全国新聞総合調査 「J-READ」調査結果データのご紹介(1) 生活者と新聞
※本記事は2002年に発刊したVR Digestに掲載されたものです。
新聞のメディアパワーを科学的に示す...
1.はじめに
先般よりご案内してきた当社『全国新聞総合調査』(データ名はJ-READ』)の結果がまとまり、去る3月下旬にはレポート・Web版ともに無事リリースすることができました。
● 全国の主要新聞すべてについて...
● 各紙の閲読状況やプロフィールを同一水準で測定し・・・
● 新聞の読まれ方やポジショニングも確認しながら...
● 豊富な切り口で新聞読者や生活者を多面的に措く。
● 全国同一設計調査なので、エリアマーケティングデータとしての活用も可能。
このような主旨にもとづき整隋された『J-READ』は、今後新聞媒体や生活者に関する多様な科学的視座を提供できるものと思います。
そこで、本号から数回連続で全国新聞総合調査『J-READ』データのご紹介をさせていただきます。
「全国新聞総合調査」概要(2001年虔)
■調査記入期間
2002年1月27日(日)〜2月2日(士) ※2002年度以降は毎年秋を予定
■調査エリア・サンプル数
全国47都道府県の各全域 ※ただし実施単位は都道府県単位払7エリア)
各都道府県の人口頼メ莫に応じて6タイプのサンプ/レサイズを設定
※最大1600人(東京約〜500人(鳥取県)
■調査対象
満15歳〜69歳の男女個人
■対象者抽出
調査エリアごとのRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)により調査対象者を抽出し、調査協力を依頼
■調査方法
調査協力を応諾した対象者に対し、自記入式調査票を郵送。
記入期間終了後、郵送にて調査票を返送
2.生活者と新聞
連載第1回めの今回は、「生活者と新聞」をテーマにしてみました。
現在の生活者が(大げさに言えば「日本人」が)新聞妓体にどのように関わっているのかという大枠の部分からまず俯瞰してみます。
(1)新聞を読む時間帯
最初に、生活者の起床在宅(家にいて起きている)と朝・夕刊それぞれを読む時間帯を見てみます。(図表1参照)
【図表1】起床在宅と朝・夕刊閲読時間帯(平日)
起床在宅率に合わせるように新聞を読む割合も推移しており、特に「朝起きたら朝刊」という習慣性が顕著に現れています。また夕方から夜にかけては夕刊だけでなく朝刊も読まれている様子が分かります。
(2)何らかの新聞を1紙以上読む割合
時間帯ごとの新聞閲読の結果、では生活者は毎日どの程度「何らかの新聞」を読んでいるのでしょうか。(図表2参照)
これによると、いずれかの朝刊を1紙以上読んでいる割合は約9割、夕刊では4割強と、どの曜日でも安定的に読まれている様子が分かります。新聞は、全国の15〜69歳の9割に毎日到達させられるパワーを持っている媒体だということが改めて実感できる結果と言えます。
【図表2】全ビークルによる曜日別Reach(朝・夕刊別)
(3)朝刊の読み方
では国民の9割が読んでいる新聞の朝刊は、どのように読まれているのでしょうか。
(図表3参照)
これによると、全体では「終面から順に戻る」「一面のあとは順不同」の割合が高くなっており、「一面から」派の合計が約4割、「終面から」派が約3割という構成になっています。
また、男性が「一面から」なのに対して女性では「終面から」という人の割合が高いという興味深い傾向も明らかになりました。
【図表3】朝刊の読み方
(4)ふだん読む新聞記事ジャンル
先ほどの「朝刊を読む順番」とも関連性が強いと思われる記事ジャンルの噂好性についても取り上げてみます。(図表4参照)
【図表4】ふだん読む新聞記事ジャンル (全国ウェイト集計)
ご覧のように、テレビ欄や社会・事件、政治、スポーツ、気象情報が上位を占めますが、ここでも男女間で特徴が出ています。男性では政治、スポーツ、経済、ハイテク関係が女性を大きく上回り、女性では料理や育児、ファッション、投書欄などが高めになります。これは「面別の閲読」を訊いた結果ではなく、あくまで生活者の「意識」レベルの回答ですが、新聞はそれぞれのターゲットに向けたコンテンツを有しているメディアであることが分かります。
(5)新聞を読む場所
続いて、新聞がどこで読まれているのかを日記式閲読データから朝・夕刊別にまとめてみました。(図表5参照)
朝・夕刊ともに、読者の95%が自宅で新聞を読んでおり、宅配制度の効果が大きいことが分かります。
また、自宅以外を見ると、「勤務先や学校」での閲読が最も高く、結果として朝刊では回答スコアの累積が110%にまで達しています。このことは「1週間で平均すると、各朝刊の閲読者は1日当たり1.1箇所でその朝刊を読んでいる」という意味となり、自宅外での閲読も捕捉する『J-READ』ならではの結果が出たと言えるでしょう。
【図表5】新聞の閲覧場所(複数回答)(朝・夕刊別)
(6)新聞を読む時間量
『J-READ』では、各マスメディアごとの「ふだんの接触時間量」も調べています。(図表6参照)
これによると、テレビが1日当たり3時間18分、ラジオが37分、新聞が35分という結果になっています。
媒体の特性が違いますので一概には比較できませんが、生活者側からの能動的接触が前提になっている新聞、雑誌、インターネットの中では、「毎日30分以上読まれている」新聞の時間量が多くなっています。
【図表6】媒体別接触時間量(週平均)
(7)新聞の閲読態度
ここからは、新聞に関する意識面の調査結果をいくつかまとめてみます。
【図表7】新聞の閲読態度(「よくある」「時々ある」の合算) (全国ウェイト集計)
まず、新聞の閲読態度ですが(図表7参照)、「既知のニュースでも新聞で読む」「見出しで関心あるものを選び読む」などが上位にあがっていますが、先の「閲読記事ジャンル」ほど男女間に目立った差は見られません。
(8)媒体評価・情報入手経路・媒体別広告評価
続いて、生活者に各マスメディア(や広告)を相対的に評価してもらった質問の結果をご紹介します。(図表8参照)
各結果を藍哩すると、生活者は新聞の「地域密着性」「信頼性」「知識・教養性」「仕事での有用性」「詳報性」などを他媒体に比べ非常に高く評価しており、その結果が、広告媒体としての信頼感・訴求力に反映されていることが分かります。
【図表8】各媒体の評価・情報入手経路・広告評価
(9)新聞広告に対する行動・レスポンス
新聞を広告媒体としてとらえた時、新聞広告を見て生活者がどのような行動をとったのかは、重要な指標のひとつです。
この1年間にとった行動・レスポンスを整哩してみると、「新聞広告を家族や友人と話題にした」が最も高く、次いで「スーパーなどに買物に行った」「本・雑誌を買いに行った」などが続きます。比較的商品単価が低い項目が上位に来ていますが、「インターネットのサイトにアクセスした」「車のディーラー・販売店に行った」を除くほぼすべての項目で女性の反応が高くなっていることが分かります。
【図表9】新聞広告を見ての行動・レスポンス(1年間) (全国ウェイト集計)
3.最後に
今回は全国新聞総合調査データ『J-READ』の中から「生活者と新聞」についてデータをご紹介してまいりました。
次号以降も、引き続きいくつかのテーマを取り上げご紹介していく予定です。
当社でも例のない大規模調査データである『J-READ』の特徴や利用シーンをなるべく分かりやすくお伝えしていくつもりですので、今後ともよろしくお願いいたします。
※全国新聞給合調査データ『J-READ』ならびにWeb版集計システム『@J-READ』に関するお問い合わせは、弊社営業担当者までお気軽にお問い合わせ下さい。
(第一マーケティング局メディアマーケティング部 布川英二)