今日は何の日?7月1日は「銀行の日」~ネットバンキング、銀行窓口の利用実態を紐解く~

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広告・マーケティング
#ACR/ex #メディアプランニング #ユーザープロフィール #広告
今日は何の日?7月1日は「銀行の日」~ネットバンキング、銀行窓口の利用実態を紐解く~
この記事はこんな方にオススメ!
  • ネットバンキングや銀行窓口の利用実態に興味のある方
  • ネットバンキングユーザー、銀行窓口ユーザーの広告接触意識に関心のある方
  • リテールメディア・リテールアドに興味のある方

今日7月1日は銀行の日です。1893年のこの日に日本で最初の普通銀行法「銀行条例」が施行されたことから、日本金融通信社によって制定されたとのことです。
皆さんは銀行にどのくらいの頻度で行きますか?銀行では今、消費者との接点として銀行窓口とネットバンキングがあります。いわゆるZ世代である筆者はほとんど銀行窓口には行かず、ネットバンキングで済ませています。「銀行によく行く人はどのような人なのだろう?」と疑問に思った筆者は、弊社サービス「ACR/ex」データを用いてユーザー像を調べてみることにしました。

【ACR/ex】詳細はこちら

ネットバンキング、銀行窓口の利用実態~コロナ禍で加速した変化~

銀行を利用する際、窓口とネットバンキング、どちらを利用するのでしょうか?「最近1年間の利用」項目から、窓口とネットバンキングの利用実態について、2014年から10年間の推移を確認しました。【図1】をご覧ください。

銀行窓口ユーザー・ネットバンキングユーザー数の時系列推移
データソース:ACR/ex 2014~2023年4~6月調査回 男女12-69歳 7地区計
【図1】銀行窓口ユーザー・ネットバンキングユーザー数の時系列推移

ネットバンキングの利用は2018年(17.0%)から増加傾向でしたが、特に2020年(21.6%)から2021年(26.6%)にかけて急増しています。この急増のきっかけは、いうまでもなくコロナ禍でしょう。人との接触を避けざるを得ない状況がオンライン化を加速させ、2022年以降もネットバンキング利用の増加傾向が継続しています。
一方、窓口利用はコロナ禍前の2018年から減少傾向にあり、コロナ禍で一気に窓口離れが加速したといえます。
次に、この傾向が銀行ごとに異なるのか調べてみます。

銀行ごとに異なる?ネットバンキング、銀行窓口の利用率

「ACR/ex」の「銀行口座の主利用」の項目から、国内の主な銀行5つそれぞれをメインバンクとする利用者を定義しました。各メインバンク利用者のネットバンキング、銀行窓口それぞれの最近1年の利用率を確認します。【図2】をご覧ください。

各銀行における銀行窓口/ネットバンキングユーザー割合の比較
※値は「それぞれをメインバンクとする人のうち1年間で銀行窓口/ネットバンキングを1度でも利用したことがある人の割合」を表す
データソース:ACR/ex 2023年4~6月調査回 男女12-69歳 7地区計
【図2】各銀行における銀行窓口/ネットバンキングユーザー割合の比較

すると、銀行によってネットバンキングと窓口の利用率に違いがあることがわかりました。ネットバンキング利用が窓口利用の何倍であるかを、銀行別に算出、比較すると、銀行Bは1.72倍、銀行Cは1.64倍とネットバンキング利用が窓口利用を大きく上回る一方、銀行Eは1.05倍とほとんど差がありません。
それぞれの銀行ごとのネットバンキングサービスの充実度や特徴の違い、主利用者の属性の違いなど様ざまな要因が考えられます。

ネットバンキング、窓口の利用比率とインターネット広告感度の連動性

ネットバンキングではスマホ等のアプリから利用者と直接コミュニケーションをとることが可能です。その際、利用者からはどのような反応が期待できるでしょうか。
先ほど紹介した銀行A~Eの利用者で、「インターネット広告に持つ印象」を確認しました。【表1】をご覧ください。

ネットバンキング/銀行窓口ユーザー数比とインターネット広告感度の関係
※赤文字はネットバンキングユーザーと窓口ユーザーの比率。黒文字は各銀行ユーザーがインターネット広告に対して持つ印象とその割合。
データソース:ACR/ex 2023年4~6月調査回 男女12-69歳 7地区計
【表1】ネットバンキング/銀行窓口ユーザー数比とインターネット広告感度の関係

ネットバンキング利用が多い銀行(銀行Bや銀行C)の利用者ほど、インターネット広告の感度が高い結果でした。このことから、ネットバンキングのアプリで通知される情報によく反応することが考えられます。ネットバンキングのアプリは金融に関連した行動を実際に行う場であるため、そこで得た情報が即時的にアプリ内の行動を誘発することが期待できます。

窓口とネットで情報伝達の度合いがどう違うか?

ネットバンキングのアプリ以外のコミュニケーションの場として、銀行窓口が存在します。ネットバンキングのアプリと窓口とでは、コミュニケーション効果はどう違うのでしょうか。
銀行窓口利用者が「店頭や店内のポスター・リーフレット」に持つ印象と、ネットバンキング利用者が「インターネット広告」に持つ印象の比較から、効果の違いを比較しました。

銀行窓口/ネットバンキングユーザー間の広告への印象の違い
データソース:ACR/ex 2023年4~6月調査回 男女12~69歳 7地区計
【図3】銀行窓口/ネットバンキングユーザー間の広告への印象の違い

【図3】では特徴的な結果がみられた4項目を取り上げています。
この結果を見ると、「商品・サービスの内容理解」は窓口(24.3%)とネットバンキング(23.1%)ともに強いことが分かります。金融に関連した場の情報であると考えると、内容をじっくり精査することはオンラインでもオフラインでも同じだと考えられます。
一方、「タイムリーな情報を知る」の項目ではネットバンキング(22.2%)が圧倒的に強い結果です。インターネットならではの強みを発揮しており、それを利用者がしっかり受け取っていると分かります。一方で、ネットバンキングには課題も存在します。それがストレス感です。「ストレスを感じる」(27.8%)は窓口(1.1%)に比べて圧倒的に高いため、インターネット広告を出す回数や出し方に留意し、アプリでの行動を妨げないように配慮することは重要だといえます。
また、窓口ならではの良さとして、「信頼できる広告である」(12.4%)があります。さらに、広告から感じるストレスも非常に低いため、丁寧に信頼感を与えたい場面では窓口の方が適していると考えられます。

ここからは、なぜ窓口利用者が店頭広告で信頼感を感じるのか、もう少し深掘りしてみます。

窓口ユーザーは人とのつながりを大事にする

銀行窓口利用者の「人との関わり方に関する意識」項目から、個人全体(男女12-69歳)と比較して、特徴的な項目を取り上げました(【図4】)。
これをみると、銀行窓口利用者は「人とのつながり」をより大事にしているようです。

銀行窓口ユーザーの人との関わり方
データソース:ACR/ex 2023年4~6月調査回 男女12~69歳 7地区計
【図4】銀行窓口ユーザーの人との関わり方

「地域のコミュニティに積極的に関わる」、「店頭スタッフに相談した方が安心」といったリアルな関わりに関する項目は個人全体やネットバンキングユーザーより高く肯定しています。
逆に「ネット上のコミュニティに関わる」は低めの傾向がありました。銀行窓口利用者は直接人と関わることを大切にしているようです。そうしたつながりが信頼感を形成するため、銀行窓口をはじめとしたリアルな場で見た広告への信頼感にもつながっていると考えられます。

おわりに

今回は銀行と消費者の接点である「銀行窓口」と「ネットバンキング」の利用実態や、それぞれのコミュニケーション価値を利用者の広告接触意識から確認しました。
DX化が進む中、コロナ禍でさらに加速したネットバンキングの利用は、銀行によって利活用の実態が異なることがわかりました。一方、窓口利用が完全になくなったわけではありませんでした。
銀行を「メディア」とみると、消費者接点をオンオフ2方向で保有している点は強みといえます。それぞれの接点が持つコミュニケーション価値の違いも明確に結果に出ており、訴求内容に合った最適な活用で、消費者にストレスなく情報を届けられるメディアを保有していることが分かる結果でした。

今回は銀行に焦点をあてましたが、様ざまな商業施設ユーザー、街への来訪者、商品のロイヤルユーザーなどにもフォーカスすることができます。
ACR/ex」にご興味がございましたら、以下より資料をダウンロードいただくか、お問い合わせください。

【本記事で紹介したサービス】
・サービス名:ビデオリサーチ「ACR/ex
・調査時期:2014年~2023年 4~6月
・対象地区:7地区
・ターゲット:男女12-69歳、銀行窓口ユーザー、ネットバンキングユーザー

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