「インスタント・冷凍食品も許容」が8割へ~「時短」化で変わりゆく日本人の料理志向~

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生活者データ
#ACR/ex #ターゲット戦略 #マーケティング #ライフスタイル #新型コロナ #行動実態
「インスタント・冷凍食品も許容」が8割へ~「時短」化で変わりゆく日本人の料理志向~
この記事はこんな方にオススメ!
  • 時短料理やインスタント食品の利用率・受容性に関心がある方
  • 食品・飲料関連業種(メーカー・流通・小売・商社など)に従事されている方
  • 日本人の料理意識の変化が気になる方

コロナ禍で変わった生活環境

皆さんご存じの通り、コロナ禍を経て我々の生活環境は大きく変化しました。
「在宅勤務」というワークスタイルや「オンライン授業」という学習スタイルが定着し、以前よりも自宅で過ごすことが増えた方も多いのではないでしょうか。

本記事では、日本最大級のマーケティングデータベース「ACR/ex」から直近5年間での時系列データを用いて料理に対する志向変化を読み解いてみました。

【変化1】インスタント食品や冷凍食品への抵抗は減っている

インスタントや冷凍食品への抵抗がないか

【図1】は関東地区・個人全体(12~69才男女)における、料理意識で「インスタントや冷凍食品への抵抗があるか・ないか」をアンケート調査した結果です。
全体の8割以上、5人中4人は「抵抗がない」と回答しており、インスタント・冷食が日常利用され市民権を得ているといっても過言ではないほど浸透している様子がうかがえます。

「インスタントや冷凍食品への抵抗がない」人の推移(19年~23年)

さらに、時系列での変化も見てみます。
【図2】は、19年~23年における「インスタントや冷凍食品への抵抗がない」回答者の推移を比較したものです。料理をする機会が少なそうな男性10代を除くすべての世代で「抵抗ない」派が増えてきていることがわかります。

特筆すべきは30代です。男女ともコロナ禍が始まった20年に10pt近く「抵抗ない」派がジャンプアップしており、そのジャンプ率は他年代の2倍前後となっています。

小さい子どもを育てている家庭が多い世代であることから、急な在宅勤務/子どもの在宅学習などにより忙しい中、自炊が必要になり慌ただしい日々の中でインスタント食品や冷凍食品を使用するシーンが増えたことが背景として考えられそうです。

【変化2】料理は「時短」、高まる「手間をかけない工夫」ニーズ

料理の手間を省くための工夫をするか

インスタントや冷食の日常化とともに料理分野において"ブーム"ともいえるのが「時短」です。
「〇分でできる」「ずぼらな人でも」「包丁要らず」「レンジでチンするだけ」・・・といったうたい文句のレシピが多く登場し、SNSでバズっているメニューがテレビで紹介されることもしばしば。
そこで【図3】では、「時短料理」に対する意識も調べてみました。

「料理の手間を省く工夫」をしている人は個人全体で6割強。料理の機会や食材を自分でスーパー等に買いに行くことが多くなさそうな10代ではあまりスコアが高くありませんが、20代で男女とも一気に上昇し30代でピークに。40代以降はゆるやかに減少しつつも一定スコアを維持しています。

全体的に女性のほうが「手間を省く」意識が強く、30代では85%と大多数があてはまる結果となっています。インスタントや冷食も「手間」の省略になりますので前述の「インスタントや冷凍食品への抵抗なし」派が30代で最も多かったのも合点がいきますね。

「料理の手間を省く工夫」をしている人の推移

さらに、「料理の手間を省く工夫」をしている人の割合を時系列データで比較したのが【図4】です。
この5年間の時系列比較では

男性・・・年々増加
女性・・・高止まり

と明確に男女間での差が出ていることが分かります。
コロナ禍での環境変化はもちろん、最近ではSNS(YouTube、X、TikTok、Instagramなど)でも男性の料理系インフルエンサーが多く登場してきています。「自分も簡単に試せそう」とマネる男性も増えてきているのかもしれません。

【変化3】「無添加食品」や「国産食材」への意識も変容が?

添加物や食材のこだわりにも変化が...

インスタントや時短以外に、料理意識の変容は見られるのか他の意識項目でも時系列比較をしてみたところ、着目すべき結果となったのが【図5】の3項目です。

・「食材は国産のものを使う」派
・「できるだけ無添加食品を使う」派
・「だしは昆布・鰹節からとる」派    がすべて5年間で漸減しているのです。

前述のインスタント・冷食利用にも通ずるところですが、食材に使用される農薬や添加物に対する意識変容が垣間見えます。
かつては「外国産より日本産のほうがいい」「添加物入りよりオーガニックのほうがいい」はある種の"通説"でしたが、このような意識変容はビジネス面での影響も考えられます。
特に食品・飲料関連の新商品開発や店舗での商品販売分野に従事されている方は今後注視したほうがよさそうです。

【変わらない面も】とことんこだわり派も一定層を維持

5年間で変わっていない料理意識

ここまでは"変わってきた"料理意識を見てきましたが、"変わっていない"ものもいくつかありました。
【図6】は、
・「高くても料理には良い材料を使う」派
・「料理は手間ひまをかけて作る」派
・「料理を出す食器にもこだわる」派   の時系列変化はほとんどありません。

上記3項目はいずれも、お金と時間をより消費するほうにベクトルが向いています。
コロナ禍をきっかけに料理が「趣味」になった人や料理に目覚めた人も周りにちらほら見かけます。
全体論としては「時短」意識が広がっているとしても、料理へのこだわりを極めていく層も一定数いるということも忘れないようにしないといけませんね。

料理意識の変化を時系列で調べるには?

本記事では、関東地区の時系列データを用いて変わりゆく料理志向を紐解いてみました。
ビデオリサーチが提供する関東以外の地区も含めた日本最大級のマーケティングデータベース「ACR/ex」では、このような一般生活者の時系列での意識変容・商品利用率の変容をお手元で簡単に調べることが可能です。

「ACR/ex」のサービス内容詳細は、以下より案内資料をダウンロードいただくか、毎週月曜13時~/金曜11時~に実施しているサービス定期説明会でデモ画面等を通して使い方を把握いただくことができます。

ご興味お持ちいただけましたら、お気軽に以下よりお申込みください。

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【本記事で紹介したサービス】
・サービス名:ビデオリサーチ「ACR/ex
・調査時期:2019年~2023年/各年10月~12月
・対象地区:関東
・ターゲット:男女12~69才
・サンプル数:
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