同じ番組でも見られ方は違う?〜視聴ログ分析で読むターゲットが好む番組"コーナー"を探る〜
人の好みは十人十色・・・どころか一人十色とも言われる時代、自社製品を売りたいと思う事業会社にとってメインターゲットはどんな特徴を持っているのか知りたいところではないでしょうか?
たとえば「高価格帯の柔軟剤」であれば、
■デモグラとしてはどんな層が多いのか?
⇒独身キャリアウーマン?専業主婦?・・・
■重視されているポイントは何か?
⇒香り?無添加?肌ざわり?・・・
■好まれるパッケージのテイストは?
⇒インテリアとしても機能するようなおしゃれなもの?キャラクター入り?気にしない? ・・・
などを調べ、その特徴に合ったコミュニケーション戦略を考えるのは、マーケッターの方なら普段から行っておられることかと思います。
では、テレビ番組についてはどうでしょうか?
パッケージテイストや重視ポイント同様、ターゲットによって好まれるテレビ番組もさまざまです。
当社が保有するテレビ視聴ログパネル「VR CUBIC」では、任意のターゲットを指定したテレビ視聴ログ分析が可能です。
今回は、少子高齢化が進み続ける昨今、マーケティングターゲットとしての重要性が更に増しているシニア世代を例に、セグメントごとで分けて見ていきます。
【図1】は、当社ひと研究所のシニア研究チーム『VRエイジング・ラボ』が開発した「シニア価値観セグメント(※)」ごとに、「局A」の時間帯別平均接触率を1分単位でグラフ化したものです。
【図1】
※「シニア価値観セグメント」とは・・・
考え方も行動も多様化・複雑化しているシニア層を理解するための新たな切り口として、"価値観"で分類したセグメント。価値観は6タイプに分類され、それぞれを行動が積極的か控えめか、志向が伝統的・保守的な傾向か変化や刺激を好む傾向かという2軸4象限上にプロットしたもの。
【図2】
シニア価値観セグメント 詳細はこちら
シニア価値観セグメント判定チェックはこちら
図1を見ると、ある時間帯のみ、「ラブ・マイライフ」の接触率が他クラスターに比べ、群を抜いて高いことがよく分かります。
その時間帯は投資や海外動向の最新情報を伝える番組が放送されており、「ラブマイライフ」の特徴である
■お金に余裕がある
■人より早く情報を入手している
■投資意欲も旺盛
に合った番組だからこそ接触率が高いのだということが容易に推察できます。
このように特定の局・時間帯を切り取ってみると、シニア世代の中でもテレビも見方が異なっていることがよく分かります。
ただ、上記の分析は単純に「ラブ・マイライフ」の方々に対し、『あなたの好きな番組は何ですか?』とアンケートをかけても簡単に答えが出てきますよね。
では、同じ番組内でも接触率に違いが出るものなのでしょうか?
【図3】は、「アクティブトラッド」における、朝5~8時での接触率を4つの情報番組(P〜S)間で比較したものです。
※番組P〜Sは、すべて同じ日・同じ時間帯に放送されている情報番組です。
オレンジの横棒グラフは、P〜Sそれぞれの番組での時間帯別接触率を示し、横並びで見たときに『最も接触率が高い』番組を赤枠で囲んでいます。
【図3】
赤枠に着目して見てみると、同じ番組内でも、時間帯が推移していくにつれ、多く見られている番組が変わっている様子が見て取れます。
「アクティブトラッド」は、6つの「シニア価値観セグメント」の中でも
◆テレビ好き
◆テレビ関連のことを家族や友人と積極的に話題にする
◆テレビCMをよく見ている
といった、テレビと親和性の高いセグメントです。
この結果から、たとえば「番組Q」においては
■「アクティブトラッド」をメインターゲットとする商材のTVCM出稿を検討している企業さま/代理店さまであれば・・・
⇒出稿枠として時間帯「5:30-6:30」を優先的にピックアップするなど、枠選定を効率的に実施する
■「アクティブトラッド」を獲りに行きたい「番組Q」の制作担当者さまであれば・・
⇒他番組に比べ、接触率が落ち込む時間「7:00-7:30」での接触率アップのための施策を検討する
といった課題整理・ブラッシュアップにお役立ていただくことが可能です。
さらに細かく見てみましょう。
【図4】は、「番組R」をクラスターごとに毎分接触率で比較したものです。
【図4】
赤い点線枠で囲ったところ、中央部分がどのクラスターも凹んでいることが分かります。この凹み方は特に「アクティブトラッド」で顕著で、特定の時間帯で「番組R」から流出した後、終盤で再び「番組R」に戻ってきているのも特徴的です。
本データの出典元である「VR CUBIC」は、テレビのON/OFF状況はもちろん、各種放送局のリアルタイム/タイムシフトでの接触率をシングルソースで捕捉しております。
「アクティブトラッド」がいったいどこに流出し、そしてなぜ戻ってきているのか?それにはもちろん、理由があります。 その時間帯の放送内容を、他局を含めて流入流出分析を細かく実施できますので、気になった方はぜひ、お気軽にお問い合わせください。
今回は、当社オリジナルのクラスターである「シニア価値観クラスター」別の分析結果をご紹介させていただきましたが、アンケートの実施等により
■(シニアに限定しない、)生活者全体における貴社保有の独自クラスター
■「雄大な自然や絶景を紹介するテレビ番組が好きな人」「車の購入を検討している人」といった独自のターゲット切り口
といった、任意ターゲット視点での分析も実施可能です。
また、毎分接触率をお手元にてご確認いただけるASPツール「VRビューーン!」もございます。
※「VR CUBIC」はサービスを終了しました。