メディア出稿最適配分を手軽に行う「NASH」~生活者データACR/exを使ったターゲット別・KPI別の最適なメディア出稿配分分析~

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広告・マーケティング
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メディア出稿最適配分を手軽に行う「NASH」~生活者データACR/exを使ったターゲット別・KPI別の最適なメディア出稿配分分析~
この記事はこんな方にオススメ!
  • 複数メディアに広告を出稿する際の適切な予算配分に課題を感じている方
  • 手軽に広告の予算配分を行いたい方
  • 狙いたいターゲットに沿った予算配分を求めている方

メディア環境が複雑化する中、どのメディア・コンテンツにどの程度予算を投下すべきかの関心は高まるばかりです。そうしたニーズを満たすものとしてマーケティングミックスモデルが注目されて久しいです。
しかし、「難しい」「説明しづらい」「構築が大変」といった声もよく聞きます。

簡易的に出稿配分を行う分析アプローチである「NASH」はそうした思いに端を発した分析概念です。
開発者の吉田に、実際の事例も交えてNASHを解説してもらいます。
*インタビュー:VR Digest編集部

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1. NASHの結果事例

編集部 出稿配分という重いテーマで「手軽」「簡易的」というキーワードが並びますが、どういった経緯でこの概念を開発するようになったのですか?

吉田 マーケティングミックスモデルが流行った2016年ぐらいに、そういう難しい統計学を駆使せず、最適な予算を計算できないものかというオーダーを複数からもらっていました。これならできるのではないかということでNASHを作りました。

編集部 実際にどんなアウトプットが見られるのか、教えてください。

吉田 去年のデータですが、SDGs広告をテーマに環境問題に関心のある全年代(12-69才)と若年層(18-34才)の各ターゲットで最適な出稿配分比を算出しました。
KPIを「企業名が印象に残る」として、動画広告出稿を想定したテレビ・オンラインの展開で配分比を算出した結果が【図1】です。

編集部 ターゲットが変わると出稿配分も変わるものですね。

吉田 そうですね、今回の結果はまだ近い結果になっていますが、ターゲットが変わると最適な出稿配分結果も変わりますね。

【図1】 NASHによるSDGs広告の動画メディア最適配分比

編集部 出稿金額を考える場合は、「推計効果による配分比」に出稿予算をかけ合わせれば分かる仕組みですね。

吉田 おっしゃる通りです。例えば総予算が1億円だとすると、環境関心若年層ではテレビCMが7,800万円、YouTubeが1,200万円という具合ですね。

編集部 こういう「環境関心層」みたいな詳細なターゲットも設定できるんですか?

吉田 はい、いかようにもできます。
ターゲットだけでなくKPI・KGIもさまざまなもので最大化するメディア・コンテンツ配分を可視化することができます。

編集部 KPI・KGIではどんな設定ができるのですか?

吉田 商品広告では、いわゆる購買ファネルのような指標はすべてあります。
購買は経験という形でとっていますし、イメージの向上など大抵は何でも設定することができます。今回のSDGs広告のような企業広告まわりの指標もあって、これは重宝がっていただくことも多いですよ。

編集部 広告の目的に応じて選べるというイメージですか?

吉田 そうですが、1つに絞らなくても大丈夫です。売上と意向や、複数の指標を最大化することもできます。実はこれ、単純な四則演算で作っているのですが、それゆえの利点なんです。

2. 最大化したい「広告の効果」とは?

編集部 四則演算なんですか?ますますNASHがどういう仕組みで最適な出稿配分を算出しているのか気になってきます。

吉田 その前に、広告効果の捉え方をお話しないといけないですね。わたしのほうでは、広告の効果は『認知力と態度変容力の掛け合わせ』と捉えています。【図2】

【図2】 NASHが採用する広告効果の捉え方

吉田 例えば認知率が90%の広告でそれを見た人の購入意向が10%だとした場合、市場全体への影響は90%の10%、つまり9%になりますね。
一方で、認知率が10%の広告でそれを見た人の購入意向が90%だとした場合の影響は、10%の90%、これも9%となります。

この2つの広告は、認知率と意向喚起はそれぞれ異なるわけですが、市場全体への効果は等価です。NASHでは、市場全体への効果が等価なメディア・コンテンツは投資額も等価であると考えます。

編集部 この市場全体への効果の大小関係を配分に用いている、それで四則演算なんですね。

吉田 はい。もしこの2つの広告のメディア予算配分を考えると、同じ9%ですから5:5となるわけです。非常にシンプルに、小学生でも理解できる仕組みを意識して作りました。

3.「認知力」「態度変容力」を一般指標として数値化する

編集部 広告効果の要素でありNASHの推計効果要素でもある認知力と態度変容は、通常はブランドリフトサーベイでとるものですよね?

吉田 本来はそうですね。ブランドリフトサーベイを繰り返し実施し平均値を作ることもできますが、それをやると手間もコストもかかります。そこで「認知力」「態度変容力」を代替するデータを検討しました。

編集部 NASHではビデオリサーチの生活者データACR/exを用いていますが、なぜACR/exを活用したのですか?

吉田 「認知力」をメディア・コンテンツリーチ、「態度変容力」を広告への期待反応意識というように、各要素で置き換え可能な指標がACR/exに存在したからです。
それでやってみてうまくいったのですが、よく考えるとACR/exなのでターゲットもいろいろ設定できますし、無作為抽出のデータなので偏りのない数字をピックアップできるのです。

編集部 ACR/exの特性が活かせますが、個別の広告キャンペーンに対する反応ではないわけですね。

吉田 そうですね。ただ、個別のブランドリフトサーベイの結果平均よりも、より一般的で偏りのない広告への期待効果を表現できると考えています。
予算配分という大きな決断を後押しするデータとしての信頼性は十分だろうと思っています。
ブランドリフトサーベイだとどうしても自社の結果だけを使うことになりますが、そもそも最適な出稿配分はゼロベースで、自社の過去の結果にこだわらずにみたいという要望も多いですよね。NASHはその部分が得意ですね。

4. NASHでできること

編集部 すでに何点か出ていますが、改めてNASHを活用する利点はどのようなところですか?

吉田 さまざまあります。何か1つと言われますと、やはり【図1】のような最適出稿配分を新たに調査したりモデルを構築せずとも、すぐに見ていただけることですね。
明日のプレゼンに使いたい、なんていう時も、ACR/exの結果からだれでもすぐに配分が分かるというところは、皆さんにも便利だと言っていただけてうれしいです。

 【図3】 NASHを活用するメリットと留意点

編集部 【図3】にメリットや留意点をまとめていただきましたが、手軽さはNASHの最大のメリットですよね?

吉田 広告の最適予算配分って、利用したいシーンは多いのに実施するとなるとなかなか大変ですよね。NASHを用いることで、より手軽に予算配分を検討いただけると思います。

編集部 一方で予算という大きな事象を扱うテーマでもあるため、どこまで信頼できるのかと思っているユーザーさんも多いのではないでしょうか。

吉田 そのあたりは十分に検討していますね。マーケティングミックスモデル他、さまざまな予算配分のアウトプットとも突き合わせて、結果の妥当性を確認したりもしました。
こうした研究の成果として特許も取得していますので、皆さんに安心してご活用いただけます。

さいごに

今回はメディア出稿の最適配分を簡易的に行なう分析アプローチについてご紹介いたしました。
NASHは当社の生活者データベースを基にしており、狙いたいターゲットの設定・KPI 指標の設定を貴社に合わせて柔軟にカスタマイズすることができます。
ご興味お持ちいただけましたら、お気軽に以下よりお問い合わせください。

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