視聴率でみるWBC2023~野球世界一決定戦を視聴率で振り返る~
【この記事はこんな方にオススメ!】
2023WBCの視聴率を振り返りたい方
どれくらいWBCが注目を集めていたのか気になる方
歴代のWBCと視聴率を比較したい方
はじめに
2023年3月8日(水)から3月21日(火)(日本時間:3月22日(水))にかけて、2023 WORLD BASEBALL CLASSIC(ワールド・ベースボール・クラシック)※以下WBC が開催されました。
2009年大会以来3度目の優勝を果たした日本代表。明るい話題が連日報道されました。
今回はビデオリサーチが保有する「視聴率」データにて、2023年大会の日本戦の視聴状況を振り返ります。(※記載の放送日、放送時間はすべて日本時間)
WBCの視聴率や、大会の影響力についてご興味をお持ちいただくきっかけになれば幸いです。
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1. 2023WBCを振り返る
6年ぶりに開催されたWBC、日本は2009年の第2回大会以来の優勝を目指し、史上最強との呼び声が高いメンバーで世界に挑みました。
世界で活躍する大谷翔平やダルビッシュ有、そして日本人の母を持つラーズ・ヌートバーの参加は大会前から大きな注目を集めました。
また、各国でもメジャーリーグ所属の大物選手の招集があり、大会は今までにない盛り上がりを見せました。
日本代表は1次ラウンドを全勝で勝ちあがると、準々決勝のイタリア戦でも岡本和真の3ランの活躍もあり見事勝利を収めます。
準決勝のメキシコ戦、日本が9回裏1点ビハインドの場面で迎えたバッターは村上宗隆。今大会、不調が続いていた村上が放った復活のサヨナラタイムリーに、"村神様が決めた!"と大きく沸きました。
そして迎えた決勝戦。相手はトラウトやゴールドシュミットなどメジャーMVP級の選手擁する野球大国アメリカでした。
2回表に手痛い先制点を許しますが、その裏で村上宗隆が同点ホームランを放つと、その後も打線が続き計2点をあげ逆転に成功。
その後も接戦が続き迎えた9回、"泥だらけのストッパー"大谷翔平がマウンドに上がります。打者2人で2アウトを取ると、打席にはエンゼルスで大谷翔平のチームメイトにしてNo.1野手との呼び声が高いトラウトが入ります。同チームの2人が世界最高の舞台で戦う姿に大きな注目が集まりました。
結果は大谷が投じた140キロのスライダーで空振り三振。見事日本代表が第2回大会以来の優勝を勝ち取りました。
図1:2023 ワールド・ベースボール・クラシック 日本戦 平均視聴率 (関東地区)
2. 1次ラウンドはどのように見られた?
ここからは大会を1次ラウンド・準々決勝~準決勝・決勝の3章に分けて各試合を振り返ります。
WBC初戦の相手は中国、日本の先発は大谷翔平です。日本は初回にいきなりノーアウト満塁のチャンスを得ると、押し出しのフォアボールで1点を先制します。4回には大谷翔平がタイムリー2ベースを放ち2点を追加すると、その後も牧秀悟のホームランや山田哲人のタイムリーなどもあり8-1での勝利となりました。大谷翔平の投打での活躍は盛り上がりを加速させたことでしょう。
2戦目の相手は韓国、日本の先発はダルビッシュ有です。韓国とは過去大会でも何度かの対戦経験があり、名勝負を繰り広げてきました。日本は3回に3点を先制されてしまいますが、直後の3回裏の攻撃でラーズ・ヌートバー、近藤健介、吉田正尚らのタイムリーなどで4点を取り逆転に成功。その後も追いつかれることなく試合は進み、終わってみると13-4での快勝となりました。
3戦目の相手はチェコ、日本の先発は佐々木朗希です。初回にエラーなどが重なり先制点を許してしまいますが、佐々木朗希は164キロを記録するなど衝撃的な世界デビューとなりました。日本は3回裏の攻撃で3点をあげ逆転すると、その後も投打がかみ合い10-2で勝利を収めました。
4戦目の相手はオーストラリア、日本の先発は山本由伸です。初回に大谷翔平が3ランホームランを放ち、続く2回にもラーズ・ヌートバー、近藤健介にタイムリーが出るなど、終始優位に試合を進めた日本が7-1で勝利を収め、1次ラウンド全勝での決勝ラウンド進出を決めました。
図2:2023 ワールド・ベースボール・クラシック 中国~オーストラリア戦 平均視聴率 (関東地区)
1次ラウンドの4試合すべてで25%を超える個人視聴率を記録しています。(番組が2本に分かれている試合は後半部分について言及)
日本開催かつ視聴が最も集まりやすい時間帯での放送となったことも影響していることが窺えます。
また、最も視聴率が高かったのは3月10日に放送された韓国戦の28.9%(関東地区・個人全体)でした。
3. 準々決勝~準決勝はどのように見られた?
1次ラウンドを全勝で勝ち上がった日本代表は、準々決勝でイタリアと対戦しました。先発の大谷翔平が5回途中で降板すると、7回からは韓国戦で先発出場したダルビッシュ有がマウンドに上がります。イタリアもメジャーリーガーを多数擁した強敵でしたが、日本の豪華継投で3失点に抑え、打っては岡本和真がホームランにタイムリーをあげるなど5打点の大活躍。日本は9-3で勝利を収めました。
続く準決勝の相手はメキシコ。日本の先発は佐々木朗希でしたが、4回に手痛い3ランホームランで先制点を許してしまいます。その後7回に日本が吉田正尚の3ランで同点に追いつきますが、8回にもメキシコに追加点を決められると、1点リードを許したまま9回へ。ノーアウト1・2塁で迎えたバッターは今大会不調が続く村上宗隆でした。しかし、フェンス直撃の2ベースを放つと、代走の周東佑京の好走塁もあり見事6×-5でサヨナラ勝ち。決勝の舞台へと駒を進めました。
図3:2023 ワールド・ベースボール・クラシック イタリア~メキシコ戦 平均視聴率 (関東地区)
準々決勝のイタリア戦までは日本開催、準決勝のメキシコ戦からはアメリカでの開催となりました。
イタリア戦も1次ラウンド4試合同様、視聴の集まりやすい時間帯での放送となり、今大会の日本戦の中では最も視聴率の高い31.2%(関東地区・個人全体)を記録しました。
一方で準決勝のメキシコ戦からはアメリカ(マイアミ)での開催ということもあり、時差の関係で朝の放送でしたが、それでも視聴率は26.8 %(関東地区・個人全体)を記録。(番組が2本に分かれている試合は視聴率が高い方で算出)
祝日ということもあり、起きてすぐにテレビをつけた方、WBCのために早起きした方も多かったのではないでしょうか。
4. 決勝はどのように見られた?
第2回大会以来の優勝を狙う日本が決勝で迎えた相手は、野球大国アメリカでした。過去大会は所属球団との契約の関係などでメジャーリーガーの参加が一部にとどまっていましたが、今大会は過去メジャーMVP受賞経験のあるトラウトやゴールドシュミット、ベッツなど超大物が集まり優勝候補の筆頭に挙がっていました。
日本は今大会初めての先発となった今永昇太をマウンドに送ります。しかし、2回に絶好調のターナーに今大会5本目のホームランを打たれ先制点を許してしまいます。しかし直後の攻撃、先頭打者の村上宗隆が特大ホームランを放ち同点に追いつくと、内野ゴロの間も追加点をあげ逆転に成功します。4回には岡本和真にもホームランが出て2点差まで広げましたが、8回にダルビッシュ有がシュワーバーにホームランを打たれその差は1点となります。
その後も試合は進み1点差で迎えた9回、マウンドに立ったのは大谷翔平でした。先頭打者にフォアボールを与えてしまいますが、続くバッターをダブルプレーに打ち取ると、迎えた最後のバッターは大谷翔平のチームメイトでもあり現役最強打者との呼び声高いトラウトとなりました。漫画をも超える展開に全世界が注目した対戦は、大谷翔平がフルカウントで投じた140キロのスライダーにバットが空を切り空振り三振。
日本代表は第2回大会以来3度目の優勝を果たしました。
図4:2023 ワールド・ベースボール・クラシック アメリカ戦 平均視聴率 (関東地区)
決勝の視聴率は24.3%でした。(関東地区・個人全体)
平日の朝の放送ということもあり、通学、通勤で自宅から視聴できない方が多くいたと思われますが、それでも野球大国アメリカとの世界一をかけた試合は日本中から注目を集めました。
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5. 2023WBCはどれくらいの人が見た?
今大会の日本戦7試合のテレビ生中継における日本全国での「自宅内テレビでの地上波放送リアルタイム視聴者数」を確認してみます。
日本戦において最も視聴人数の多かった試合は3月10日、2戦目の韓国戦で、6234.3万人が視聴しています。
また、7試合いずれかの試合を視聴した人の合計は9446.2万人でした。
図5:2023WBC 日本戦における全国到達人数(1分以上視聴)
6. 高い注目を集めた地区は?
今大会は日本全国で高い注目を集めた結果となりました。
地区別でみると、岩手や札幌における個人視聴率が特に高くなっています。
岩手は、大谷翔平や佐々木朗希などゆかりのある選手の出身地であり、3月16日のイタリア戦は46.2%もの個人視聴率を記録しました。大谷翔平、ダルビッシュ有、また栗山英樹監督などと縁のある日本ハムファイターズの本拠地、札幌でも多くの注目を集めました。
図6:2023WBC 日本戦地区別視聴率(%・個人全体・番組が複数の場合は関東地区のスコアが高い番組を選定)
■個人全体で30%以上の地区
7. 過去大会と比べてどれくらい注目を集めた?
歴代大会の個人視聴率の高かった番組の上位10番組を見てみると、今大会の7試合が上位を占めています。このことからも今大会の日本戦は特に注目度が高かったことが窺えます。
図7:WBC 過去大会含む日本戦視聴率(関東地区・番組が複数の場合は関東地区のスコアが高い番組を選定)
※個人視聴率の高い順にソート、上位10番組掲載
※15分以上の番組対象
さいごに
日本中を熱狂の渦に巻き込んだWBC。大会終了後には2023年のペナントレースも開幕し、これまで以上に野球への注目度が高まっているのを感じます。
今年はバスケットボールワールドカップやラグビーワールドカップなど、国際的なスポーツイベントが多く開催されるため、スポーツ界全体にこの勢いが続くことを期待したいと思います。
※1到達人数
個人全体4才以上における1分以上の番組視聴を"見た"と定義し、その番組をどれだけの人が視聴したのか(到達したのか)を推計した値です。 全国32地区の個人全体4才以上の到達率を拡大推計マスタ(※2)に掛け合わせて推計しています。 「到達人数」は、「ユニーク到達人数」であり、重複はありません。(ザッピングして何度かチャンネルを合わせた場合も1カウントとしています)
※2拡大推計マスタ
住民基本台帳、国勢調査より推計した人口・世帯数にビデオリサーチが実施するエリア内特性調査より推計した自家用TV所有率を乗じたものです。平均視聴人数、到達人数には、ビデオリサーチが視聴率調査を実施している調査エリアを全国に拡大推計して使用しています。
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【本記事で紹介したサービス】
・サービス名:ビデオリサーチ「視聴率」
・対象地区:関東地区など
・ターゲット:個人全体など
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