店舗への来店率がアップ!CM接触回数ごとの来店効果を可視化する「log-BLS(ログ・ブランドリフト)」で最適な出稿数を算出
【事例】ADEX 株式会社 日本経済広告社
IMC推進本部 IMCプランニング1局 第2部 藤原なつみ氏
IMC推進本部 IMCプランニング1局 第2部 部長 上野洋司氏
IMC推進本部 IMCプランニング1局 第2部 統合コミュニケーションプランナー 伊藤大輔氏
業界ではADEXの通称で知られている、広告代理店の株式会社 日本経済広告社。今回、テレビCMによる店舗来店誘引効果を可視化するため、ビデオリサーチが提供する「log-BLS(ログ・ブランドリフト)」を活用しました。これは、テレビCM・広告接触後の来店・購買効果を可視化するサービス。ビデオリサーチの子会社・Resolving LABが整備するテレビ視聴の実態をログ化した「RL視聴ログ」と、unerry社が持つ「人流・位置情報」を掛け合わせて、重複するADIDをもとに行動ログベースで多角的に分析します。
新店舗オープンに合わせ、「店舗名を地域の方たちに知ってもらいたい」という狙いのもと、「log-BLS」で最も効果的な来店誘引の方法を模索。その結果、オープン当日は店舗前に数百名の行列ができたほど。そこで、同社IMCプランニング1局の3名に、具体的な導入の経緯やご活用状況、その効果などについて伺いました。
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【導入目的】
・クライアントの新店舗オープンを機に、来店誘引に最も効果的なテレビCM接触回数を可視化すること。
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【課題】
・テレビCMが店舗への来店誘引に効果があることが分かったが、最適な出稿量が不明だった。
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【効果】
・来店誘引に効率的なテレビCM出稿量の最適化に活用できる。
・テレビCMの出稿量を検討する際に、クライアントとデータに基づいて議論できるようになった。
・クライアントへのプラン提案から実際の出稿まで、とてもスピーディーになった。
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来店行動ベースで実態を把握! 過去に遡って検証できることも魅力
所属されている部署での業務内容、本取り組みにおける役割についてお聞かせください。
IMCプランニング1局は、「統合マーケティングコミュニケーション(Integrated Marketing Communication)」に関わる部署で、BtoB、BtoCを問わず、オン/オフ統合でのブランディング、リード獲得、販促キャンペーン、採用活動などの認知施策を中心に業務を行っています。多様なメディアを軸に、生活者との接点を最適化するコミュニケーション設計から、施策実施前の効果予測、実施後の効果測定までを担います。
今回、「log-BLS」を活用して、新店舗オープンに合わせて、テレビCMによる来店誘引効果を可視化。私たちIMCプランニング1局のチームが、ブランディングから来店促進のキャンペーン設計、効果検証までを担当しています。
「log-BLS」を活用された背景、きっかけを教えてください。
クライアント様のご要望は、「店舗名とその地域に新規オープンしたことを地域の方たちに知ってもらいたい」というもの。以前から新聞の折り込みチラシを中心にデジタル広告を出稿されていたのですが、新聞自体の発行部数は減少傾向にあります。こういった背景から、「集客の代替施策として、テレビCMにも挑戦してみたい」というご相談をいただいたんです。
このクライアント様はCM出稿について非常に前向きに検討していたものの、「どのくらいの本数のCMを打てばよいのか見当がつかない」という課題をお持ちでした。そのため、効果的な来店誘引の方法を分かりやすいかたちで提案できればと考えたのです。
「log-BLS」を活用する決め手になったのは、どういう点でしょうか?
まず、テレビCMを打った後に、CMに接触したお客様が実際に来店したかどうかが数値で可視化できること。また、何回CMに接触したら来店効果が一番高まるかまで分析できるのも決め手の一つでした。さらに、アンケート調査などのアスキングベースではなく、来店行動ベースで実態がしっかりと分かること。CMの接触頻度別の来店効果も分析できること。過去13カ月分まで遡って検証できるのも大きな魅力でした。
特に過去については、「このCMを見たことがありますか?」「この店舗に行ったことがありますか?」といった質問をアンケート調査する方法しかなかったんですね。しかも、過去のことは記憶があやふやになりがちで、CMや店舗に接触したことを覚えていない可能性もあります。ですが、「log-BLS」であればこれらの情報がログで残っているので、信頼性の高い分析が可能になるんです。
根拠を持ってCM施策が打てるようになった! 提案から施策実施もスピーディーに
実際に「log-BLS」で得られた知見をどのように活用されているのでしょうか?
テレビCMによって来店率が大幅にアップすることを明確に証明することで、裏付け・根拠のあるCM施策が可能になりました。例えば、来店効果の高いCM接触回数を割り出し、エリア別・訴求タイプ別で来店実績を抽出。これらの数値があれば、エリア×訴求タイプごとの目標来店率の議論に集中できます。その結果、ご提案から施策実施までが以前よりとてもスピーディーに行えるようになりました。
このクライアント様は、CM施策を今後も継続していくことを希望されています。「CMによる来店効果や最適な出稿量を把握し、エリア別・訴求タイプ別の分析を重ねていきたい」このようなコメントもいただいており、そのプランニングを推進していくために「log-BLS」は最適だという実感を強められたようでした。
リアル店舗を持つ企業にお勧めしたい! テレビCM施策の幅が広がる「log-BLS」
今後の「log-BLS」の活用方法や展望を教えてください。
先ほども申し上げた通り、今後、「log-BLS」の来店効果分析を他のエリア・訴求目的・店舗形態にも広げていきたいと考えています。それらの検証実績を蓄積してクライアント様と一緒に分析・検証を重ね、多くの店舗でより効果的な施策を立案してきたいと思います。
近年、CMの効果が分かりづらくなったといわれています。CM効果の可視化ニーズを持つクライアント様が増え、そのニーズを解決するソリューションの利用も活発になっている感触もあります。CMは大きな予算を要する施策なだけに、最適な出稿量が計測できるのは、非常に大きな成果だといえます。特にリアル店舗を持つ企業は、「log-BLS」を活用することで施策の幅が広がり、より高い来店効果が望めると思います。
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