2024年テレビで最も流れた曲は?~CHART insight Plusの分析事例を紹介~

  • 公開日:
テレビ
#ランキング
2024年テレビで最も流れた曲は?~CHART insight Plusの分析事例を紹介~
この記事はこんな方にオススメ!
  • 情報番組・音楽番組など、テレビで多く流れている楽曲を知りたい方
  • 音楽のトレンドに興味がある方
  • 地上波番組の露出によるBillboardチャートへの影響を知りたい方

「CHART insight Plus」は、Billboard JAPANの提供するチャートデータに、株式会社ビデオリサーチの提供する視聴率データと、株式会社エム・データの提供するTVメタデータを掛け合わせることで、チャートインしている楽曲がどの時期・どの番組に露出しているか、その番組平均視聴率を時系列で確認することで、音楽アーティストや楽曲の効果的な地上波番組露出を分析できるサービスです。
今回は、この「CHART insight Plus」から、2024年にテレビで多く使われた楽曲や、2024年に話題になった曲やアーティストが1年間どのようにテレビで取り上げられたかを紹介します。

2024年テレビ放送回数ランキング ~Song~

まず、2024年の1年間で、テレビで多く流れた楽曲のランキングを紹介します。

【図1】tv250326billboard01.png

1位は、Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」。2024年の年間Billboard JAPAN総合ソング・チャート"JAPAN Hot 100"で首位を獲得した楽曲が、テレビ放送回数でも1位になりました。
2位は、YOASOBI「アイドル」。2023年4月にリリースされ、2023年の年間Billboard JAPAN総合ソング・チャート"JAPAN Hot 100"で首位を獲得しました。2024年もテレビで多く流れました。
3位は、米津玄師「さよーならまたいつか!」。2024年度上半期のNHK連続テレビ小説「虎に翼」の主題歌で、「第75回NHK紅白歌合戦」のパフォーマンスも話題になりました。
4位は、Mrs. GREEN APPLE「ライラック」。第66回日本レコード大賞で大賞を受賞した楽曲で、2023年の「ケセラセラ」に続き、バンドとしては初となる2連覇を達成しました。
5位は、YOASOBI「舞台に立って」。「NHKスポーツテーマ2024」で、パリオリンピックの開催期間中、多く流れました。パリオリンピックなどのスポーツ中継の楽曲は、TBS系のサザンオールスターズ「ジャンヌ・ダルクによろしく」が6位、フジテレビ系の菅田将暉「くじら」が9位、テレビ朝日系のMrs. GREEN APPLE「アポロドロス」が11位、日本テレビ系のMISIA「フルール・ドゥ・ラ・パシオン」が16位にランクインしています。

2024年テレビ放送回数ランキング ~Artist~

続いて、アーティスト単位でみたテレビ放送回数ランキングを紹介します。

【図2】tv250326billboard02.png

1位は、「Mrs. GREEN APPLE」。2024年は、「ナハトムジーク」「ライラック」「Dear」「コロンブス」「アポロドロス」「familie」「ビターバカンス」と7曲のシングルを発表。1年間にわたり、音楽番組やバラエティ番組などにも多く出演しました。
2位は、「YOASOBI」。先ほど紹介した楽曲別のテレビ放送回数ランキングでは、2位に「アイドル」、5位に「舞台に立って」がランクイン。その他、「夜に駆ける」、「群青」などの楽曲も、1年間にわたり使用されました。
3位は、「Snow Man」。岩本照主演ドラマ「恋する警護24時」の主題歌「LOVE TRIGGER」、ラウール主演映画「赤羽骨子のボディガード」の主題歌「BREAKOUT」、10月リリースのアルバム「RAYS」のリード曲「EMPIRE」などの楽曲がテレビで多く流れました。

「Mrs. GREEN APPLE」の楽曲は1年間でどのくらいテレビで流れたのか?

次に、2024年、アーティスト別でテレビ放送回数ランキング1位となった「Mrs. GREEN APPLE」について、どの楽曲がどのくらいテレビで流れたのかをみてみます。

【図3】tv250326billboard03.png

図3は、Mrs. GREEN APPLEの楽曲がテレビで流れた回数を、月別に表したものです。全体の推移をみると、7月から8月は、「テレビ朝日系列 2024スポーツ応援ソング」に起用された「アポロドロス」の放送回数が多くなっています。また、11月から12月にかけて全体の放送回数が上昇しており、月別では12月が最も多くなっています。
曲別でみると、2024年4月リリースの「ライラック」が12月まで継続的に使用され続けており、2024年の1年間で229回流れました。年末の音楽番組では、11月14日 読売テレビ「ベストヒット歌謡祭2024」、11月30日 日本テレビ「ベストアーティスト2024」、12月4日 フジテレビ「2024 FNS歌謡祭」、12月16日 TBS「CDTVライブ!ライブ!クリスマス4時間半スペシャル」、12月27日 テレビ朝日「ミュージックステーション SUPER LIVE 2024」、12月28日 日本テレビ「発表!今年イチバン聴いた歌 ~年間ミュージックアワード2024~」、12月30日 TBS「第66回 輝く! 日本レコード大賞」、12月31日 NHK「第75回NHK紅白歌合戦」で披露されました。これらの番組では、大森元貴が歌唱前に発した一言にも注目が集まりました。
次いで「ケセラセラ」で206回。2023年の「第65回日本レコード大賞」受賞作品で、2023年に引き続き、2024年も1年間にわたりテレビで使用され続けました。

2024年に話題になった曲は、1年間テレビでどのように取り上げられたのか?

続いて、「CHART insight Plus」のデータを用いて、2024年に話題になった3曲に注目し、1年間どのようにテレビで取り上げられ、Billboardのチャートにどのような動きがみられたのかをみてみます。

●Omoinotake「幾億光年」
1曲目は、曲別ランキングで10位となった、Omoinotake「幾億光年」。テレビ露出(取り上げられた番組の視聴率の合計)と動画再生ポイント(YouTubeでの公式のミュージック・ビデオの再生数に基づいたポイント)の関係性をみてみます。

【図4】tv250326billboard04.png

「幾億光年」は、1月クールのTBS火曜ドラマ「Eye Love You」主題歌で、1月24日に配信リリース、2月28日にCDシングルリリースされました。4月24日にはBillboard JAPANチャートにおいてストリーミング累計1億回再生を突破しました。
ドラマの放送期間中、動画再生ポイントは上昇し続けました。また、6月上旬、Z総研「Z世代が選ぶ2024年上半期トレンドランキング・流行った曲」や、マイナビティーンズラボ「2024年上半期10代女子が選ぶトレンドランキング」で上位だったことが、フジテレビ「めざましテレビ」、日本テレビ「news zero」などの報道・情報番組で取り上げられ、動画再生ポイントも上昇しました。11月下旬には、「第66回日本レコード大賞」優秀作品賞の発表、NHK「第75回NHK紅白歌合戦」の出場歌手発表などもあり、報道・情報番組で取り上げられる回数が増加。動画再生ポイントも上昇していました。
このように、報道・情報番組でランキングや年末音楽番組の出演者・楽曲が紹介されることによって、公式MVを視聴する人が増加し、動画再生ポイントも上昇する効果があると思われます。

●こっちのけんと「はいよろこんで」
2曲目は、曲別ランキングで16位となった、こっちのけんと「はいよろこんで」。テレビ露出と、Billboard・トータルポイント(CDセールス、ダウンロード、ストリーミング、ラジオ再生、動画再生、カラオケの6種類のデータからなるポイント)の関係性をみてみます。

【図5】tv250326billboard05.png

「はいよろこんで」は、5月27日に配信開始。7月3日発表のJAPAN Heatseekers Songsで首位を獲得し、トータルポイントは8月中旬まで上昇し続けました。この期間、7月22日 日本テレビ「ZIP!」の「SHOWBIZ ハックツ」、8月1日 日本テレビ「news every.」の「4時コレ」、8月2日 TBS「THE TIME,」の「全力TIMEライン」など、各局の情報番組で特集されました。
11月には、「2024ユーキャン新語・流行語大賞」ノミネート30語の発表、マイナビティーンズラボ「2024年10代女子が選ぶトレンドランキング」、「第66回日本レコード大賞」新人賞の発表、「第75回NHK紅白歌合戦」出場歌手発表など、情報番組などで取り上げられることが増加。それに伴い、トータルポイントも上昇していました。

●Da-iCE「I wonder」
3曲目は、アーティスト別ランキング16位のDa-iCEの楽曲で、音楽番組での演出が話題になった「I wonder」。テレビ露出と、ストリーミングポイントの関係性をみてみます。

【図6】tv250326billboard06.png

「I wonder」は、4月クールのTBS火曜ドラマ「くるり~誰が私と恋をした?~」の主題歌で、4月17日配信リリース。ドラマの放送期間中、ストリーミングポイントは上昇し続けました。
ドラマの放送終了後も、6月下旬にはDa-iCEが「THE FIRST TAKE」に登場したことが情報番組で取り上げられたことや、6月26日 テレビ東京系「テレビ東京開局60周年特別企画テレ東ミュージックフェス2024夏」、7月3日 フジテレビ系「2024FNS歌謡祭夏」、7月13日 TBS系「音楽の日2024」、7月19日 テレビ朝日系「ミュージックステーション夏祭り3.5時間SP」など音楽番組での披露が続いたこともあり、ストリーミングポイントはドラマの放送期間中よりも高い水準となりました。
11月に入ると、音楽番組での楽曲披露や、「第66回日本レコード大賞」新人賞の発表、「第75回NHK紅白歌合戦」出場歌手発表などが情報番組で取り上げられたこと、バラエティ番組でも楽曲が使用されたこともあり、12月末までポイント上昇が続きました。

さいごに

今回は、2024年にテレビで使用された回数の多い楽曲・アーティストのランキングの紹介、アーティスト別で最も楽曲が使用された「Mrs. GREEN APPLE」について、どの楽曲がテレビでどのくらい流れたかというデータの紹介、2024年に話題になった3曲のテレビ露出とBillboardチャートの関係性をみてみました。
「CHART insight Plus」では、このほかにも、番組視聴率の推移と露出楽曲のチャートデータの推移の分析、タイアップ曲の視聴率とチャートデータの露出効果の検証も行うことが可能です。
ご興味お持ちいただいた方はお問い合わせください。

【本記事で紹介したサービス】
・サービス名:「CHART insight Plus」

サービス一覧

関連記事