中高年も4人に1人は「推し」がいる時代 2024年「推し活」の実態を調査データから紐解く
- この記事はこんな方にオススメ!
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- 「推し活」について興味がある方
- 「推し活」の実態について知りたい方
1. 「推し活」とは?
昨今、「推し」や「推し活」という言葉をよく耳にします。それぞれ定義は様々ですが、一般的には好き、お気に入りの人物やモノで、応援したい対象を「推し」と呼び、それらを応援する活動のことを「推し活」といいます。「推し」を応援することで普段の生活に楽しみが増えることや、「推し活」を通じて同じ趣味を持つ仲間ができるなど様々な魅力があることも人気の秘訣です。
魅力の多い「推し活」ですが、具体的にはどのような人たちが、どのように「推し」を応援しているのでしょうか。
この記事では世代ごとの「推し」の有無やジャンル、さらには「推し活」の実態をデータから紐解いていきます。
2. Z世代の6割、X世代(43歳)以上も4人に1人は「推し」がいる時代
※X/Y/Z世代の定義については諸説ありますが、本記事で用いた調査は15歳以上を対象としているため、Z世代を「男女15-26歳」、Y世代を「男女27-42歳」、X世代を「男女43-58歳」と定義して分析をしています。
まずはじめに、推しの有無を世代別に見てみたいと思います【図1】。
最も「推し」がいる割合が高かったのはZ世代(15-26歳)で62.1%、次いでY世代(27-42歳)、X世代(43-58歳)と続きます。
若い世代ほど「推し」がいる人が多いようですが、X世代以上でも4人に1人は「推し」がいることがわかります。
3. X世代(43歳)以上は、推し歴「10年以上」が4割弱
次に「推し」のジャンルを見てみましょう【図2】。
Z世代、Y世代の1位は「日本のアイドル」、X世代、59~69歳の1位は「歌手・バンド・音楽家」、となっています。若い世代(Z,Y世代)と上の世代(X世代、59~69歳)で1位が異なるという結果となっています。
さらに、世代別に「推し歴」を確認してみたいと思います。
【図3】は、現在最も推している「推し」に対して、推している歴(期間)を聴取したものになります。
上の世代になるほど「10年以上」との回答が多くなっており、平均を見ても、上の世代の方が「推し歴」が長いということがわかります。
【図3】推し歴(世代比較)/現在最も推している「推し」に対して推し活をしている期間
次に、推しのジャンルごとに、「推し歴」を見てみましょう。【図4】
最も「推し歴」が長いのは、「歌手・バンド・音楽家」で平均6年11カ月、一方、「日本のアイドル」は平均で5年となっています。「推し」の具体名を見てみると、若い世代は「SnowMan」「SixTONES」「乃木坂46」「NiziU」など比較的活動期間が短い顔ぶれとなっているのに対し、上の世代は「Mr.Children」「B'z」「さだまさし」「浜田省吾」など活動歴が長い人たちの名前が並びます。これらのことから、上の世代は活動歴が長い「歌手・バンド・音楽家」の長年のファンであり、それを今風に「推し」として認識しているということが言えるのではないでしょうか。また、推し期間が長いことで、かつてはアイドルだった「推し」たちが十数年経ち「歌手」と呼ばれるようになった、という場合もあるかもしれません。
【図4】推し歴平均(推しジャンル別)/現在最も推している「推し」に対して推し活をしている期間
4. 「推し活」の活動軸は、『映像メディアの利用』『購買行動』『SNSの利用』
続いて、「推し活」行動について確認してみましょう【図5】。「無料動画サービスで動画を見る」(54.8%)がトップとなっており、「推しに関連する作品を見る/聴く」(47.8%)、「推し関連のテレビ番組を見る」(42.7%)と続き、映像メディアを用いた活動が「推し活」の上位を占めています。
また、「作品や、公式グッズなどを購入する」や「推しのSNSをフォローする」なども上位にきていることから、「推し活」は、『映像メディアの利用』、『購買行動』、『SNSの利用』の3つが基本的な活動となっていることがうかがえます。
5. 「推し」がいると、メディア接触量は増加する 特にYouTubeは20分以上増
さらに、「推し活」の行動で上位を占めている『映像メディア』や『SNS』について、それぞれのサービスやプラットフォームごとの接触量を見てみます【図6】。「推しがいる人」と「推しがいない人」を比較すると、「推しがいる人」の方が多くのサービス・プラットフォームで接触時間が長くなっていることが分かります。
最も接触時間量が増加しているのは「YouTube」で推しがいると20分以上接触時間が増加しています。また、「X」「Instagram」などのSNSも多くなっています。
「推し活」においてこれらのメディアが重要な役割を担っていることがうかがえる結果です。
6. 今後の「推し活」研究記事について
今回の記事では、「推し活」の実態についてデータから紐解いてきました。ひと研究所では今後も「推し活」に関する記事をシリーズで発信する予定です。次回は、「推し活」の活動軸となっている『映像メディアの利用』について、さらに詳しく見ていきたいと思います。こちらの記事は近日公開予定ですので、引き続きご期待ください。
また、「推し活」研究にご興味をお持ちいただけましたら、お気軽にお問い合わせください。
*本記事の一部に誤りがありましたので、修正いたしました。(2024年6月20日)
【ひと研究所 推し活調査2024年2月 調査概要】
調査日 :2024年2月6日(火)~2月7日(水)
調査手法 :web調査
調査エリア :全国
サンプルサイズ :4,234(SC)、1,437(本調査)
対象者属性 :男女15~69歳(なるべく均等になるように回収)