「アドフラウドとは?」今さら聞けない!基本の『キ』
日々急速な進化を遂げるデジタルマーケティング業界。
皆さんも、毎日のように各社から発信されるニュースで最新情報をキャッチアップしたり、実務上デジタルマーケティングに関わることも多いかと思います。
このコーナーでは、皆さんがニュースや業務で触れるデジタルマーケティングに関する多くのサービスで頻繁に目にする・・・けれども、"基本"であるがゆえ、詳しく説明されることが少ない「単語」や「仕組み」について、初心者にもわかりやすく説明していきます。
今回のテーマは、「アドフラウド」です。
【これも知っておきたい!】
デジタル広告に求められる「透明性」とは?
アドフラウド="広告詐欺"
「Ad」=広告
「Fraud」=詐欺 を意味します。
詐欺、とは具体的に何を意味するのでしょうか。
ここで言う詐欺とは、『実際には広告による効果がないのに、効果があったように見せかける』行為をさしています。
広告の「効果」にも以下の通り色々ありますが、
・広告を「表示させる」ことによる効果
例)バナー広告を見て、商品の購買意欲があがり後日店舗での商品購入につながった
・広告を「クリックする」ことによる効果
例)動画広告をクリックし、自社のHPにアクセスしてもらったことで自社のメルマガ会員に新規登録してもらえた
これらの効果が「あった」とウソをついて騙しているので"詐欺"と呼ばれているわけですね。
「誰が」「誰を」「どうやって」騙すのか?
以下は、りさ子さんという女性が、「洗剤A」のバナー広告をとあるサイトで見かけるまでの"裏側"の流れをざっくりとまとめたものです。
(実際にはもっと多くの人やシステムが介在していることが多いですが、だいたいの流れはこのようになります。)
④で代金を受け取るための条件としては、大きく分けると「広告を出した=サイト上に表示させた」ことを理由にする場合と「広告をクリックした」ことを理由にする場合と2パターンありますが、(※1)
以下では例として、「広告を出した=サイト上に表示させた」ことを理由にする場合を図示しています。
※1 「広告を出した=サイト上に表示させた」ことで料金が発生する仕組みをCPM(Cost Per Mille)方式、「広告をクリックした」ことで料金が発生する仕組みをCPC(Cost Per Click)方式と呼びます。
ここで、サイト運営者がこんなわるいことを考えたとします。
「リロード」とは、開いたそのページを、新たに読みこみ直すことを意味します。
例えば皆さんが、ご自身のPCで「F5」キーを押すと、そのページをリロードすることができます。
この場合、皆さんが見るページは、リロードする前も後も同じページなのですが、「ページを見た」という"回数"のカウントは「2回」となります。
このことを悪用し、実際にはそのページが誰かに見られているわけではないのに、勝手にページをリロードさせるボット=自動で動くプログラムを仕込むことでそのページが見られた回数を水増ししている、という事例が実際にあります。
ページが見られた回数が増えるということは、そのページ上に載る広告の見られた回数も同じく水増しされるということになります。
もし、このページに載る広告が「サイト上に表示された」ことで料金が発生する仕組みになっていた場合、広告を出稿した広告主は、ボットが見た分まで料金を請求されてしまうことになります。
ボットが広告を見たところで、当然ながら商品・サービスを買ったり、興味を持つなどの"広告効果"は一切発生しません。広告主から見ると、ボットが見た分の料金を騙し取られている、といえます。
上記の例だけではなく、アドフラウドにはさまざまな手口があります。下記のサイトで非常に分かりやすくまとめられていますのでご興味のある方はご覧ください。
悪魔のアドフラウド14の手法まとめ ---- いまのネット広告は落とし穴だらけ!【Web担Forum】
"詐欺"にあわないためには?
このような"詐欺"が起きないよう、広告業界でも様々な対応が取られています。
中でも最も多いのが、広告を出稿するサイト運営者側(媒体社)のクオリティを担保するものです。
クオリティ担保の手段としては、大きくは以下の3つのレベルに分かれることが多いです。
【サイト運営者のクオリティを担保する手段例】
■「このサイトは悪質だ」と判断したサイトには広告を配信しない
・・・「悪質だ」と判断されたサイトを"ブラックリスト"と呼ぶことがあります
■「このサイトは悪質ではない」と判断されたサイトのみに広告を配信する
・・・ブラックリストではないサイトのみに広告を配信するので、このようなサイトをまとめて"ホワイトリスト"と呼ぶことがあります
■厳選された良質なサイトのみに広告を出稿する
・・・ここで選ばれた、厳選された良質なサイトをまとめてPMP(プライベート・マーケット・プレイス)と呼ぶことがあります
広告を配信するサイトの数を絞り込めば絞り込むほど、"みんなが広告を出したい良いサイト"ばかりが残るので広告を出稿するための料金単価もあがります。
広告を出稿する機会があった際には、このような「広告詐欺」もあることを念頭に置いたうえで、皆さんにとって最適な出稿プランは何かご検討いただくことをおすすめいたします。
いかがでしたか?アドフラウドという考え方は、どんなプランで広告を出稿するのか考える際に必ず必要となる知識です。
そして、広告の出稿にあたっては、同様に知っておきたい知識が他にもいくつかあります。
ぜひ以下もご覧ください。
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