丸ビルより新丸ビルの方が利用者の年収が高い!?丸の内エリアの商業施設利用者を調べてみた

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#ターゲットプロフィールシート #ユーザープロフィール #広告 #消費者心理 #行動実態
丸ビルより新丸ビルの方が利用者の年収が高い!?丸の内エリアの商業施設利用者を調べてみた

【この記事はこんな方にオススメ!】
✅商業施設のテナント誘致や広告宣伝を担当されている方
✅特定の商業施設への出店や広告出稿を考えている方
✅自社と競合他社のユーザープロフィールの違い(商品・広告関心、情報入手経路など)を簡単に知りたい方

1. 似たような商業施設でも利用者の違いを見つけ出す

新型コロナウイルスの流行から早3年が経ち、ようやく街にも人の流れが戻ってきました。
コロナ禍ではオンラインでの買い物や消費行動がクローズアップされていましたが、コロナに伴う規制が解除されたことで実際に店舗に足を運ぶ人も増えている印象を持ちます。

街には様ざまな店舗や商業施設がありますが、似たような商業施設でも、施設によってお客さんの雰囲気が違うなと感じることはありませんか。自分も好きでよく行く施設と、初めて行った施設とではすれ違う人の雰囲気が違うように感じたことがあります。

今回は、当社が提供する日本最大級のマーケティングデータ「ACR/ex」から施設利用者=ターゲットを明らかにするレポートパッケージ「ターゲットプロフィールシート」から、2つの商業施設の利用者像を調べてみました。

記事の中でご紹介しているサービスはこちら【ターゲットプロフィールシート】
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2. 丸ビルと新丸ビルのそれぞれの利用者の違いとは?

今回は丸の内ビルディング(以下丸ビル)と新丸の内ビルディング(以下新丸ビル)の2つのオフィス・商業施設について、それぞれの利用者の属性や特徴、意識からその違いに迫ります。
丸ビル、新丸ビルは2022年にそれぞれ開業20周年、15周年を迎え、2022年秋から2023年春にかけてリニューアルし、新たに複合型書店やカフェなどがオープンしています。

【参考(外部サイト)】丸ビル・新丸ビルで2023年春にかけて順次リニューアル (mec.co.jp)

2-1. 性別・年齢 〜どちらも女性が多く、丸ビル利用者の方がやや年齢若め

【図1】丸ビル・新丸ビル利用者の男女比・中心年齢

丸ビル・新丸ビル利用者の男女比・中心年齢

最初に、利用者の属性について確認してみます。
丸ビル・新丸ビル利用者の男女比はいずれも、東京駅周辺商業施設利用者全体とほぼ変わりませんが、わずかに女性比率が高いのが確認できます(図1)。利用者の中心年齢は男性、女性ともに丸ビル利用者の方が新丸ビル利用者よりも2〜3才若くなっていました。

※東京駅周辺商業施設利用者全体=東京駅周辺(駅構内・八重洲・大手町・丸の内エリア)にあるいずれかの商業施設を直近6ヶ月以内に利用した人
※中心年齢=当該商業施設を利用した人の年齢の中央値

【図2】丸ビル・新丸ビル利用者性・年齢構成

丸ビル・新丸ビル利用者性・年齢構成

さらに、利用者の性・年齢構成比を確認すると、丸ビル利用者は、男性は30〜40代の比較的若い年齢層に分布が寄っている一方、女性は50代の比率が最も高く、次いで30・40代が同率の分布になっていました。
一方、新丸ビルは丸ビルよりも利用者の年齢層がやや上にシフトしており、男女とも50〜60代の割合が高い傾向にあります(図2)。

ちなみに、昨年のデータと比較すると、丸ビルは利用者全体の年齢層が2歳若返っていることが確認できました(2022年調査:47才 → 2023年調査:45才)。
2022年秋から23年春にかけてのリニューアルの効果かもしれません。

2-2. 年収・お小遣いと家族構成 〜丸ビル利用者は可処分所得(お小遣い)が多め

続いて、商業施設にとって気になる利用者の懐事情を「年収」と「月々のお小遣い」から確認してみます(図3)。

まず丸ビル・新丸ビル利用者とも、個人年収・お小遣いどちらについても東京駅周辺施設利用者全体よりも高くなっています。個人年収は丸ビル利用者で全体よりも+55万円、新丸ビル利用者で+85万円、お小遣いは両ビル利用者ともに全体を約1万円近く上回っています。東京駅周辺施設利用者の中でも、両ビルの利用者は経済的に余裕がある人が多いようです。
ここで注目したいのは、丸ビル・新丸ビル利用者間の年収差とお小遣いの差です。年収は新丸ビル利用者が、丸ビル利用者を約30万円上回っているものの、1か月の小遣いは両者4万5千円程度で、大きな差はみられません。
家族構成を確認すると、丸ビル利用者は「一人暮らしの」割合が約2割で、新丸ビル利用者よりも約5pt高くなっていました(図4)。
丸ビル利用者は新丸ビル利用者よりも年齢がやや若く、ひとり暮らしの割合も高いため、自分の自由裁量で使える可処分所得(すなわちお小遣い)がやや高めな「プチリッチな独身層」が客層として多いのではと推測されます。

【図3】個人年収と1か月の小遣い(平均)※不明・回答なしは除く

個人年収と1か月の小遣い(平均)

【図4】ひとり暮らし割合

ひとり暮らし割合

2-3. 買い物への意識 〜丸ビル利用者は「人と違うもの」を、新丸ビル利用者は「長年使える良いもの」を選ぶ

続いては、買い物への意識を確認してみます(図5)。

【図5】買い物への意識

買い物への意識

丸ビル、新丸ビル利用者いずれも、「買い物すること自体が好き」「ブランド、メーカーにこだわりがある」「ブランド品は代理店、百貨店で買う」など、全般的に買い物への意識がかなり高く、さらに「機能や性能の良いもの」「丈夫で長持ちするもの」「長年使えるもの」といった商品選びにも強い拘りが見られます。特に買い物そのものが好きという人が両者とも7〜8割を占めている中ではありますが、双方を比べるとどちらかといえば、丸ビル利用者は有名ブランドや人と違うものを選びたいという意識が高く、新丸ビル利用者は「丈夫で長持ち」「長年使える」などで高品質な商品を求める傾向がやや強くみられました。

2-4. 関心のある広告は旅行・リゾート・テーマパーク。外出先で店舗の情報もよく見る両ビル利用者

続いては、どういった広告に関心があるのか、ジャンル別に確認していきます(図6)。

【図6】関心のある広告ジャンル(サービス)※スコアが高い順にソート、TOP10

関心のある広告ジャンル(サービス)

丸ビル・新丸ビル利用者はいずれも国内旅行・海外旅行への関心が高いことが見て取れます。

また、全体にはランクインしていなかったリゾートホテルやテーマパークなどもランクイン。
デパート・百貨店も東京駅周辺施設利用者と比べ上位にランクインしており、買い物に対しての広告意識が高いことがうかがえます。

また、丸ビル・新丸ビル利用者は全体と比べ、街中のイベントや街で新しいものをよく見つける、店頭情報をよく見るなど、外出先でも広告への注目は高いようです(図7)。

【図7】屋外・交通広告に対する意識※東京駅周辺商業施設利用者と丸ビル利用者のスコア差が大きい順にソート、TOP10

屋外・交通広告に対する意識

店舗内外にも広告を出すことで、テレビCMやデジタル広告などに加え、接触回数を高め、リーチを拡大する、という点でも貢献できそうです。

3. ターゲットプロフィールシートとは?

今回は丸ビル・新丸ビル利用者それぞれの特徴を探りました。
近くに位置する2つのオフィス・商業施設ですが、利用者の特性や商品関与に違いがあることが可視化できました。このターゲットプロフィールシートで両者を横並びでみることで、この微妙な違いにも気づくことができます。
これ以外でも街、店舗、商業施設の開発、さらには集客、広告などのマーケティング活動のベースとなる「食に対する意識」「テレビ・インターネット接触時間」「詳しい家族構成」などから利用者像を明らかにするデータを数多く取り揃えてあります。
より細かいプロフィール比較やメディア間比較、コミュニケーションや商品意識など掘り下げて分析することが可能なレポートも用意しています。

今回は丸ビル・新丸ビル比較を紹介しましたが、「ターゲットプロフィールシート」ではその他の全国1200施設もの商業施設利用者像をレポーティング可能です。また、商業施設に限らず、例えば金融サービス、携帯キャリア、自動車、飲料・食品などあらゆるブランドユーザーについても様々な切り口で選定することもできますので、ご興味がございましたら以下より詳細資料をダウンロードいただくか、お問合せください。

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【本記事で紹介したサービス】
・サービス名:ビデオリサーチ「ターゲットプロフィールシート」
・調査時期:2023年4~6月
・対象地区:関東
・ターゲット:東京駅周辺商業施設利用者(n=864)
丸ビル利用者(n=127)
新丸ビル利用者(n=154)
※ここでの利用者は、直近6ヶ月以内利用者のことを指します。

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