お金の使い方」に影響はあるのでしょうか。そこで、特に意識変化が大きかったF1、F2の購入の意識について2018年と2022年を比較してみたところ、「気に入れば値段が高くても買う」が上昇していました。(図4)
自分にとって本当に必要なものが何かを見極め、良いものであれば高くても買うといった人が増えていることが考えられます。
また、貯蓄等の意識にも変化が見られ、「節約術を実施している」や「将来に備えてお金を貯めるほうだ」といった項目が増加しています。(図5)節約術を実施する等で将来のためにお金を貯める傾向が年々強くなっていることが分かると思います。日々節約、貯金をして、本当に欲しいと思ったもの、自分にとってプラスとなるものを吟味してお金を使っているようです。
さらに、この傾向を実際の購買行動で確認してみると、化粧水や美容液の購入希望金額について、低価格帯3,000円未満の購入希望は低下しているのに対し、3,000円以上の高価格帯では増加していることがみてとれます。(図6)
4.おわりに
この記事では、コロナ禍を経た生活者の健康や美容の意識変化と、その変化に伴うお金の使い方の変化を紹介しました。
「プチ贅沢」という言葉が最近流行っていますが、これはただ単にいつもよりちょっと良いものに出費をするようになったのではなく、健康や美容意識の高まりに伴い、自己投資として出費先も吟味してプチ贅沢をしていること、また、きちんと節約したり、将来のための貯金もしながら自己投資にお金をまわしている人が多いことが分かりました。
つまり、本当に自分に必要なものを見極めて自己投資する人が増えているのではと考えます。
人生100年、未来の自分のために投資することも必要な時代ですね。
【本記事で紹介したサービス】
・サービス名:ビデオリサーチ「ACR/ex」
・調査時期:2018年~2022年4~6月(春調査回)
・対象地区:関東
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