生活者の受容性を高めるための広告の在り方とは? (ひと研究所/広告研究シリーズ 番外編)

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広告・マーケティング
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生活者の受容性を高めるための広告の在り方とは? (ひと研究所/広告研究シリーズ 番外編)
この記事はこんな方にオススメ!
  • 広告キャンペーンのメディアプランニングを担当される方
  • メディア・プラットフォーム間の広告効果の違いに興味がある方
  • テレビCM・動画広告の広告効果に関心がある方

1.広告の受容性とは何か ~ひと研究所が考える生活者と広告の関係

ひと研究所では、現在、生活者に受け入れられる広告はどのようなものか、どのようにすれば生活者の広告体験はより良いものになるかという課題感のもと、広告に関する研究を行っています。本記事は、これまで発信してきた4つの研究(vol.1~vol.4)の全体像を知っていただくための記事です。個別の研究発信ではかなり深い議論をしていることもありますが、ひと研究所の広告研究の全体像をつかんでいただくには本記事をお読みいただくのが最適です。それに先立ち、まずはキー概念として設定している「広告の受容性」について解説します。

広告の受容性とは、広告を回避したいと思う気持ちや実際の回避行動の有無

広告の回避行動には「目を背ける」、「他のことをする」、「スキップボタンを押す」などが含まれます。生活者は、様ざまな環境や条件のもと広告に接触していますが、この条件次第では、強く"広告を回避したい"と思う場合があります。ひと研究所では、この点に注目して研究をしています。

なお、研究調査では、「広告をスキップしたい、無視したい、避けたいと思う気持ちの有無」を調査し、非該当の程度を「広告の受容性」として定義しています。
例)広告を回避したい(スキップしたい、無視したい、避けたい)という項目に対して「そう思った」のスコア合計が40%の場合、広告の受容性は60%と定義。

では、ここから、様ざまな視点から「広告の受容性」についてみていきます。

2."視聴者の目的や快適性を阻害しないこと"が広告の受容性を高める

生活者に受け入れられる広告-メディア接触モードと広告の受容性の関係 (ひと研究所/広告研究シリーズvol.1)

メディアやデバイスの多様化が進展する現在、広告の侵入感を下げ受容性を高めるための取り組みが重要になります。ビデオリサーチの調査から、広告を不快に感じさせずに受容してもらうためにはどうすれば良いのか分析してみました。

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vol.1では、「メディア利用の動機の強さ」や、「時間や場所のコントロール意識」といった生活者の"メディア接触モード"と広告の受容性の関係を検証しています。分析の結果、メディア利用の動機の強さや時間や場所のコントロール意識によって、広告を回避したい気持ちや広告回避の行動が誘発されることが示唆されました(図1)。言い換えれば、広告の受容性を高めるためには、"視聴者の目的や、好きな時間や場所で楽しめる状態という快適性を阻害しないこと"がポイントになるといえます。
また、逆に言えば、目的や快適性の阻害が比較的起こりにくい"ながら視聴"のような状況(視聴動機も強くなく、積極的に好きな時間や場所で見ようという意識も強くない場合)では、広告は受容されやすくなるということが考えられる結果です。

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【補足】図1の「広告が煩わしい」「広告で注意がそがれる」「広告が目障りに感じる」について
これらは、「広告の侵入感」に該当する項目で、広告によってやりたいこと(メディア接触の目的)が阻害されたと感じる程度を指します。広告の受容性と強く関連すると考えられる指標のため、同時に聴取して分析をしています(広告の侵入感が高いと、広告の受容性が低下すると考えられます)。

3."テレビモニター"が広告の受容性を高める

生活者に受け入れられる広告―利用デバイスと広告の受容性の関係 (ひと研究所/広告研究シリーズvol.2)

メディアやデバイスの多様化が進展する現在、広告の侵入感を下げ受容性を高めるための取り組みが重要になります。ビデオリサーチの調査から、コンテンツに接触する際の利用デバイスの違いが広告の受容性に及ぼす影響を検証しました。

SAMPLE

vol.2では、インターネット動画に注目し、「テレビデバイス」での視聴と「スマートデバイス」での視聴を比較して、広告の受容性に違いがあるのか検証しています(図2)。その結果、スマートデバイスと比較して、テレビデバイスの方が(インターネット動画の)広告の受容性が高い傾向がみられました。

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4."コンテンツを邪魔しないこと"が広告の受容性を高める

広告映像はコンテンツの流れを遮らないことが重要-ミッドロール広告挿入実験の結果から- (ひと研究所/広告研究シリーズvol.3)

メディアやデバイスの多様化が進展する現在、生活者のコンテンツの視聴体験が損なわれないことが広告効果を高めるということが明らかになってきました。ビデオリサーチの調査から、広告映像の入れ方と広告侵入感・受容性との関連を検証しました。

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vol.3では、ミッドロール広告(※)の挿入の仕方について注目し、広告映像の入れ方と広告の受容性との関連を検証する実験調査の結果を報告しています。

※ミッドロール広告・・・「動画本編を中断して流すビデオ広告」のことを指します。
出典 一般社団法人 日本インタラクティブ広告協会(JIAA)「インターネット広告基礎用語集」

調査回答者には、2つの広告映像(CM1、CM2、各15秒)が入れられた映像コンテンツを提示し、視聴後に広告についての評価を聴取しました。実験では、ミッドロール広告を想定して、映像コンテンツの途中に広告を挿入しました。コンテンツの切れ目に広告が提示されるパターンAと、コンテンツの流れを遮って広告が提示されるパターンBの2パターンについて、評価を比較しています(図3)。なお、実験に使用したコンテンツ・広告素材はビデオリサーチ独自のものを用いています。

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分析の結果、パターンA(切れ目に広告提示)よりもパターンB(流れを遮って広告提示)の方が、 広告の受容性が低くなっています(図4)。つまり、コンテンツ本編の視聴体験を損なうようなタイミングでの広告挿入では、広告の受容性は低下する、逆に言えば"コンテンツを邪魔しないこと"が広告の受容性を高めると解釈できる結果です。

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5."共視聴"が広告の受容性を高める

共視聴(co-viewing)は広告の受容性を高める (ひと研究所/広告研究シリーズvol.4)

この記事では、メディアを視聴する際の共視聴(co-viewing)と広告効果の関係について分析しています。共視聴とひとり視聴で広告の受容性がどのように違うのかを解説しており、メディア・プランニングのヒントが得られる内容になっています。

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vol.4では、地上波テレビの視聴に注目し、「共視聴」が広告の受容性に与える影響を検証しています。共視聴者(「誰かと一緒に見ることがほとんど」または「誰かと一緒に見ることの方が多い」と回答した人)と、ひとり視聴者(「ひとりで見ることがほとんど」または「ひとりで見ることの方が多い」と回答した人)の広告評価を比較しました。分析の結果、共視聴者の方が広告の受容性が高くなっています(図5)。つまり、"共視聴"状況での広告接触が、広告の受容性を高めると解釈できる結果です。

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このように、ひと研究所では「広告の受容性」に注目して、多角的に検証しています。引き続き、生活者と広告との関係に注目した広告研究を進めていきますので、ご期待ください。

ひと研究所詳細はこちら

【ひと研究所 広告研究調査2023年7月 調査概要】 ※vol.1-2掲載データ
調査日 :2023年7月21日(金)~7月22日(土)
調査手法 :web調査
調査エリア :全国
サンプルサイズ :828
対象者属性 :男女15~69歳(なるべく均等になるように回収)

【ひと研究所 広告研究調査2023年12月 調査概要】 ※vol.3-4掲載データ
調査日 :2023年12月8日(金)~12月9日(土)
調査手法 :web調査
調査エリア :全国
サンプルサイズ :1,600
対象者属性 :男女15~69歳(なるべく均等になるように回収)

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https://www.videor.co.jp/digestplus/tag-series-ad/

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