【ラジオレコメンダー" やきそばかおる "の I love RADIO】細部まで考え抜かれた工夫で、ラジオを聴いていない人までもがのめり込む~RBC琉球放送『ラジオの神回 テレビで語る』飯島將太さん~

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【ラジオレコメンダー" やきそばかおる "の I love RADIO】細部まで考え抜かれた工夫で、ラジオを聴いていない人までもがのめり込む~RBC琉球放送『ラジオの神回 テレビで語る』飯島將太さん~

ラジオ レコメンダー" やきそばかおる "の I love RADIO  第78回


今回は沖縄のRBC琉球放送が制作している話題のテレビ番組『ラジオの神回 テレビで語る』(金曜 24時43分〜25時13分 ※以下『ラテ神』)をクローズアップ。

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『ラテ神』はRBCiラジオで放送された番組のコーナーやフリートークの"神回"の音源を、その番組のパーソナリティと一緒に振り返るテレビ番組です。 昨年12月29日に放送された特別番組を経て春にレギュラー化されました。特別番組は公式YouTubeで公開しています。

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始まったばかりの番組ですが、優れたテレビ番組などを表彰する放送文化基金賞で奨励賞を受賞。もともと「ラジオ・テレビ兼営局を象徴するコンテンツがなく、強みを生かせていない」との課題が浮上していたなかで番組が立ち上がりました。そこで今回は『ラテ神』のプロデューサーの飯島將太氏に話を伺いました。

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『ラテ神』ではこれまでに人気ワイド番組『具志堅ストアー』(月曜〜金曜 14時〜15時50分 ※金曜は15時40分まで)、『ナガハマヒロキの週刊リッスン』(土曜 10時〜11時30分、12時〜14時)、『Bランチ』(土曜 14時30分〜16時)、『ラジオBar南国の夜』(土曜 22時〜23時)、『アップ!!』(月曜〜金曜 7時〜9時50分)を取り上げました(2024年8月現在)。

放送文化基金賞でラジオ関係者、感激

やきそば この度は、放送文化基金賞・奨励賞獲得、おめでとうございます。まわりの反応はいかがでしたか?

飯島さん 特にラジオの関係者の皆さんが喜んでくれました。

贈呈式のスピーチでは「ラジオ・テレビ兼営局だったら、このフォーマットできます」と言ったこともあって、式が終わって他局の方々に声をかけていただきました。すでにTVerで番組を観ていた方もいましたし、番組の作り方について質問してくれた方もいらっしゃいました。

『ラテ神』は飯島さんが考案した番組です。昨年末に放送した特別番組は構成、ディレクション、編集などを飯島さんが担当。レギュラー化されてからはディレクター陣とアイデアを出し合いながら作っています。

やきそば 改めて『ラジオの神回 テレビで語る』は良い企画ですね。

飯島さん ラジオ・テレビ兼営局の強みを活かした番組となると、テレビの企画をラジオに落とし込む方法もありますが、逆にラジオのコンテンツをテレビに落とし込めば面白いのではないか、と思って企画しました。

やきそば レギュラー化は立ち上げる段階から考えていましたか?

飯島さん 考えていました。なるべく予算をかけずに持続可能な番組にするために、できるだけシンプルな形にすることにしました。番組全体のデザインをカッコよくしようと思えばできないこともないですが、それだと視点がブレてしまうのであえてダサくしたといいましょうか(笑)。

それに、ラジオの良さのひとつに時間をきちんと使ってメールを紹介する点があるので、トークの面白さを際立たせることを念頭に置いています。ラジオの雰囲気を壊さないことが大事なんです。

画面の見せ方の工夫

やきそば シンプルに...という話が出ましたが、観やすさはとても工夫されていますよね。ラジオで喋ったパーソナリティの顔写真のアイコンを表示したり、喋った言葉のテロップを人によって色分けして表示したり、画面下にその様子を見守る出演者の様子を表示していたりと、分かりやすくしてありますよね。

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飯島さん ラジオをテレビで紹介する企画は『ゴッドタン』(テレビ東京)の「ラジオ芸人サミット」や『マツコの知らない世界』(TBSテレビ)にaikoさんが出演された「ラジオの世界」の回などもヒントにしてオリジナルに落とし込んでいきました。

やきそば 今年の2月にはNHKの『あさイチ』でもラジオ特集が放送されて、私も協力させていただきましたが、テレビでラジオを紹介するのは工夫が必要ですよね。

飯島さん そうなんです。背景も、はじめは黒い画面に文字だけを表示するのが良いと思ったんですが、複数の人に意見を聞いたところ「ラジオのスタジオの写真があったほうがいいのでは」という話になりまして、文字のテロップの背景は現在のようになりました。

やきそば 番組の様子を改めて聴いているパーソナリティの様子が、画面の下のワイプで分かるのもいいですね。

飯島さん パーソナリティのリアクションが分かるほうが、普段から番組を聴いているリスナーの皆さんも楽しめるのではないか、と思って、ラジオの音声が流れている間はワイプをずっと表示しておくことにしました。

ラジオを聴いていない人ものめり込める工夫

やきそば 『ラテ神』の内容で心がけていることはなんですか?

飯島さん ラジオを聴いていない人でも興味を持ってもらえるような構成にするようにしています。『ラジオBar南国の夜』※1をテーマに放送した時を例に挙げると、パーソナリティのよこちゃん(與古田忠)は番組を聴いている人にはおなじみですが、テレビで初めて知る人も多いです。

よこちゃんはインパクトのある風貌で愛嬌があって、男気もあるので、1週目は視聴者がよこちゃんに興味を持ってくれるような内容にしました。『南国の夜』のなかでもかなり攻めた内容のものを紹介することになっていたので、2週目、3週目と回を重ねるうちに放送コードの限界を少しずつ上げていきました。

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やきそば 飯島さんは『南国の夜』をテーマにするにあたり、かなり覚悟を決めて番組作りに挑んだそうですね。

飯島さん 「神回」と呼ばれている過去の放送を「怖いもの知りたさ」で聴いたところヤケドするくらい熱くて、傷ぐすりを塗りながらもまたヤケドして、再び傷ぐすりを塗る...といったことを繰り返して、なんとかOAを乗り切りました。

やきそば 本当にお疲れ様でした(笑)。

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飯島さん 『ラテ神』を放送するうえで、もうひとつ心がけていることがあります。それは、誰かを傷つける内容のものは絶対に放送しないこと。どの番組を作るうえでも気をつけています。

やきそば 飯島さんが『南国の夜』に出演した時も、とても慎重に番組作りを行っていると仰っていましたよね。

※1:2014年スタート。パーソナリティは宜野湾市真栄原に実在する「Bar南国の夜」のマスターのよこちゃんと、"常連"の嘉大雅アナウンサー。"ハイレベルなどうでもいい話"が聴ける番組として噂が広がり、全国各地にファンをもつ。爆笑問題の太田光もファンのひとり。伊集院光がふらりと訪ねたこともある。

広島のRCCラジオ『平成ラヂオバラエティ ごぜん様さま』(月曜~金曜 9時~11時55分)でおなじみの横山雄二アナウンサー、TBSラジオ『エレ片のケツビ!』(土曜25時~26時)のメンバーとも交流がある。なお、お店はお酒が飲めない人の来店も大歓迎。

『ラジオBar南国の夜』は、I love RADIO 第58回でも紹介しています。

ひと月の流れを考えること

やきそば ラジオを聴いていない人を置いていかないのは大事ですね。ほかの番組をテーマにした回も4週の構成をとても細かく考えてらっしゃるのを感じます。

飯島さん それはとても意識しています。ひとつの番組をテーマにするため、同じような内容が続かないように、週によって違う雰囲気にしています。

例えば4月に放送した『具志堅ストアー』※2 の回でしたら1週目は具志堅店長(具志堅将司)のことが際立つエピソードや、店長が毎回考えているコントにクローズアップしました。コントはいつも店長が考えていますが、週に5本のコントを作ること自体がすごいことですから。

やきそば 確かにすごい挑戦ですし、しかもコント自体が面白いです。毎回、リスナーのXの反応を、オドオドしながら気にされていますが(笑)。

飯島さん そうなんですよね。それで2週目は水曜・木曜パートナーのMAIKOさん(seven oops)、3週目は月曜・火曜担当の棚原里帆さん、4週目は金曜担当の真栄城美鈴さんを中心にスポットを当てるようにしました。

※2:月曜から金曜の14時から放送されている人気午後ワイド。お笑いコンビ「わさび」の具志堅将司を店長に、日替わりのパートナーを"店員"として番組を進行。目玉コーナーのひとつである日替わりコントは、番組スタート時の2020年から続いている。

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MCは視聴者と同じ立場で

『ラテ神』はMCに與那嶺啓アナウンサーを起用したこともポイントのひとつになっています。

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やきそば 実は、ラジオの音声を聴いている間の與那嶺アナウンサーの表情に注目して観ている人も多いですよね。與那嶺さんはこの番組のテイストにとてもハマっていると思いまして...。そもそもMCに與那嶺さんを起用した理由を教えてください。

飯島さん 與那嶺さんは普段はテレビのニュース番組『RBC NEWS Link』を主に担当していまして、そういう意味ではラジオからは遠い距離にいます。つまり、テレビを観ている方と同じ立場として楽しめるんです。質問をする側でもあり、リスナー側でもあります。

それにニュース番組の時とは違った雰囲気が見せられるところもポイントです。ニュース番組だったら大笑いしたり、ツッコミを入れたりできません。頭の回転も速く、共演者の皆さんの"交通整理"もできるから適任なんです。

RBCiラジオの奥行きの深さ

やきそば 改めてRBCiラジオのさまざまな番組を聴いてみていかがですか?

飯島さん 「こんなに面白いコンテンツがたくさんあったんだ」という発見と喜びを感じています。

やきそば 『ラテ神』を観ていて思うのは、パーソナリティの皆さんが魅力的なのはもちろんのこと、リスナーから届いたメールのエピソードや、電話出演した沖縄のリスナーの方々の雰囲気もとても面白いですよね。

飯島さん 「年末の特番で"強力なネタ"を放送したからレギュラーではそんなに出てこないのではないか」と思われそうですが、そんなことはありません。「神回」の情報をリスナーから募集していますが、面白い回の情報が山ほど届きます。

やきそば ネタが尽きませんね!

リスナーのリアクションを肌で感じる

やきそば 飯島さんは『ラテ神』で『ラジオBar南国の夜』について放送された時、その放送時間帯にわざわざよこちゃんの店「Bar南国の夜」を訪れて、『ラジオBar南国の夜』のリスナーの皆さんと『ラテ神』をご覧になられていたそうですね。「なんて律儀な方なんだ!」と思いました。

飯島さん 『ラテ神』で『ラジオBar南国の夜』の回を放送するにあたって、よこちゃんにとても協力していただきましたし、お店に行ったことがなかったのでお礼を言いに行きたいと思っていました。

それにラジオを聴いている皆さんの反応を目の当たりにしたかったんです。視聴者の反応はSNSでも分かりますが、直接感じられる機会がないので貴重な経験でした。意外な場面で楽しんでいたり、逆に面白さに気付かれずにスルーされてしまうところがあったりで、発見の宝庫だったんです。

やきそば 『ラテ神』で『ラジオBar南国の夜』が特集された回の何回目と何回目に行かれましたか?

飯島さん 2回目と4回目です。初めて行った時にあまりにも楽しかったので、もう1回行っちゃいました(笑)。

やきそば しかも4回目といえば伝説の「パワースポット診断」の回※3 ですね!

飯島さん 番組の冒頭でちょっとした仕掛けをしていたので、『ラジオBar南国の夜』のコアなファンの反応を観てました(笑)。

やきそば あの冒頭の場面※4 はほとんどコントのようでした。

飯島さん 本編に入るための壮大なフリでした。

※3:男性の股間の状態や性癖を透視できるという沖縄出身の前田ロマーシアが、同じく男性の性癖を真面目に分析している下地久美子(桜坂劇場・支配人)とともに出演した回。

※4:「放送する予定の内容が放送コードに引っかかり、放送内容を急遽変更した」かのように見せるため、番組の冒頭に美しい海の映像をお詫びのテロップとともに数秒だけ流す演出を施した。

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『ラジオBar南国の夜』の盛り上げ方のすごさ

やきそば 話は逸れますが、『ラジオBar南国の夜』はよこちゃんと嘉大雅さんが「番組の楽しい雰囲気を"外"に向けて伝えること」をとても大切にしているのを感じます。

例えばSNSに載せる写真ひとつをとっても気を抜かないんですよね。写真を撮るシチュエーションからしてとてもよく考えているし、『ラテ神』で『南国の夜』が紹介された時も何週にもわたって話題にしたり、『ラテ神』の放送が始まる前に、深夜にも関わらずインスタライブをして盛り上げたりと。

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飯島さん そうなんですよ。とてもありがたいですが、ふたりの気合いが入りすぎていて、むしろこちらが引くレベルでやってれました(笑)。

ただ、ラジオはとても優れたコンテンツだからこそ、ラジオに触れていない方たちに、ラジオの楽しさに気付いてもらうことはとても大事だと思います。『南国の夜』のふたりのPRにかける熱意は素晴らしいです。

RCC横山雄二アナウンサーの言葉に背中を押されて

やきそば 飯島さんは『南国の夜』によこちゃんと大雅さんと交流のあるRCCの横山雄二アナウンサー※5 が出演された時に、横山さんが仰っていた言葉にかなり刺激を受けたそうですね。

(補足)横山雄二アナウンサーは放送スレスレな話をしてさんざん盛り上げつつ、最後は収録の場にいた全員が感動する言葉を残していきました。

「『南国の夜』はリスナーがすごく愛してくれてるから、ホントにありがたいよね。どうでもいいような内容の番組を作るくらいなら、すごく怒られていたとしても『すごく好き!』って言ってくれる人※6 がいる番組が勝つんだよね。

たとえ半数以上の人に嫌だと思われたとしてもわずかな人数の人が『めちゃくちゃ好き』と言ってくれるような番組じゃないと、やる意味がないよね」と激励しました。

飯島さん この言葉はジーンときましたね。横山さんは放送スレスレのことを言ったかと思えば、ラジオに対する熱い言葉をかけてきて、振り幅がとても大きいだけに胸にくるものがありました。

やきそば 『南国の夜』のおふたりが「横山さんは、決して普段から下ネタばかりを言っているわけではありません」ときちんとフォローしていたのも印象的でした。とはいえ『ラテ神』の『南国の夜』編はほかの番組の時と比べて準備に時間がかかったのでは?

飯島さん 少し長めになることを予想していました。爆笑問題の太田さんやエレキコミックのやついいちろうさんほか、さまざまな方の名前が挙がっていたので許諾に時間がかかると思ったんです。

『南国の夜』のふたりと著名人の皆さんの信頼関係があったからこそ、スムーズにいったといっても過言ではありません。あとは社内調整も必要ですし、万が一、何かが原因で編集したものにNGがでた場合は、立て直すことになりますから。

ただ、放送したことで、リスナーがとても喜んでくれたのが嬉しかったです。『南国の夜』は出演者もリスナーも、みんなが番組を楽しんでいるのが分かります。

やきそば 改めて言いますが、放送できてよかったですね。

飯島さん いろいろなことがあるので何度も心が折れかけましたが、その度に僕の心の中に横山さんが現れて「きちんと放送してくれよな」と仁王立ちする姿が浮かびました(笑)。

※5:『ラジオBar南国の夜』をよく聴いている爆笑問題の太田光が「よこちゃんと大雅は横山に会ったほうがいい」と発言したことを機に、ふたりは広島に向かうことを決意。『ごぜん様さま』の出演者やスタッフチームから大いに歓迎されたほか、番組にも出演した。

※6:以前「I Love RADIO 第58回」で紹介した横山アナウンサーの大ファンの南国の人妻・あやかさんも『南国の夜』に出演。横山さんを前にして彼の魅力を語った。

なんとかして成立させたい

やきそば 飯島さんは番組を作る際に"完成形"を描いていて、そこに向かってジワジワとまわりから固めていくタイプですか?

飯島さん クリアするのが難しそうな要素があれば解決策を見つけて落とし込んでいきます。さまざまな人とコミュニケーションをしながら進めていくので、理想の形を実現させるためのシミュレーションも行います。

やきそば 関門が多ければ多いほど、うまくハマった時の充実度が大きいでしょうね。

三位一体で盛り上がるRBCiラジオ

やきそば では『ラテ神』を作ってみて感じた「RBCiラジオの特徴」は?

飯島さん パーソナリティもスタッフもリスナーの皆さんも、面白いことを考えるのにとても情熱を注いでいますよね。パーソナリティの話もコーナーの企画も面白いし、リスナーもパーソナリティやリスナーに笑ってもらえるような文章を考えるのに長けているのを感じます。

やきそば これは沖縄に限ったことではないかもしれませんが、沖縄のラジオ番組、特にワイド番組はメールを書いた人の生活や人生が垣間見られるものが多い気がしています。それにさっきまでパーソナリティがゲラゲラ笑っていたかと思えば、とても真剣なお悩み相談が始まったりと、振り幅が広いですよね。

飯島さん それはありますね。

やきそば ラジオ局全体に漂っている雰囲気も良いですよね。何度かラジオフロアに伺いましたが、とても明るいですし。

飯島さん アナウンス部についていえば狩俣倫太郎※7 の存在も大きいと思います。トークが人気ですし、倫太郎さん自身が自由に挑戦しているため、後輩も切磋琢磨していくのだと思います。

やきそば スタッフの皆さんも面白いですよね。昨年、4回限定の特別番組として放送された『ADs'』もとても良かったです。

ADの皆さん(「週替わりパーソナリティ」含む)のトーク番組で、ラジオ制作の裏側がとても興味深く語られていました。パーソナリティのことも普段からよくみているので、エピソードもバラエティに富んでいました。

飯島さん 皆さん、和やかですし、コミュニケーションが活発です。自然に雑談が生まれるのがいいですよね。

やきそば 余談ですが、RBCiラジオといえば、年末に「RBCiラジオまつり」を行なっていて、その様子をYouTubeでも生配信されていますよね。それも見せ方にとても手間がかかっていて、まるでテレビで観ているかのようでした。

飯島さん ラジオが大好きなスタッフが関わっているのも大きいと思います。普段からラジオを聴いているから、リスナーの皆さんが楽しんでもらえるような見せ方を、感覚的に分かっているのだと思います。

※7:人気ワイド番組『MUSIC SHOWER Plus+』のパーソナリティとしてもおなじみの人気アナウンサー。ラジオ局長でもある。

自身が制作・ナレーションを担当した『RBCiラジオスペシャル ダニーボーイ・齋藤悌子、ジャズと生きる』(2022年12月放送)は第60回ギャラクシー賞(主催:放送批評懇談会)ラジオ部門・大賞を受賞した。以前、とあるインタビューで嘉大雅アナウンサーも狩俣アナの存在の大きさを語っていた。

飯島さんは深夜ラジオ育ち

やきそば ところで、飯島さんはもともとラジオっ子でしたか?

飯島さん 『JUNK 伊集院光 深夜の馬鹿力』(TBSラジオ 月曜25時~27時)がきっかけで聴き始めました。ラーメンズにもハマっていたので『JUNK2 エレ片のコント太郎』(TBSラジオ 水曜27時~28時)も聴いていましたね。

今も聴いている番組を『馬鹿力』のほかにいくつか挙げると『ナインティナインのオールナイトニッポン』(ニッポン放送 木曜25時~27時)『佐久間宣行のオールナイトニッポン0(ZERO)』(ニッポン放送 水曜27時~28時30分)など、時間の余裕次第でほかの番組も聴いています。

やきそば これだけ聴いただけでも、忙しいですね!

飯島さん 芸人の番組が多いのは、もともと『めちゃ×2イケてるッ!』や『ダウンタウンのごっつええ感じ』(ともにフジテレビ)が好きだったからというのもあります。いつかバラエティー番組を作りたくてテレビのディレクターを志望していました。

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「神回」を入れるかどうか

やきそば 『ラテ神』の今後と、飯島さんがこの先どんな番組を企画していくのか、楽しみです。飯島さんは放送文化基金賞の奨励賞を受賞した際に「このフォーマットが広がって『RBCが最初だよ』みたいに言えたら、ちょっと格好いいなと思う」と仰っていましたが、その発言自体が素晴らしいと思いました。

飯島さん 最初に思いついて世に送ることが大事だと思って作り始めました。

やきそば タイトルも分かりやすいですよね。

飯島さん 実はタイトルに「神回」を入れるかどうか、局内で賛否両論ありました。

やきそば そうなんですか!

飯島さん 実際に面白い番組が揃っているとはいえ、自社制作の番組を自分たちで「神回」と呼ぶのは恐れ多いのではないか、という意見もありました。ただ「神回」と付いていると分かりやすいし、最初に企画したからこそタイトルに入れるべきだと考えていました。

もしもこちらがタイトルに「神回」を入れなかった場合、同じような企画の番組がほかで生まれてタイトルに「神回」が付いていると、ウチの番組が霞んで見えるのではないか、とまで思ったんです。「神回」というワードを入れたかったのはそんな理由です。

常識を疑うこと

やきそば 飯島さんのお話を聞いていて、改めて『ラテ神』を立ち上げたのが飯島さんで良かったと思いました。細部まで考えて作ってらっしゃいますし。

飯島さん もちろん、ディレクターもラジオが好きな人ばかりですし、好きな人ではないと個性豊かな出演者や面白いメールを活かせないかもしれません。

例えば、ラジオに比べるとテレビは短くまとまった話が求められます。『ラテ神』はラジオの音声を流すので、仮に5分のうち4分50秒がフリで10秒がオチになっていたら、フリの部分をきちんと流したほうが良いと思うんです。テレビは長い話は避けるといったような常識を、一度疑ってみることが大事です。

やきそば なるほど! 本日は熱くて勉強になるお話をありがとうございました!

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『ラジオの神回 テレビで語る』イベントのおしらせ

地上波放送できないと判断したあの神回音源や、「ロマーシアVS久美子のパワースポット診断」の撮りおろし映像など、それぞれの番組の特性を生かし、このイベントにマッチした充実のラインナップをご用意。
※くれぐれも他言無用、書き込み禁止のルールをお守り頂ける方のみ参加をお待ちしております。

開催日時:2024年8月24日(土) 午後7時~午後9時
開催場所:RBC4階ホール&配信

イベントMC:與那嶺啓(RBCアナウンサー)
ゲスト:具志堅将司(わさび)、ナガハマヒロキ、糸数美樹、與古田忠(南国サロン)、嘉大雅(RBCアナウンサー)

詳細はRBC琉球放送のサイトにて
https://www.rbc.co.jp/tv/tv_program/radiokamikai_tv/


最後は、テレビ単営局のアナウンサーが喋っているラジオ番組2本を紹介します。

FMとやま『8カフェ フライデー』(金曜 12時〜12時30分)は富山テレビ(フジテレビ系列)のアナウンサー、阿部叶(あべ・かなう)がパーソナリティを務める。学生時代は空手・軟式野球・ゴルフを、アルバイトはゴルフキャディーをしていたという阿部アナ。スポーツや音楽の話題などを爽やかにお届け。

東海ラジオ『ONE STYLE』(土曜 17時〜20時)は東海テレビのアナウンサー、高井一さんによるオトナのミュージックプログラム。落ち着きのある声で、土曜の夕方を彩ります。第4・5週は週替わりで他の東海テレビアナウンサーも登場。

<了>

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