女子高生の「インフルエンス力」に注目!〜マイナビティーンズラボ×ビデオリサーチ 「JK×Instagram利用クラスター」を開発〜
ビデオリサーチひと研究所の若者研究チーム『VRわかものラボ』は株式会社マイナビが運営する、ティーンマーケティング支援事業を行う『マイナビティーンズ』と共同で、女子高生の「インフルエンス力」に着目した「JK×Instagram利用クラスター」を開発しました。
『マイナビティーンズ』と『VRわかものラボ』では、かねてより若者の流行の拡散源であり、未来のユーザーにつながる存在でもある女子高生に注目しており、彼女たちへの理解を深めることで企業のマーケティングへの活用、支援に取り組んできました。
女子高生ひとりひとりが周囲に与える影響力を「インフルエンス力」と定義しました。その上で、この「インフルエンス力」と彼女たちの重要な情報受発信ツールとなっているInstagramで発信する時の意識や日常生活の意識を掛け合わせることで、クラスターを作成しました。このクラスターは「インフルエンサーJK」「リーダーJK」「クールJK」「コミュニティ重視JK」「ナチュラルJK」「レシーバーJK」「マイウェイJK」の計7タイプに分類でき、それぞれのタイプのデモグラフィックや意識、またInstagram上の行動にも差があることがわかりました。
※7つのクラスターの特徴はこちら
https://www.videor.co.jp/digestplus/title/2018/04/9732.html
ここでは『マイナビティーンズ』と『VRわかものラボ』がクラスターを開発したプロセスやそれぞれのクラスターの特徴などをご紹介します。
1. 今の女子高生とは
マイナビティーンズとVRわかものラボはJKクラスターを開発するにあたって、まずは"今の女子高生がどのような人たちなのか"を把握すべく、定量調査と定性調査を実施、改めて彼女たちのプロフィールを整理しました。
注目はスマートフォンの利用についてです。インターネット調査の結果ではありますが、女子高生のスマートフォン所有率は95.7%となっており、所有者の利用時間は平日で237分(約4時間)、休日288分と一日のうち多くの時間をスマートフォン利用に費やしていることがわかります。
2.女子高生のSNS利用について
女子高生のスマートフォン利用は一日のうちの長時間を占めていますが、その多くの部分はSNS利用になっています。女子高生はコミュニケーションや情報収集など、SNSを使って様々なことをしています(図1)。女子高生のSNS利用率はTwitterが87.0%、Instagramが75.2%となっており、スマートフォン所有者の大多数がこの二つのSNSを利用しています。利用率ではTwitterがInstagramよりも高いですが、女子高生にふだん使っているSNSについてインタビューすると、「今はインスタがメイン」、「どちらも使っているけど、先に見るのはインスタ」といった意見が聞かれ、Instagramに対する距離が近くなっていることがわかりました。調査(図2)でもSNSのイメージについて、「流行っている」、「若者向けな」、「おしゃれな」といった項目のスコアがTwitterよりもInstagramのほうが高くなっており、今の女子高生のSNS利用の中心はInstagramとなっています。
3.女子高生の「インフルエンス力」に注目
クラスター開発にあたり、私たちが注目したのは女子高生個々人が持つ影響力=「インフルエンス力」です。「インフルエンス力」とは、その人が周囲に対してどれだけ自分の持つ情報や考えを発信でき、他者にどれだけ影響を与えているかのパワーを指しています。情報発信ツールは、2000年代前半の「ブログ」から、「mixi」、「Twitter」、「Instagram」などと変わってきているものの、いつの時代も情報は発信者となる人がいて、それをフォロワーが受け取り広がっていくという構図は変わらないという点に着目しました。情報を受け取り行動する、という点も以前と変わりません。(図3)のように、女子高生のうちSNSでオススメされた商品を見て、実際に購入したことがあると答えた人は45.4%と5割近くになっており、SNSが購買行動にも影響を与えていることがわかります。
そこで、現在、女子高生に最も影響を与えている情報発信ツールであるInstagramにおいて、個々人の発信がどれだけ影響力を持っているのか、フォロワーとフォローの数から算出し、これを「インフルエンス力」としてクラスター分類の軸のひとつに活用いたしました。
※マイナビティーンズの調査より 2018年 3月 全国
インフルエンス力はフォロワー数(一度の発信をどれだけ多くの人に届けられるか)をベースに、フォロー数とフォロワー数の比率を掛け合わせて算出しています。純粋なフォロワー数ではなく、フォロー数、フォロワー数の比率を加味したのは、女子高生のインタビュー時に、「インスタグラマーのような発信力のある人は、自分はあまりフォローをしておらず、フォロワー数の多い人をフォローすることが多い」という発言をよく耳にしたことに起因しています。つまり、フォロー数よりフォロワー数が多い人は、自分の身近な友だち(お互いフォローしあっている人)以外にも情報を伝えられることができる人、つまりは発信力があり影響力がある人であるという点から設定しています。
4.今のJKを表現する「JK×Instagram利用クラスター」
クラスターはInstagramを利用する女子高生が持つ「インフルエンス力」とInstagramにおける発信や日常生活の意識を掛け合わせて、7つのタイプに分類しています。分類はまずInstagramを利用する女子高生の中でも特にインフルエンス力の高い人(全方位に対して影響力を持っている人)を「インフルエンサーJK」として抽出し、それ以外のInstagram利用者をインフルエンス力と意識でクラスター分類しました。それぞれのタイプの特徴を出るようにしながらも、ひとつ、ひとつをある程度の塊として見られるように分類した結果、6つのタイプに分かれ、それぞれ「リーダーJK」「クールJK」「コミュニティ重視JK」「ナチュラルJK」「レシーバーJK」「マイウェイJK」となっています。各タイプの特徴を簡単にご紹介します。
※7つのクラスターの特徴はこちら
https://www.videor.co.jp/digestplus/title/2018/04/9732.html
インフルエンス力を軸に女子高生を分類することで、女子高生のコミュニケーションや情報拡散のメカニズムを理解する助けになると考えています。「女子高生の理解」や「女子高生のInstagramの使い方」また、「女子高生にどのようにコミュケーションするのがいいのか」などのマーケティング課題に対して、クラスターを活用することでよりよいアプローチ方法を見出すことが可能になります。今後はこのクラスターを元に女子高生をさらに分析し、女子高生に対するマーケティングを支援していきます。
■調査概要
①定量調査「女子高生の生態調査」
2018年2月実施
1都3県在住の女子高校生 979サンプル インターネット調査
②クラスター分析
①の調査のうちInstagramを利用している1都3県在住の女子高校生 736サンプルを分類
■マイナビティーンズについて
国内最大級の10代女子向け総合メディア。会員数は6万人。原宿の竹下通りのエンターテインメントフードコート『JOL原宿』を活用したプロモーションやイベントを開催しています。なお、「トレンドランキング」は2015年から行い、今年で3年目となります。BtoBオウンドメディア「マイナビティーンズラボ(https://teenslab.mynavi.jp/)」。
■わかものラボについて
ビデオリサーチひと研究所の若者研究チーム。若者に関するデータや実際の若者である大学生や若手社会人を中心に組織されたフィールドリサーチャーと協力し、いまの若者が「何を考え」「どのようなことをしているのか」といったリアルな姿を明らかにする研究を進めています。世の中を若者にとって、もっとワクワクするものにしたい。その想いを胸に、マーケティングに役立つ若者のインサイトを提供します。