「自社サイト訪問者にプロフィールを付与するには?」今さら聞けない!基本の『キ』

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広告・マーケティング
#デジタル #今さら聞けない!基本の『キ』 #用語解説
「自社サイト訪問者にプロフィールを付与するには?」今さら聞けない!基本の『キ』

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日々急速な進化を遂げるデジタルマーケティング業界。
皆さんも、毎日のように各社から発信されるニュースで最新情報をキャッチアップしたり、実務上デジタルマーケティングに関わることも多いかと思います。
このコーナーでは、皆さんがニュースや業務で触れるデジタルマーケティングに関する多くのサービスで頻繁に目にする・・・けれども、"基本"であるがゆえ、詳しく説明されることが少ない「単語」や「仕組み」について、初心者にもわかりやすく説明していきます。今回は「自社サイト訪問者にプロフィールを付与するには?」をテーマにお届けします。

この記事はこんな方にオススメ!
  • メディア・広告がらみでデジタルマーケティング業務に従事している  もしくはこれから業務上取り扱う可能性がある
  • デジタルマーケティングのことは、「なんとなく」はわかるけど「詳しく」はわからないかも・・・

そもそも、プロフィールを"付与"する、とは

はじめに皆さんに2つ質問です。

Q1.普段、皆さんが自分のスマホやPCで見るウェブサイトのうち、"会員登録"までしているものはどのくらいありますか。
Q2.会員登録しているサイトでは、どのような情報を登録していますか。

多くの人が、1つ目は「ほとんどのサイトで会員登録せずにサイト閲覧している」、2つ目は「登録情報は、名前やメールアドレス、住所くらい」と答えることでしょう。会員登録しないと見ることすらできないコンテンツサイトや企業ホームページはほぼないでしょうし、登録情報として自分の趣味やよく行く繁華街、普段しているスポーツなどまで入力を求めるサイトも滅多にありません。
一方で、そのサイトを運営している企業からすると、サイトに来てくれた人=サイト訪問者がどんな人たちなのかを詳しく知りたいと思うのが一般的です。
たとえば、全国の特産フルーツを専門で取り扱う通販サイト「みかんショッピング」があったとします。「みかんショッピング」にアクセスしてくれた人について、好きなフルーツは何か、フルーツ以外に興味がある食べ物や飲み物は何か、どのあたりに住んでいて、何人家族なのか...などの情報が分かれば、アクセス者に対してどのような情報を提供すればいいのかをより精緻に見極め、提供していくことが可能になります。
上記のように、追加で欲しい情報を把握することを「(追加で欲しい)プロフィールを付与する」「補完する」などと呼ぶことが多いです。また、欲しい情報を付与することで、サイト訪問者の"人となり"が想像できるようになることから、「顔付けする」などと呼ぶこともあります。

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プロフィール付与の方法は2パターンある

では、皆さんが欲しいプロフィール情報を付与(補完)するにはどうしたらよいのでしょうか。
やり方は大きく分けると2パターンあります。「ダイレクトに付与する」方法と、「推計で付与する」方法です。
たとえば、「みかんショッピング」のサイトに訪問したりさ子さんという女性に、ビデオリサーチが保有する各種データを使ってプロフィールを付与するとした場合、2つの違いをざっくり図に起こすと以下のようになります。

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ポイントは、付与するプロフィール情報の"出所がどこか"という点です。「ダイレクトに付与する」方法はりさ子さん本人の情報をそのまま付与するのに対し、「推計で付与する」方法では、りさ子さんに"似ているヒトたち"の情報を使って付与しています。

VRD569_p27_mark_4.pngざっくりと違いが分かったところで、より詳しい内容を以下で見ていきましょう。

プロフィール付与までの流れ

1. ダイレクトに付与する方法の場合

まずは「ダイレクトに付与する方法」から見ていきます。
この方法の一番のポイントは、「みかんショッピング」のサイトに訪問したことがあり、かつビデオリサーチのアンケートモニターにも登録している人をどのようにして見つけ出すかという点です。見つけ出す方法は大きく分けると2つあります。

本人に直接お願いする

ビデオリサーチのアンケートモニターに対し、マイページ上などで「通販サイト『みかんショッピング』の会員になりませんか?」と勧誘するとともに、OKしてくれたモニターに対し、「アンケートモニターとして登録頂いた情報を、『みかんショッピング』の運営会社とも共有していいですか?」と直接許可を取る方法です。
ハードルは非常に高いですが、本人がその場で確認したプロフィール情報を確実に得ることができます。

CookieIDなど、なんらかのID情報をのりしろにして連携する

CookieID(Cookieにつける任意のID)や広告ID(アプリでの広告配信用ID)などの「ID」を"のりしろ"として、両サイトにアクセスした人を紐付ける方法です。
その中でもみなさんがよく耳にするであろう「Cookie Sync (Piggy Back)」は、「みかんショッピング」のサイト内、もしくはビデオリサーチのアンケートモニターページにタグを設置し、Cookieをのりしろにして両サイトともにアクセスする人を紐付けます。
紐付けた後は、キーとなるIDをもとにビデオリサーチから「みかんショッピング」の運営会社に対し、たとえば以下のようにプロフィール情報を渡すことができます。

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Cookie Sync / Piggy Backについての説明はこちら

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つづいて、「推計で付与する方法」を見てみましょう。

2. 推計で付与する方法の場合

推計で付与する場合に最も大事なポイントは、プロフィールを付与したい人(りさ子さん)と"似ているヒト"を探すための手がかりとなる情報をどのようにして集めるかという点です。
"似ているヒト"とは、言葉通り、りさ子さんと似ているヒトのことをさします。そしてここで何を以って"似ている"か、というのは、多くがその人の嗜好=好みを指します。例えば、美容やコスメに興味があるりさ子さんに対し、「同じく美容やコスメに興味があるAさん」「旅行好きのBさん」の2人のどちらにりさ子さんは近いのかと聞かれたら、ほとんどの人が「Aさん」とこたえることでしょう。
そして、りさ子さんの嗜好を知るには、ウェブ上でアクセスした各サイトのラインナップを見渡すことが有用とされています。上記の例で言えばおそらく、りさ子さんは「アットコスメ」や「MERY」「antenna」などの美容やコスメ情報に特化したサイトの閲覧量が他の人よりも多めに出ていることでしょう。

では、りさ子さんがウェブ上でアクセスした各サイトのラインナップを知るにはどうすればよいのでしょうか。
よく使われるのはタグを用いて情報収集するというものです。具体的にステップを追ってみていきましょう。

タグを用いて"似ているヒト"を見つけ出すには?

【事前準備】「みかんショッピング」のトップページに、情報収集用の専用タグを設置しておく

事前の準備として、まずはプロフィールを付与したい人が訪れるサイト(みかんショッピング)に情報収集用のタグを設置しておきます。
このタグは、タグが設置されたページが読み込まれると下記の2つの命令を実行させます。
この例では、最もアクセスが多いであろう「みかんショッピング」のトップページにタグを設置したと仮定します。

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【1】 タグが読み込まれ、命令内容が遂行される

りさ子さんが自宅PCブラウザで「みかんショッピング」のトップページにアクセスすると、このページに設置されたビデオリサーチのタグが発火し、りさ子さんのブラウザにビデオリサーチのCookieIDが新しく発行→付与されます。
付与されたCookieIDは、【2】以降のステップでの"台帳"の管理番号として使用されます。

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【2】【1】以降に見た他のサイト情報も記録・蓄積される

その後、りさ子さんが当該PCブラウザで他のさまざまなサイトを閲覧していく中で、同じようにビデオリサーチのタグが設置されたページにアクセスすると、【1】と同様にタグが読み込まれます。このとき、都度新しいCookieIDを発行するのではなく、【1】の際にすでに発行済みのCookieID「1234」があるので、このID情報をビデオリサーチにお知らせするのがポイントです。
同じCookieIDでサイト閲覧情報をビデオリサーチに伝えておくことで、ビデオリサーチ側では、「CookieID『1234』のヒトが閲覧したサイト一覧」という"管理台帳"をまとめることができます。

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【3】 【2】で集めた情報と他のヒトの"管理台帳"を照合し"似ているヒト"を探し出す

【2】で集めた方法と同じように、ビデオリサーチのアンケートパネルの中には、りさ子さん同様に、ウェブの閲覧履歴を"管理台帳"として持ったモニターを取りまとめた特別パネルがあります。この特別パネルの中から、【2】で集めたりさ子さんのウェブ閲覧履歴と似たような履歴を持ったモニターたちを抜き出し、"似ているヒト"グループを作り出します。

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【4】 【3】で探し出した"似ているヒト"の特徴を、予想プロフィールとしてりさ子さんに付与

【3】で探し出した"似ているヒト"グループにおける、付与したいプロフィール情報の集計結果を算出します。この集計結果で、スコアが高いものをりさ子さんの予想プロフィールとして、彼女に付与します。
たとえば、"似ているヒト"グループ(該当者数:50人)の「好きなフルーツ」アンケート結果を集計したところ、
みかん、メロン、いちごの3つ・・・95%
メロンのみ・・・3%
みかん、いちごの2つ・・・2%

だった場合、りさ子さんには最もスコアが高い「みかん、メロン、いちごの3つ」を「好きなフルーツ」の予想プロフィールとして付与します。

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※1〜4の図は、理解を促進させるための「例」です。ビデオリサーチが図中に登場する企業/サイトと図のような事業を行っているわけではありません。

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ダイレクトで付与/推計で付与、どっちがいいの?

ここまでプロフィールを付与する方法として、ダイレクトで付与する方法と推計で付与する方法の2つをご紹介しました。
両者の特徴をまとめると以下の通りです。

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上記にまとめたとおり、推計で付与する方法において認識しておく必要があるのは、ここでりさ子さんに付与したプロフィールはあくまで「予想」であり、「100%確実」ではないということです。
たとえば前章4で記載した「好きなフルーツ」のアンケートをとった場合、例であげた

みかん、メロン、いちごの3つ・・・95%

このような極端な偏りのある結果が出ることは、実際にはほとんどないということは想像に難くないはずです。
偏りが少なければ少ないほど、りさ子さんに予想プロフィール情報として「1つの正解予想」情報を推計し、付与することは難しくなります。
本当にあっているかどうか100%の精度は求めないから得られるプロフィール情報が少ないよりは多いほうがいい、と思う方もいれば、100%確実ではないプロフィールをもとに分析を行ったり、その分析結果をもとに経営判断を下すことに抵抗感がある方もいますので、推計で付与する方法を利用する際は、自社の事業における利用シーンや事業への影響度等を加味することが肝要です。

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いかがでしたか?
プロフィールを付与することで、単にサイトに来た人がどんな人だったかを分析するだけでなく、その後のサイト改善やCRMなど、さまざまな業務への活用が可能となります。考え方をぜひモノにして、皆さんの今後の業務に活かせることを願っています。

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