タレントイメージ人気度を考える〜'02年2月度調査結果より〜
※本記事は2002年に発刊したVR Digestに掲載されたものです。
はじめに...
当社では、'73年より年に2度、テレビで活躍するタレント有名人の知名度・イメージ評価データを体系的に収集することによって、テレビ番細やCMのキャスティングをより効果的なものとするための基礎データとして活用していただくため、テレビで活躍するタレントの知名度、人気度及びイメージ評価データを調査しています。2002年2月度調査の結果がまとまりましたので、皆様にご報告させていただきたいと思います。
2002年2月度調査結果について...
今回男性タレントは明石家さんま(58%)が3回連続、通算11回目の1位となり、以下所ジョージ(55%)爆笑問題(55%)などベスト10の常連が並んでいます、初調査で25位のCHEMISTRY(38%)、37位ゴスペラーズ(34%)の活躍が目立つ結果となっています。
女性タレントは3回ぶりに山口智子(51%)が通算12回目の1位に返り咲き、2位には前々回より連続1位であった松嶋菜々子(45%)、3位には黒木瞳(44%)が入り、初調査以来、順調にスコアを伸ばしてきた優香(42%)が初のベスト10入りという結果になりました。
人気度ついて...
今回はテレビタレントイメージ調査の中心データである人気度について考えてみたいと思います。当社の人気度は有効対象者を母数とし、人気度として算出しています。1973年開始以来テレビタレントイメージ調査は、通算59回行われており、その中で、人気度1位になったタレントは、男性13人、女性17人と決して多くありません(通算首位回数男性:明石家さんま、所ジョージそれぞれ11回、女性:大原麗子13回)。このことからも一度高い人気を獲得した上位陣の間に割って入ることは、大変なことだといえます。
そこで、今回注目したのは"知っている"と答えた人(タレント認知者)を母数として、人気度ランキングを並びかえて見ることです。こうすることで"知っている人"から見たら、好意を持ちやすいタレントがランクアップをしてくることと思います。それはどのようなタレントで、どんな特徴をもっているのかということを考えていきたいと思います。
通常の人気ランキング算出方法は
有効対象者の中で、そのタレントについて"非常に好き""やや好き"のいずれかに回答した人の割合
"非常に好き"+"やや好き"
人気度(%)= ------------------------------
有効対象者数
認知看ベースの人気ランキング算出方法は
タレント認知者の中で、そのタレントについて"非常に好き""やや好き"のいずれかに回答した人の割合
"非常に好き"+"やや好き"
認知者ベース人気度(%)= ------------------------------
タレント認知者
〜認知者ベース人気度ランキング〜
ハッチング部分は全数順位より10ランク以上アップ全数人気度ベスト50で並び替えています
タレント認知者ベースランキングについて...
認知者ベースでも男性タレント1位は明石家さんま(58%)、女性タレント1位は山口智子(59%)と変わることはありませんでしたが、2位以下では動きがみられました。注目したいのは、「全母数での人気度ベスト」と比較して、順位を上げたタレントです。このランキングで順位が上がったタレントは、比較的世間に高い知名度があるわけではないが"知っている人"から見ると、好意が持てるタレントということが言えます。男性では爆笑問題(57%)が所ジョージ(55%)を抑え、2位に入りました。女性ではDREMS COME TRUE(48%)が11位から2位にランクアップをするという動きが目立ちました、その中でも特に10ランク以上アップしたタレントを次ページに取り上げてみました(裏3)。
タレント認知者ベースランキング注目タレント
表3:全母数順位より10ランク以上アップしたタレント
男性タレントでもっとも順位を上げたのはB'z(42% 37位一17位)、女性タレントではMisia(44%40位→13位)となり、共にミュージシャンという結果になりました。特に男性タレントではミュージシャンのランクアップが目立ち、もっとも高いスコアを獲得し7位にまで上昇したのが、今回初調査となったケミストリー(51%25位→7位)です。一方女性タレントではMisia以外はドラマ番組で活躍する女優のランクアップが目立ち、若手人気女優の水野美紀(48%18位→2位)が最も高いスコアを獲得ました。
では、このように「認知者ベース」においてランクアップしたタレントにはどのような特徴があるのでしょうか。当社のテレビタレントイメージ調査では、知名度、人気度及びイメージ評価データを測定しています。
このイメージ評価は、タレント評価を人気度以外から考えるデータです。以上のタレントがどのようなイメージ評価をうけているのでしょうか、何か特徴があるのでしょうか、以下に比故をしてみました。
タレント認知者ベースランキング注目タレントイメージ評価比較
イメージ評価別に比較をしてみますと興味深いことがわかりました。各タレントのイメージ評価でもっとも高い評価をハッチングしてみたところ男性タレント、女性タレントとも2パターンに分かれました。男性タレントは「実力のある」「親しみやすい」に分かれ、女性タレントは「実力のある」「明るい」に分かれるという結果になりました。
このことから次のようなことが考えられます。男性タレントでは「親しみやすい」、女性タレントでは「明るい」という評価が認知者にとってそのタレントに好意を抱く大事な要素になっているということ、そして男性タレント、女性タレントとも「実力のある」というイメージ評価を持つタレントへ好意を抱くということがわかりました。
まとめ...
認知者ベースのランキングで順位が上がるタレント、すなわち知っている人は、好感を持つことが多いタレントの特徴として、タレントジャンルは男性タレントではミュージシャンに、女性タレントではドラマ番組で活躍が目立つ女優が多く、そのイメージ評価は、男性タレントで「親しみやすい」、女性タレントで「明るい」に、男女共通して「実力のある」に高い支持が集まるタレントであるということがわかりました。
今の時代、人気を獲得するには男女タレント関係なく「実力のある」という評価が求められているということがいえるのかもしれません。
これからも様々な視点から、タレントデータにつきまして分析方法を吟味の上、ご紹介できればと思います。
テレビタレントイメージ調査 調査概要
調査エリア 東京30km圏内
指令標本数 1系列600人×2系列の計1200サンプル
調査対象者 満10〜59才の男女個人
標本抽出法 住民基本台帳をフレームとした無作為2段抽出法
調査期間 2002年2月4日(月)〜10日(日)
調査方法 訪問による質問紙留置法
調査タレント数 男性タレント500、女性タレント500
回収状況 有効標本数957(回収率79.8%)
第ニマーケティング局 商品調査部 浅野剛司