[VR LINC ソリューション事例 ] ソネット・メディア・ネットワークス(株)"つなぐ"ことでテレビCM視聴者に向けてより確度の高い広告配信を実現

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生活者データ
#CM #VR LINC #インターネット #効果検証
[VR LINC ソリューション事例 ] ソネット・メディア・ネットワークス(株)

(株)ビデオリサーチ
デジタルビジネス推進部
待井 規豊

ソネット・メディア・ネットワーク(株)
商品企画部
シニアプロデューサー
谷口 考志 氏

「VR LINC」によってテレビ視聴データを広告配信のDSPに活用しているのが、ソネット・メディア・ネットワークス株式会社です。同社は、ソニーグループのマーケティングテクノロジー会社として最先端技術を活用した広告配信サービスを提供しています。独自の技術やアルゴリズムを用いてデジタル広告配信を行うことにより、広告出稿企業のインターネット広告効果の最適化を実現させています。
今回はデータ連携に携わった商品開発担当の谷口氏に、どのような課題を解決するために利用したのか、またその効果について、本件を担当した当社デジタルビジネス推進部の待井がお話を伺いました。

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【VR LINC】

テレビ視聴データを使い、広告配信対象のユーザーを拡張

待井:改めて御社のサービスについて教えていただけますか。

谷口:ソネット・メディア・ネットワークスでは、「Logicad(ロジカド)」というDSPを中心に、アドテクノロジー、メディアプランニング、アフィリエイトにおけるソリューションサービスを提供しています。「Logicad」はソニーグループが培った技術で開発した国産DSP※1で、私が所属するアドテクノロジー事業では、この「Logicad」を中心に販売しています。この商品は、ゼロベースから独自開発したAI「VALIS-Engine(ヴァリス・エンジン)」を活用し、広告配信を行っています。

待井:「VALIS-Engine」は、広告配信の際、どのように活用されているのでしょうか。

谷口:「VALIS-Engine」の具体的な活用方法のひとつは、性別や年齢などのユーザー属性の予測です。当社はDSPとして、広告の自動取引をオークションで行う際、広告媒体側のSSP※2から、IDベースで広告枠の情報をもらっており、その情報を「VALIS-Engine」がデータ解析をします。
ユーザーの属性や行動履歴を独自のアルゴリズムで解析することで、近い未来に特定の行動をしそうなユーザーを推測し、配信量を増やしながら広告効果を上げることを実現しています。この技術を用いて、最低数百のユーザー情報をもとに膨大なユーザーの拡張を行い、広告を配信することが可能になっています。

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※1 DSP(Demand-Side Platform)は、広告主の広告効果最適化を目指すプラットフォーム
※2 SSP(Supply-Side Platform)は、媒体の広告枠販売や広告収益最大化を支援するツール

待井:「VR LINC」では、当社からユーザーのテレビの視聴量、視聴の特徴量からユーザータイプをセグメントし、ユーザー情報にセグメントのフラグを付けて提供しています。このサービスは、テレビ視聴データやメディアデータ、プロフィールデータを、企業が保有する各種データに連結・統合し、付加価値をつけるものです。このデータも「VALIS-Engine」の学習データのひとつとして活用されていますよね。

谷口:そうです。その情報を「VALIS-Engine」を通じて「Logicad」に連携しています。ユーザーセグメントをつくっていただいているので、当社のほうでセグメントごとにユーザーの特徴を調べ、解析し、近しいユーザーに拡張して配信していく、といった形です。

"CMを見ている人"を特定できる手法の確立が急務だった

待井:「VR LINC」によるデータ連携以前は、どのような課題を抱えていらっしゃいましたか。

谷口:当社の既存のターゲティングメニューのひとつとして、「テレビCMリアルタイム連動型広告」があります。仕組みはタイミングをベースとして、CM放送後30分?1時間など時間を区切って広告配信する形です。そのため、"CMを見ている人"を特定する手法は持ち合わせていませんでした。

待井:なるほど。広告主、広告会社に対して配信の選択肢を増やしたい部分があったということですね。

谷口:そうです。「テレビCMリアルタイム連動型広告」というと「おっ!」と目を引くし、他社にはないサービスで、反応もすごくいい。テレビデータは「反応があるのだ」と認識できた商品ですね。一方で、そもそもタイミングを掴むことと、人を特定することは、配信の手法として異なるものですので、ユーザーをターゲティングできるものがあれば、更に強力なメニューが増えると考えていました。

テレビCMの視聴者に向けて、より確度の高い広告配信が可能に

谷口:そんな時に、ご案内いただいた、「VR CUBIC」のテレビ視聴データはいわゆる視聴率データに近い傾向を示すという話でしたので、「VR LINC」で連携させることで、テレビCMの視聴者を特定したターゲティングができるのではないかと期待しました。

待井:ちなみに、ビデオリサーチはデータを提供するだけでなく、データ連携もできる、と聞いてどうでしたか。

谷口:今思えば「確かに、そういうこともやれるよね」という感じはありますが、当時は「ビデオリサーチって視聴率データだけじゃないんだ」と意外でした。視聴率の測定だけでなく、メディアや生活者を捉える様ざまな調査データをお持ちなのは面白いなと感じました。

待井:「VR LINC」のように、新たに社外のデータを利用するにあたり、社内調整のハードルは高いものなのでしょうか。

谷口:状況に応じてなので一概には言えないですが、「VR LINC」についてはスムーズに進めました。「Logicad」によるブランディング広告強化の観点で、Webデータだけではなく、例えばテレビなどのリアルデータが欲しいというタイミングでした。またトレンドとして2〜3年前よりブランド広告寄りに世の中がなってきているので、時期的にはやりやすかったと思います。

待井:具体的にどのようなプロセスで進められましたか。

谷口:既存の「テレビCMリアルタイム連動型広告」の磨き上げとして考えており、当社が持っている仕組みを生かしたため、改めて何かを開発することはありませんでした。プロセスとしては、セグメントされたデータをいただき、自社で開発した「VALIS-Engine」を使い、個々のターゲティングに使ってもらう形です。スムーズに導入できたと思います。

待井:もともと御社でデータを使って拡張する仕組みはあったので、そこに項目が増えたようなイメージでしょうか。

谷口:わかりやすく言うと、そうです。テレビの視聴データを「VR LINC」で連携したことにより、「VALIS-Engine」の学習の幅が広がったことがひとつの価値になっているのかなと思っています。

待井:調査パネルがcookie syncや広告ID/広告識別子と連携できることも、デジタルを主としているメディアにとって魅力的でしょうか。

谷口:実際、調査パネルだけですと、良い悪いはあるかなと思います。当社は拡張技術があるので、もらったデータをもとに拡張できるのですが、cookie syncや広告ID/識別子が無いと、そもそも拡張が実現できないため、そこは前提として必要です。一方で、拡張できたとしても、その精度を問われる場合もあります。いただくデータの質と量を両立しながら生かせることで、お客様がはじめてご納得できるのではと考えます。

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「VR LINC」によるテレビ視聴データ利用により、「Logicad」自体の導入実績も好調

待井:お客様からは、どのようなリアクションがありますか。

谷口:「VR LINC」によるデータ連携で、実際に「Logicad」のテレビ視聴者ターゲティング配信の導入実績は増えています。特に動画広告配信でお客様にはかなりご利用いただいています。そういう意味では、当初考えていた課題解決の手段としてマッチしたと感じています。たとえば、テレビ局さんの依頼で、バラエティ番組の番宣を出稿するから、番宣に合う"バラエティ好きな人"をターゲットに広告を当てる、というようなことが可能になります。 1配信あたり何円というデジタル的取引ではなく、「こういった人に見られるように配信できればいいよ」という文脈でご納得いただいていることが多いです。そういう意味で、割と旧来のマーケティングに近いかもしれません。

待井:お客様の納得感を得られる材料になっているということでしょうか。

谷口:そうですね。最終的にはお客様が考えている顧客層に当たって、広告の商品サービスの認知率が上がるのが理想的ですが、今はまだ手前の段階だと思います。一定水準の量・質を伴ったリアルデータを使い、拡張技術を駆使することで、"確からしい人"に当たっている。それをご納得いただければ、導入の意義はあると考えています。

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ビデオリサーチがソネット・メディア・ネットワークス社に提供している広告配信セグメント
「テレビ番組嗜好者セグメント」を下記サイトで紹介しています。
http://www.so-netmedia.jp/topics/news-2018-pr_release_20180201/

待井:今後、ビデオリサーチはどんなお手伝いができるでしょうか。

谷口:もちろんデータの精度という点でお客様から課題をいただくことはあります。挑戦していきたいのは、全数データによるターゲティングで効果を上げること。そのためにも、拡張元のデータ量を増やし、質の部分で精度の向上が進んでいけば、ベストです。

待井:「Logicad」は、番宣、ブランディング、認知向上に対して有効に活用いただける商品だと思います。サービスの一端をお手伝いしている私たちとしても、ぜひたくさんのお客様に活用いただきたいですね。

谷口:ありがとうございます。世の中的にテレビからデジタルにシフトしていると、あちこちで叫ばれていますが、テレビ視聴データを活用して配信できる利点は大きくあると感じます。テレビでは届きにくい人にもっと認知を広げるとか、見ている人にWebで理解をもっと増やしていく、といった施策ができるはずです。そのなかで、静止画・動画ともに広告配信の部分で、当社の「Logicad」はお役に立てます。導入をご検討いただければ嬉しく思います。

待井:最後に、自分で聞くのもなんですが、サービスのローンチまでのビデオリサーチのフォロー体制はどうでしたか。

谷口:即時対応なのがよかったですね。私は営業出身で、レスの早さを重視しているので嬉しかったです。

待井:今日はどうもありがとうございました。引き続きよろしくお願い致します。

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データに関するお悩みをお聞かせください!

今回ソネット・メディア・ネットワークス社との取り組みを紹介させていただきました。同社の課題に対して、どのようなデータとソリューションが必要なのかを突き詰めた結果、先方が持つデータと当社のテレビ視聴データを「VR LINC」で連携して、広告のセグメント配信という形を実現させました。

繰り返しになりますが、「VR LINC」とは当社の特定の商品やサービスを指すのではなく、お客様が所有しているデータに関する何かしらの課題に対して、VRのデータを連携、統合させることによって課題解決するソリューションを指します。

つまり、お客様がどのようなデータをお持ちで、そのデータに関してどのような課題があり、データ活用によって何を目標とするのか、お客様一人ひとりに合わせて提供していく形です。課題解決に近い形でVRデータを活用いただくために、お客様にどのようなソリューションが必要なのかイチからサポートしますので、まずはお気軽に当社営業担当者までお声がけください。

ビデオリサーチは「VR LINC」を通じてデジタルマーケティング時代のマーケティングエージェンシーとしての価値を提供していきます。

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