民放4局がワイド・ニュースで激突!広島地区のテレビ視聴の特性
※本記事は1986年に発刊したVR Digestに掲載されたものです。
広島地区は昭和56年4月より「新ビデオ・メータによる機械調査」がスタートし、1年365日の常時データ提供が可能となりました。それから4年後、昭和60年4月からはビデオ・Sメータに「トランスミッタ」を設置して「複数テレビ調査(メインテレビに加えサブテレビ1台目の視聴記録もキャッチ)」を開始しました。
このような視聴率調査システムの改革を背景として広島地区のテレビ視聴状況の特性を紹介してみましょう。
従来の広島地区でのテレビの視聴傾向
※NHKの「国民生活時間調査」鳳HK放送世論調査所、昭和55年版)の10代の「学校外の学習時間」「全国平均時間」を平日の学習時間量でみるとつぎのようになっています。
全国平均:時間 1.58分
長い県 :鹿児島 2.52分 宮 崎 2.44分
京 都 2.43分 広 島 2.37分
短い県 :沖 縄 1.21分 茨 城 1.24分
岩 手 1.30分 青 森 1.33分
上表から明らかなように広島県では全国第4位の学習時問の長い県という調査結果になります。このデータと10代の「テレビを視る時間量を、特に長い県と短い県」とで比較してみるとつぎの表のようになります。
つまり「テレビ」を視る時間の短い県には、広島、鹿児島県のように勉強の時間の長い 県が多いということでしょう。このデータが示すように、従来、ややもすると広島地区のテレビ視聴状況は、他地区との比較において「広島の視聴者はテレビをあまり視ないのではないか?」とか「広島地区のテレビ媒体価値は他地区に比べて低いのでは?」という潜在意識がもたれてきたようです。
「複数テレビ調査」によって実証された広島地区のテレビ視聴状況
上表から明らかなように複数テレビ調査開始後'83年、'84年と比較して、'85年の総世帯視聴率は40.3%と'84より大幅に上昇し、実に1世帯あたりの視聴時間に換算すると45分の増加に相当します。
さらに広島地区の平日、土曜、日曜別に1日にテレビは1世帯当り何時間視られているかを5年間で比較してみますと......
着実に'84年から'85年への移行をみても年間平均視聴時間は増加していることがわかります。
それでは、最近のデータから広島地区の4月〜6月の3カ月の週別・総世帯視聴率の推移をみてみますと、つぎのようになります。
広島地区のテレビ視聴状況は「複数テレビ調査」開始後、大きく変化しました。それは視聴時間が着実に増加傾向をたどっている、ということです。これは複数テレビ調査により、従来のテレビ視聴状況のとらえ方が従来に増してより精度の高いデータとなってきたといえましょう。
夕刻18時台に民放4局がワイド・ニュースで激突!
広島地区では、この秋の改編期に夕刻18時台に広島ホームテレビが(HOMEテレビ夕刊)をスタートさせたことにより、従来の他局放送分とあわせ、民放4局のワイド・ニュースの激突がホットな話題となっています。広島地区の視聴率を語る時ややもするとプロ野球「カープ戦」の視聴率が話題の中心となりがちですが、今後は夕刻18時台の報道番組の視聴率動向も大きな関心と話題を投げかけそうです。
(広島支社業務課 城宝研−)