カカクコム「求人ボックス」がテレビCM×YouTube広告でリーチを最大化するために行ったのは【同じ指標での比較】~CMRによる統一指標リーチ分析事例~

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広告・マーケティング
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カカクコム「求人ボックス」がテレビCM×YouTube広告でリーチを最大化するために行ったのは【同じ指標での比較】~CMRによる統一指標リーチ分析事例~

【事例】株式会社カカクコム「求人ボックス」

生活者のメディア行動の変化により、広告コミュニケーションにおいて複数のメディアを活用する統合コミュニケーションが当たり前の時代となりつつあります。効果的な統合コミュニケーションを展開するには、統一指標で広告キャンペーンを管理・評価することが必要不可欠となります。

本記事では、24年10月に実施されたウェビナー「テレビCM×YouTube広告でリーチを最大化する秘訣~生活者行動を反映したCheckとネクストActionに向けたシミュレーション~」より、テレビCMとYouTube広告のトータルリーチを計測するソリューション「Cross Media Reach Report」(以下CMR)を利用して広告キャンペーンの管理・評価を実施されているカカクコム様「求人ボックス」の活用事例をインタビュー形式で紹介します。

<話者>グーグル合同会社 秋山 豪 氏(カカクコム様ご担当)
<聞き手>株式会社ビデオリサーチ 北川 優晃

  • 【導入目的】
    ・求人ボックスの認知度をあげることが更なる売り上げ拡大に繋がるという仮説のもと、テレビCMとYouTube広告を活用した広告キャンペーンを展開していた。
    ・この広告キャンペーンの管理・評価を客観性をもって行いたいと考えていた。

  • 【課題】
    ・認知度を最大限あげるために、トータルリーチを最大化したいと考えていた。
    ・加えて、ブランドとして広告投資に対しての認知度上昇や売り上げ拡大の方程式を確立することも求められていた。

  • 【効果】
    ・テレビCMとYouTube広告を同じ指標で比較でき、それぞれの特徴が顕著にデータとして可視化された。
    ・最適な予算配分やブランディング投資の方程式について、クライアントと説得力をもって議論できている。

【CMR(Cross Media Reach Report)】詳細はこちら

サービス開始8年で売上約90億円!急成長する「求人ボックス」が抱えていた課題

北川 今回CMRで計測したのは「求人ボックス」というサービスの『自分らしい仕事探し』キャンペーンでしたが、このサービス内容やブランドが抱えていた課題を教えてください。

秋山 「求人ボックス」はカカクコムが運営する求人情報の一括検索サービスです。2015年にリリースされて、2023年度の売上は約90億円ですので、約8年でそこまで成長したサービスになっています。

弊社でも獲得領域にあたる検索広告やP-MAXというAIで自動化される広告を中心にサポートをしてきましたが、さらなる成長を実現するために認知度の上昇が課題になるだろうという予見をいただいて、今回CMRを利用してみてはどうかという話になりました。

北川 そうした課題に対してのアプローチとして、今回のキャンペーンの狙いはどのようなものだったのでしょうか?

秋山 キャンペーンの狙いはシンプルに認知度を上昇させることでした。弊社とカカクコム様との分析でも認知度とアプリMAUや指名検索数といった売り上げに近い指標が強い正の相関を示すということが分かっており、認知度を上げることが売り上げに繋がるという仮説を立てました。そのため、認知度を上げるためにテレビCMとYouTube広告の合計でリーチを最大化することを目的としてプロモーションを実施したという背景があります。

あえて幅広いターゲットを設定。プロモーションを通じて得たかったもの

北川 事前に数値目標などは、設定されていたのでしょうか?特にターゲットとした属性がありましたら教えてください。

秋山 プロモーションを通じて、認知度をどこまで上げられるのかが今回の論点でした。求人ボックスとして、いくらの広告費をどのメディアに投資したらどれほど認知度が上昇して最終的な売り上げに繋がるのか、この方程式をつくるのも副次的な目的でした。この方程式の確立は、今もチャレンジしている領域になっています。
ターゲットについてはあえて細かくは絞らずに、仕事を探している20代~50代と割と幅広く設定していました。

CMRの活用で、テレビCMとYouTube広告を利用した広告キャンペーンを統一指標で管理・評価することが可能に -ダッシュボード上でキャンペーンの振り返りを行いやすく

北川 では実際に、CMRの計測データを元にキャンペーンの振り返りをしていきます。
CMRは、「Cross Media Reach Repot」という名の通り、テレビCMとYouTube広告を利用した広告キャンペーンを統一指標で管理・評価できるサービスです。(サービスの詳しい特徴は、本記事下部にまとめていますのでぜひご覧ください。)

CMR(Cross Media Reach Report)は、ダッシュボード上で結果を簡単に確認できる

CMRで計測していただくと、ブラウザからログインして利用できるASPを通じてお手元で簡単に計測結果をご覧いただくことができます。【図1】がダッシュボード形式のサマリー画面です。実際の結果をみていく前にお聞きしたいのですが、ASPの使い勝手はいかがでしたか?

秋山 サマリー画面で一定の概要をつかむことができるので、使い勝手は良いというのが率直な感想です。実際に求人ボックスへのレビューでもサマリー画面をキャプチャして、そのままスライドに貼り付けてコメントを入れました。サマリー画面で報告したい内容がまとまっているので、資料の作成工数面でも助かりました。

CMR計測結果が「求人ボックス」のマーケティング活動にもたらしたものは?

メディア単体・重複・インクリメンタルリーチや接触回数分布を直感的に把握

北川 そして、【図2】が今回CMRで計測した求人ボックスの広告キャンペーンの結果となります。
前提として、今回のキャンペーンの出稿金額の比率は、TV100:YouTube20の出稿規模でした。

サマリー画面では、属性やリーチ回数(【図2】の①)を選択して、テレビCMとYouTube広告でのトータルリーチ(②)、テレビCMのみの接触者、両方接触者、YouTube広告のみの接触者(③)を確認できます。

このように、キャンペーンのリーチ状況がメディアを俯瞰した形でアウトプットされるのが、CMRのおすすめポイントの1つです。

若年層と高年層で、リーチにどのような違いがあるかを確認

北川 つづいて、より細かいターゲット別にもみてみます。【図3】をご覧いただくと、属性別のトータルリーチ(【図3】の④)は、男性は45-54才、女性は35-44才より高齢層でより多くの割合にリーチしています。一方でそれよりも若い層になるとリーチ割合が減少し、男性18-24才で最も低い結果になっています。

テレビCMとYouTube広告単体のリーチ状況(⑤)では、テレビCMは高年齢層で多くのリーチを獲得できている一方、年齢が低い層ほどリーチが少ない結果になっています。一方、YouTube広告は概ね若年層ほどリーチできており、特に男性18-24歳ではテレビのリーチを上回っています。その結果、YouTubeインクリメンタルリーチ(⑥)も若年層ほど高く、トータルリーチを押し上げる結果となっていました。また、テレビCMで多くにリーチしている45歳以上でもYouTubeインクリメンタルリーチを獲得していました。

KKD(経験・勘・度胸)から、客観的な証拠をもとにした提案ができるように

北川 秋山さん、この計測結果をみてのご自身の感想でしたり、クライアント様の評価はいかがでしたか?

秋山 上記の通り、テレビCMとYouTube広告の特徴がかなり顕著に表れた結果だったと思います。テレビCMでは高年齢層を中心に大量のリーチを獲得できる、YouTube広告では若年層を中心に安価にリーチを獲得できることが分かり、違うメディアでもCMRを利用して同じ尺度で可視化できたと思います。

それぞれの特徴は言われなくても分かっていると思われる方もいるかもしれませんが、これまでのテレビとデジタルを横断した分析はKKDというような経験と勘と度胸に依存していたり、担当者の好みによるところがあったりしていたと思っています。そこで、CMRを利用すると客観的な根拠をもとに各メディアの特徴が明らかになるので、その後のプランニングをする際の説得力がかなり違ってきます。その点はクライアント様からも評価をいただいています。

テレビCMとYouTubeは補完関係。今回の結果をネクストアクションへ

北川 そのように評価されたうえで、次の施策への検討をされていると思いますが、CMRの結果をネクストアクションにどのように活用されましたか?

秋山 今まさに、テレビCMとYouTube広告の最適な予算配分をクライアントと議論しているところです。先ほどもお伝えした求人ボックスにおけるブランディング投資の方程式を確立するところで議論しています。

具体的にお伝えすると、シニアを狙うのであればテレビCM中心のプランになりますし、若年層を狙う、もしくはとにかくリーチ数を増やしていくということであれば、リーチ単価が安価なYouTubeへの予算を増やすという議論をしている最中です。

少し補足すると、テレビCMとYouTube広告は決して対立関係ではなく補完関係であるとクライアント様もおっしゃっていて、例えばベースとなるような大規模リーチをテレビCMで獲得して、ターゲットを属性別に設定している場合は、求人ボックスでいうとバイトを探している学生向けには髪型が自由であることを訴求する、子育て中の方には時短勤務ができるという情報をYouTubeでターゲティングとクリエイティブをセットにして配信していく、というネクストアクションを、CMRでテレビCMとYouTube広告の特徴が明らかになったことで、より議論しやすくなったと考えています。

北川 今回CMRを利用してネクストアクションの提案をされたということですが、CMRを利用していない時と比べて良かったポイントやクライアント様により刺さったポイントは何かありましたか?

秋山 CMRを利用していない時は、テレビCMとYouTube広告を配信した前後で弊社が提供している指名検索数がどれほど増えたかをレポートしていました。もちろん指名検索数の推移も重要なのですが、結局どちらがどれだけ貢献したかの疑問には答えづらいという状況がありました。CMRは同じ尺度でテレビCMとYouTube広告のどちらがリーチ数の増加に貢献したのかを比較できるようになった点で優れているので、そこが求人ボックスにも刺さったポイントではないかと思います。

北川 同じ尺度でレビューできる点は、CMRが重点を置いていることの一つですので、その点を評価していただけているのは大変嬉しく思います。ここで、カカクコム様からもCMRを活用した感想をいただきました。(【図4】)

VOICE  株式会社 カカクコム 様:CMRを活用することで、 オンラインとオフラインのメインメディアを横並びで把握することができたため、改めて両メディアの特長や傾向をなるべく公平に確認することができたとともに、 この結果をもって次回のプラン策定・予算配分の最適化といったフェーズに進むことができている。

秋山 キーワードは横並び、公平、プラン策定かと思っていまして、テレビCMとYouTube広告を同時期に実施して良い結果が得られたことが分かったとしても、結局どちらがどれくらい貢献したのかが分からないという課題は皆さまもお持ちなのではないかと想像しています。CMRがあるとメディアごとのリーチ効果の可視化をすることができるので、求人ボックスの担当者の方からもこのようなコメントをいただけたと思います。

Google社が提供する「XMR」とCMRの違い

北川 少し視点が異なる質問なのですが、GoogleさんにはXMRという同様のソリューションがあると思いますが、今回CMRをご利用いただいた意図、もしくは利用にあたってご期待いただいたポイントは何だったのでしょうか?

秋山 一言で申し上げると客観性ということに尽きると思います。第三者の計測機関であるビデオリサーチさんのCMRを利用すれば客観性を担保できるので、テレビCMとYouTube広告を横断して分析し、求人ボックスにとってベストなプランを作りたいという期待がありました。

北川 第三者性や公平性のあるデータを提供することは、メジャメント企業である弊社が果たすべき使命と認識しておりますので、その姿勢を評価していただき、皆さまのお役に立てていることは大変誇りに思います。最後に、今後さらにCMRもしくはビデオリサーチの統合コミュニケーションの効果検証について、期待されているところなどあれば教えてください。

秋山 今回の結果をもとに次のプロモーションにおけるメディア間の予算配分を作成しています。この試算における作成の工数を減らして、実績をもとにした今後のアクションプランをスピーディーに議論できるようになるとありがたいと思っています。

最適な予算配分に向けた取り組み

テレビCM×YouTubeリーチの計測結果をもとに最適な予算配分比がシミュレーションできる仕組みを構築 

北川 最後に、CMRに関連する取り組みとして、「最適な予算配分」に向けた取り組みについてもご紹介したいと思います。

統合コミュニケーションを統一指標で管理・評価する目的の一つに、広告キャンペーンをより効果的に展開するための予算配分の最適化があるかと思います。

今年度ビデオリサーチではCMRの1回の計測結果をもとに、現状の出稿配分をどのように変えればトータルリーチが最大化できたか、その時にどの程度トータルリーチが伸びるのか、をシミュレーションしてご報告する取り組みを開始しました。これにより、CMRから得た示唆をデータとして可視化、ネクストアクションへの検討材料としてより活用しやすくなりました。

あくまで1回の計測結果をもとにしていますので、同様の条件下での予測となりますが、CMRの計測とネクストアクションへ向けたこのシミュレーションをPDCAの中に組み込んで、ケースを重ねていただくことで、トータルリーチを最大化する予算配分の最適解に近づいていくのではないかと考えています。

取り組みに関する詳細は、CMRのサービス案内資料をご覧ください。

【参考】CMRサービス紹介~統合コミュニケーションの重要性から生まれた計測サービス~

広告効果を考えるうえで、どれくらいの人に届いたかは非常に重要な指標となります。広告が生活者に届いたからといって必ずしも態度変容が起こるとは限りませんが、そもそも生活者に届かなければ態度変容は基本的には起こりません。その意味でリーチを最大化することは、広告効果を高めるために確実に押さえておくべき"必要条件"であるといえます。

テレビCMと動画広告の統合コミュニケーションにおいても、どれくらいの人に、何回届いたか、いわゆるリーチ&フリークエンシーの管理を行うことが非常に重要であると考えています。一方で、テレビCMと動画広告は別々の指標で管理されているため、トータルリーチを管理・評価することが難しい側面があることも事実です。

ビデオリサーチでは、こうしたテレビとデジタルそれぞれがバラバラに評価・管理されている課題を解決すべく、統一指標の開発に取り組んでおり、テレビCMとYouTube広告のトータルリーチを計測するソリューションであるCMRもその取り組みの一つになります。CMRをご利用いただくことで、テレビCMとYouTube広告を利用した広告キャンペーンを統一指標で管理・評価することが可能になります。

CMR(Cross Media Reach Report)サービス特徴

CMRの特徴は大きく2つあります。1つ目は、精緻な費用対効果の振り返りが可能なことです。

テレビCMはテレビ業界のカレンシーデータであるテレビ視聴率をもとにした全国テレビCMデータ、YouTube広告はGoogle社のコネクテッドTVを含んだ実測データと、いずれも実際の広告取引に使用されているデータを使用しています。またこれらのデータをもとに到達人数をアウトプットしているので、実際の出稿金額をぶつけることで、到達単価による管理・評価が可能となっています。

2つ目の特徴は生活者のメディア接触行動を捉えたトータルリーチ計測を実現していることです。
クロスメディアのトータルリーチを算出するにあたっては、重複接触者をどのように算出するかが鍵になりますが、重複接触は一様に起きているわけではなく、その時々の生活者のメディア接触状況に大きく左右されています。生活者のメディア行動は年々変化していきますし、短期的にも季節やイベントなどにより変わります。CMRでは、特許を取得している独自の推計モデルによって、該当キャンペーン期間中のテレビとYouTube接触ログをもとに、重複状況を推計することで、より実態に近い形でテレビCMとYouTube広告のトータルリーチを算出しています。

加えて、利用が加速しているコネクテッドTVへの配信のあるキャンペーンについては、コネクテッドTV接触ログもデータに反映する形で重複状況を推計しており、生活者のメディア行動をしっかりと捉えた形でのトータルリーチの計測を実現しています。

CMRにご興味をお持ちいただいた方は、以下より案内資料をダウンロードいただくか、お気軽にお問合せください。

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