「テレビCMとYouTube広告の効果的な活用法:CMR計測を通じて見えた広告戦略の最適化」 ~CMRによる統一指標リーチ分析事例~

  • 公開日:
広告・マーケティング
#CM #CMR(クロスメディアリーチレポート) #PDCA #クロスメディア #広告効果検証 #活用事例
「テレビCMとYouTube広告の効果的な活用法:CMR計測を通じて見えた広告戦略の最適化」 ~CMRによる統一指標リーチ分析事例~

【事例】 エヌ・ティ・ティ・ソルマーレ株式会社「コミックシーモア」

電子書籍事業部 マーケティンググループ
坂元 富士太 氏

電子書籍事業やゲーム事業を手掛けるエヌ・ティ・ティ・ソルマーレ株式会社。(以下、NTTソルマーレ)
NTTソルマーレが運営する総合電子書籍ストア"コミックシーモア"では「想いとテクノロジーにより、マンガ熱を拡げていく。」をビジョンに掲げ、「お客様の声」をいつも原点とし、「新しい分野」でオリジナルを追求して、「変化し続けること」を大切にされています。また、広告戦略においては、テレビCMやデジタル広告など様ざまなメディアを組み合わせて活用されています。今回は、コミックシーモアのテレビCMとYouTube広告の出稿について、当社の「Cross Media Reach Report」(以下CMR)を用いた計測結果、CMR導入の経緯や活用の状況などについて、詳しいお話をお聞きしました。

  • 【導入目的】

    これまでメディアプランを仮説ベースで組むことが定常化しており、プランの確実性で懸念があった。
    コミックシーモアの利用意向を上げるためにテレビCMやWebの広告配信を実施しており、適切なリーチ到達ができているか可視化したかったため。

  • 【課題】

    テレビでリーチできないユーザー層が一定いると想定しており、最適なリーチ手法及び検証手法を模索していた。また、テレビCMとWebでターゲットリーチの補完、最大化をしたいと考えていた。

  • 【効果】

    ・これまで「テレビCMのリーチをYouTubeで補完する」といった仮説をもとに出稿プランを設計していたが、CMRを利用することで各メディアのリーチ状況を可視化できた。自社の戦略が実際に機能していることをデータで確認でき、プランニングの確実性を改めて実感できた。
    ・需要が高まる時期にCMRを使って広告効果を測定することで、テレビとYouTubeの最適なバランスを見極める「定期健診」のような役割を果たしてくれる。また、今後のYouTube広告の配信設計をより精緻に見直し、さらに効果的な運用につなげる為の方針を検討する際の資料としても活用している。

【CMR(Cross Media Reach Report)】詳細はこちら

「コミックシーモア」の広告戦略と、テレビとYouTubeを活用した理由

NTTソルマーレ様には、2回CMRを実施いただきましたが、計測対象のキャンペーンそれぞれの狙いは何だったのでしょうか?

CMRで計測したキャンペーンでは、いずれも『コミックシーモアの第一利用意向の向上』という目標を掲げ、この目的を達成するために、テレビCMとYouTube広告の両方を活用する戦略を採用しました。

本キャンペーンでは、テレビCMとYouTube広告を併用することで、以下のような効果を狙いました。

1.リーチの最大化
テレビCMは広範囲の視聴者にリーチできるメディアですが、YouTube広告を組み合わせることで、さらに多くのユーザーに広告を届けることが可能になります。特に、テレビ視聴習慣のある層だけでなく、オンライン動画を頻繁に視聴するユーザー層にもアプローチできる点が強みと考えています。

2.テレビCM素材のリーチ最大化
テレビCMとYouTube広告の両方で同じクリエイティブを使用することで、ブランドの一貫性を保ちつつ、広告素材そのものの接触機会を増やし、結果としてサービスの認知拡大にもつながると考えました。
テレビで見たCMをYouTubeでも目にしてもらうことで、ユーザーの印象に残りやすくしたい、という狙いがありました。

このように、テレビとYouTubeを組み合わせた統合的な広告戦略により、より幅広いユーザーにアプローチでき、ブランド認知と利用意向の向上につながることを期待しました。

「CMR」の検証・分析結果を、次回キャンペーン戦略検討に活用し、方針を決定!

CMR計測結果からどのような知見が得られましたか?

CMRの計測結果【図1】からテレビCMは、全世代に対して広くリーチを獲得できる一方で、18〜34歳の若年層への到達が伸び悩んでいることが分かったと同時に、YouTube広告を組み合わせることで、この層へのリーチを補完できることが可視化されました。

図1 メディア、性年代毎のリーチ傾向とトータルリーチの結果を分析可能
※両媒体への投資量は異なります。

つまり、テレビCMとYouTube広告のどちらか一方に偏るのではなく、両方を活用することで全年代をバランスよくカバーできるということです。特にYouTube広告では、テレビCMでは十分にアプローチしきれない若年層を中心にターゲティングを行い、配信の強弱を調整することが重要であると再認識しました。
このように、テレビCMの広範なリーチ力と、YouTube広告のターゲティング精度を組み合わせることで、より効果的な広告戦略を実現できると言えそうです。

CMRを2回計測されていますが、1回目のキャンペーン結果を、2回目のキャンペーン実施検討時にどのように活用されましたか?

1回目の施策で18〜34歳のリーチがしっかり補完できていることを確認できたため、大きな方針変更は不要と判断しましたが、YouTube上でのリーチにはまだ余裕があったため、特に電子コミックの需要が高まる大型連休などの時期は更なるリーチ拡大を図る施策が有効だと考えました。そこで、YouTubeを追加出稿し、Web上でのリーチをさらに強化する手法を採用することにしました。
基本方針は維持しつつ、需要が高まる時期には追加施策を柔軟に取り入れることで、広告の効果を最大化する方針を検討する際に活用しました。

テレビCMとYouTubeのバランスを見極める「定期健診」の役割を担うCMR

CMRを継続利用することによるメリットはどのようなものであると感じられましたか?

出稿バランスを大きく変えない限り、広告のリーチ効率に極端な変化は生じませんが、テレビCMとYouTube広告の配分を定期的にチェックすることは重要であると考えています。
特に、需要が高まる時期にCMRを使って広告効果を測定することで、テレビとYouTubeの最適なバランスを見極める「定期健診」のような役割を果たしてくれるので、今後のYouTube広告の配信設計をより精緻に見直し、さらに効果的な運用につなげるヒントを得ることができると思います。

CMR【図2】では、計測したキャンペーンの結果を時系列で比較できるため、今回の結果を過去キャンペーンと並べて分析することが可能です。これにより、改善が進んでいるポイントや、引き続き課題として残っている要素を明確にし、より効果的な施策立案につなげることができます。

図2 ダッシュボード上で今回と過去の計測結果を簡単に比較可能

最後にCMRの良かった点、CMRを利用していない時と比べて改善された点など、CMRの総評をお教えください。

これまで「Webは若年層が中心」「テレビCMのリーチをYouTubeで補完する」といった仮説をもとに出稿プランを設計していましたが、今回リーチ状況を可視化したことで、これらの戦略が実際に機能していることをデータで確認でき、プランニングの確実性を改めて実感できました。

サービス一覧

関連記事